ナツノヒ

UNISON SQUARE GARDENについて色々触れちゃうブログです。語彙がないから複合技でお送りしております。

Ninth Pencil

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UNISON SQUARE GARDEN

 

9th ALBUM 「Ninth Peel」

 

1st ANNIVERSARY EVENT

 

letter writing fiesta

 

「Ninth Pencil」

 

Now On View!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"記念日を迎えに行く"

 

企画「Ninth Pencil」が終わりを迎えると同時に…9thアルバム「Ninth Peel」が1周年を迎える。

 

普通のロックバンドの最新作を普通に書いてみた結果は案外大変だったかもしれない。

 

けれど、同時に普段見ることにない景色に出会えた瞬間でもあるはずだ。

 

書いた人間も読んだ人間もその意義を十二分に感じ取ることができれば幸いに思う。

 

思いだけでも、能力だけでも、描けない未来はたくさんある。

 

だからこそ、この1回しかないお祝いは貴重でかけがえのない時間になるのだろう。

 

楽しすぎる12日間を経て、今度は盛大すぎる記念日を迎えてみせよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CONTENTS

 

 

 

1.その希望の名は/はすのめ

 

 

 

 

 

2.『恋する惑星』とかいうよく分からないチャラい曲と向きあった日々/樒

 

 

 

 

 

3.ベーター=エレ (正しい記事まで)運んでくれ/ハグルマルマ

 

 

 

 

 

4.「カオスが極まる」を多角的に捉える/夕奈

 

 

 

 

 

5.心の余白に気付かされた「答え」/Gotan

 

 

 

 

 

6.毒蛇が示すその先に/てるる

 

 

 

 

 

7.生姜ってしびれるんですか?/なおめろ

 

 

 

 

 

8.隣にあるのは/栗花落

 

 

 

 

 

9.そのトレンドに用はない/にゃ

 

 

 

 

 

10.かくしてまたストーリーは始まる(T.B style)/ナツ

 

 

 

 

 

11.フレーズボトルの流れ着く先で/ともり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局わかりそうでわからないこのアルバムは、今日も僕らの日常に溶け込みながら、何食わぬ顔で最新作として名を連ねるのであろう。

 

まあそれでもいいのかもしれない。

 

ただ、わかったことは一つあると確信している。

 

それはきっとわからないままでもいいことだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"望みが全てではないのでは?"

 

 

この経験が僕らを豊かにしてくれる。

 

各々が曲と向き合った時間を大切にしながら…また次の文字への準備を始めよう。

 

新たな祝祭はもうすぐそこまで近づいているから。

 

 

 

 

SEE YOU NEXT SENTENCE!!

 

【Ninth Pencil】かくしてまたストーリーは始まる(T.B style)〜kaleido proud fiesta〜

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"ごきげんよう どうかしたんだろ? 顔を見れば一瞬でわかるよ"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"リプレイ、まだ平気かい? 止まれはしないんだよ 無我夢中に理由は毛頭ない"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"I miss youを通過してどれぐらいだろう"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"Sunrise 情熱が街と遊んで疲れるまで ウララ 痛快に吠える 吠える wao"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"かくしてまたストーリーは始まる"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

企画「Ninth Pencil」もいよいよ大詰めを迎えております。

 

10日目である本日の楽曲は「kaleido proud fiesta」、UNISON SQUARE GARDENの17thシングルでもあり、リード曲やタイアップ曲を抑えて、アルバムの終盤に収録された大切な曲です。

 

シングルツアーの表題曲となったり、様々なツアーの中心部にセトリ入りしたりするなど、バンドとしても重要なピースを担っている曲でもあります。

 

また、昨今の傾向として、「10% roll,10% romance」や「春が来てぼくら」など…後半のトラックに収録されるシングルは、アルバムにおいても非常に大きな役割を果たした印象が強いです。

 

そんな本曲はどこをどう切り取っても、一つの文章として成り立つような強さを持っています。

 

ただ、この曲に触れていくなかで、僕が一番心を震わされた瞬間は揺るぎなく変わることがありません。

 

今回はその意味とこの曲でなければ表現できなかった世界観について書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

言わずと知れたロックバンドと縁深いアニメ「TIGER&BUNNY」…ユニゾン知名度を急上昇させたOP「オリオンをなぞる」や劇場版の主題歌となった「リニアブルーを聴きながら」「harmonized finale」、さらには彼らとアニメの関係性を表した「I wanna belive、夜を行く」など、これまでたくさんの楽曲が生み出されていった。

 

今回取り上げている「kaleido proud fiesta」もその1曲であり、2022年にNetflixで配信された続編「TIGER&BUNNY2」のOPに起用された。

 

"かくしてまたストーリーは始まる"

 

この歌詞だけでこれまでの歩みを全てを集約できるような…そんな劇的な始まりを感じさせる幕開けは確かに続編の主題歌として申し分ないものであった。

 

ただ、僕が今回フューチャーしたいのはもう少し後の話のこと。

 

それはまさにクライマックスである第25話(最終回)「Today is not just tomorrows yesterday.
(今日は、単なる明日の昨日ではない)」の1シーンである。

 

2年近く前に配信された作品ではありますが、ここからは結末のネタバレも詳細に含みますので、今後視聴予定のある方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終回までの内容を大まかに説明すると、この作品には特殊能力者「NEXT」と呼ばれる人々がおり、その能力を活かした"職業"としてヒーローたちがシュテルンビルドという街を守っていた。

 

2期の後半では、「NEXT」能力者が暴走する事件が多発し、世間では「X」と名付けられた感染症の可能性があることが示唆され、「NEXT」能力者を迫害する風潮が高まっていた。

 

この物語の主人公であるバディ「タイガー&バーナビー」のワイルドタイガー=鏑木・T・虎徹バーナビー・ブルックスJr.をはじめとしたヒーローたちも活動の休止を余儀なくされていた。

 

そんななかで、感染症「X」の正体が脱獄囚グレゴリー・サンシャインの"「NEXT」を暴走させる"能力とそこに目をつけた犯罪組織「ウロボロス」の策略が原因であることに気づく。

 

紆余曲折あり、ついにグレゴリーとウロボロスの企みを突き止め、彼らとグレゴリーが暴走させた最強のNEXT犯罪者である非合法ヒーローL.L.オードゥンとの最終決戦を迎える。

 

だが、グレゴリーを追い詰めたワイルドタイガーは不意を突かれて、自身の能力である「ハンドレッドパワー(一定時間身体能力が100倍になる)」を暴走させられてしまい、オードゥンと同様に見境がないまま暴れ回ってしまう。

 

同じ「ハンドレッドパワー」を持つ相棒のバーナビーが止めようとするものの、彼の能力はすでに使用済みであり、発動後1時間は能力を使うことができない。

 

皮肉にもこれがテレビ中継されていたことで、「X」が感染症ではなく「NEXT」能力によるものであることが証明されるが、仲間のヒーローも救助活動で手一杯であり、誰も助けに向かうことはできなかった。

 

無敵のオードゥン、逃亡するグレゴリー、そして暴走する虎徹

 

これらを相手取ることは能力を発動できないバーナビー1人では不可能であり、一時的に協力関係を結んだダークヒーローのルナティックも戦闘不能になってしまう。

 

もうダメかもしれない。

 

仲間もシュテルンビルドの市民も相棒であるバーナビーもそう感じたとき、思いもよらない展開が訪れる。

 

何と虎徹とバーナビーが協力してオーディンを拘束していた。

 

そう、虎徹の暴走がおさまったのだ。

 

能力が解けたことに安堵する仲間たち。

 

しかし、その後の虎徹の一言で衝撃が走る。

 

 

 

 

 

虎徹は「NEXT」能力を失っていた。

 

以前より能力が減退していた虎徹は、グレゴリーによって引き起こされた暴走によって、全ての力を使い切ってしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

TIGER&BUNNY」シリーズを通して、虎徹の「NEXT」能力の減退という要素が大きく取り上げられていた。

 

1期後半より減退の兆候が現れており、元々5分間だったハンドレッドパワーの持続時間も1分間まで短縮されていた。

 

それでも、2期になると慣れてきたようで、上手く能力を使いこなしている姿が多く見られていた。

 

同時にバディシステムを採用したヒーローサイドにとって、バディの先達として相棒バーナビーとの関係性についても安定感を感じさせる場面が印象的であった。

 

そんななかでの能力の"消失"…仲間たちにとっても突然の出来事に思わず意気消沈してしまう。

 

だが、敵は待ってくれない。

 

能力が使えないヒーローと能力が発動できないヒーローのバディはオードゥンという最強の敵に徐々に追い詰められていく。

 

しかし、ここでバーナビーの能力が回復し、ついに形成が逆転する。

 

バーナビー自身も過去の戦いで足を負傷しており、能力発動時に原因不明の痛みに苛まれているが、それでも構うことなく能力を発動する。

 

