ナツノヒ

UNISON SQUARE GARDENについて色々触れちゃうブログです。語彙がないから複合技でお送りしております。

Patrick Vegee セトリ予想

皆さま、先日は三十路男の妄想ブログにお付き合いいただきありがとうございました。

 

そうです、こっちが本番です。(いつもそうであれ)

 

いよいよ今日から始まるツアー「Patrick Vegee」のセットリスト予想をしていこうと思います。

 

アルバム発売から1年が経過し、満を持して始まるツアー…当然期待値も爆上がりなので、セトリ予想も腕が鳴りまくっておりました。

 

しかし、そんな中で起きた問題がひとつ。

 

…時間がない。

 

誕生日に書いた妄想ライブレポは丸一日かけて作成したのですが、最近は平日も休日もやることが山程あったので、執筆に使える時間はまさかの2時間弱。

 

うん、熱量のかけ方が明らかにおかしいね。

 

とはいえ、せっかくの予想をこのまま解説しないのももったいないので、今回は少々巻き気味で予想セトリを紹介していこうと思います。

 

あ、ちなみに筆者は新曲「Nihil Pip Viper」を履修済みなので、まだ未聴の人はネタバレに注意しながら読み進めてください。

 

では、今回の予想はこちら。

 

1.Simple Simple Anecdote

2.シュガーソングとビターステップ

3.スロウカーヴは打てない(that made me crazy)

4.マスターボリューム


5.Hatch I need

6.マイノリティ・リポート(daring,I love you)

7.Catch up,latency

8.きみのもとへ

9.摂食ビジランテ


10.弥生町ロンリープラネット

11.like coffeのおまじない

12.101回目のプロローグ


13.セッション〜マーメイドスキャンダラス

14.Silent Libre Mirage

15.ドラムソロ〜世界はファンシー

16.何かが変わりそう

17.Nihil Pip Viper

18.春が来てぼくら


EN1.夏影テールライト

EN2.ラブソングは突然に〜What is the name of that mystery?〜

EN3.天国と地獄

 

大まかなポイントはこんな感じです。

 

 

 

 

 

1.Simple Simple Anecdote

 

1曲目の有力候補である「Hatch I need」や「101回目のプロローグ」が配信ライブでやけに良い使い方をされたので、かなりグチャっとした幕開けが予想されてしまいます。

 

…おまけ扱いの「Simple Simple Anecdote」が意表をつけて面白いんじゃないか?兄弟的な立ち位置の「Cheap Cheap Endroll」でもよく使われているので、不思議と違和感ないから採用!ということで決まりました。笑

 

 

 

 

 

2.シュガーソングとビターステップ

 

そんなヘンテコな始まりなライブなので、通常営業に戻すこと、そしてアルバムのコンセプトをひっくり返す同期曲での「おまたせ!」なんていうのも最高にグチャとしてるくない?という理由で「シュガーソングとビターステップ」が2曲目になりました。

 

最近露骨に演奏してないし、こういう立ち位置でそろそろ出張るんじゃないかという予想も。

 

 

 

 

 

3.スロウカーヴは打てない(that made me crazy)→4.マスターボリューム

 

田淵からヒントを元にすると、おそらく今回のライブではアルバム繋ぎはまったく披露されないと考えています。

 

シングル曲で「Catch up,latency」だけはまだ繋ぎがライブでは実現してないんだけと、ここだけ繋ぐのも何だか逆に違和感があって。

 

「Nomal」ツアーでは、「君の瞳に恋してない」と繋がっていたけど、そうなると今度はマイナーな曲とのギャップを見てみたいので、こんな組み合わせになりました。

 

そして、「マスターボリューム」は本来の発売時期でのツアーでは1曲目に披露する予定だったということは昨年のインタビューで語られていました。

 

そのアイデアが「LIVE(in the)HOUSE 2」採用されることとなり、MV再現という配信ライブにおあつらえ向きな演出となって登場したことは記憶に新しいですが、そんな縁もあって序盤の大事な締めで披露されちゃったりするのでは?という期待もあって配置しちゃいました。

 

あとは昨今のツアーで古参のシングル曲がだいぶと良い位置で演奏されてしまったので、現実のライブでそこまで優遇されていない「マスターボリューム」が選出されるのが適役か…?なんて予想も忍ばせたり。

 

その後田淵のブログで露骨に取り上げられ、やむなく取り下げようとしましたが、セットリスト的に最初のブロックの締めはドラマのある曲にしたかったので、結局元の構成に戻すことになりました。

 

正直願望が8割ぐらいなのが事実です。ちなみに変更後の曲は「カラクリカルカレ」でした。笑

 

 

 

 

 

5.Hatch I need→6.マイノリティ・リポート(daring,I love you)

 

"I need Hatch!"マイノリティって繋ぎたかっただけです。以上!("メ"はどこいった?)

 

あとはftH8のリベンジっつーことでどうか。

 

今回のアルバム収録1曲目は、予想外のところで披露される気がしたので、「Nomal」の「メッセンジャー全世界」を意識した2ブロック目は幕開けに置いてみました。

 

 

 

 

 

10.弥生町ロンリープラネット→11.like coffeeのおまじない

 

"春"を"恋"なぞらえて繋いでみました。

 

"恋"のフレーズが飛び交う今回のアルバムのコンセプトにもしや意外と近かったり。

 

あとは同期曲を解禁する以上、あえて肝として持ってくる可能性も十二分にあることを見据えての配置だったりします。

 

 

 

 

 

12.101回目のプロローグ

 

本来は本編ラストに置くのがしっくり来るんですが、前回のFCライブで見事にその手法を使われてしまいまして…悩んだ末に置いたのがバラードの山場です。

 

ここなら他の曲との食い合わせも心配しなくて良いので、安心して魅力を発揮してくれそうな気がしたり。

 

"食べられないなら 残しなよ"ですが、やはり最大限完食できる努力はしたいんでね。

 

BsSsの「さわれない歌」みたくEN2に置くことも考えましたが、曲としての力を出し切れる場所に置きたかったので、結局中盤の山場になりました。

 

強いて言えば、MMMの「オーケストラを観にいこう」とだいぶ近い役割になったので、あまり構成が被ることがないことを考えると、少々安直な気も若干しています…。

 

割とこの曲の扱いでライブの方向性が決まりかねないとは思ってますね。

 

 

 

 

 

13.セッション〜マーメイドスキャンダラス→14.Silent Libre Mirage

 

定位置を外れたアルバム2曲目は、終盤の頭に登場する傾向が高いので、この位置に。

 

さすがに歌い出しから始まるのは唐突なので、MMMの「Dizzy Trickster」よろしくかっちょいいセッションをつけて欲しいところ。

 

繋ぎは相当迷いましたが、同じ水を連想させる「Silent Libre Mirage」にしました。

 

今回のライブで初登場の「Nihil Pip Viper」との配信シングル繋がりというのも意識しながら、シングルで数少ない最近演奏されていない曲であることも注視して採用しました。

 

15.ドラムソロ〜世界はファンシー→16.何かが変わりそう

 

ドラムソロはもう「世界はファンシー」一択です。これだけは現実でも妄想でも揺るぎません。

 

曲の性質上ラストは厳しいし、そうなると1番良いところはドラムソロかな〜と。何よりセッションから繋ぎが1番映えそうでもあるので。

 

ちなみに"A fancy is lonely!"からの"1人だけど 独りじゃない"の繋ぎは1年ぐらい前からずっと推しているので、いい加減「何かが変わりそう」との組み合わせで登場して欲しいと思ってる今日この頃です。

 

 

 

17.Nihil Pip Viper

 

てっきりマイナー調の治安悪めの曲が来るかと思いきや、まさかの底抜けに楽しげな曲調で登場したのが、今回のツアーに向けて発売された新曲「Nihil Pip Viper」です。

 

こんな明るい感じのヘビなんてなかなかおらんて…。

 

曲調的には、アトラクション+テンパロ+Fool on the planetみたいなイメージなんですが、ひたすらにライブで盛り上がるイメージしたない構成になっております。

 

ここまでライブに振り切った曲になった以上、1番ドラマがあるところで披露して欲しいので、ライブが最高潮となるラス前になるのでは?と予想しています。

 

「Patrick Vegee」はどうもアルバムの性質上、ビシッと最後を締める曲があまり見られないのが特徴でもあるので、それを埋め合わす意味合いでも役割を十二分に発揮してくれそうな気配があります。

 

個人的にはBsSsツアーで「I wanna belive、夜を行く」が登場したときの景色か見えたので、ぜひ同じ役目を果たして欲しい願望があります。

 

 

 

18.春が来てぼくら

 

この曲がここに来るとは、予想してる本人でさえ思いもよらない展開だったんですが。笑

 

今回のアルバムで1番の異質である「春が来てぼくら」を扱うにあたっては、完全に切り離すかめちゃくちゃにピックアップするかの極端な2択をする他ないと思っていて。

 

事実、2020年に行う場合は同期曲を使わないという制約があったため、演奏されないことが確定されていました。

 

今回はそんな制限も取っ払われることがほぼ決まっているので、どうあってもセットリスト入りは免れないような気はしています。

 

最近は全然披露されていないし。

 

おそらく「弥生町ロンリープラネット」との繋ぎは「LIVE(in the)HOUSE」の演出が鮮烈すぎて、同じ手は使わないはず。

 

そうなってくると、あえて本編の最後に持ってきて、ひとつの独立させた曲として披露することが逆にバランスが良い配置になるのでは?と思ったのが言語化できる理由です。

 

…本当のことをいえば、このツアーの最後に「春が来てぼくら」とかエモくね?っていうのが1番の理由なので、うまく説明できないのが実情です。

 

ただ、奇しくもこの曲が配信ライブで披露されたのは、「Patrick Vegee」本来の発売日である2020年7月15日でした。

 

そんな日にライブの最後を飾った曲が、今一度アルバムツアーのトリを任される。

 

そんなのどうやっても最高のライブになることが約束されていませんか?

 

まあこれも8割願望なんですが…成就することを勝手に願っております。

 

 

 

 

EN1.夏影テールライト→EN2.ラブソングは突然に〜What is the name of that mystery?〜

 

「夏影テールライト」は当初は終盤の頭にセッション付きで置いていたんですが、そうするとやけにゆっくりした曲が続くし、終盤の爆発力としては少々物足りないかたちになるのが本音でして。

 

…だったら、いっそ本編じゃなくても良くない?

 

そんな発想でアンコールに持ってくることにしました。

 

「LIVE(on the)SEAT」の開催方法のおかげで、割とライブで演奏してるイメージのある曲なので、本編に組み込まずとも違和感ない構成になる気もしています。

 

何よりグチャっとしたツアーのセットリストには相応しい演出にもなるのかなと考えたりしました。

 

ちなみに「Phantom Joke」は今回はセトリ入りしないかなという予想です。

 

曲のエネルギー的に全然入りそうですが、さすがにアルバム12曲全てを入れる余地はなさそうなので、消去法で最近1番演奏回数の多いこの曲が外れるだろうと思っています。

 

「fun time Accident 3」でもセトリ入りしてたし、これは割と信憑性高し?なんて。

 

そうなると繋ぎですが、「夏影テールライト」は"幻に消えたなら ジョークってことにしといて"の切ない終わり方が特徴的な曲でもあります。

 

恋が決して理想的な展開でないことを暗示しているようにも見受けられるこの曲に、どうしてもトゥルーエンドのような救いを求めたかった僕は…「ラブソングは突然に〜What is the name of that mystery?〜」の力で幸せな未来を手繰り寄せるような演出を望んでしまいました。

 

…多分ここが1番の願望ポイントですね。笑

 

夏影(序章)→ラブソング(本編)→"続きは解決編で"

 

そんな救いのある展開を望んでしまうのは決して悪いことじゃないですよね?(迫真)

 

実際にこの繋ぎは妄想ライブレポでも披露しちゃってるんですが、ドラムソロと並んでぜひ実現して欲しい曲間ではあります。

 

"幻に消えたなら ジョークってことにしといて"

 

 

"ところでsay I love you! 今生最大のsay I love you!"

 

…いや、控えめに言っても最高すぎん?