少しずつオードゥンを追い詰めていくが、激戦のダメージからスーツが破損しまったことで、ナノテク素材による装着が解けてしまう。

 

その瞬間…

 

 

 

 

 

 

 

「バニー!俺のを使え!」

 

 

 

 

虎徹が自身のスーツのブレスを投げると、それを装着したバーナビーがワイルドタイガーのスーツを身に纏う。

 

TIGER&BARNABY!HERO MODE!!』

 

着脱式の他のヒーローとは異なるナノテク素材によるブレス式の装着スーツだからこそ、実現した展開…まさにタイガー&バーナビーというバディを表したような存在がこの土壇場で登場した。

 

その状態でバーナビーが渾身のキックを放つと、オードゥンは戦闘不能となり、今度こそ拘束に成功する。

 

逃走したグレゴリーもワイルドタイガーのファンであるジョリーが通報したことにより、因縁あるヒーローのゴールデンライアンと相棒のブルーローズによって確保される。

 

かくして、虎徹の能力消失という大きすぎる代償はあったが、グレゴリーによる他の被害者の暴走も解除され、事件は無事解決へと至った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上が最終回のあらましであるが、僕はこのシーンに大きな意義を感じた。

 

それは人生は選択の連続であり、一見過酷で価値の低い道だと選んだとしても、選んだこと自体に大きな意味を持つということ。

 

最終回の結末は決してハッピーエンドではないと思う。

 

虎徹は能力を失ったことでヒーローを引退することを余儀なくされ、バーナビーの足も完治したわけでない…何より「タイガー&バーナビー」というバディヒーローの活躍を見ることはおそらく今後はなくなってしまうのだろう。

 

11年という長い月日をかけて、2人の歩みを描いてきたからこそ、その重みを改めて実感させられてしまう。

 

しかし、この結末は能力が減退しても、ヒーローであり続けることを虎徹が諦めなかったから迎えた結果でもある。

 

1期の最終回で引退したものの、2部ヒーローとして復帰し、劇場版「The Rising」で2部が廃止されてからも不屈の心で1部復帰を果たしてみせた。

 

"強いだけが正義ならば ヒーローなんていらないし"/I wanna belive、夜を行く

 

それは虎徹がただ強いからではない。見知らぬ誰かの…シュテルンビルド市民のために動くことができる男だから、誰よりもヒーローであろうとしたからこそ、1分間という能力の制限にも折れることなく活動を続けることができた。

 

そこに行き着くまでに様々な困難もあったが、虎徹は娘をはじめとした家族や仲間であるヒーローたち、そして相棒であるバーナビーに支えられながら…自分の信じる道を選んできた。

 

茨の道を進んできた結末は、決して満足のいくものではなかったかもしれない。

 

だが、例えばバーナビーの能力が暴走してしまったとすれば、暴走状態から脱することもなく満身創痍のヒーローたちになす術はなかっただろう。

 

もっと言えば、スーツを破壊されてしまったバーナビーが再び戦闘可能となるためには、ワイルドタイガーのスーツを装着できる必要があり、これは過去の虎徹のアイデア(番外編でスーツの認証システムにお互いのデータを登録していた)によって実現した方法であった。

 

この事件で最も過酷な結末を迎えたヒーローは間違いなくワイルドタイガーであろう。

 

だが、事件解決に向けて、最もなくてはならない存在であったのも鏑木・T・虎徹という男だった。

 

"能力減退"をしており、"相棒も装着可能なスーツ"を纏った虎徹がいなければ、最悪の場合はヒーローが敗北する未来もあったのかもしれない。

 

さらにいえば、逃亡したグレゴリーを発見したのは街頭ビジョンでワイルドタイガー応援していたジョリーであり、虎徹がヒーローを続けていなければ、この勇気ある通報も実現しなかったかもしれない。

 

このように最終回の事件解決に向けた様々な要因には、ワイルドタイガー=虎徹が関わっていた。

 

決して爽快感ある最終回ではなかっただろう。

 

ビターな結末に何とも言えない気持ちを抱えてしまった人も多いと思う。

 

けれども、1人のヒーローがもがき続けた歩みは確かに意味ある結果に昇華することができたのだと…そう断言することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生とは選択の連続だ。

 

選ぶことで次の道筋が決まり、選択権が自分にある限り、続けることも終わらせることもできる。

 

その結果をどう享受するかも自分次第である。

 

望んだ選択で苦しみ続けるか…望まない選択をして楽になるか…どちらが幸せと感じるかは人それぞれであろう。

 

"かくしてまたストーリーは始まる"

 

この歌詞を聴いたとき、「TIGER&BUNNY」シリーズの再開をこれ以上なく体現したフレーズであり、同時にロックバンドが新しいステージに突入したことを感じさせた。

 

劇場版の「The Rising」で一区切りを迎えたからこそ、新たな展開を始められたことを意味しているようにも思う。

 

何かを新たに始める権利は何かを終わらせた者にしか得ることはできない。

 

そして、それは選び続けた者にしか訪れることのない瞬間でもある。

 

 

"今日が今日で続いていきますように"/harmonized finale

 

 

最終回のタイトルである「Today is not just tomorrows yesterday.(今日は、単なる明日の昨日ではない)」にもあるように、"今日"は決して過去であるだけではなく、"今日"を何度も紡ぎ続けることで"明日"を描くことができるのだ。

 

「タイガー&バーナビー」というバディが本人たちの意志とは関係ない部分で解消されてしまうことは悲しいけれど…それは2人が常に後悔のしない選択をしてきたからこそ迎えた結果でもある。

 

きっと彼らの活躍がなければ、市民やヒーローたちが安堵するような景色を見ることはできなかったであろう。

 

 

"今を 今を 今を 今を 誇れるかだろう!"

 

 

決して望んではいない結末に対しても、できる範囲で足掻き続けることを決めた虎徹

 

1度は怪我で引退することを決めたが、痛みを乗り越えた経験を糧にし、虎徹のように可能な限りヒーローを続ける選択をしたバーナビー。

 

2人の選択が正しかったのかはいずれわかると思うが、その結果に満足できるかどうかは選んだ"現在(いま)"の心情に左右されるのかもしれない。

 

 

「隣にはいられないけど支え続けるよ」

 

 

最後のやり取りで虎徹がバーナビーにかけた言葉からも伝わるが、離れていたとしても「タイガー&バーナビー」というバディは揺るぎないことが示されていた。

 

 

 

『Are you happy?』

 

 

ラストシーンで事件現場に落ちいていたぬいぐるみから発せられた言葉に…バーナビーは静かに微笑みながら答える。

 

 

「Maybe(多分ね)」

 

 

選び続けた先の結果を受け入れた彼の答えは、まさに今の人生に誇りを持っているからこその思いであるようにも感じられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"かくしてまたストーリーは始まる"

 

 

再び立ち上がるバーナビーを映し出したカットで主題歌「kaleido proud fiesta」が流れる。

 

まさにこの終わりが新たな始まりだと言わんばかりに。

 

そして、手を振る虎徹のもとへと走っていく。

 

2人が同じ場所に並んでいないラストショットはバディが離れ離れになってしまうことを形容しているようで悲しみも感じさせたが。

 

同時に彼らの人生の新たな始まりも感じさせるようだった。

 

「タイガー&バーナビー」というバディヒーローは今日を持って解散するのかもしれない。

 

ただ、「TIGER&BUNNY」という作品の世界観においては、人生における一生のバディとなっていくのだろう。

 

そんな彼らに対して、祝祭の鐘を鳴らすように新たな始まりが告げられた。

 

生きている限り、人生は選択の連続だ。

 

だからこそ、選べることは尊いことなのであり、生き続けなければ選択することはできない。

 

望まない結果でも、描いた理想じゃなくても、生きているだけで人はまた何度でも仕切り直すことができる。

 

彼らの活躍の続きが見れることを祝った楽曲は、彼らの人生が続くことへの祝祭の意味も加わることとなった。

 

もしかしたら僕らが彼らの"快進撃"を垣間見る機会はもう実現しないかもしれない。

 

ただ、ヒーローたちの人生が変わらずに続いていくという…そんな僅かな救いだけでも祝う価値は十二分にあるような気がした。

 

バディじゃなくても、ヒーローじゃなくても、彼らは市民を救い続ける。

 

ちっぽけでもそんな確信があれば、祝うことに躊躇することはないんだろう。

 

 

"「だって本気なんだから」 理由はそれだけで"/リニアブルーを聴きながら

 

 

長い年月をかけて、「TIGER&BUNNY」を愛してきたからこそ、自信を持って彼らの幸せを願うことができる。

 

今日このときもシュテルンビルドという街はきっと変わらずに…ヒーローが平和を守っているんだろう。

 

そう…彼らが助けを求める誰かの声を探し続ける限り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"ココデオワルハズガナイノニ"/オリオンをなぞる

 

2011年に「TIGER&BUNNY」の放送が開始され、OPとしてUNISON SQUARE GARDENの5thシングル「オリオンをなぞる」が起用された。

 

この曲を切っ掛けにユニゾン知名度は広まり、今もなお活動を続ける大きな基盤となった。

 

これがバンドの転機となったことはファンの間では有名な話だろう。

 

ただ、そこまでの歩みは決して順風満帆ではなかった。

 

過去にメジャーリリースしたシングル4作、アルバム2作は思うように振るわず、本人たちや周囲が納得するような結果を出すことができなかった。

 

作詞作曲を担う田淵智也にとっても、バンドの音だけで制作するのではなく、ストリングスなどのメロディを多用するという大きな勝負に出た楽曲となった。

 

結果はここまでバンドが続いてることで察することができるが、当時の時点では彼らにとっても様々の"選択"を迫られていたのではないかと思う。

 

自分たちの理想とする音を取るのか、それともより鮮明に彩ることで強固な音を作り上げるのか…一概にどちらが正解とは言えないが、選択一つでバンドの歩む道は大きく変わっていくだろう。

 

個人的には彼らが楽曲の性質に拘らなかったことで、"ロックバンドは楽しい"という至上命題が揺るがずに今日まで活動を続けることができたのだと考えている。

 

その結果、たくさんの人が救われてきた事実を鑑みると、きっとUNISON SQUARE GARDENに伝えきれないほどの感謝の言葉が存在しているのだと思う。

 

 

 

"すっこんでる場合じゃない。お祝いだからさ。"

 

 

彼らは今年結成20周年を迎える。

 

FC限定ツアー「UNICITY Vol.2」を皮切りに様々な試みを今回も企んでいるようだ。

 

結成日である7月24日には日本武道館での記念ライブが企画されており、そこから怒涛の3days公演が予定されている。

 

今度はロックバンドが盛大な試みで大きな節目を迎える。

 

 

 

 

"未来を迎えにいく"

 

 

 

 

それは気づいたらそこにあるものなんじゃなくて、彼らが"今"を選び続けてきたから実現した未来なんだと思う。

 

 

"かくして快進撃ははじまった"

 

 

これからもきっと変わらずに"ロックバンドは楽しい"。

 

だからこそ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"祝祭の鐘は鳴る"

 

 

"今"はただ何も考えずに純粋に祝う気持ちを届けていきたい。

 

それが僕らの今日を繋いで、幸せで揺るぎない明日に繋がっていくはずだから。

 

その瞬間まであとほんのわずか。

 

僕はきっと、九段下の約束の場所にいるだろう。

 

ロックバンドがでっかい音で祝う姿を目に焼きつけてみせる。

 

街を守り続けるヒーローたちの分まで。

 

それが次の"プロローグ"になると信じて。

 

 

 

 

ほら、きっとそうだ。

 

すでに新たなストーリーの幕開けを確信している。

 

まだまだロックバンドの物語に飽き足りることはないのだろう。

 

ああ、今なら臆面もなく言えそうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"ロックバンドは、やっぱり楽しい"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

企画「Ninth Pencil」もいよいよ終わりが近づいてきました。

 

最後までぜひお楽しみください。

 

Ninth Pencil トレイラー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UNISON SQUARE GARDEN'S FAN PRESENTS

 


UNOFFICIAL SENTENCE

EVENT

 


9th ALBUM

「Ninth Peel」

 


1st ANNIVERSARY COUNTDOWN RELAY

 


「Ninth Pencil」

 


2024.04.01〜2024.04.12

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"書いたら答えが出るのでは?"

 


ロックバンドの最新アルバムと向き合う企画が満を持して始まる。

 


拘り抜いて書き連ねてきたこれまでとは異なり、今回は書き手の"エゴ"を極限まで削ぎ落としたものとなるだろう。

 


数度の企画を経て行き着いたのは、

 


"普通の最新アルバムの曲たちを普通に書いたらどうなるのか?"

 


結成20周年イヤーを迎えたロックバンドをより深く表現していくために…文字書きが提示できるのは何か?

 


書いてみよう、答えが出てくるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロックバンドの記念年に開催する企画としてはおあつらえ向きな企画である「Ninth Pencil」。

 

今回は最新アルバムである「Ninth Peel」の1周年を記念したカウントダウンリレー企画となります。

 

ロックバンドが普通に作ったアルバムを"普通"に書いていくをテーマとして、

 

 

①参加者全員が指定された楽曲の記事を書く

 


②どの記事を書くのかは抽選で決まる

 

 

以上の2点を独自の要素として開催します。

 

普段は参加者の意向に沿った曲を担当してもらうことが多いですが、今回は指定された曲を書くということで、文字通り十人十色の経緯を経て作品が完成しそうな予感がしています。

 

企画はいよいよ明日より開始です。

 

どのような記事、さらにはどのようなリレー企画になるのかお楽しみに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SCHEDULE(敬称略)

 

 

 

 

4/1(月) 1.スペースシャトル・ララバイ/はすのめ(@clossnes)

 

 

 

 

 

4/2(火) 2.恋する惑星/樒(@w3810t)

 

 

 

 

 

4/3(水) 3.ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ/ハグルマルマ(@hagurumarumaNTL)

 

 

 

 

 

4/4(木) 4.カオスが極まる/夕奈さん(@0829_calm

 

 

 

 

 

4/5(金) 5.City peel/Gotan(@garden_of_beats)

 

 

 

 

 

4/6(土) 6.Nihil Pip Viper/てるる(@tellurium__usg)

 

 

 

 

 

 

4/7(日) 7.Numbless like a ginger/なおめろ(@watchpeeler)

 

 

 

 

 

 

4/8(月) 8.もう君に会えない/栗花落(@Dr_Izzy08)

 

 

 

 

 

 

4/9(火) 9.アンチ・トレンディ・クラブ/にゃ(@Is__this__cat )

 

 

 

 

 

4/10(水) 10.kaleido proud fiesta/ナツ(@unfinisheddaisy)

 

 

 

 

 

4/11(木) 11.フレーズボトル・バイバイ/ともり(@tomori_hirunaka)

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

4/12(金) Ninth Pencil(まとめ記事)

 

 

 

いよいよ盛大に記念日を祝うための企画がはじまります。

 

ロックバンドに置いていかれないよう、参加者の皆さんと一緒に精一杯駆け抜けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 

明日よりの投稿される各参加者の記事をぜひお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祝祭の文字を書こう

 

 

きっと僕らにしかできない方法でね。

UNICITY Vol.2 セトリ予想

どうもです。

 

正直答え合わせも全然できていない状態で新しい予想を出すのもどうかと思いますが、完全に旬は過ぎてしまっているので、そこらへんは諦めて備忘録的に解説だけ残しておこうと思います。

 

というわけで、今回はFCライブ第2弾のセトリ予想です。以下、内容と解説。

 

☆はソラさん参加もしくはソロ演奏

 

 

1.絵の具☆

2.mixjuiceのいうとおり☆

3.ガリレオのショーケース☆

4.サイボーグ99%☆


5.Numbless like a ginger☆

6.等身大の地球☆

7.Silent Libre Mirage

8.マーメイドスキャンダラス

9.ラブソングは突然に〜What is the name of that mystery?〜


10.太陽がまた輝くとき(斎藤カバー)

11.KICK BACK(田淵カバー)

12.銀河と迷路(鈴木カバー)


13.あまりに写実的な

14.君の瞳に恋してない

15.チャイルドフッド・スーパーノヴァ

16.Nihil Pip Viper

17.場違いハミングバード

18.Micro Paradiso!


EN1.like coffeeのおまじない☆

EN2.いけないfool logic☆

 

 

1.絵の具

 

最初はもちろんゲストであるイズミカワソラさんによるSE「絵の具」の生演奏。

 

正直これを聞けるだけでもFCライブに行く価値はある。

 

演奏に合わせて登場する3人を見るのも楽しみです。

 

 

2.mixjuiceのいうとおり〜6.等身大の地球

 

ここからはユニゾンの3人も加わっての演奏となります。

 

楽曲参加やトリビュート、カバーに原曲通り、そんでもって普段じゃあり得ないアレンジの何でもござれの構成にしてみました。せっかくのFCなんだし、これぐらい楽しくいこうよ。

 

 

7.Silent Libre Mirage〜9.ラブソングは突然に〜What is the name of that mystery?〜

 

直近でやってない玄人受けする曲を並べてみましたゾーンですね。

 

マジでそろそろマーメイドスキャンダラスやって欲しいし、ラブソングは突然には謎にFCライブなイメージあるんだよねぇ。

 

 

10.太陽がまた輝くとき(斎藤カバー)

11.KICK BACK(田淵カバー)

12.銀河と迷路(鈴木カバー)

 

ここからはカバーゾーン。

 

斎藤さんは同じハイトーン男性ボーカルの曲が欲しくて(幽☆遊☆白書も最近実写化したことだし)、田淵は親の声より聞いたベースラインを演奏しながら歌って欲しいし、貴雄には1番好きなドラムボーカルの曲を選んで欲しいという個人的欲望のハッピーセットです。

 

 

13.あまりに写実的な〜18.Micro Paradiso!