 

現実になれば、きっと多幸感溢れる演奏になるはず…そんな期待値も込めて入れてみました。

 

 

 

 

EN3.天国と地獄

 

本編がかなり暖かいエンドで終わった場合は、アンコールはちょっと変化をつけるのがUNISON SQUARE GARDENの常套手段。

 

きっとド派手な終幕になる可能性は非常に高そうです。

 

しかーし、そんなときに最適な飛び道具たちである「ガリレオのショーケース」や「アイラブニージュー」、「crazy birthday」や「Cheap Cheap Endroll」は昨今のリバイバルツアーや対バン、フェスで頻繁に活用されています。

 

「場違いハミングバード」もリバイバルでかなり多様されているので考えにくいし、「君の瞳に恋してない」や「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」も同期曲な関係で本編との差別化も難しい…。

 

そんなときに思いついたのが、最近フェスもツアーも全然登場していないあの曲でした。

 

そう。「マスターピースだぜ、いえい」でお馴染みの「天国と地獄」です。

 

最近はカウントダウン配信で披露されたり、単発のライブで登場したりと…まったく機会がないわけではないですが、一時期に比べるとかなり頻度は減っている。

 

あれだけの人気曲を温存するんですから、きっと何か意味があるはず。

 

そう考えたときに、あえてアンコールのトリに置くかたちが思いつきました。

 

フェスやツアーでは、ライブの起爆剤としてブロック真ん中もしくはラス前に配置されることが多いこの曲は、「世界はファンシー」と同様にラストでは映えにくい様な印象もあります。

 

とはいえ、「Dr.Izzy」ツアーでは日替わりで本編ラストを担当するなど、まったく経験がないわけではありません。

 

ファンが待ち望んていた期待感も込みで、バッチリトリを務めてくれるのではないかと勝手に想像しております。

 

「Cheap Cheap Endroll」並みにズタズタに切り刻まれるぐらいの多幸感を持った楽しいラストにして欲しいなんて願望も込めました。

 

もしかしたらユニゾンの新しいカタチが見れるかも?…なんて。

 

 

 

 

以上がセットリスト予想となります。

 

普段はやってない曲ばっかりで予想が難しかったりするんですが、今度は色んな曲をやりすぎて、逆に何するかわからないという贅沢な悩みでした。笑

 

まあでも、こんな予想も飛び越えてしまうぐらいにまた最高なセットリストを作っていると思うので、ひとまずはそんなライブを体験できる日まで震えて待とうと思います。

 

あ、とりあえずネタバレはなしでお願いします。ふせったー使ってね。

 

僕が参戦できた暁には、存分にセトリ談義をしましょう!

 

いよいよ今日から開幕の「Patrick Vegee」ツアー…ロックバンドは今日も無敵で楽しい。そんな事実を再確認できる瞬間が今から待ち遠しいです。

 

では、バイバイ!

 

TOUR 2020 Patrick Vegee ライブレポ (妄想)

2020年11月19日、僕は大阪にあるフェスティバルホールに足を踏み入れていた。(ここだけは事実なんだよなぁ)

 

今日は大好きなロックバンド、UNISON SQUARE GARDENのライブが開催される。(実際にやったから嘘じゃない)

 

夏に(何もなければ)発売されたNewアルバム「Patrick Vegee」…そのツアーが始まり、いよいよ待ちに待った大阪での初ライブとなる。

 

日程は今日と明日の2days。(オンザシート基準)

運良く両日のチケットを入手できた僕は、まずは初日のライブに向けて、胸を高鳴らせていた。

 

開催されるフェスティバルホールも、自分が行ったなかでは1番好きなホール会場だったので、その分期待値も跳ね上がっていた。

 

もうすっかり顔馴染みとなった面々との挨拶も済ませ、入場の列に並んで紙のチケットを用意する。(電子もいいけど、紙もいいよね)

 

ホールの良いところは席が決まっていることなので、変に焦らすに入場できるのは嬉しい。

 

席は2階だったけれど、見通しは悪くない。

 

開演時間まではまだ少し余裕があるが、この待ち時間は何だかいつもソワソワしてしまう。

 

それぐらいに楽しみなイベントであり、自分にとって音楽がどれぐらいの支えになっているのかを再認識する瞬間でもある。

 

そして、何といっても今回はアルバムツアーだ。

 

傾向から最初の曲はある程度予想できるかもしれないが、アルバムの既成概念をぶっ壊してしまうようなセットリストを組むのが彼らの流儀なので、どうせ今日もまた散々に揺さぶられることを覚悟してしまう。

 

そんなことを思っているうちに開演時間となり、会場の照明が消えて暗転する。

 

流れてくるのはお馴染みのSE「絵の具」、この曲が流れるだけで自然とワクワクが抑えられなくなってしまう。

 

鈴木、田淵、斎藤の順番でステージに現れ、そのたびに拍手と歓声が巻き起こる。

 

あまり名前を呼んだりってことは推奨してはいないけれど、こうやって思いを叫びたくなる気持ちは少しだけわかってしまう。

 

そうして、各々が楽器を手に取り、演奏の準備を始めていく。

 

何となく1曲目の予想はついていたので、ベースを持つ田淵に注目をしていたが(I need Hatch!)、そんな安易な考えはプツッと切れたSEとともに一刀両断されることとなる。

 

始まったのは切れ味抜群な斎藤宏介のギターソロ(Spring×3を思い出そう)、この時点で自分の考えていた推理は的外れだったことに気づき、一瞬で混乱の渦に巻き込まれてしまった。

 

一体何の曲なんだ…どこかで聴き覚えがあるアレンジだったが、混乱している頭の中ではうまく整理できず、答えがまったくといっていいほど出てこない。

 

その解答が浮かんだのは、ギターのメロディが聴き慣れたものになったときだった。

 

1曲目はまさかの「マスターボリューム」…アルバムツアーの幕開けが初期シングルだなんて誰が予想できただろうか。

 

この選曲の意図は田淵にしかわからないはずだけど、この予想外の出来事に会場は驚きを隠しきれないどよめきに近い歓声が巻き起こっていた。(インザハウス2の製品化いつですか?)

 

余計なものを極限まで削ぎ落とした演奏はいつ見ても心奪われるし、久々の披露ということもあって、観客のボルテージも初っ端から上がりきっていた。

 

僕自身もユニゾン1番好きな曲であり、ライブで聞けたのも約7年ぶりということもあって、まさかの再会に思わず悲鳴に近い声をあげてしまった。

 

生のライブで聞きたくて聞きたくてたまらなかった曲が、予想もしない場所で予想もしないかたちで披露される…これだけで今日のライブがただではすまないことを予感させた。(インザハウス2のライブレポよりパク…引用)

 

雷のように鋭いサウンドは文字通り一瞬で過ぎ去り、揺さぶりに揺さぶった幕開けはその熱量を保ったままにライブを次のステージに繋いでいく。

 

斎藤の静かな「ようこそ」とともに鳴ったのは、今度こそ田淵のベースの歪なメロディ…アルバムの先陣を切る「Hatch I need」がいよいよ登場する。

 

不穏な"I need Hatch!"の三重唱からの入りは、ゾクゾクと脳髄を痺れさせるように、新世界のライブへと導いてくれる。

 

斎藤の妖艶な歌いぶりに確かな色気を感じながら、"判断待って 待って!"のサビでは自然と僕を含めてオーディエンスの体は揺れていた。

 

短い曲ながらも圧倒的な衝撃で会場にいる全員の心を跳ね上げていき、後奏の"I need Hatch!"で曲は幕引きとなった。

 

ただ、UNISON SQUARE GARDENというバンドがそれだけで終わるわけがなくて…

 

"マーメイドの嘘が 本当になってしまう前に 夜を駆けなくちゃ 真実は泡になる 虚しすぎる なんてスキャンダラス"

 

3曲目は「マーメイドスキャンダラス」、アルバムで恒例の枚数繋ぎ…それが今回かなりトリッキーなかたちで実現されており、そんな繋ぎをライブというぼくらにとって最高の場で再現してくれた。

 

それだけで鳴り止まない歓声が湧き起こり、この瞬間を待ち望んでいた人がどれだけいたのかも推し量ることができた。

 

曲自体もツアーを通してさらに洗練されているのことが伺え、マイナーキーと人魚の儚さが混在した悲しげなメロディが、どの曲とも異なるカッコよさを演出していた。

 

ここまでの3曲は全てロックさに振り切った曲であり、僕個人としても好みの曲ばかりだったので、この時点でテンションは最高潮になってしまった。

 

そんな熱量を絶やさないためなのか、鈴木の"1.2.3.4!"の雄叫びとともに、聞き馴染みのあるメロディが会場に響きわたる。

 

「場違いハミングバード」が序盤の目玉として披露されるだけで大正解なのだが、それがこの意表を突かれまくるライブで登場するだけで安心感が芽生える。

 

このセットリストの魔法がUNISON SQUARE GARDENのライブが最高たる由縁なんだろうと何度でも再確認してしまう。

 

15thライブやB面ツアーなどを挟んだためこの時間軸のftH8ではやってなさそう)、すっかりご無沙汰となってしまったが、それを微塵も感じさせない演奏スキルはさすがの一言だった。

 

鈴木の華麗なスティック捌きも、田淵の序盤であることを忘れさせる縦横無尽な動きも、斎藤の激しいギターソロも、15周年を経て全てがひと周りパワーアップしているようだった。(オンザシートもそんな感じだったよね)

 

そんなエネルギッシュなパフォーマンスも秒速で過ぎ去り、「UNISON SQUARE GARDENです!」の一言とともに、ステージは一瞬暗転をする。

 

こりゃ今夜のライブもただでは帰れない…そんな覚悟をしたのはここだけの話。(いつもそうなので、妄想でもここだけは紛うことなき事実)

 

「Patrick Vegeeツアーへようこそ」

 

暗転のなかで斎藤の声が聞こえきた。すると、会場に再び照明の光が灯される。

 

「えー久々のアルバムツアーになります。めちゃくちゃ良い曲をたくさん持ってきたので、最後まで楽しんでいってください。よろしく!」

 

そんな短いながらも慣れ親しんだMCが終わると、ユニゾンではなかなかお目にかかれない田淵の"1.2、1.2.3!"のカウントとともに懐かしいベース音が響き、そのまま3人の音が交わっていく。

 

"やくそくは1時間だけ だけどそんなにうまくはいかないでしょ ちょっと!かたづけないでよ まだ大事なボス戦なんです"

 

幼少期を思い起こさせるような歌詞の「チャイルドフッド・スーパーノヴァ」が披露されるのも何年ぶりだろうか。

 

確か最後にセトリ入りしたのは、2015年ツアーの「プログラムcontinued」だったはず。実に5年ぶりの登場だった。

 

そうでなくとも、2ndアルバム「JET CO.」はライブでの頻度が控えめの少々不遇な作品でもある。(2020年現在は…2021年で大化けするんだよなぁ)

 

それがこんなに序盤で登場することに喜びが隠せなかったし、「Patrick Vegee」のキャッチコピーである"グチャッとしている"を体現するような構成に胸が震えた。

 

可能な限り3人の音で構成されているアルバムツアーに加わる、斎藤のホイッスルの音も最高のアクセントになっていた。

 

ポップな雰囲気のままに曲が終わると、それをぶった斬ってしまうような雄叫びとともに、鋭いギターサウンドが観客の心もズタズタに切り刻んでいった。

 

まさかこのツアーでこの曲に出会うなんて…「セレナーデが止まらない」がツアーでは実に7年ぶりの披露となった。(妄想でセレナーデ出すの好きすぎる説)

 

収録アルバム「CIDER ROAD」ツアー以来の登場に古くからのファンは恍惚の表情を浮かべていたし、新しいファンは予想外の出会いに戸惑いと喜びが入り混じった表情をしていた。(現実ではこの2年で複数回セトリ入りするなんて信じられます?)

 

パフォーマンスも待ち望まれていた分だけ力強いものになっており、ここだけでも何回も聞きたくなるような唯一無二のカッコ良さで漲っていた。

 

後奏では3人の音が合わさった盛大なキメをかまし、ここで一旦ライブの流れは途切れたが、すぐさま次の曲の前奏が聞こえてきた。

 

どこか寂しさを感じながらも、そこはかとない美しさも併せ持つようなメロディは今現在この曲だけが持つ特性だと思う。(そしてきっとこれからも)

 

「夏影テールライト」がここまでの激しいライブが嘘みたいに、ステージ上に一筋の静けさをもたらし、観客はそれを染み入るように感じ続ける様子があちらこちらで見受けられた。

 

前代未聞のコーラスによる音色の構築も原曲と遜色ない仕上がりとなっており、MVのような儚い世界観がまるでこの場に現れているかのようだった。

 

"幻に消えたなら ジョークってことにしといて"

 

次曲の伏線でもあるこのフレーズを耳にした瞬間に自然とこちらも心の準備が整った。

 

満を持して聞こえてきたのは…斎藤のロングトーン響きわたる予想外の曲だった。

 

"気味悪がりだしたらキリナシ 点と線は定義定規 手を握って感じられるものが全て 忘れたの?"

 

始まったのは「ラブソングは突然に〜What is the name of that mystery?〜」…誰もがこのアルバムの特徴であるシングルとの繋ぎが見られると思っていたはずで、同じく「Phantom Joke」が来るものだと信じていた僕の予測とはまったく異なる展開を見せていた。

 

アルバムとライブでは楽曲の見せる顔が異なるというUNISON SQUARE GARDENの真骨頂ではあるのだが、こんなかたちで遭遇することはきっと誰も予想していなかったことなので、会場はザワめきに近い歓声が沸き起こっていた。

 

しかし、この選曲には一定の意図も感じる。

 

"幻"でも"ジョーク"でもなくなった本物のラブソングが突然現れた様は、まるでゲームのトゥルーエンディングのような大団円を感じさせるものとなっていた。(現実でもこの繋ぎは実現する気がしている)

 

昨年のB面ツアーを通してパワーアップした演奏はよりヒートアップしていき、特にリズム隊の暴れっぷりは他の追随を許さない勢いが凄まじかった。

 

田淵の地鳴りが起こるのではないかと思う激しい揺れも、貴雄の阿修羅のようなドラムテクも、昨年のツアーのENラストを超えるぐらいの熱量を感じさせた。

 

"What is the name of that mystery?"