 

ここからはぶち上げゾーン。

 

最初はMCを入れつつ初披露の「あまりに写実的な」をやって、そのまま徐々に熱気を上げて、UNICITY民におあつらえ向きな「Micro Paradiso!」で締める激アツ構成です。

 

セトリ予想は実現しなくてもいいので、本当にこんなテイストでライブをやって欲しい気持ち。

 

EN1.like coffeeのおまじない〜EN2.いけないfool logic

 

アンコールで再びのソラさん登場タイム。

 

ここから存分に鍵盤の魔力とロックバンドのパワーに酔いしれるだけのターン。

 

耳が幸せになりながら、テンションはぶち上げてきましょう。

 

これぞUNISON SQUARE GARDENって感じで。

 

 

 

以上が予想と解説になります。

 

本当に短くなっちゃったけど、たまにはこんな記事も良くない?ということで。

 

前回が欲望全開で長すぎたし(またどなたか感想教えてください)。

 

15分クオリティですが、どうにか許していただけると。

 

では、今日はここまで。

 

バイバイ!

USG2024 マスターボリューム(15th style) ライブレポ(妄想)

 

 

 

 

 

 

※このライブレポは妄想です。実際の人物・組織・作品は一切関係ありませんが、作者の重すぎる"マスターボリューム愛"は紛れもなく本物ですので、安心してお読み下さい。できれば怖がらずに読んでください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024年1月27日、僕は大阪のとあるライブハウスにいる。

 

UNISON SQUARE GARDENの20周年企画の(存在しない)先陣を切るライブ「USG2024 マスターボリューム(15th style)」に参加するために。

 

この企画は2009年1月28日に発売された2ndシングル「マスターボリューム」が15周年を迎えるにあたって、1月27日に大阪(きっとフラゲ日)、28日に東京の計2ヶ所で開催されるイベントである(関西民にも救いの手を)

 

20周年という記念すべき年になぜスポット浴びることの少ないこのシングルがフィーチャーされたのか…?という疑問は尽きないが(どの口が)、15周年でカップリング投票1位を獲得した「スノウリバース」が収録されていることを考えると決しておかしくはないと納得し(たように無理矢理辻褄を合わせ)、凄まじいであろう倍率を突破してチケットを獲得することができた。

 

 

もちろん開演前は逸る心を抑えることなどできず、ライブが始まるのを今か今かと待ち続けた。

 

心臓は早鐘を鳴らし、どのようなライブになるのかできる限りの想像を巡らせながら、何とか開演の時間まで漕ぎ着ける(何故か妄想を垂れ流してる現在も謎にドキドキしている)

 

いつものようにSE「絵の具(r-r Ver)」が流れ、UNISON SQUARE GARDENがステージに登場すると、客席から溢れんばかりの歓声と拍手が巻き起こる。

 

楽器やスティックを携え、定位置に着くと、フッと前触れなくSEが鳴り止む。

 

静寂の口火を切ったのは、斎藤のノスタルジーを感じさせるギターの音色だった。

 

だが、どこか瑞々しい新しさも垣間見えるような未知の部分もあって…

 

 

"ありし日 kindness 瑣末な言の葉で 悲しくなったよ 風景はモノクロだ"

 

"陰に隠れた 露悪な無象たち 独りよがりで どうしようもないな"

 

 

2024年のライブ1曲目は「あまりに写実的な」…最新シングル「いけないfool logic」のカップリング曲である。

 

(妄想上における)新年1発目のライブかつ企画の趣旨としては意外な選曲ではあるが、活動史上初のバンド名義の曲という背景を考えると、記念年の始まりとしては申し分ないように感じた。

 

何より2023年は演奏されることがなかったので、ライブとしては初披露というのがセットリストの1曲目として大きな意義があるようにも思えた。

 

"あまりに写実的なプロミネンス 振られた賽の目が幸せなはずないか"

 

"自暴自棄じゃ味気ない とすれば事の次第は 何を選ぶかで 決まってしまうよね じゃあ世界は平穏です"

 

また、最新曲なのにどこかバンド初期を思わせるような曲調は「マスターボリューム」との親和性も高く、当時の焦燥感を今もなお醸し出す静かな情熱を内に秘めているようにも思えた。

 

"ありし日kindness そんなのあったかな"

 

切なげなギターの音色に乗せて、余韻をしっかりと感じさせながら、再びの静寂が起こる。

 

UNISON SQUARE GARDENです」

 

客席からの厳かな雰囲気で斎藤が声を出すと、一転して軽やかに鈴木がドラムを鳴らす。

 

"かくして またストーリーははじまる"

 

ストリングスとテンポよいバンド演奏によるメロディが流れ出し、オーディエンスからも喜びの声が舞い上がっていた。

 

「ようこそっ!」

 

斎藤の笑顔が弾けるなかで挨拶が行われた2曲目は「kaleido proud fiesta」…発売から約2年間を経て、バンドの代表曲として切っては切れぬ存在となっており、いつ何時でも聴くものの前を向かせてくれるようなエネルギーが溢れていた。

 

"その願いを叶えようか 歌えkaleido fiesta きれいすぎて忘られないような ような景色になる"

 

節目を迎える「マスターボリューム」の新たなストーリーの始まりでもあり、この曲を愛する者にとっては今日のこの日は願ってもいない場できっと忘れられないような時間となるだろう。

 

そんな幕開けを多幸感たっぷりで歌いあげ、このライブが間違いなく誰かの救いになるような予感を受けた。

 

"祝祭の鐘よ 鳴れ"

 

もはや祝うための準備はできた…そう言わんばかりの歌詞に表情がほころびながらも、最後まで続く幸福に体が狂喜乱舞していく。

 

そんな雰囲気を一転して、斎藤が鋭いギター音で一閃する。

 

今回は装着してるカポタストを外すと(パトベジツアーリスペクト)、馴染みのある前奏が聞こえてきた。

 

3曲目は「カラクリカルカレ」、1stアルバム1曲目であるこの曲は、まさにユニゾンの音楽におけるある種の1ページ目を開けた存在だといっても過言ではない。

 

掻き鳴らす演奏、赤白い不穏な照明、斎藤の不遜な歌声…どれを取っても長年の厚みを感じ、発売から15年近く経過した作品の確かな重みを感じることになった。

 

"超えてゆけよ、空 土台風船みたいなプライド"

 

バイドとしてのキャリアを積み上げた先がどうなったのか…それは今目にしている演奏が何よりの証明になったと思う。

 

間髪入れずの4曲目は「Silent Libre Mirage」…ある種の清涼剤のような役割を果たしてくれるこの曲は、ここまでの重すぎる文脈を整理してくれ、また五臓がロックするように根っこのロックンロールさを感じ取らされる。

 

先ほどの剣呑とした雰囲気から一変した爽やかな照明や演奏が見る者全てを笑顔に変えていった。

 

"純粋さを保たなきゃ 派手にやるフェーズになって ノイズが邪魔になる"

 

どこか力強い歌詞はどこまでも前を向けるようで、意志の強さが未来を切り拓いていく大切さを教えられているようでもあった。

 

"あてのないままに今をかき分ける"

 

あれから約7年…今をかき分けた先に何があるのかはわからない。

 

けれども、この言いようのない爽やかさはロックバンドでなかなかお目にかかれるようなものではなく、見る者をスッキリとした気持ちにさせたのは確かであった。

 

「最後まで自由に楽しんでね!よろしく!!」

 

斎藤の言葉で会場に響き渡るような拍手が広がっていき、1セクション目は終了となった。

 

 

 

 

 

怒涛の展開の余韻を感じつつ、鈴木がゆったりとドラムを叩いていくと、今度は田淵がベースで心地良いメロディラインを披露していく。

 

どこか聴き覚えのあるメロディに体を揺らしていくと、鈴木が段々とその答えに近づくようなリズムを鳴らしていき、そこに斎藤の歌声とギターが加わる。

 

"できるなら 心と体を2つにわけて 君の元へ 繰り返す反実仮想は 悲し虚しで離れ離れ"

 

中盤の幕開けは「きみのもとへ」、昨年のツアーでも披露されたが、そのときとは異なるセクションの1曲目ということで、また違った印象での演奏に観客の心も逸っているかのような歓声に包まれていた。

 

ニゾンの楽曲としても比較的馴染みやすいこの曲はファン人気も厚く、手を挙げる人、叩く人、体を揺らす人など…思い思いの表現でライブを楽しんでいた。

 

僕自身もライブに行くようになった初期から好きな曲なので、直近のライブ(妄想含む)で何度も出会える喜びを噛み締めながら、その感情に身を任せて体を動かしていた。

 

そんな多幸感をさらに跳ね上げるような力強いドラムで雰囲気は一変し、今度は「Nihil Pip Viper」が客席のボルテージをもう一段階引き上げていった。

 

楽曲としては配信シングルという特性上、ライブで前面に出てくる機会は少ないが、これだけ楽しげな曲で心が踊らないわけがないので、ステージも客席も各々のはしゃぎっぷりが鮮明に浮かび上がってくるような明るさを感じさせる空間になっていた。

 

"大事なことはそう 自分で決めようぜ"

 

そんな曲調のなかでも、耳に残るのがこの歌詞。

 

大切なことを自身で決め続けたからこそ、今この何よりも待ち望んだ(妄想の)場所にいる。それが誇らしくなってきた。

 

"1.2.3.4"

 

続け様に鈴木のカウントからライブやフェスですっかりお馴染みとなった曲が披露される。

 

"5.6 The world is fancy!