 

斎藤の流暢な英語の締めで前半を締め括るのかと思いきや、それで終わるほどUNISON SQUARE GARDENは生半可なものではなくて、さらにぼくらの揺さぶりの世界へと誘っていく。

 

そろそろ聞き馴染みも出てきたドラム音から始まったのは「Catch up,latency」、もはやどう伝えていいのかわからない…まさに"グチャッとした"ライブの行き先はどこまで続いていくのだろう。

 

驚嘆なのはそれでもセットリストに違和感なく(そう信じてる)、ひとつのライブとして"いつも通り"を成り立たせていることだろう。

 

序盤を除いて(それすら伏線)アルバムの構成の面影はまったく残っていないが、「Patrick Vegee」のアルバムツアーとしての役割は十二分に果たしている。

 

うまく言葉では言い表せないが、また新しいかたちのライブに出会えた気がした。(どうせ現実もこうなるだろうしね)

 

シングル曲として様々な場面で活躍してきたこの曲は、今ではすっかり前半戦の大トリを務め上げるぐらい成長した楽曲となった。

 

3人が演奏しきった後の爽快感は、おそらくこのツアーだからこそ体験できたものだと思う。

 

そんな"大事件"をしっかり起こしながら、ライブの前半戦は終わり、少しだけMCの時間に入る。

 

MCでは、大阪は15周年の思い出の地であること、フェスティバルホールのインディアンカレーをついつい食べてしまうことなど(確かそんなMC昔してたよね?)、いつも通りの自然体なゆるーい喋りが印象的だった。

 

「そんな感じで肩の力を抜きながらやっているツアーですが、変わらずにカッコ良いライブはやっていきますので、引き続き楽しんでいってください」

 

そんな斎藤の言葉で締め、ライブは後半戦に突入する。

 

静かなギター音から始まったのは、「弥生町ロンリープラネット」…ftH8で初披露されたのこの曲だが(インタビュー参照)、「春が来てぼくら」との芸術的な繋ぎが記憶に新しい。

 

もちろん今回のライブの傾向では、おそらく違う仕掛けが待ち受けているのだろうが、冬の終わりを知らせる曲の性質がどう生かされていくのか楽しみでならなかった。

 

"そして、僕らの春が来る"

 

続け様に流れたのは、聞き慣れたストリングスではなく、貴雄の鳴らす静かなドラム音だった。

 

鮮やかではないけれど、何気なく訪れた春の幕開け…うん、こういう春も悪くないかも。

 

「光のどけき春の日に」が穏やかな春の幕開けを告げているようだった。

 

一際長いこの曲はライブを間延びさせてしまうような要因にもなり得るが、比較的短い曲の多いこのアルバムのツアーだとちょっとした特別感があって、意外と素直に受け入れることができた。

 

何より歌詞の美しさ、春の何気ない日常に触れているようで、自然と穏やかな気持ちにさせてくれた。

 

3人の音だけで作り上げたこの曲は、思った以上に「Patrick Vegee」と相性が良いのかもしれない。

 

そんなゆったりした時間も過ぎ、不穏なギター音ともに披露された「摂食ビジランテ」では、ライブが再び激しいものになっていくことを予兆するような鋭いパフォーマンスを見せていた。

 

"めんどくせぇよ 忌々しい 白状です ちっとも食べられない"

 

そんなどこか力の抜けた歌詞は、投げやりなんだけど、何か大切なものが見え隠れしている…そんな伏線のようなものを感じさせる。

 

マイナー調のテンポが遅めの曲は、斎藤のボーカリストとしての表現力がことさらに目立つような仕組みになっている気がする。

 

とっつきにくいはずなのに、何故か目が離せない…相反する魅力を感じるのは、一筋縄ではいかない斎藤宏介という男の性質を一定表しているのかもしれない。

 

前回のアルバムツアー「MODE MOOD MODE」とは180度異なる尖りに尖った山場の終演は、ロックバンドがロックバンドらしくあるために、最小限に必要なものだけを凝縮していった結果の産物なんだと思う。

 

一瞬の静寂の後に起こる拍手…観客が我が道を行くロックバンドに圧巻された様を表しているが、不思議とこのあとのライブへの期待値はさらに跳ね上がっているようだった。

 

ライブはいよいよ終演へと向かっていく。

 

貴雄の激しいドラムから始まるセッションは、新たな幕開けを告げているような錯覚を起こすぐらいに壮大で、疾走感あふれるサウンドが迫りくる高揚感をより確実に認識させていた。(どこかのNormalなライブみたいに)

 

"悲しくちゃ終われない まだずっと愛していたい"

 

ライブ限定の歌い出しは、「I wanna belive、夜を行く」を彷彿とさせるが、いつ見ても心が震える。

 

新曲ながらに時期の関係で披露する場に恵まれなかった「Phantom Joke」が特別な立ち位置で、満を持してその力を余すことなく発揮していた。(ftH8はまだまだ慣らし運転ということで)

 

バンド史上最も難易度が高いはずの曲は、後半戦でもそのクオリティを落とすことなく、研ぎ澄まされた演奏で会場を魅了していた。

 

"言えそうで良かった 「まだ愛していたい」"

 

愛を唱えるこの曲は、恋とは違うけれど、これからも何かが途絶えずに続いていく希望のようなものを感じた。

 

そんな雰囲気も一転して、ポップなメロディが会場にワクワクした気持ちをもたらし、すでに飛び跳ねながら嬉しさを表現している観客もいた。(実際にいそう)

 

「スロウカーヴは打てない(that made me crazy)」は、ライブの多幸感をまとめてひとつにしてしまったかのように、メンバーも観客もめちゃくちゃに笑顔にしてしまう絶大なパワーを感じさせた。

 

"I must doubt pop music"

 

で思わずみんなで叫んでしまうぐらいに会場の熱量は上がっていたが、誰もがこの場にいることへの幸せを持ち合わせていることに気づくぐらいに最高の空間になっていたと思う。

 

"凸凹道を埋めています つまりレイテンシーを埋めています"

 

もう本来の繋ぎがないことはわかっていたが、それゆえにどんな構成でセットリストが仕上がっているのか…僕の興味はそこに向かっていた。

 

そして、その結果は誰にも予想できなかったと思う。

 

だって、そうじゃないか。

 

ここで「リニアブルーを聴きながら」来るなんて、一体誰が考えつくんだろう。

 

シングルとしては、決して知名度は高くない曲が、最新曲と合わさっても遜色ない魅力を発揮する。

 

これがUNISON SQUARE GARDENのライブの醍醐味だ。

 

どれだけぼくらを揺さぶっても、また明日は違う仕掛けが施されている。

 

いつまで経っても彼らに飽きるときは来ないのかもしれない。

 

約8年を経て演奏される「リニアブルーを聴きながら」は、はじめて聞いたあの頃から何も変わりがなくて、新しい魅力を発見した分さらに好きになってしまった。

 

何より印象的なのは、演奏中の田淵の笑顔だった。

 

音楽を鳴らせることへの嬉しさが溢れる笑顔が純粋で眩しくて、今日がどれだけ尊いものなのかを再認識した。

 

「オンドラムスタカオスズキ!」

 

斎藤の声とともに、待ってましたと言わんばかりに鈴木の全力全開のドラム音が響き渡る。

 

激しいドラムからの静かなスティック音が囁くように流れ、緩急を繰り返した演奏が期待感を演出していた。(音楽知識がないゆえの表現力の限界)

 

途中からは某ツアーを彷彿とさせるように上着を被る…と思いきや、そのまま上着を投げ捨て、手数で翻弄する芸術的な演奏を披露する。

 

"グチャッとした"アルバムツアーで正攻法をかます。これもある意味での揺さぶりなのかもしれない。

 

そこに合わさるように田淵のベースと斎藤のギターが妖艶な雰囲気とともに交わり、それが最高潮に達すると一瞬の沈黙の後に、鈴木が"1.2.3.4!"と軽やかにスティックを鳴らしながら叫ぶ。

 

このライブ最大の山場には、やっぱりリード曲の「世界はファンシー」が相応しい。

 

田淵の謎のダンスに心がウズウズしながら、"グチャッと"してる曲のはずなのに、自然と体を揺らしてしまう高揚感が会場中に駆け巡っていた。

 

表情が綻んで笑顔が止まらなくなってしまう多幸感はとどまることを知らず、間違いなくこの会場で1番ライブを楽しんでいるのは自分であることを宣言できるぐらいの没入体験だった。

 

"My fantastic guitar!"

 

そう高らかに宣言する斎藤のギターに魅了されながら、ラスサビに突入すると、思わず両手をガッツポーズみたいに振り上げてしまう。

 

"A fancy is lonely!"

 

楽しいことは孤独かもしれないけれど、決して寂しくない。今日この場を体験したら、間違いなくそう確信することができた(はず)

 

そこから間髪入れずに流れるのは聞き覚えのある、けど待ち望んでいたメロディだった。(UNICITY LIVE ONLINEを思い出して欲しい)

 

ライブを終幕へと導く「オトノバ中間試験」は、多幸感も高揚感も疾走感も全部グチャグチャにして、言葉にできない感情を駆け巡らせていく。

 

ラスサビ前にもみくちゃになりながら、じゃれ合うように絡む斎藤と田淵の光景も今やすっかり見慣れてしまったが、もはや戸惑いよりも微笑ましさが上回ってしまった。(現実はもっとひどいし)

 

最後はお互い倒れながら演奏を終える姿は、全てを使い果たしてやりきった男たちの姿があった。(ただイチャついてただけだけど)

 

「大阪ありがとうございました!また会いましょう!!」

 

曲の余韻に浸りながら、斎藤が別れの言葉を告げる。

 

「ラスト!」

 

"ごめん 全然聞いてなかった 大好きなメロディが多すぎて"

 

本編ラストを飾ったのは「101回目のプロローグ」、壮大なこの曲はまさに大団円を飾るのに相応しい。(UNICITY LIVE ONLINEを思い出そry)

 

組曲のように様々なメロディが入り組む楽曲は、どこまで"グチャとした"ライブでも、最後には心地のよいものに変えてくれる。

 

ここだけはアルバムと共通した役割を見出していたが、その立ち位置はまったく異なっていた。

 

アルバムは最後まで行き着いたものへのご褒美みたいなものだったが、ライブでは見る者と今日の素晴らしさを分かち合えるような。

 

文字通りの"共犯関係"に有終の美を飾るような、そんないつもとはひと味違う終演を感じさせた。

 

どんなに変化があっても顔色ひとつ変えずに演奏しきる3人の姿に一種の感動も覚えながら、今日の終わりは近づいていた。

 

"魔法が解ける その日まで"

 

名残惜しむように後奏がゆっくりと進んでいき、最後は盛大なキメとともに曲は終わりを迎える。

 

UNISON SQUARE GARDENでした!またね!!」

 

そうして、ライブ本編は終わり、3人が退場していく。

 

もちろんこれだけで終わらない。ぼくらのほんの少しだけおまけを待ち望む拍手が鳴り止まない。

 

そんな気持ちが通じたように、ステージの明かりが灯り、歓声を浴びながら3人が入場する。

 

再び楽器を手に取ると、鈴木のドラム音から「Simple Simple Anecdote」でアンコールの幕が開いた。

 

アルバムでもおまけの立ち位置ではあるが、大切なことをたくさん教えてくれるこの曲は、きっとここまで待ち望んでいた人も多かったと思う。

 

"全部嫌になったなんて 簡単に言うなよ 全部が何かってことに気づいてないだけ"

 

"誰にもわかんないことを解き明かしても 誰にもわかんないまんまでいいのかも"

 

このフレーズを生で聞けたことは、それだけで人生の支えになっていくと思う。(ちょっと書いてて悲しくなってきた)

 

「アンコールありがとうございます!」

 

そんな斎藤の言葉で、今日最後のMCに入る。

 

大阪でいつも楽しくライブができていることへの感謝だったり、おいしい食べ物がたくさんあって嬉しいことだったり、とにかく大阪を褒めてくれてることが印象的だった。

 

「ただやっぱり大阪はMCで喋るときに人一倍気を使いますね。前日に何喋ろうかな〜ってめっちゃ考えます。笑」

 

そんな謎のプレッシャーに苦しむ斎藤に少しだけ笑ってしまったけれど、何にでも全力で取り組む斎藤の姿に少しだけ尊敬してしまったのはここだけの話。(何故かリアルでも神経すり減らしながらトークしてるのはガチで笑ってしまう)

 

「また今後も大阪でライブはしていこうと思っているので、楽しみにしていてください!ではUNISON SQUARE GARDENでした!!」

 

そう言い終わるか終わらないかのうちに、鈴木のドラム音が鳴り、曲に感付き始めた観客が喜びの歓声をあげる。

 

"Drink up? Turn up! MIDNIGHT JUNGLE!"

 

最後の晩餐と言わんばかりのゴリゴリのロックサウンドが響き、悔いを残さないように観客がはしゃぎ回り、大きな声をあげる。(もったいない!だけはどうしても叫びたくなる)

 

"各自 夜と遊べ"

 

ギュンギュンと鳴らすギターとともに、そう告げる斎藤の歌声は、ライブの余韻へと繋げるには十二分な出来事となった。

 

そんなテンションが最高潮になった瞬間の「ラスト!」のイントロで、観客の歓声は一層激しいものとなった。

 

多分「オリオンをなぞる」がこの場面で登場することは本当に稀だと思う。(いつか実現して欲しい)

 

ツアーではすっかり出番が少なくなっていたこの曲が満を持して登場することは、それだけで観客の心を掴かみとり、新旧入り乱れて様々な喜びの表情を見せていた。

 

何よりこの曲は、演奏している3人の安心感溢れる表情や動きが印象的で、バンドにとっても大切な曲になっていることが伺えた。

 

最後はどこか「プログラム15th」を彷彿とさせるような後奏を終え、ついにアンコールも終演した。

 

「バイバイ!」

 

別れを惜しむような歓声のなかで、3人は退場し、「Patrick Vegee」のライブは終わりを迎えた。

 

久しぶりの全国ツアー、しかもアルバムを引っ提げてのライブということで、どんなに揺さぶられるのかを楽しみに今日を迎えた。(迎えたかった)

 

実際は予想以上の高揚感と多幸感が溢れており、やっぱりUNISON SQUARE GARDENは僕に生きる力を与えてくれる。(ここも事実になると思います)

 

明日はどんなライブになるんだろう。今から楽しみならない。

 

Patrick Vegee セットリスト(妄想)

 

1.マスターボリューム

2.Hatch I need

3.マーメイドスキャンダラス

4.場違いハミングバード


5.チャイルドフッド・スーパーノヴァ

6.セレナーデが止まらない

7.夏影テールライト

8.ラブソングは突然に〜What is the name of that mystery?〜

9.Catch up,latency


10.弥生町ロンリープラネット

11.光のどけき春の日に

12.摂食ビジランテ


13.セッション〜Phantom Joke

14.スロウカーヴは打てない(that made me crazy)

15.リニアブルーを聴きながら

16.ドラムソロ〜世界はファンシー

17.オトノバ中間試験

18.101回目のプロローグ


EN1.Simple Simple Anecdote

EN2.MIDNIGHT JUNGLE

EN3.オリオンをなぞる

 

 

 

 

 

 

以上、誕生日に妄想ブログを垂れ流すという三十路男の暴挙でした。

 

ftA3には行けなかったし、当分ライブもないし、ならせめて「Patrick Vegee」ツアーに向けた何かをやりたいな〜ということで、もしも予定通りにアルバムが発売されたらという仮定の元でセットリストとライブレポを考えてみました。

 

まあとはいえ、一応現実に即したセットリストにはしてるんですよ?これまでのインタビューとか照らし合わせながら。

 

・8thアルバムツアーの1曲目は「マスターボリューム」が良いと思っていた。

 

・「弥生町ロンリープラネット」→「春が来てぼくら」の繋ぎは、ftH8で披露するつもりだった。

 

・同期音を使う機器は持っていかず、「春が来てぼくら」や「シュガーソングとビターステップ」をやるつもりはなかった。

 

・アルバムのシングル繋ぎは、今度のツアーではやらないかもしれない。(アルバムとセットリストの構成は別…らしい)

 

そこらへんの情報を加味しながら、最近のライブの演出も取り入れつつ、妄想セットリストを再現してみました。

 

少しはイメージできたでしょうか?

 

まあこうな過去があったらいいな〜ってぐらいのものなので、せっかくならそれが分かち合えていれば嬉しいですね。

 

あ、そういえば久しぶりの更新ですね!(遅い)

 

ちょっと思うところがあってブログは停滞していたのですが、音楽文が終了したこともあって(本当に残念)、今後はもう少し頻度を増やしていければと思っています。

 

…何かネタがあれば創作意欲も湧きそうなので、良いものあればご提供よろしくお願いします。

 

では、今日はここまで。バイバイ!

 

 

 

 

 

 

 

Nomal セトリ予想

気がつけばもう2月ですね。

 

いよいよ明日よりUNISON SQUARE GARDEN LIVE TOUR 2021「Nomal」が始まります。

 

幸運なことに大阪の日程を当てることができたので、万全の対策を持って参加する予定です。

 

そうなってくると、忘れてはならないのがセトリ予想です。

 

何だかんだと昨年のライブでは全て事前に予想をしていたので、今年も引き続きやっていこうと思います。

 

個人的にはこの予想はこれまでの傾向と直感に従って考えてる部分も多いので、当たることは稀だと思いますが、当たらずとも遠からずなときもあるし…懲りずにがんばります。笑

 

 

 

今回のセトリの大枠的なテーマはこんな感じだろうと考えております。

 

UNISON SQUARE GARDENの「Nomal」は絶対普通の選曲じゃない。(倍率がAbnormalとはよく言ったもので)

 

②ツアー名「Nomal」に関する曲がピックアップされる。

 

③「Phantom Joke」のシングルツアーの様な立ち位置で行う。

 

④4月から行われる再現ツアー「Spring Spring Spring」で披露される曲は入らない。

 

 

まずは①について。今回のツアータイトル「Nomal」は時間や曲数などを通常のライブ形態に戻ることを意味しています。

 

昨年まであったライブの制限を少し緩和するかたちで行われるわけです。

 

つまりあくまで「Nomal」というのは、UNISON SQUARE GARDENにとっての普通のライブをするという意味合いのはず。

 

このブログを読んでもらっている方ならもうお気づきでしょうが、そこで定番曲ばかりを行うような彼らではありません。

 

普段はなかなかお目にかかれないレアな曲が盛り込まれる予想をしています。

 

補足させてもらうとすれば、昨年の配信ライブで披露した曲以外からピックアップされる気がしております。

 

続きまして②ですね。

 

調べてみると、ユニゾンの楽曲には"普通"を意味する歌詞が含まれている曲がいくつかありました。

 

思えば楽曲やアルバムにまつわらないツアー名というのも久々だと思うので、これは高確率で含まれる気がしています。

 

他ブログで"常識"なんて言葉も関連づけられていたんですが、目の付け所が素晴らしすぎて、なかなかにおったまげました…(自分の予想にも入ってたけど、完全にただの偶然)

 

 

③は田淵のブログでも明言されていましたが、「Phantom Joke」のシングルツアーの様な立ち位置で行うとのこと。

 

発売時期がB面ツアーであったこと、その後も思うようにライブでできなかった関係で、人気に反して何かと不遇な立ち位置が拭えない感じになっているのがこの曲。

 

今回は純粋にライブを行うツアーなので、せっかくならばこれを機に主役に持ってこようという思惑でしょうか。

 

とはいえ、まだまだライブで聞き足りない曲ではあるので、この采配はファンにとっては嬉しい限りだと思います。

 

そうなってくると、カップリングである「ぼくたちのしっぱい」や「mouth to mouse(sent you)」もセトリ入り可能性が濃厚でしょうか。

 

 

最後は④について。

 

ご存知の通り、4月から2012年行われた初映像化ライブ「Spring Spring Spring」の再現ツアーが行われることとなりました。

 

これまでのライブとの決定的な違いは、事前にセットリストが確定していること。おそらくですが。

 

そうなってくると、極力同じ曲は入らないはず。

 

特にかなり優遇されている「UNISON SQUARE GARDEN」と「Populus Populus」の楽曲は今回セトリ入りする曲は少ないと考えます。

 

個人的には去年は少々不遇気味だった「JET CO.」と「Cather In The Spy」が割合を占める予感がしています。

 

 

そんな基本線を踏まえて、セトリを予想してみました。

 

今回は行かない方も多いし、あんまり引っ張ってもあれなので、先に全体の予想から出していきます。色々と試行錯誤も兼ねまして。

 

予想はこちらです。

 

1.カウンターアイデンティティ

2.Dizzy Trickster

3.天国と地獄


4.Cheap Cheap Endroll

5.キライ=キライ

6.スロウカーヴは打てない(that made me crazy)

7.Catch up,latency

8.流れ星を撃ち落せ

9.流星のスコール


10.いつかの少年

11.僕は君になりたい

12.ぼくたちのしっぱい


13.マジョリティ・リポート(daring,I love you)

14.meet the world time

15.セッション〜シュガーソングとビターステップ 

16.Phantom Joke

17.世界はファンシー

18.何かが変わりそう


EN1.スノウアンサー

EN2.mouth to mouse(sent you)

EN3.10% roll,10% romance

 

では、一つずつ解説していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

1.カウンターアイデンティティ

 

ツアー名とは180℃異なる選曲ですが、1曲目は「カウンターアイデンティティ」と予想します。

 

まあ1曲目にしたのは、ハマったライブの同様のパターンがカッコ良すぎた…っていう至極個人的な理由なんですが。笑

 

"太陽に背を向けながら"や"少し黙ってよ"など、ユニゾンらしさ全開の歌詞は十二分にこのツアーの幕開けを担ってくれると思います。

 

"どうにも尋常普通じゃいられない"ライブになること間違いなしです。

 

 

 

 

 

2.Dizzy Trickster

 

こちらは「fun time HOLIDAY 8」でも同様に2曲目に起きました。

 

これは3曲目に「天国と地獄」を置いた時点でバランスを取るために持ってきた感じなんですが、例の過去ツアーでおいしい位置にあった曲は「ようこそ!」に選ばれがちの法則ってやつです。

 

具体的には本編orアンコールのラストの曲になるんだけど、「LIVE(on the)SEAT」の2曲目が「(in the)HOUSE」本編ラストの「フルカラープログラム」だったので、どうも信憑性は高そう。

 

そうなってくると、直近ツアーからはだいぶ選曲が限られてくるのですが、1番当てはまりそうなのが「Dizzy Trickster」です。

 

ツアーはセッション枠やアンコールラストなどの良い位置をもらいながら、実はアルバムツアー以外で披露されたことがないというのも、壮大な伏線になっていてあり得るなと思います。

 

"みんなが大好きな物語のなかじゃ 呼吸がしづらいんだね"

 

なんて最高にUNISON SQUARE GARDENなので。(語彙力)

 

1曲目の熱量を保ちながらも、ライブをまたもう一段階引き上げてくれるようなパフォーマンスを見せてくれる予感がしています。

 

 

 

 

 

3.天国と地獄

 

僕らのマスターピースだぜい、いえい✌️

 

…失礼しました。

 

3曲目は定番中の定番曲である「天国と地獄」が来ると考えています。

 

昨年のリクエストランキングは31位とまさかのギリギリ圏外。

 

ネタ感があって個人的には好きなんですが、ライブの最前線を走ってきた曲としては、なかなかに衝撃的な結果だったと思います。

 

それを払拭するように昨年末のカウントダウンライブでは終盤に披露されました。

 

それがちょっとした伏線になって、序盤の1番良いところで登場するのがめちゃくちゃキレイだよな…?という結論になりました。

 

何よりツアーの登場はかなり久しぶりなので、全ファン待望なのではないかと思います。

 

"Who is normal in this show?"

 

実はこのツアーに1番相応しい曲かもしれません。

 

 

 

 

 

4.Cheap Cheap Endroll

 

こちらは「LIVE(in the)HOUSE 2」で予想したパターンですね。

 

「Dizzy Trickster」同様にいつか来るパターンだと思っているんですが、フェス序盤での登場も多いこの曲は、「自由に楽しんでいってください!」の後に来ても充分パフォーマンスを発揮できるという謎の確信から来る予想です。

 

普通じゃない「Nomal」ツアーなら、こんなパターンもありですよね?笑

 

 

 

 

5.キライ=キライ

 

今回のライブ、普段はスポットが浴びにくい「JET CO.」の曲たちも優遇される予感かしています。

 

ラババンのデザインがジャケットに近かったり、昨年あまりライブ披露に恵まれなかったりと…伏線らしい伏線は貼られている予感はしてるのですが果たして?

 

とはいえ、昨今まったくといっていいほど披露されていない「キライ=キライ」が1番可能性としては高いと予想しています。

 

「LIVE(on the)SEAT」の「セレナーデが止まらない」みたいな感じで、久々の登場に観客の度肝を抜いて欲しい願望がめちゃくちゃにありますね〜。

 

前曲の"君がもっと嫌いになっていく"からの繋がり、最高にUNISON SQUARE GARDENって感じですよね!(語彙がないから複合技)

 

 

 

 

 

6.スロウカーヴは打てない(that made me crazy)

 

「Patrick Vegee」のツアーは秋から開催予定ですが、やはり最新アルバムなので、数曲は登場するはず。

 

「LIVE(in the)HOUSE」が「弥生町ロンリープラネット」、「LIVE(on the)SEAT」が「夏影テールライト」を披露していたので、順当にいけばこの曲がセトリ入りするでしょう。

 

今回は「Phantom Joke」が後ろに控えているので、比較的序盤で登場するのかな?なんて予想です。

 

カウントダウンライブでも楽しげだったので、ぜひ生のライブでも聞いてみたいですね。

 

そして、この曲の後はやはり…

 

 

 

 

 

7.Catch up,latency

 

この曲以外あり得ないですね。

 

「Patrick Vegee」の全曲披露を除いて、唯一披露されていないシングル繋ぎなので、これは外せないと思っています。

 

ツアーとしては実はまだ登場機会も少ない曲なので、東名阪+神奈川だけとはいえ、全国にもっともっと広まって欲しい曲です。

 

 

 

 

 

8.流れ星を撃ち落せ

 

「JET CO.」と同じく、「Catcher In The Spy」も今回のツアーではスポットを浴びるのではないか?という予想もとい願望ありきの配置です。

 

何たってあれだけリクエスト投票でランクインしながら、実際に披露されたのは…たったの2曲。

 

「Catcher In The Spy」大好き人間の僕としては、この現状は少々許し難いですね!