 

カウントを引き継いだ斎藤がクールな歌声で会場を魅了し、「世界はファンシー」が異質な演奏でオーディエンスの心を鷲掴みにしていく。

 

ライブでは序盤や終盤に登場することが多いため、中盤で披露されるのは久々であり、また違った顔を見せる楽曲にどこか新鮮さも感じた。

 

何よりこのヘンテコなのに心地良いリズムは唯一無二のものであり、否が応でも心が喜びを隠せなくなってしまう。

 

"My fantastic guitar!"

 

いつも通りの斎藤の華麗なギターに目を奪われながら、捲し立てるような早口も歪で完璧な演奏のアンサンブルも、どのタイミングで見ても素晴らしいの一言で形容できてしまうほどの力強さを感じる。

 

"A Fancy is lonely!"

 

そんな終幕から再び鈴木がドラムを鳴らし、斎藤の鋭いギター音が加わり、またライブの雰囲気は一変していく。

 

"何かが変わりそうな夜だ 流れる星にそっとつぶやいた 君の声も聞こえたけれど 今は空に消えてくだけ"

 

8曲目は「何かが変わりそう」、ロックバンド然としたカッコ良さと明るく美しい曲調が混在して調和している有様は、きっとUNISON SQUARE GARDENでしか見ることができない景色なはずである。

 

隠れた人気を持つこの曲だとわかった瞬間に大きな歓声が巻き起こり、どれほど待ち望んでいたのかを実感する場面でもあった(現実でももっとやってくれ)

 

"独りだけど一人じゃない"

 

前曲「世界はファンシー」の歌詞に対する返答を垣間見えるような仕掛けにニヤッとしながらも、最後の後奏でステージの3人が各々好きなように楽曲を掻き鳴らす様が何とも心地良かった。

 

いよいよこのセクションも終わりか…と頭によぎった瞬間に斎藤だけに照明のスポットが当たる。

 

「スノウリバース」

 

斎藤がそう告げると、切なげで鋭いギターの音色が会場中に響き渡る。

 

"午前零時の回帰線 君に手は届かなかった 最後の言葉もあんまり記憶に残ってません"

 

この誰もが既視感を感じるはずなのに、何年も出会っていなかったような感覚は…間違いなく宣言通りの「スノウリバース」であった。

 

今回のメインである「マスターボリューム」のカップリングと知名度の関係上、どこかで登場することは容易に予想することができたが、前半戦の山場の1番良いところで披露されると思っていた人は決して多くなかったように思う。

 

結成当初から音源が存在してる曲であり、「流星行路」と並んで古株的な立ち位置ではあるが、15周年のカップリングツアーを経て洗練された楽曲は、20周年イヤーを迎えた現在でも遜色ないスピード感で演奏されていた。

 

"白い雪が空に舞い上がり君を迎える"

 

"切れ間が光を呼び 白が銀となる 僕の足跡はやっと動き出した"

 

とても10代の頃に書いたとは思えない世界観の歌詞に心奪われながら、次いつ出会えるかもわからないので、噛み締めるようにその音色を、歌詞を、演奏を味わった。

 

最後は極限まで上げたであろうBPMでもアンサンブルを体感し、前半戦最後のセクションは終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

暗転中もドラムの音やギターのチューニング音を聴きながら、一瞬の静寂に近い空間を味わっていく。

 

後半戦に向けた準備もひときしり済んだ後、暗闇のなかで斎藤の美しいギターのメロディが鳴り渡る。

 

 

"誰もが名前を忘れてしまった おもちゃの宝箱"

 

 

久々の登場となったため、すぐには何の曲かわからなかった。

 

だが、確実にこの曲の正体には覚えがある。

 

それは照明が点くと同時に鳴った斎藤のギターで正解に気づいた。

 

(妄想上の)客席にはピンと来ていない人だっている。

 

それはそうだろう…「夕凪、アンサンブル」は相当な年数の彼らを知らないと気づきそうにはない。

 

ライブでの披露は2015年の「プログラムcontinued」ツアー以来だろうか。

 

昨今のライブでは、あまり長いバラードが披露されることはないが、このような企画で登場することで彼らが活動している期間の長さと積み重ねを改めて感じ取ることができる。

 

"午前零時の高気圧と でたらめなサンプルと不可能で 今日も地球はあいまいな時間を 僕らに信じ込ませる"

 

歌詞のワードにも前曲との繋がりを感じさせる構成にグッと来ながらも、冒頭のアレンジも含めて、今日でしか出会うことのない楽曲の新たな一面を余すことなく味わうことができた。

 

ただ、驚きはそれで終わらなくて…

 

"ハァーー夜が揺れている ハァーー僕の手の中で"

 

"春の桜と君が嫌いだよ 一人ぼっちじゃ 空に昇る思いだ"

 

間髪入れずに「夜が揺れている」へと繋がり、客席からは言葉にならない悲鳴が漏れ出ていた。

 

斎藤の振り絞るような歌声と田淵の切ない言葉選び、鈴木の力強いドラムが合わさって、儚さだけでは説明できない揺るぎない強さを持った決意の曲に聞こえてきてしまう。

 

"夏の花火と君が嫌いだよ"

 

"秋の落ち葉と冬の澄んだ空気と君が嫌いだよ"

 

季節の移り変わりを経ても変わらない思いが重なる果ては、どうにもならない悲しげな決意へと結ばれてしまう。

 

"ありがとう"

 

"バイバイ"

 

彼らは何に別れを告げたんだろう?答えは未だ出ないけれど、そんな不穏な空気を掻き消すように鈴木の力強いドラムソロがはじまる。

 

あるときはドラムを盛大に鳴らし、またあるときはシンバルの美しい音色を存分に奏でていき、ときにはスティック同士さえも彼にとっては心地良い音のひとつにすることができる。

 

小気味よいテンポのなかで演奏が続いていき、今度は斎藤がギターの鋭い音色でステージを、客席を、貫いていく。

 

田淵のジャジーなベースソロは低音の耳馴染みの良さを感じさせ、アンサンブルに彩りを加えていった。

 

演奏が頂点に達した瞬間、鈴木が盛大にシンバルにスティックを叩きつけると、洗練された三重奏が鳴り響く。

 

"イエーーーーー!!!!"

 

"気味悪がり出したらキリナシ 点と線は定義定規 手を握ってわかるものが全て 忘れたの?"

 

斎藤の長いブレスによる幕開けで奏でるのは「ラブソングは突然に〜What is the name of that mystery?〜」、シングルが主役のセトリではカップリングも登場頻度は高まるが、ライブとしては珍しいドラムソロからの登場となった。

 

とはいえ、カップリングツアーではアンコールラストを任せられるぐらいのポテンシャルを持っており、その証拠に客席は今日1番と言っても過言ではないほどの熱量に溢れていた。

 

ラブソングと冠する曲とは思えないほどの激しい演奏で進んでいくが、同時に歌詞のお茶目にもクスッと笑わせられる場面も多く、まさにライブで真骨頂を発揮するような楽曲であると思う。

 

"ところでsay I love you! 今生最大のsay I love you! ランキングはとっくに不確実で ああ ちょうどいいじゃん"

 

かと思えば、終盤で急にラブソングさを出してくる振り幅の広さも彼らの魅力であり、タイトル通りの意味合いも忘れずに踏襲してくる。

 

"誰が並んでたって 格が違う お構いなし 僕は君が好きで仕方ない 詳しくはね、解決編で"

 

結論をあえて出さぬいじらしさもユニゾンならではといった感じであるし、来るべき解決編がどのようなものになるかいつもワクワクするのは僕だけではないはずだ。

 

最後は斎藤と鈴木のタメにタメた演奏からの…

 

"What is the name of that mystery?"

 

駆け抜けるようなアンサンブルの後、解決編はすぐさまに訪れることとなった。

 

 

"君の心が必要で 僕の心は執拗だ 全部をひっくり返しちゃうような狂騒をくれよ!"