 

とはいえ、「Nomal」なUNISON SQUARE GARDENのライブにピッタリな曲もたくさんあるアルバムなので、違和感なく予想に入れられました。

 

…これであんまり入らなかったら、似た系統の「Patrick Vegee」ツアーでたくさんセトリ入りする伏線ですね!(ヤケクソ)

 

そのなかでもライブ映えするのに、ツアーではめっきり出番がない「流れ星を撃ち落せ」を予想に組み込みました。フェスや対バンではけっこう披露されるんだけどね。

 

ライブで盛り上がること間違いなしの選曲なので、これはぜひ実現して欲しいです。

 

初めにちょっとセッションとかも入れて欲しいところ。

 

 

 

 

 

9.流星のスコール

 

序盤は"嫌い"繋がりやアルバム繋ぎなど、何かしら意味のある構成にしてるんですが、最後は流星繋ぎになりました。

 

こちらも「LIVE(on the)HOUSE 2」でも同様の予想をしてみました。

 

一応今回も理由はありまして。

 

実は昨年のライブで、けっこうな数のシングルをやってるんですよね。

 

その数14/16…数としてはあの舞洲の15周年ライブと同じぐらい。

 

やはりリクエストライブで上位にランクインしたことが強かったみたいですね。

 

そんななかで、披露されなかったのが「cody beats」と「流星のスコール」の2曲でした。

 

そして、「cody beats」は「Spring Spring Spring」でセトリ入りしてることが確定している。

 

そうなってくると、多少メタいですが、「流星のスコール」も今年のどこかのライブでセトリ入りすることはほぼ確実だと考えています。

 

だったら、1番自由度の高い「Nomal」だよね?なんて根拠から予想に組み込み、どうせなら"流れ星"繋がりじゃい!ということでこの順番になりました。

 

前回は舞洲だったので野外でのライブとなりましたが、この曲はスポットライトだけが照らされるライブハウスでも充分な魅力を発揮するので、ぜひ今年のうちにまた聞きたいですね。

 

 

 

 

10.いつかの少年

 

「Nomal」のグッズ紹介で1番目を引いたのがラバーバンドのこのフレーズ。

 

「いつか」の「この色合い」

 

色合いは「JET CO.」のジャケットを指すのでは?なんて予想もありましたが、さらに注目すべきは"いつか"というフレーズ。

 

どこか「いつかの少年」という曲を思い出させる言葉になっています。

 

この曲は田淵が余程大切なときではないと披露しないと決めている曲らしく、実際に2013年の「CIDER ROAD」ツアー以来登場していません。

 

今回がそのときなのかはわかりませんが、披露されるとすればこれ以上のタイミングはないのかもしれません。

 

何より「いつか」の「色合い」というのが、

 

"赤でもないけど 白でもないけど 苦労じゃない"

 

という「いつかの少年」のフレーズを表しているのだとすれば、かなり信憑性は増します。

 

ならばせっかくなのでということで、バラード枠の先陣を切ってもらうこととしました。

 

舞洲の「水と雨について」みたいな感じで、直前にちょっとMC入れるのがベターかな。

 

まああくまでグッズ紹介なので。これで披露されなくても驚きはないけどね。笑

 

 

 

 

 

11.僕は君になりたい

 

"普通じゃないは普通だよ"

 

まさにこのライブのためにあるようなフレーズ。

 

「天国と地獄」と並んで、まずいの1番にセトリ予想入りが決まった曲です。

 

とはいえ、カップリングツアーを一昨年回ったばかりなので、あまり優遇されるかといえば、それも考えにくいので。

 

バラードの合間に置く繋ぎが役割に徹してもらいました。

 

実はカップリングツアーを経て、1番好きになった曲かもしれないので、またライブで出会いたいですね。

 

 

 

 

 

12.ぼくたちのしっぱい

 

「Phantom Joke」のシングルツアーとして行う以上、この曲は絶対的に登場が決まっていると思います。

 

立ち位置としては、「One roll,one romance」の「flat song」が1番近いでしょうか。

 

「LIVE(in the)HOUSE 2」はアコースティックでの演奏となりましたが、今回おそらく通常での演奏となるはずです。

 

まだ通常版はライブでは披露されていないので、それだけでも十二分に聞く価値があると思います。

 

前回はアコースティック枠の幕開けだったこともあり、今回は差別化も含めて、バラードの1番山場で登場すると予想します。

 

これを逃すと次はいつになるのか…?レベルなので、割と絶対的にやってほしい曲でもありますね。笑

 

 

 

 

13.マジョリティ・リポート(daring,I love you)

 

終盤の幕開けに持ってきたのは「マジョリティ・リポート(daring,I love you)」です。

 

「Nomal」っていうツアーで「マジョリティ」を関する曲を歌うの最高にエモいよね?っていうのが選曲理由なんですが、最もらしい根拠としては伏線回収が主かなと。

 

昨年のライブにおいて、実はそれまでのライブが伏線になってた場所って色々あった気がしていて。

 

例えば「LIVE(in the)HOUSE 2」では「fake town baby」が演奏されていましたが、何かと対になりがちな「Invisible Sensation」はリクエストライブでは演奏されませんでした。

 

てっきり対の扱いが終わってしまったのだと思ったら、直後の「fun time HOLIDAY ONLINE」で演奏されたり。

 

カップリングとしては異例のランクインだった「さよならサマータイムマシン」はリクエストライブでは披露されなかったけど、同じく「fun time HOLIDAY ONLINE」でセトリ入りしたり。

 

シングルとしてかなり上位入りした「harmonized finale」は満を持して「LIVE(on the)SEAT」でトリを務めたり。

 

あえて定番の時期を外して、忘れた頃に張り巡らされた伏線を回収している印象があります。

 

その法則で行くと、「LIVE(in the)HOUSE 2」で破格の待遇を受けた「マイノリティ・リポート(daring,I love you)」と対を成すこの曲もまだ直近ではライブ披露されていません。

 

比較的新しいアルバムが優遇されるのは今ツアーしかないと思うので、後半戦の始まりに持ってきました。

 

直前にゆったりめのセッションとかつけても良い感じになりそう。

 

 

 

 

 

14.meet the world time

 

これまた久方ぶりの披露となるこの曲ですが、「JET CO.」から選ぶとすれば、これしかないと謎の確信があります。

 

そもそもライブ披露が斎藤さんのソロを除けば、もう7年近く経っていること。

 

いくら不遇の「JET CO.」とはいえ、これはさすがに寝かせ過ぎでしょうと。

 

そして、「LIVE(on the)SEAT」で「ライドオンタイム」が堂々とラス前で盛り上げてみせたことから見ても、今回も終盤に1曲入ることは十分あり得るかなと思います。

 

そんな理由でこちらも満を持して登場してくれるでしょう…そんな願いに近い予想です。

 

昨年は斎藤さんがソロで弾いたり、ラジオで話に出たりと、話題性も充分だしね。

 

 

 

 

 

15.セッション〜シュガーソングとビターステップ

 

直後が「Phantom Joke」になるので、ここが最後のピークへの盛り上げ所になります。

 

定石通りにいけば、おそらくここでドラムソロもしくはセッションが入るかなと。

 

最近はドラムソロ多めなので、今回はセッションにしてみました。

 

この枠は定番曲やドラマのある曲が入るもんなんだけども。

 

「プログラムcontinued」の「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」や「桜のまえ」の「シャンデリア・ワルツ」、「One roll,One romance」の「Silent Libre Mirage」などなど…割と意図的な選曲を感じます。

 

そうなってくると、そろそろ「シュガーソングとビターステップ」が入ってくるのかな?という予想に行き着きました。

 

思えば曲としてのパワーがあるゆえに、あまり特別な立ち位置を任せられることはありませんでした。

 

ですが、他の曲も十二分にこの曲に負けないエネルギーを内包してきていると思うので、大事なところを担ってもライブを食わない確信はありますね。

 

いつかツアーのラストに登場しそうだし、それに向けての壮大な伏線ということでどうか…。

 

 

 

 

 

16.Phantom Joke

 

これまでのライブてはかなり立ち位置も優遇されているので、「One roll,One romance」みたいな感じで出張りすぎないぐらいの大事な場所に当てはめられる気がしています。

 

"16"thシングルなので、"16"曲目に置いたのはご愛嬌。

 

この曲はもはや演奏されることが至上命題になっているので、特に言うことはありません。

 

ありったけのパフォーマンスを披露して欲しいところ。

 

 

 

 

 

17.世界はファンシー

 

最新アルバムのリード曲という特性上、可能な限り演奏機会を増やすのではというメタい予想でセトリ入りは決めてましたが、迷ったのは曲の位置です。

 

序盤はこれまで登場してるし…アルバムツアー前にラストの1番良いところは考えにくいし…アンコールはライブの流れを台無しにしちゃいそうだしなぁ。

 

そんな悩みを考え抜いた結果がラスト前でした。

 

「Phantom Joke」の次曲であることを考えれば、ここもアルバム繋ぎを再現できるという強みもありますし、何より「世界はファンシー」はアルバムツアーでラストは担当しないと思っているので…ラスト以外なら安心して置くことができました。

 

元々中盤に収録された曲だし、"A fancy is lonely!"でぶった切って終わる曲なので、なかなかアルバムツアーの締めを担当するのが想像しにくいんですよね。

 

多分アルバムツアーはドラムソロ後に組み込まれるんじゃないかな?

 

「Catcher In The Spy」の「天国と地獄」みたいな感じで。

 

ただ、やはりアルバムツアーの前にラストに置くことには抵抗があるので、そのバランスを取ってラスト前に置くことにしました。

 

あとは単純にライブで聞きたいんでね!笑

 

まあこれで「Phantom Joke」からの流れも崩さずに済んだし、個人的にはけっこうウキウキ繋ぎです。

 

その流れを踏まえた上でのラストはこの曲になりました。

 

 

 

 

 

18.何かが変わりそう

 

この流れが1番のお気に入りなんですけど、「Phantom Joke」を生かす上でこれ以上ない構成になったと思います。(熱い自画自賛

 

この繋ぎのミソは"世界"と"孤独"です。

 

「世界はファンシー」の"A fancy is lonely"からの「何かが変わりそう」の"独りだけど 一人じゃない"…この繋ぎだけどもめちゃくちゃ泣けると思うんですが、そこに「Phantom Joke」の"まだ世界は生きてる"が加わることでより深みが増すと思うんですよね。

 

こんなご時世で好きなことできないし、人との繋がりは希薄なってるけど、決して孤独じゃないんだよ…そんな物好きたちに対する見えないメッセージが生まれる気がしています。

 

この世の中でライブを見て、音を浴びる意味を再び教えて欲しい…そんな願望ありきです。

 

何より曲のポテンシャルも素晴らしいので、これだけでライブを最後まで盛り上げてくれると考えています。

 

いやー絶対このライブ楽しいじゃん。(熱い自画自賛その2)

 

 

 

 

 

EN1.スノウアンサー

 

続きましたはアンコールです。

 

1曲目は「スノウアンサー」ですが、これは単純に冬の曲だから。

 

2020年のUNISON SQUARE GARDENのライブはとても季節感を大切にしていました。

 

実質的なライブの幕開けとなった「LIVE(in the)HOUSE」は春をイメージした「春が来てぼくら」を。

 

夏に行われた「LIVE(in the)HOUSE 2」では、暑い日々を連想させる「オーケストラを観にいこう」を。

 

9月の「fun time HOLIDAY ONLINE」では、夏を名残惜しむように「さよならサマータイムマシン」を。

 

秋にかけて行われた「LIVE(on the)SEAT」では、11月の約束の日がイメージできる「クローバー」を。

 

それぞれ大切な位置で披露していました。

 

そうなると、冬から初春にかけて行われる今回の「Nomal」では十中八九の確率で冬を連想させる曲が披露されるはず。

 

ニゾンの冬曲といえば、やはりスノウシリーズですが、特に直近で登場していないのが「スノウアンサー」です。

 

この昨今の情勢のなか、音楽を死なせないためにライブを続ける彼らに対して賛否両論あるのは事実でしょう。

 

けれども、誰もが生きるために取り組んでることを否定できるわけがありません。

 

何より決まりを守って充分に対策してることに対して文句を言われる筋合いはないはず。

 

不幸なことが溢れてるからって幸福追求する権利がなくなるわけがないですし、それが可能である限りは大変さとの両立は目指すべきだと思います。

 

そう考えて、きっと彼らもライブを行っていると信じています。

 

"キレイゴトに聞こえるなら 見ろ、バカ"

 

そう高らかに叫んで欲しいですね。

 

…見れない人いっぱいとか言っちゃダメよ。

 

曲の位置としてはここでピックアップした曲たちが登場していない位置のアンコール1曲目にしました。

 

終わりを迎える切なさも表現して欲しいですね。

 

 

 

 

 

EN2.mouth to mouse(sent you)

 

2曲目は「mouth to mouse(sent you)」です。

 

これもまた「Phantom Joke」のカップリングになりますね。

 

曲の人気も凄まじく、リクエスト投票でも上位に入っていました。

 

おそらく本編入りするだけで盛り上がるんだろうと思うけど、あくまで「Phantom Joke」をピックアップしたいこともあり、アンコールに持ってきました。

 

こちらも「One roll,One romance」も「RUNNERS HIGH REPRISE」をイメージした構成です。

 

本当はアンコール1曲目にしていたんですが、あまりにセトリに入れたいバラードが多すぎて、調整したなんていう裏話もありますが。笑

 

この曲はどちらでもバッチリ仕事をしてくれるので無問題だと思います。

 