 

シームレスで続く「いけないfool logic」で再度の歓声をあげるオーディエンスたち。

 

推理ものアニメの主題歌であるこの曲に繋がるということは、ここまでの展開は決して偶然の産物ではないのだろう(その通り)

 

"いけないfool logic 危ない rope walkだって 1000回 10000回 挑戦しない理由はない"

 

"一寸先か闇だなんて 言い出したやつから順番に さよならだ"

 

"最後に笑うのは僕らだろう"

 

壮大なストリングスとともに放たれる前向きな歌詞に心が救われるようでもあり、前曲への確かなアンサーにも捉えられるような気もして、楽曲同士の親和性にも改めて驚かせる瞬間であった。

 

"あてずっぽを繰り返しちゃうように見えてるとしても"

 

"結局僕らが勝利しちゃうから狂想をくれよ!"

 

最後は彼らの歌声が響き渡り、原曲にはない余韻たっぷりのアンサンブルで演奏を締めた。

 

客席からは轟音のような拍手が起こり、素晴らしいライブを見せているメンバーを文字通り賛辞しているようであった。

 

 

 

 

 

 

暗転の間に給水や音出しなどを終えると、鈴木がシンバルの音色を静かに鳴らしていく。

 

ひとしきり鳴り終えると、カウントと同時に激しいセッションが巻き起こり、終盤へとライブは突入していった。

 

セッションにどこか既視感を覚えながらも、3度ほど同じメロディを繰り返したところ、斎藤がギターを掻き鳴らし、再び鈴木が今度は聴き慣れたカウントでドラムを叩いた。

 

この前奏を生のライブで聞くのは久々となるが、音源では何度も何度も聴いてきたから間違えるはずがない。

 

"無謀的展望視感症 もうカウンセリング不発で 診断は"異端"に落ち着いちゃって"

 

終盤の幕開けは「マイノリティ・リポート(darling,I love you)」、滅多とライブで披露されない曲ではあるが、配信ライブ「LIVE(in the)HOUSE 2」で披露したセッションのアレンジを携えて、オーディエンスの期待を超えるようなかたちで登場した。

 

マイナー調のこの曲と「マスターボリューム」の親和性が高いことは言うまでもないが、ある意味では古参的なポジションとなった同曲を愛する者として、何だか励まされた気分になった。

 

メロもサビも演奏の凄まじさに圧倒され、数ある曲のなかでも難易度の高い楽曲を軽々と弾く3人の姿にある種の尊敬の感情を覚えた。

 

"事件は順調永劫進行中だとして 問題はあるかい?"

 

その歌詞通りにライブは進み、矢継ぎ早で「フィクションフリーククライシス」の癖のあるメロディに鳴り渡る。

 

ここまで張り詰めた空気を中和するように"緩さ"を前面に押し出す様は、音楽という文化の自由さを体現しているようで、そんな空間に居合わせていることが何だか嬉しくなった。

 

"「愛が欲しいんだね 」ってそれだけで エンディング向かおうとしてんじゃねぇよ"

 

ライブは楽しい…それだけで答えはいいのかもしれないけれど、中途半端な感情でそれを表現するのは何か違う気がした。

 

"結局世界は僕が救うしかない 手こずります"

 

楽しむなら徹底的に。ふざけるなら最後までふざけきる。覚悟のない人間にヘラヘラする資格はないのだ。

 

"自意識がクライシス 迷子!"

 

世界一意味がありそうでない言葉をひときしり叫んで、僕らは身も心も音楽に曝け出していく。

 

"本編に間に合わなくても 焦らず次の回へ"

 

きっと答えは5分後の自分が教えてくれるだろうから。

 

"1.2.3.4!"

 

"All quartets lead,lead to say la,la,la,la,la,la"

 

"All quartets lead,lead to say la,la,la,la,la,la"

 

"All quartets lead,lead to say la,la,la,la,la,la"

 

"All quartets lead,lead to say la,la,la,la,la,la"

 

いよいよライブの熱量もピークに達するかといった場面での「桜のあと(all quartets lead to the?)」の登場はきっと誰もが喜んでいたはずだ。

 

ロックとポップが混在する有様は、UNISON SQUARE GARDENにしか体現できない楽曲であり、まさにロックバンドの多幸感というべきエネルギーが会場中に満ち満ちていた。

 

"桜が咲いて散った その後で 何が真実なのかは わかるから future melody そう 今は奏でて"

 

"愛が世界救うだなんて 僕は信じてないけど 今 目の前の君が 明日も生きれるくらいには"

 

"あり得ない不条理はふっ蹴飛ばしていけ with喜怒哀楽 余すな 必要ないよ 嘘つき"

 

耳にするだけで生きる力が湧いてくるようであり、20年前も15年前も10年前も一切彼らが変わっていないことに再認識させられた。

 

"All quartets lead,lead to say la,la,la,la,la,la"

 

"All quartets lead,lead to say la,la,la,la,la,la"

 

"All quartets lead,lead to say la,la,la,la,la,la"

 

"All quartets lead,lead to say la,la,la,la,la,la"

 

"La,la,la,la,la,la"

 

そんな多幸感を持ち越したまま、鋭いライブオリジナルのアレンジが鳴り渡り、照明が斎藤1人を照らした瞬間に…本日の主役が現れる。

 

終盤の山場で現れる「マスターボリューム」は、きっとこのライブでしか見ることができないだろう。

 

聞き慣れた前奏、焦燥を掻き立てるような剥き出しのロックンロール、荒削りながらも確かに感じる信念…発売から15年が経過しても、何一つ色褪せぬことなく、この場で表現されていた。

 

"混沌の一言じゃ 全てを片付けられないだろう"

 

きっと普段のライブだと、この状況は異質にしかならないのだろう。

 

だが、今日この日だけは「マスターボリューム」がライブの中心であり、まったく違和感のないシチュエーションに会場のボルテージも一層ヒートアップしているようだった。

 

(妄想を仕立て上げた張本人とはいえ)こんな風に終盤にこの曲と出会うことが夢だったので、僕個人としても喜びはひとしおであった。

 

"北風を無視して 5秒前を信じてみるんだ こんなもんじゃ全然倒れない"

 

真冬にも存在している"健忘症のあじさい"は未だ枯れることなく咲き誇っており、そのキレイさはきった薔薇にも劣ることはないのだろう。

 

"何が正しくて 何が間違っているのか 全部わかんないが、問題ない"

 

"描いていけ 時代の彼方 描いていけ 時代の彼方"

 

突き刺すような斎藤の叫び声とともに、焦燥と自信が入り混じった2024年にしか奏でられないアンサンブルが鳴り響く。

 

最後は盛大に3人が音を鳴らし、余韻たっぷりにメロディが駆け巡る。

 

UNISON SQUARE GARDENでした!!」

 

斎藤が楽曲のイメージそのままの鋭い眼光のままで客席へと声をかける。

 

もうすぐ夢の時間が終わってしまう。

 

けれど、寂しさ以上の充実感がそこにはあった。

 

僕も感動のあまり思わず手を挙げる。

 

「ラスト!」

 

再びの既視感とともに聴き覚えのあるドラム音が耳に入ってきたが、どこかいつもと違うようだった。

 

それもそのはずだ。この曲とまた出会えるとは思うわけないじゃないか。

 

"また当然のように悲しみは今日もやってきて 乗り越えてもすり抜けても 形を変えて 襲いかかってしまう?"

 

"ああ ノイズが舞う東京ジャングル 油断したら迷っちゃいそうだよ"

 

「プログラムcontinued(15th style)」は、あの盛大な15周年イヤーでしかライブでやることはないと思っていたから。

 

だが、考えてみたら、「USG2024 マスターボリューム(15th style)」というタイトルを考えれば、この曲が最後を飾ることは納得の構成であった。

 

"ああ それでもまだちっぽけな夢を見てる 目立たない路地裏で 超新星アクシンデントみたいなこと"

 

"何気ない歌で 何気ない記念日をお祝いしたら"

 

"ああ 気ままに行こうじゃない きっと何にも変わらないけれど 依然continued"

 

きっと次回のライブからは何も変わらない。

 

「マスターボリューム」が披露される機会はそんなに多くはないはずだ。

 

それでも、たまにはこうやってスポットが当たる日があってもいいと思う。

 

世に放たれてから15年…様々な人の心を突き刺したり、救ってきたりしてきたはずなのだから。

 

だからこそ、

 

"今日くらいは祝ってくれないかな!"