イメージとしては、MC後に終わりに向けて…って感じの登場を予想しています。

 

この曲もまだ生で聞けていないので、出会えることが楽しみです。

 

 

 

 

 

EN3.10% roll,10% romance

 

ラストはこれからもライブの楽しさが続くことに収束していくような…ポップさ全開の曲が良いと考えていました。

 

「桜のあと(all quartets lead to the?)」や「オトノバ中間試験」、「Micro Paradiso!」なんてのも考えましたが、やはり今までラストを担当していない曲が良いなという結論になりました。

 

そのなかで1番しっくり来るのが「10% roll,10% romance」でした。

 

いつかのどこかでみんなが彼らに近くで見てもらえるような時間を信じて…そんな意味も込めて予想しました。

 

あとはこの曲は2曲目の「ようこそ!」枠がすごくしっくり来るので。笑

 

そこに向けての伏線もいい加減張ってほしかったり。笑

 

とはいえ、これで終わるライブは間違いなく楽しいと断言できるので、ぜひとも実現して欲しいですね〜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上がセトリ予想となります。

 

拙いながらに意味合いとかも考えてみたセトリになるので、どこか一部でも実現してると嬉しいですね。

 

いよいよライブは明日から始まります。

 

一先ずは万全の対策、そしてしっかりとライブを楽しんで、無事に終えることができるのを願っています。

 

今日も明日もロックバンドのライブを楽しむために。

 

LIVE(in the)HOUSE -Count Down Style- ライブレポ

明けましておめでとうございます。

 

本年も「ナツノヒ」をどうぞよろしくお願いします。

 

…なんてかしこまった挨拶をするほど、きっちりしたブログではないんですが。

 

まあ挨拶は大事ということで。

 

今年も変わらずくっそグダグダな記事を量産していこうと思います。

 

というわけで、今回は昨年度末に行われた「LIVE(in the)HOUSE -Count Down Style-」のライブレポになります。

 

こちらはUNISON SQUARE GARDENの年内最後のライブにして、バンドとしては近年初めての自主企画によるカウントダウンライブとなります。

 

そのため、時間も0:00きっかり終了という完全にカウントダウンを意識した構成です。

 

…普通は元旦過ぎても時間を取ってるものなんですが、その余韻すら感じさせないスケジュールにしているのが、何ともUNISON SQUARE GARDENらしいですね。

 

前回までの配信ライブと同様に、開場後は映像に時刻が映され、開始までの時間が明瞭にわかるようになっていました。

 

f:id:summerd:20210103214836j:image

 

前回までと異なるのは、8thアルバム「Patrick Vegee」のジャケットが描かれていること。

 

今回のメインが「Patrick Vegee」のアルバム再現ライブということで、開演前の映像もそれを意識したものとなっています。

 

そうこうしてるうちに開演時間の22:15を迎え、2020年最後のライブが始まりました。

 

最初に流れたのは、メンバー3人へのインタビュー映像…主にガキ○とお風呂のタイル、プロフェッ○ョナルのことしか印象に残っていないんですが。笑

 

メンバーのカウントダウンライブとアルバムに対する思いが伝えられていました。

 

…まあ赤文字で「生きがい」の文字がデカデカと出てきていたので、若干のネタ感は拭えませんでしたけど。

 

そして、「LIVE(in the)HOUSE -Count Down Style-」のロゴと文字が現れ、いよいよライブの幕開けです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.Hatch I need

 

1曲目はもちろん「Hatch I need」です。

 

この曲の前奏が流れると、アルバム再現ライブを実施するということが一気に現実味を帯びてきました。

 

普段はない田淵のベース音から始まる前奏も、何となしに新鮮さを生み出していました。

 

本来アルバムツアーというものは初めて演奏する曲も多いため、本数を重ねて自分たちのものにしていく側面もあるそうです。

 

配信ライブでの「Phantom Joke」の変遷を見ていると、ファン目線から見ても、理解できる部分があるように思えます。

 

ということで第1回は演者としては納得のいかない部分が数多くありそうです。

 

ただ、ライブを見ている身としては、圧巻の完成度でした。とても人前で初演奏する曲だとは思えない。

 

特に演奏面は原曲とほとんど変わらないレベルで、いつも通りの高い演奏力で見えない観客を魅了していました。

 

確かに歌唱面では歌いづらさを感じているようにも見えましたが、そこは逆にこれからライブで聞いていける楽しみになったのではないでしょうか。

 

短めの曲で構成されているのが、このアルバムのポイントのひとつです。

 

"I need Hatch!"の歌詞から流れるように次曲を迎えます。

 

 

 

 

 

2.マーメイドスキャンダラス

 

アルバム通り齋藤さんの歌い出しから始まったこの曲。

 

"マーメイドの嘘が本当になってしまう前に 夜を駆けなくちゃ"

 

「Hatch I need」から繋がる流れは言わずもがなですが、それがライブにおいても完全再現されたことに鳥肌が立ったのは僕だけではないはず。

 

とはいえ、初披露かつテンポの速い曲ということもあり、今回のアルバムでは1番伸びしろのある曲だと感じました。

 

これをギター演奏しながら歌っている齋藤さんが改めて化け物じみてるなぁ…なんてシミジミ思ってしまいます。

 

曲に関しては文句なしのカッコ良さなので、これからもっとクオリティが上がっていくことが楽しみでなりません。

 

このアルバム繋ぎはもちろんですが、単体でもぜひ聞いてみたいですね。

 

 

 

 

 

3.スロウカーヴは打てない(that made me crazy)

 

こちらもライブ初披露ですね。3曲連続で初演奏の曲が並ぶライブって…そりゃ斎藤さんも渋るわ。

 

元々がポップな曲調ではありますが、この再現ライブにおいては1番楽しげで、スーパーウキウキタイムだったように思えます。(語彙力)

 

独特のテンポ感でノリやすいのも相まって、ライブで大化けするポテンシャルを感じました。

 

これは今後有観客ライブで凄まじい盛り上がりを見せる曲になるのかもしれないですね…。

 

田淵の動きのもなかなかのものでしたが、これもライブにおける激しさの指針になり得るので、前曲とは違う意味で今後が楽しみになりました。

 

斎藤さんのギター演奏のアレンジも結構好きなので、今後のライブでもぜひ披露してほしいですね。

 

 

 

 

 

4.Catch up,latency

 

"凸凹溝を埋めています つまりレイテンシーを埋めています"

 

アルバム通りの繋ぎからはお馴染みの「Catch up,latency」です。

 

シングルの曲繋ぎは配信や有観客ライブで披露されていたので、この繋がりでいよいよ全てのパターンがライブで演奏されたことになりました。

 

ポップな曲同士の繋ぎは、また今までとは異なった趣きを見せていましたが、歌詞通りライブの熱量を保ったまま曲が移り変わっていきました。

 

こちらはライブで数多く演奏してる上に、盛り上がりも約束されているはずなので、心なしかユニゾンの3人も伸び伸びとパフォーマンスを披露しているように思いました。

 

あと田淵が演奏中に人差し指を上げているところをビスリーチ☝️って言い始めたの誰ですか?怒らないから出てきなさい。笑

 

アルバムの流れ通りにノンストップで4曲披露されましたが、ここで一旦暗転し、小休止を挟みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.摂食ビジランテ

 

斎藤さんの妖艶なギター演奏で幕開けたのは「摂食ビジランテ」です。

 

赤い照明が怪しさをさらに高めており、おどろおどろしい雰囲気を作り上げていました。

 

曲の性質上、何かを深く語る必要はないと思うんですが、この曲がここに入ることでよりライブに深みが出ていたように思います。

 

まさにアルバム通りの役割を果たしてくれていたので、やはりなくてはならない存在なのを再認識させられます。

 

どこか「蒙昧termination」や「BUSTER DICE MISERY」を彷彿とさせる曲なので、ライブも演奏機会に恵まれなさそうな気配が…ぜひいつかのどこかに生で聞きたいです。

 

 

 

 

 

6.夏影テールライト

 

この曲を終えると、早くもライブは後半戦です。6曲目は「夏影テールライト」。

 

こちらはアルバム通りのノータイムといきませんでしたが、歌い出しにギターとドラムの演奏を合わせなければいけない以上しょうがないですよね。

 

そもそもアルバムの流れを再現できること自体が特殊な気が。

 

この曲はツアーでも披露されていたので、ある程度の心の準備とともに受け入れられていたと思いますが、何度見ても驚かされるのはコーラスのクオリティです。

 

ギター、ベース、ドラム、ボーカル…それに加わる5番目の楽器の役割を見事に果たしており、曲としての確固たる魅力を作り上げていたように感じました。

 

今回は冬でまたこの季節に聞くのとオツなものですが、いつか本来の季節である夏に出会いたいですね。

 

 

 

 

 

7.Phantom Joke

 

気がつけば配信ライブでは皆勤賞となりました。

 

もはやUNISON SQUARE GARDENの楽曲における2020年の顔といっても過言でないと思います。

 

この曲の難しさは観客にも伝わってくるぐらいなんですが、1年間演奏してきたことにより、完全に曲を自分たちのものにしているのが印象的でした。

 

斎藤さんのボーカルも夏は苦戦気味なイメージもありましたが、今は微塵も感じさせない程になっております。

 

2021年の幕開けのツアー「Normal」では、「Phantom Joke」のシングルツアーの様になる可能性が高いようです。

 

まだまだ今年も活躍が見れそうですね。

 

 

 

 

 

8.世界はファンシー

 

貴雄の"1.2.3.4!!"の絶叫とともに始まりました。

 

「LIVE(on the)SEAT」では、割りかし静かめだったので、度肝を抜かれた人も多いはず。僕もです。

 

おそらくライブとしては、1番の盛り上がりどころだったので、そういう意味合いでの気合いの入れようだったのだと思います。

 

この曲のライブでの魅力は、早口が多い故に微妙なアレンジが入ること。

 

音程はあくまで保ちながら、ちょっと低めのニュアンスで歌う斎藤さんのボーカルが何とも妖艶です。

 

"My fantastic guitar!"の言い方のエロさについて誰か語り合いませんか?

 

…失礼しました。取り乱しました。

 

あと演奏全体として特筆すべきは貴雄のドラムでしょう。

 

最初から最後まで手数の多いドラムを淀みなく演奏するのはさすがの一言です。

 

この曲は本当にライブが楽しいので、2021年も隙あらば乱発して欲しいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9.弥生町ロンリープラネット

 

8曲目までで一旦小休止を挟み、演奏されたのは「弥生町ロンリープラネット」です。

 

ここまで来ると、いよいよライブも終幕が見えてきます。

 

この曲は0715の配信ライブの印象がどうしても強いんですが、またライブの途中で披露されると違ったイメージに感じられます。

 

前回は演出が壮大だったな分、こじんまりしたステージで演奏されると、この曲が持つ温かな魅力が浮かび上がってきたようにも思えます。

 

演奏面で印象的なのは、サビ前に繰り出される斎藤さんのギターのヘッドで演奏する手法…「ヘッドピーン」というらしいですね。

 

…いや、そのまんますぎない?笑

 

 

 

 

 

10.春が来てぼくら

 

"そして、僕らの春が来る"

 

この歌詞を聞くと、第1回の配信ライブを思い出すのは、それだけ鮮烈な思い出になっているからでしょうね。

 

数多くライブでやっている楽曲ですが、アルバムのピースのひとつとして演奏されると、また違った顔を見せてくれるもので。

 

今までのライブとは全然違う感想を抱かせてくれるロックバンドに改めて感謝をしなければいけませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11.Simple Simple Anecdote

 

短めの休憩の後、ライブもついにラストスパートです。

 

貴雄の力強いドラムから始まる幕開けは、先程のバラードゾーンの余韻から引き戻されるような引力を感じます。

 

初披露と思えない安定感は、曲の前向きな音楽性ゆえでしょうか。

 

この曲も短めですが、水色の照明が「摂食ビジランテ」にはない明るさを感じ、また違った印象を与えられました。

 

"全部嫌になったなんて簡単に言うなよ 全部が何かってことに気づいてないだけ"

 

"今日は何とかなるぜモードでいいや"

 

年の瀬にこの歌詞を聞くと、改めてまた生きていく勇気をもらうことができますね。

 

個人的には、ライブの場面転換やアンコールの1曲目に聞きたい曲です。

 

来たるべくアルバムツアーではどんな役割を果たすのでしょうか。

 

 

 

 

 

12.101回目のプロローグ

 

まさかの斎藤さんの歌い出しを間違えるというプチハプニングから始まりましたが、そりゃこれだけ初めてづくしならやむを得ないですよね。

 

これはこれでレアなので個人的にはラッキー!ぐらいな感じです。

 

組曲をイメージして作られたこともあり、メロディの変化が目まぐるしいのが特徴的ですが、大変さを微塵も感じさせないのは今日何度目かの圧巻です。

 

斎藤さんのアカペラ部分の尊さは言わずもがなで、これをいつでも見れるというだけで、この曲の価値は一層引き上がりますね。

 

いつかのライブで完全版を楽しみにしています。

 

最後は原曲通りの壮大な締めくくりでアルバム再現ライブは終了しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12.5.振り返りトーク

 

ここからは2020年の振り返りトークということで、主にライブについて振り返っていきました。

 

7月からの配信ライブ、そして10月からのツアーを中心に振り返りましたが、トークの内容はリクエスト投票についての話になっていきました。

 

ここですでに発表されている1〜30位に加えて、31〜70位の結果も発表されました。

 

公式からの発表はまだありませんが、その結果がこちら。

 

31位 天国と地獄

32位 マスターボリューム

33位 春が来てぼくら

34位 未完成デイジー

35位 流星のスコール

36位 10% roll,10% romance

37位 Micro Paradiso!

38位 cody beats

39位 like coffeeのおまじない

40位 お人好しカメレオン

 


41位 スノウリバース

42位 オーケストラを観にいこう

43位 マイノリティ・リポート(daring,I love you)

44位 ラブソングは突然に〜What is the name of that mystery?〜

45位 CAPACITY超える

46位 何かが変わりそう

47位 サンポサキマイライフ

48位 夢が覚めたら(at that river)

49位 crazy birthday

50位 さわれない歌

 


51位 誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと

52位 シュプレヒコール〜世界が終わる前に〜

53位 23:25

54位 黄昏インザスパ

55位 fake town baby

56位 セク×カラ×シソンズール

57位 ガリレオのショーケース

58位 シューゲイザースピーカー

59位 Catch up,latency

60位 ライトフライト

 


61位 プログラムcontinued(15th style)

62位 蒙昧termination

63位 5分後のスターダスト

64位 ライドオンタイム

65位 セレナーデが止まらない

66位 MIDNIGHT JUNGLE

67位 フライデイノベルス

68位 クロスハート1号線(advantage in a long time)

69位 ぼくたちのしっぱい

70位 サイレンインザスパ

 

結果についてはどこかで答え合わせをしたいと思いますが、なかなかに意外な結果なのはさすがです。

 

個人的には「天国と地獄」が31位でギリギリ選外だったのが何とも言えず悲しかったですね。笑

 

「マスターピースだぜ!イエイ!」(田淵談)なのに。

 

そこからはまさかのワースト10の発表に。

 

この残酷な企画にユニゾンの3人もさすがにざわつきを隠せませんでした。

 

とはいえ、これもちょっとした伏線だったのは、後でわかっちゃうという。

 

ちなみにワースト10はこんな感じだったみたいです。

 

1位 三月物語

2位 光のどけき春の日に

3位 一人思うは雨の中

4位 スノウループ

5位 東京シナリオ

6位 君はいい子

7位 flat song

8位 僕らのその先

9位 3minutes replay

10位  エアリアルエイリアン

 

ここから先はマジで軽い阿鼻叫喚でしたね。笑

 

驚く斎藤さん、ヘコむ田淵、爆笑する貴雄…

 

結果に傷つくユニゾンを何とも言えない気持ちになりました。

 

…違うんです!トークでも言ってたけど、ライブで聞きたい曲だから!バラードが低いのはしょうがないんだよ!(誰に対しての言い訳だ)

 

3票しか投票できないシステムなのが悪いんです、きっと。

 

それにしてもみんないい曲ですよね…ワースト10位なのがおかしいぐらいに。今度カラオケで歌おうかな。

 

そんな感じで振り返りトークを終え、ライブはもう少しだけ続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

13.光のどけき春の日に

 

ナタリーのインタビューである程度前情報を得ていても、この流れには笑ってしまいましたね。

 

ここからはおまけパートということで、「Patrick Vegee」以外の曲が演奏されることに。

 

1曲目はまさに振り返りトークでネタになっていた「光のどけき春の日に」でした。

 

…何かすげぇ茶番を見せられたみてぇだなぁ。

 

とはいえ、曲は本当に良いです。いや、マジで。

 

バラード苦手な僕でも聞けるバラード作れるユニゾンはやはりすごい。

 

実は「CIDER ROAD」で唯一出会えてない曲でもあったので、そういう意味でも感無量です。

 

7年越しに達成できました。

 

 

 

 

14.リニアブルーを聴きながら

 

今度は逆に「CIDER ROAD」のマスト曲の登場です。

 

こちらは初めて見たライブで披露されたので、そういう意味での思い出深さはあります。

 

リクエスト投票で好成績をおさめながらも、今年は演奏披露する機会がなかったので、年の瀬にようやく登場することができました。

 

"史上最重要な明日"に向けて、大切な役割を果たしてくれたと思います。

 

 

 

 

 

15.ピストルギャラクシー

 

こちらはまさかまさかの披露でした。

 

カップリング曲でもある「ピストルギャラクシー」です。

 

冒頭の銃声が鮮烈なこの曲、同じシングルに収録されている「三月物語」の敵討ちだといわんばかりに、暴れ回ってくれました。

 

本当に意外な選曲だったんですが、後にTwitterを漁っていると、"まるで伏線だらけの最終回みたい"というフレーズを目にしてなるほどと思いました。

 

2020年の最終回=12月31日…うん、確かにそう考えると違和感はない。

 

何より滅多に聞けないはずのカップリングを2年連続で体感できる喜びに変えられぬものはありません。

 

こればかりは今年の活動形態に感謝しなければいけませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

16.ワールドワイド・スーパーガール

 

これまた意外な選曲…なんて思いましたが、年末の恒例行事なんですね。勉強不足でした。

 

何故かカウントダウンライブの登場が多いこの曲、理由はまったく予想つかないですね…。

 

とはいえ、全国的なライブで披露されるのもかなり久々なので、これを機会に聞けたのは大変嬉しく思います。

 

初参加のワンマンでかなり良いとこで披露されたから、てっきり定番曲かと思えば、それ以来音沙汰なしで…7年越しの再会でした。嬉しい。

 

ですが、7年前とはまーったく印象が変わってしまいましたね。まさかこの曲でこんな光景を見せられるとは。笑

 

事件は2番に入ったところで起こりました。

 

斎藤さんの方に向かって、ジリジリと近づいていく田淵…それは留まることなく斎藤さんの背中にピタッとくっつきながら演奏していました。

 

いやー相変わらずバチバチに仲悪いですね。(遠い目)

 

7年前といえば、ファンどころか気安くメンバー同士も馴れ合わない…そんな硬派なイメージのバンドだったんですよ?

 

時の流れはげに恐ろしや…いいぞ、もっとやれ。

 

ラスサビ前に田淵がぴょんぴょん跳ねながら、斎藤さんと演奏する様子を見て、何だか温かい気持ちになってしまいました。

 

 

 

 

 

17.天国と地獄

 

今年は何と1.2回演奏されていない僕らのマスターピース(語弊しかない)ですが、こちらも年の瀬にギリギリで披露されることとなりました。

 

どちらかといえば、フェスなどでユニゾンを知らない人向けに演奏される曲のイメージも強いため、フェスがない今年はある意味当然の流れだったのかもしれません。

 

ランキングでもギリギリ31位と、個人的には不遇な印象が強くなってきましたが、相も変わらず曲はべらぼうにカッコ良いです。

 

やはりいつ何時も安定のパフォーマンスで盛り上げてきた曲は一味違います。

 

この曲で激しく動き回る田淵、そして斎藤さんの"OK,people one more time?"を聞くまで年は越せません。

 

 

 

 

 

18.センチメンタルピリオド

 

「天国と地獄」終了後にカポをつける斎藤さんを見て、まさか…と思ったファンの方も少なくないと思います。

 

2020年最後の曲は「センチメンタルピリオド」です。

 

元々「ワールドワイド・スーパーガール」同様にカウントダウンライブ恒例の曲なので、演奏することを予想していた人も数多くいたと思いますが、やはり周年などの特別な場でしか聞けない曲と出会えるのは嬉しいものです。

 

斎藤さんの「センチメンタルピリオド!」はいつ聞いてもやはり格別です。

 

僕自身も聴き込んではいても、ライブで聞くのは2回目…特別すぎてどんな気持ちでいたらいいのかいつも迷うんですが、舞洲のときよりは落ち着いて聞けたように思います。

 

1番好きなのは、ライブだけの壮大なイントロです。

 

これに触れるだけで、自分が特別な場にいることを再認識できるので、それだけで多幸感が増大するんですよね。

 

ただ、今回はカウントダウンライブ、もちろんこれでは終わりません。

 

23:58に画面上に時計が現れると、そのままラスサビ後のイントロに入ります。

 

終演に向けて楽器をかき鳴らしていくと、0:00の日付けが変わった瞬間に、ステージには「HAPPY NEW YEAR! 2021!」の文字が。

 

その瞬間に曲も終わり、2021年はUNISON SQUARE GARDENとともに新年を迎え、同時にライブも終演となりました。

 

0時ぴったりに終わると宣言しながらのこの演出。何も言葉は発していないのに強烈にメッセージが伝わってくるのがグッと来ます。

 

 

 

 

 

最後には2021年の活動スケジュールの情報が。

 

「Spring Spring Spring」の再現ツアーなんてのも気になりますが、秋にはいよいよ「Patrick Vegee」のツアーも始まります。

 

2021年もロックバンドの魔法は続きそうです。

 

今年ももうちょっとだけ楽しく生きられそうですね。

 

ちなみにセットリストはこちら。

 

1.Hatch I need 

2.マーメイドスキャンダラス

3.スロウカーヴは打てない(that made me crazy)

4.Catch up,latency

 

5.摂食ビジランテ

6.夏影テールライト

7.Phantom Joke

8.世界はファンシー

 

9.弥生町ロンリープラネット

10.春が来てぼくら

 

11.Simple Simple Anecdote

12.101回目のプロローグ

 

13.光のどけき春の日

14.リニアブルーを聴きながら

15.ピストルギャラクシー

 

16.ワールドワイド・スーパーガール

17.天国と地獄

18.センチメンタルピリオド

 

 

 

 

 

終わってみると、全18曲で普段のライブ並みの満足感でした。

 

ただでさえ、アルバム再現という珍しい試みなのに、このボリュームは本当にありがたいですね。

 

セトリ予想的には正解率1/2でしたが、まあ予想できる範疇だったので、結果はぼちぼち…と言った感じです。

 

当たらないとそれはそれで悔しい。「ワールドワイド・スーパーガール」は当てたかったなぁ。

 

予想していた「デイライ協奏楽団」や「プロトラクト・カウントダウン」が入っていなかったものの、「Spring Spring Spring」の再現ツアーでやることが確定しているので、とりあえずはウキウキですね。楽しみです。

 

このツアーは昔の定番曲がたくさんあるので…今は滅多に聞かないあんな曲やこんな曲もあるからさらに期待大です。

 

では、今日はこんなところで。

 

次回はリクエスト投票31位〜70位の考察、もしくは2月からのツアー「Normal」のセトリ予想かな?

 

できれば早めに投稿したいと思います。笑

 

2021年もまた気が向いたら覗きにきてください。

 

 

 

 

 

LIVE(on the)SEAT ライブレポ +おまけ

というわけで年末最後の大仕事です。

 

10月〜12月に行われた「LIVE(on the)SEAT」のライブレポを書いていこうと思います。

 

2020年は新型コロナウィルス流行のため、前半はほとんどのライブが中止となってしまいました。

 

UNISON SQUARE GARDENの自主企画「fun time HOLIDAY 8」も一旦は中止となり、7〜9月は配信の形態でライブを行っていたとはいえ、有観客ライブは実に1年ぶりとなりました。

 

僕自身も2020年は初の生のライブ体験でした。

 

声を出してはいけない、そして座ったままでライブを鑑賞する等の決まり事はありますが、それ以外は昨年までとまったく変わらないかたちでの開催は高揚感を抑えることができませんでした。

 

僕が参戦したのは11月19日の1部と2部、そして20日、全て大阪のフェスティバルホールで行われました。

 

このフェスティバルホールは、2018年に行われたツアー「MODE MOOD MODE」の会場でもあり、めちゃくちゃに楽しいライブをしてくれたのが僕の記憶にも新しいです。

 

そんな会場でライブが行われるとあって、期待値もさらに上がります。

 

今回はあえてライブをひとつに絞らず、総合的にセットリストに焦点を当てて、レポをしていこうと思います。

 

会場入りすると、まずはインストールしたアプリの画面と検温、そして消毒を行うことに。

 

ここはやっぱり仰々しいというか、少々ピリッとした雰囲気が流れていたように思います。

 

とはいえ、それ以降は普段のライブとそんなに変わらず…チケットを見せて、席を探して着く。そんないつもの流れでした。

 

あ、ひとつだけ違いがあるとすれば、上下左右の席に誰も座っていないこと。

 

これは逆に待ち時間も圧迫感なく、ゆったり過ごせて実はよかったりしました。

 

そんなこんなで色々とやっているうちに、気づけば開演時間が近づいてきました。

 

ここで会場からのアナウンスが。やはり注意事項の多いライブゆえに、事前告知もしっかりしていたな〜という印象です。

 

アナウンスが始まるを告げると、会場が一気に暗転をしました。

 

ここからいつも通りのSE「絵の具」が流れると思いきや…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.クローバー

 

聴こえてきたのは、斎藤さんの歌声でした。

 

"12時 時計塔の下新しいワンピースで 軽やかに、それは軽やかに走り出す"

 

"風船手にした子供 秘密の暗号に気づかず 離した、それを離した 空に吸い込まれた"

 

"わかんないのはクローバーに込められた願い 夢ならば思い通りになるのにな"

 

あまりにも異質な状況に、最初はどの曲の歌詞かも分からなくなるほどでしたが、曲名が出てきてようやく理解することができました。

 