 

この歌詞がどこまでも染み渡る。

 

ロックバンドの本質は15年経っても、20年経っても変わることはない。

 

それを証明することができたライブだと思う。

 

"ふざけろ!続けフルカラー きっと大して変わらないけれど 依然continued"

 

最後は彩り豊かなアンサンブルで演奏を締め、ライブ本編は終了を迎えた。

 

「バイバイ!」

 

斎藤の言葉とともに、メンバーが続々と退場していく。

 

それを拍手だったり、歓声をあげたり、手を振ったり…思い思いの方法で観客たちが見送った。

 

 

 

 

 

 

それでも、僕らは満足しきれないようで、もう一回を求めて、手を叩いてしまう。

 

そんな音に応えるように、間髪入れずに3人がステージへと戻ってくる。

 

楽器を手に持ち、入念なチェックを済ませると、斎藤がマイクへと体を向ける。

 

「おまけ」

 

鈴木のドラムを合図に始まったのは、「Phantom Joke」、前触れなく登場する場面はパトベジツアーを彷彿とさせるが、そのときと異なるのは幕開けの1曲目であること。

 

アンコールとはいえ、その唐突感がある意味で僕らの意表をついた。

 

ただ、同期音なしでは最大出力のマイナーキーシングルということで、「マスターボリューム」を踏襲した存在ということを考えれば、こちらも違和感のない選出であるようにも思う。

 

"常識を無に返す引き金を引いてしまうから"

 

"善々悪々も審議不能になる"

 

"大切なフレーズをこぼすな 物語がゴミになる"

 

どこか「マスターボリューム」と共通するような歌詞も見受けられ、発売から約10年の差があっても、大事にしていることは何も変わっていないことを再三認識させられる。

 

"言えそうでよかった 「まだ愛してたい」"

 

きっとこのフレーズが最も今回のライブを言い表すに相応しい歌詞だろう。

 

鋭さと儚さが混在したメロディとともに、再びのアンサンブルが巻き起こり、最後の最大出力の演奏が放たれる。

 

力強い幕引きに客席からも溢れんばかりの拍手が湧き起こり、いよいよライブの本当の終幕を迎える。

 

耳を澄ますと、ライブでしか聴こえないアレンジによるメロディが終わりの余韻を何度で体験させ、一変して爽やかな結末を迎える予感を感じさせた。

 

そして、斎藤がファンならば馴染みのあるメロディを鳴らしていく。

 

"30度を超えた日曜 浮かび始めた汗は そのままにして 走る 間に合いそうかな"

 

アンコールを締めるのは「オーケストラを観にいこう」、本編と一転した美しい旋律を奏でる曲は意外性を感じるかもしれないが、"健忘症のあじさい"が咲き誇るのが真夏であることを考えると、これ以上ない終わり方であるようにも思える。

 

旋律に合わせるようにクリアな歌声で唄う斎藤、楽曲を噛み締めるように笑顔を浮かべながらコーラスを添える田淵、さながら指揮者のこどくスティックを回す鈴木、各々が曲に対して思い思いの表現で堪能しているようでもあった。

 

さながら夏の日差しのようなオレンジの照明がステージを照らし、今日が寒空であることを一切感じさせず、あの夏の日に僕らも居合わせているかのような錯覚も感じさせられた。

 

きっと今年の夏も良い季節になる。

 

そんな予感を密かに抱きながら。

 

"一瞬の連続が最高の楽譜になるように"

 

まるで今日のこの日を表しているような歌詞で締め、最後はオーケストラの旋律をバックに3人がメロディを掻き鳴らす。

 

ヴァイオリンの音色とともに照明も全て落ち、会場が暗闇で覆われることでライブが終わりを迎えたことを知らされる。

 

そんな芸術的な幕引きに客席からは驚嘆する歓声や感動の拍手が止まらなくなる。

 

ステージに明かりが照らされると、メンバーはすでに去った後であり、バックには…

 

"SEE YOU NEXT LIVE!!"

 

「LIVE(on the)SEAT」の終幕を彷彿とさせるような文字が記されていた

 

そんな粋な演出に再びの歓声や拍手が湧き起こり、物好きたちが各々の思いの丈を伝えている様子が印象的であった。

 

きっと今日のライブを忘れることはないだろう(現実でも実現してくれていいんだよ)

 

20周年イヤーは始まったばかりだ。

 

これからどんな狂想や混沌が巻き起こるのか…楽しみでならない。

 

次はどんなライブになるのだろう?

 

何も予測はつかないが、きっと問題はないはすだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

USG2024 マスターボリューム(15th style) セットリスト

 

1.あまりに写実的な

2.kaleido proud fiesta

3.カラクリカルカレ

4.Silent Libre Mirage


5.セッション〜きみのもとへ

6.Nihil Pip Viper

7.世界はファンシー

8.何かが変わりそう

9.スノウリバース


10.夕凪、アンサンブル

11.夜が揺れている

12.ドラムソロ〜ラブソングは突然に〜What is the name of that mystery?〜

13.いけないfool logic


14.セッション〜マイノリティ・リポート(darling,I love you)

15.フィクションフリーククライシス

16.桜のあと(all quartets lead to the?)

17.マスターボリューム

18.プログラムcontinued(15th style)


19.Phantom Joke

20.オーケストラを観にいこう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年は絶対ワンマンで「マスターボリューム」やってくれよな。あわよくば再録してくれよな…ここまで待ったし、それぐらい強欲になっても問題ないはずだろう?頼むよ。

 

 

 

「マスターボリューム」、15周年おめでとうございます。

"Ninth Peel" next セトリ予想

お久しぶりです。

 

最近はセトリ予想の答え合わせもできていない今日この頃ですが、本日から始まるツアーもきっちり予測だけはしているので、せっかくならば記事として公開していこうと思います。

 

あまりに執筆に時間も取れないため、今回は予想セトリとブロック別の解説のみ。

 

超短縮バージョンの記事でお送りさせていただきます(最近は何事もサラッとしちゃうのが自分のトレンドだったり)

 

というわけで、本日開始のツアー「"Ninth Peel" next」のセトリ予想はこんな感じです。

 

 

1.いけないfool logic

2.オトノバ中間試験

3.ライドオンタイム

4.カオスが極まる


5.マジョリティ・リポート(darling,I love you)

6.蒙昧termination

7.もう君に会えない

8.ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ

9.さよなら第九惑星

10.マーメイドスキャンダラス

11.マスターボリューム


12.あまりに写実的な

13.シュプレヒコール〜世界が終わる前に〜

14.ドラムソロ〜恋する惑星

15.アンチ・トレンディ・クラブ

16.Catch up,latency

17.フレーズボトル・バイバイ

18.スペースシャトル・ララバイ

 

EN1.Nihil Pip Viper

EN2.徹頭徹尾夜な夜なドライブ

 

 

少しセトリの自由度が増してる昨今ですが、こちらもあんまりに自由にしすぎても当たる気がしないので、構成は1周目のツアーと同じにしています。

 

アルバムからは8選曲+Newシングル1曲でノルマ9曲にカップリングは1曲でこちらも1周目と同等の曲数としています。

 

ガリレオは今カップリング枠ではない理屈とアルバムツアーは2アルバムからは選曲されないという傾向も踏襲しています。

 

アルバムからの選曲外は「City Peel」、「Numbless like a ginger」、「kaleido proud fiesta」の3曲。

 

前者2つは1周目で良い使われ方をしたことや新曲2曲がユニゾンにしては比較的ゆったりめであること、後者は昨今のツアーでかなり採用されていることを鑑みての見送りということにしました。

 

以下ブロック別解説。

 

1.いけないfool logic〜4.カオスが極まる

 

アルバムツアーの2周目が後発のシングル表題曲で始まるというウケ狙い構成。

 

からの

 

"追試でございましょう"

 

"埃まみれ2度目のshow time"

 

で2周目要素を回収しつつ、前ツアーの目玉が序盤に来るの法則により「カオスが極まる」で終わるのではないかと予想しております。

 

 

5.マジョリティ・リポート(darling,I love you)〜11.マスターボリューム

 

5曲目はドラムベースが多いので、昨今の傾向からそろそろこの曲の出番かと。

 

6曲目でCITSの最後の刺客を送り込み、20周年に向けた「君が大人になってしまう前に」へと備えて欲しい。

 

「もう君に会えない」が置き所に困ったんだが、サラッとやって8曲目「ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ」に繋ぐ方式に。

 

第九惑星→マーメイドによる9枚目要素を力技で回収しつつ、昨今の中盤がマイナーキーシングルで締めている法則の締めとして、満を持して「マスターボリューム」の登場を期待しています。

 

 

12.あまりに写実的な〜18.スペースシャトル・ララバイ

 

最新カップリングはやるの方針ですが、今ツアーでは扱いもそこそこにFCツアーで優遇されるのではの考えのもとにバラード枠の頭に。

 

「もう君に会えない」がある以上、前向きで淡い思いの曲は文脈的に否であるため、3枚目枠はもがきにもがきつくしたシュプレヒコールを推していきたい。

 

ドラムソロは悩んだ末のリード曲。そこまで思い入れのあるわけでもない曲が優遇される展開も面白いので。

 

からの「アンチ・トレンディ・クラブ」でヒートアップ、「Catch up,latency」で終幕に向けて駆け抜ける展開が浮かび上がっています。

 

唯一ライブ未披露の「フレーズボトル・バイバイ」は当然終盤の良いとこに持ってくるとして、となるとアルバムの隠れた仕掛けの伏線回収として1曲目の「スペースシャトル・ララバイ」でライブを終える構成を考えてみました。

 

アンコールはド派手に行きたいので、これまで使われたことのない「Nihik Pip Viper」による幕開け、そろそろ来るであろう「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」によるラストでファイナルアンサーといきたいと思います。

 

個人的には、20周年で回収しきれない曲たちが報われる場になって欲しいので(マスターボリューム以外)、良い感じで来年に向けた伏線を作って欲しいですね。

 

まあそれはそれとして、こんなセトリ見たいな〜っていう内容にはできたので、自分としてはけっこう満足しております。

 

では、短いですが今日はここまで。

 

バイバイ!

TOUR2023 Catcher In The Spy ライブレポ(妄想)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UNISON SQUARE GARDEN「TOUR2023 Catcher In The Spy」で描くロックバンドの強固な世界観【捏造】

 

 

 

 

 

 

 

 

UNISON SQUARE GARDEN(妄想)全国ツアー「UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2023 "Catcher In The Spy"」のファイナル公演が、○月□□日に△△・☆☆☆☆ホールで行われた。

 

このツアーは、2014年に発売された5thアルバム「Catcher In The Spy」を9年ぶりに主軸に据え、全国×ヶ所で開催。来たるべきアルバム発売10周年に向けて、再度その魅力をライブを通して発信すべく行われたツアーである。

 

過去のツアーで行われた曲はもちろん、アルバム発売後に発表された楽曲もセットリストに盛り込まれながら、2023年の今しかできないロックバンドの煌めきを感じさせるようなライブとなっていた。

 

軽やかかつ力強いアンサンブルセッションから幕を開けた1曲目は、鈴木貴雄(Dr.)の雄叫びのようなカウントで走り出す「場違いハミングバード」。

 

バンド史において長い歴史を持つこの曲は、今もなおライブでの定番ソングとなっており、その信頼度は観客の喜びに溢れた声援が証明していた。

 

斎藤宏介(Vo.Gt.)の爽やかな歌声と鋭いストロークが交わり、それに呼応するかのように田淵智也(Ba.)が情熱的な演奏とパフォーマンスで力強く後押しする。

 

斎藤の「UNISON SQUARE GARDENです!」の言葉とともに妖艶なギター音から「サイレンインザスパ」が披露される。

 

途中に「こんばんは、△△!」と挟まれると(9年前のツアーにも同様のパフォーマンスあり)、当時を知るであろうオーディエンスからも歓声が飛ぶ。

 

その熱量を保ちながら、続く「MIDNIGHT JUNGLE」では、壮大なアンサンブルが熱狂の渦を生んでいく。

 

序盤とは思えないほどのエネルギーで繰り出される熱量に応えるかのように、客席は各々が思うままの表現で感情を爆発させていた。

 

華やかなピアノのメロディから幕を開ける「harmonized finale」もこれまでの熱量を静かに保ち続けながら、繊細さと激しさが混在したパフォーマンスが観客の心を奪い、まるで上質な短編を見終わったような満足感に会場は拍手に包まれた。

 

軽やかな鈴木のドラムが牽引し、徐々に斎藤の鋭いギターがステージを席巻して始まった「アンチ・トレンディ・クラブ」では、過去の「Catcher In The Spy」ツアーでは見せなかった新たな一面を引き出していた。

 

田淵の雄大なベースラインからエネルギッシュな演奏へと繋がる「ノンフィクションコンパス」、ポップなメロディが心地良い世界へと導く「instant EGOIST」、激しさのなかにほのかな儚さも加わった「マーメイドスキャンダラス」…新旧入り混じった楽曲がライブに華を添える。

 

ライブのボルテージが極限へと達するタイミングでの「桜のあと(all quartets lead to the?)」では、発売から10年が経過するとは思えない程の瑞々しい演奏で披露され、多幸感溢れるメロディが会場を恍惚の空間へと作り変えていくようであった。

 

一転、アルバムにおけるバラードである「君が大人になってしまう前に」がじんわりと染み入るような歌声と演奏で包み込むと、次曲「春が来てぼくら」の未来が跳ね上がっていくたおやかなメロディで、ステージに確かな明日を予見させるような1ページが刻まれていた。

 

ノスタルジーな趣きを引き継くような重厚なサウンドから始まった鈴木のドラムソロでは、静かに…けれども確かな力強さで会場に緊張感が漂う瞬間が生まれる。

 

田淵のベース、斎藤のギターのサウンドが重なるなかで、セッションが徐々にカタチを成し、雷のような鋭い前奏から「シューゲイザースピーカー」がロックバンドの強固な世界観を再現するかの如く芯の通ったパフォーマンスを見せつける。

 

間髪入れずに掻き立てるようなメロディで「パンデミックサドンデス」が迫り来ると、剥き出しのサウンドで襲いかかる「マスターボリューム」がオーディエンスの心に確かな爪痕を刻み込み、各々の最大出力の演奏が放たれたアウトロでさらに深く食い込ませていた。

 

斎藤によるサビの弾き語りから始まった「黄昏インザスパ」では、優しい言葉たちがソッと背中を押すようでもあり、伸びやかな演奏が誰も明日を歩んでいくであろう姿を想起させた。

 

普段以上に豪華なセッションから繰り出された「天国と地獄」で文字通り地獄の如き熱気を帯びて天国のような多幸感に包まれ、続け様の「オトノバ中間試験」では軽やかで心地良いリズムが夢のような空間を作り上げていた。

 

いよいよライブも終幕を迎えるであろう瞬間の「何かが変わりそう」は、幻想的なメロディと耳を引くフレーズがステージを彩り、誰一人目を離すことができないような輝きを纏っているようであった。

 

斎藤の「ラスト!」の言葉で重厚なサウンドが響き渡り、「カオスが極まる」のクールかつ熱気を纏ったエネルギーが混沌の泥沼を抱えたまま、2023年の彼らにしかできないやり方でライブ本編の幕を閉じた。

 

「バイバイ!」の言葉とともにステージから去っていく彼らにこぼれ落ちんばかりの盛大な拍手が送られた。

 

アンコールに登場すると、鈴木の力強いシャウトとともにドラムを鳴らし、「流れ星を撃ち落せ」が心の焦燥をかき乱すかのように激しいパフォーマンスで自由自在に切り込んでいく。

 

斎藤の「アンコールありがとうございます!」から間髪を入れずに「シャンデリア・ワルツ」では、間奏中にじゃれ合う斎藤と田淵にほっこりとした気持ちにさせられながらも、その楽しさに客席からも笑顔が溢れんばかりであった。

 

「またね!!」

 

そう斎藤が告げた後にライブの最後を彩ったのは「Catch up,latency」、正しさではないものを求める生き方はまさにロックバンドの人生であり、9年前には見ることができなかった景色を感じ取ることができていた。

 

"敬具 結んでくれ 僕たちが正しくなくても"

 

このフレーズはまさにユニゾンの生き方を表しており、これまでとこれからを繋ぎ合わせるような希望を垣間見せるような終幕となっていた。

 

どこか満足気な表情を見せる3人がステージを後にし、それまで客席は今日のライブの素晴らしさを賞賛するような大きな拍手に包まれた。

 

 

UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2023 "Catcher In The Spy"」2023年○月□□日△△・☆☆☆☆ホール セットリスト

 

 

1.場違いハミングバード

2.サイレンインザスパ

3.MIDNIGHT JUNGLE

4.harmonized finale


5.アンチ・トレンディ・クラブ

6.ノンフィクションコンパス

7.instant EGOIST

8.マーメイドスキャンダラス

9.桜のあと(all quartets lead to the?)


10.君が大人になってしまう前に

11.春が来てぼくら

12.シューゲイザースピーカー

13.パンデミックサドンデス

14.マスターボリューム


15.黄昏インザスパ

16.天国と地獄

17.オトノバ中間試験

18.何かが変わりそう

19.カオスが極まる


EN1.流れ星を撃ち落せ

EN2.シャンデリア・ワルツ

EN3.Catch up,latency

 

 

 

なお、9月27日にはNewシングル「いけない fool rogic」、10月よりライブハウスでのツアー「"Ninth Peel" next」の開催がそれぞれ予定されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※この記事はフィクションです。実際の人物・組織・作品は一切関係ありませんが、フィクションフリーククライシスの父がエイリアンであることと直前まで妄想セトリ候補だったことは事実です。自意識がクライシス迷子!(迷子!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"Revival Tour"Catcher In The Spyが待ちきれずに怨念が違う何かに変貌した末路がこちらです。

 

 

 

来年は「Catcher In The Spy」10周年ですね。

 

何事もなければ、楽しい企画をやれれば良いなと思います。

 

とりあえず今年はこれでお茶を濁す(?)。

 

苦情は受け付けてないです(ないです)。

 

後悔は多分ない(むしろ謝れ)。

 

とにもかくにも「Catcher In The Spy」、9周年おめでとうございます。

 

今年も来年も大事件がたくさん起きそうですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おあつらえ向きじゃん。

 

20周年の楽しみが過ぎる。

 

 

【参考文献】