1曲目は「クローバー」でした。しかも、斎藤さんのアカペラから始まる特別なバージョンです。

 

このツアーで秋の曲が入る可能性は考えていたし、「クローバー」もセトリに入る予感もしていたんだけど、まさかこんな良い場所で披露されるとは…さすがにこれは予想外でした。

 

しばらくは斎藤さんのアカペラが続き、2番に差し掛かろうかというところで、満を持してステージの暗幕が上がっていきました。

 

そして、ここでようやく会場の観客の前に現れるUNISON SQUARE GARDENの3人。

 

クローバー型に彩られた緑の照明が何ともいえない素敵さでした。

 

このツアーは久々の対面ライブということもあって、音楽を聞かせるツアーになるのでは?と予想していましたが、まさに1曲目から生の音楽を噛み締めるような選曲をしてくれました。

 

着席ゆえに、いつも以上に曲の素晴らしさに耳を傾け、じっくりとそれを感じ取ることができました。

 

これだけでも座っても充分楽しめる…そんな確信を持ちましたが、我らがロックバンドがそれだけで終わるわけもなく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.フルカラープログラム

 

聞き慣れたドラム音から、久々の斎藤さんの「ようこそっ!」が炸裂し、会場のボルテージはここでまた一段階引き上げられました。

 

2曲目は「フルカラープログラム」です。

 

いや、まさかこの曲がここで来るなんて思いませんやん…

 

確かにこの曲はアルバムでも2曲目に収録されてるし、ライブでも比較的2曲目に披露されることが多い曲ではあります。

 

ただ、あれだけ7月の配信ライブで劇的な使い方をされておいて、まさか再び年内に聞けるなんて…これは正直予想していなかった。

 

確かに7〜9月の配信でやった曲はほとんどやらないよと明言はされていたし、逆に言えば一部の曲はやるんだろうな〜という予想はついていましたが…これは嬉しい誤算すぎた。

 

とはいえ、「ようこそ!」枠の曲はライブでラストを担当した曲が担う…という法則も満たしてはいるんだよね。盲点でした。

 

まあ序盤ということで、配信ライブとはまた違ったバージョンでの披露になったし、久々の通常版を聞けたのはシンプルに嬉しかったね。

 

この曲は序盤から立ち上がってドラムを演奏する貴雄がめちゃくちゃ印象的でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.フィクションフリーククライシス

 

めちゃくちゃにカッコ良いセッションの後に披露されたのは、「フィクションフリーククライシス」でした。

 

この曲のセッションはどれもこれもカッコ良いからズルいですねぇ。

 

3曲目ってけっこう大事な曲やりがちなんだけど、割とメジャーじゃない曲をやるのはけっこう珍しいかも?

 

何か意味があるのかな?

 

"結局世界は僕が救うしかない 気が滅入ります"

 

とか意味ありげだけど、どうかな?

 

相変わらず変な曲なのに、ライブでつい聞き込んで楽しんでしまう変な曲でもあります。

 

ここらへんから体揺れまくりです。聞かせるタイプのツアーっていう予想はどこに行った。

 

声出しが禁止だった分、ラスサビ前の「迷子っ!」の部分のコーラスをしっかり聞けたのも嬉しい収穫でした。

 

曲の終わりの「UNISON SQUARE GARDENです!」とともに、再び暗転しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと

 

短めのMCの後に続くのは、「誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと」でした。

 

相変わらず曲名が長い!

 

「DUGOUT ACCIDENT」に収録されて以来、けっこうな頻度で披露されているような気もしていましたが、実はツアーでは2017年の「One roll,One romance」以来なんですよね。

 

実は3年ぶりという。

 

個人的に久々じゃない気がしたんですが、どうやらフェスで1度聞いていたという。道理で。

 

ただ、"愛してるそれだけ それだけで充分です"や"不安もあるけど 希望もある"なんていうフレーズはこのご時世だと刺さるものがありました。

 

ここらへんから田淵の動きがどんどん激しくなっていったので、そこらへんも面白かったり。

 

ライブに帰ってきたな〜と少々懐かしい気持ちにもさせられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.セレナーデが止まらない

 

個人的に今回1番の見どころだったかもしれません。

 

5曲目は「セレナーデが止まらない」…ツアーで披露されるのは何と7年振りみたいです。

 

ライブ映えする曲でありながら、あまり日の目を見ることがなかったこの曲ですが、2020年という激動の時代に見事オーディエンスの前に再び現れることができました。

 

個人的にも聞きたくてたまらない曲だったので、感慨もひとしおで。

 

声を出すことができないから、声にならない悲鳴を押し殺していました。

 

前奏のカッコ良さも、斎藤さんの色気たっぷりのシャウトも、それに負けないリズム隊の安定感も原曲通りでした。

 

それに加えて生音の高揚感…完全に原曲を超えていましたね、あれは。

 

このバンドは音源を軽々と超えてくるパフォーマンスをやってのけるので、本当に油断ならない。

 

多分これだけでもライブに参加したら価値がある…そう思わせるには十二分すぎる時間でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6.世界はファンシー

 

ここからの繋ぎがまた最高で。個人的にはライブのベストシーンはここですね。

 

アップテンポな楽曲の二重奏…控えめに言って大好物です。

 

貴雄がスティックを鳴らす始まりが大好きなんですが、わかってくれる人はどれだけいるでしょうか?

 

からの田淵の謎ダンス。毎回内容が変わってて楽しかったです。

 

自然とこちらも体が動いていくんですよね。

 

圧巻なのは斎藤さんです。

 

あの早口な歌詞を淀みなく歌い上げる様は驚嘆でしかないし、さらにライブ流のアレンジがカッコ良すぎる。

 

「My fantastic gutar!」の言い回しだけでご飯10杯いけます同盟を作りたくなりました。

 

やはりアルバムのリード曲だけあって、パワーも全体で…前半の山場を迎えるに相応しい盛り上がりを見せていたと思います。

 

声が出てなくても、それぐらい伝わる熱量でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7.君はともだち

 

ほぼノータイムで始まったのは「君はともだち」です。

 

アップテンポからのバラード繋ぎは、BsSsツアーの「ギャクテンサヨナラ」→「僕は君になりたい」を彷彿とさせますね。

 

「クローバー」と同様に人気なバラード曲でもあるので、この展開を喜んだオーディエンスはけっこう多かったんじゃないかなと思います。

 

色んな制約のなかでこのライブに参加した人も多かったはずです。

 

この日のために色んなことを我慢した人もまたくさんいたはず。

 

そんななかでの、

 

"何も知らないやつに 君のこと決めつけられてたまるか"

 

はグッと来るものがあると思います。

 

僕も何だかこれまでの頑張りを認められたみたいで、とてもとても嬉しくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MC

 

ここでMCが入りました。思えばこのくだりも久々でしたね。

 

1本目のライブで斎藤さんの調子が悪そうに見えたから、貴雄が心配して聞いてみたら、笑いの街大阪にビビってただけとか。

 

例のピンクシャツが1軍に昇格した話とか。

 

今日も面白爆笑トークがたくさんでした!

 

斎藤さん!声は出せなかったけど、心の中では大爆笑でしたからね!

 

本当ですよ!(誰向けのアピール?)

 

ここで「Patrick Vegee」のツアーもどこかでやることを明言してくれたのは、シンプルに嬉しかったなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.夏影テールライト

 

「Patrick Vegee」の曲をやります。

 

そんな斎藤さんのMCとともに演奏されたのは、「夏影テールライト」でした。

 

これは「Phantom Joke」との関係性も考えると予想の範囲内でしたが、お気に入りの曲のひとつなので、やってくれて嬉しかったのが率直な気持ちです。

 

夏は過ぎ去ってしまいましたが、訪れなかった季節を再び舞い戻らせてくれたような…そんな不思議な気持ちになりました。

 

演奏技術な高さにも注目してしまうこの曲ですが、やはり1番気になるのはサビのコーラスでした。

 

かなりの難易度なのは素人目にもわかりましたが、実際にライブでどうなるのか…僕以外の観客も気にしている部分だったと思います。

 

実際に目の当たりにしてみると…これもまた驚きで、サビのコーラス部分が違和感なく入り込んでるんですよね。

 

もちろんライブ用のアレンジはしているのかもしれませんが、原曲を想像してもまったく違いがわからないぐらいのクオリティに仕上がっている。

 

これは声を出せない故の怪我の功名ですが、これだけはっきりコーラスを聞けると、やはりリズム隊2人の歌のうまさが際立ちますね。

 

対面をこれを聞くことができたのも、今回のツアーの大きな収穫でした。

 

最後は"幻に消えたなら ジョークってことにしといて"から演奏されるのはもちろん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9.Phantom Joke

 

発売から1年の時間を経て、ようやく全国に生の音を届けてくれました。

 

配信では何度も聞いていましたが、対面では初…しつこいですが、これもまた感慨深いものがあります。

 

この曲のよさは今まで何度も触れていますが、特筆すべきことがあるとすれば、斎藤さんが楽曲を自分のものにしていたこと。

 

過去の配信ライブでは難易度ゆえに苦戦している描写もありましたが、今回のツアーではそれを微塵も感じさせることなく、演奏しきっていました。

 

相変わらずユニゾンの曲に対する真摯さ、そして技術の高さを思い知りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10.徹頭徹尾夜な夜なドライブ

 

貴雄の激しいドラム音と共に、めちゃくちゃにカッコ良いセッションが展開されていきました。

 

この時点ではどんな曲に繋がるかわかりませんでしたが、ライブも終盤…かなりの確率で盛り上がる曲に入ることは充分に予想できました。

 

やがてセッションが終わると、聞き馴染みのある"3.4.5.6.7.8!!"が聴こえてきました。

 

そう、10曲目は「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」でした。

 

思えばこの曲を聞くことができたのも、昨年の舞洲の記念ライブ以来…定番曲と出会う頻度が減ったのは、やはり寂しいことですね。

 

でも、それでも、だからこそ、満を持して会えたことに万感の喜びがあったことは事実なので。

 

慣れ親しんだ旧友に出会ったかのような嬉しさがありましたね。

 

いつもみたいに声を出して盛り上がることはできないけれど。

 

それでも十二分に楽しめる魅力に溢れた曲でした。

 

個人的には田淵の足上げダンス…これと再会できたことも嬉しかったですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11.ライドオンタイム

 

まさかまさかの終盤の楽曲でした。

 

斎藤さんの"レディースアンジェントルメン!ライ、ドオン、ターーイム!!"から始まったのは「ライドオンタイム」でした。

 

「セレナーデが止まらない」と同様に、まさかこの曲とここで出会えるとは…そんな嬉しい驚きに満ち溢れてしまいました。

 

今ツアー以外にユニゾンが行った数少ない対面ライブで披露され、僕を含めたファンの羨望の眼差しを一手に集めた曲でもあります。

 

それがこのツアーで演奏されること…2020年だけではなく、ユニゾン史上としても意義ある瞬間だったと思います。

 

演奏中もメンバーもイチャイチャ…もといじゃれあいもヒートアップし、もはや何をやってるんだ?と心の中でツッコミを入れることもしばしばでしたが。

 

それぐらいに楽しい時間。控えめに言っても、このライブで1番体を動かしました。

 

椅子から飛ぶんじゃないかって思えるぐらいに体を揺らし、あーこの場に帰ってこれたんだな…そんな気持ちにもさせてくれました。

 

"コマが揃う 足も動く それなら準備オッケーじゃん お気に入りのスタイルでライドオンタイム"

 

まさにそんな気分でひたすらに幸せな4分間でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12.harmonized finale

 

2部公演という性質上、ライブは1時間という短い時間で終わりました。

 

アンコールもないし、曲の密度も今までよりも薄くなる…でも、そんなのお構いなしでロックバンドはいつも通りの楽しくて濃密な時間を提供してくれました。

 

そんなこのライブの最後を締めくくったのは、「harmonized finale」でした。

 

"finale"の名を持ちながらも、今までラストを任せられることのなかった曲が満を持して幕引きを担当する…これだけでも劇的なことなのに、こんな感動的な場面で立ち会えたことが嬉しくてならない。

 

この曲が自分の好きな曲であることを差し引いても、文句なしで特別な瞬間となりました。

 

harmonized finale」は、演者であるユニゾンがとても良い顔で演奏していることも特徴なんですが、今回もどのライブでも眩しいぐらいの笑顔を携えていました。

 

特に"今日が今日で続いていきますように"の田淵の笑顔が忘れられません。

 

それにつられて、観客席の僕も自然と笑顔になってしまうし、この当たり前じゃない時間の幸せをひたすらに噛み締めていました。

 

楽曲の終了とともに、会場が暗転する。

 

再びステージ上に照明が入ると、目の前にいるのは斎藤さんだけでした。

 

一礼するとステージから去り、その瞬間にライブは終了しました。

 

名残惜しい気持ちは曲と一緒に置いてきた…そんな思いを感じ取ったのは僕だけだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たった1時間という短い時間でしたが、そう感じさせない満足感とともにライブは終演しました。

 

規制退場するなかで流れたのは、本来入場SEである「絵の具」でした。

 

最後の最後までロックバンドは僕らを熱くしてくれます。

 

この世の中でライブに行けることはそれだけで幸運なんですが。

 

それだけで済まないのが、このUNISON SQUARE GARDENというバンドでした。

 

ちょっと欲張りかなって思うけど。

 

いつかのどこかでまたライブに行きたい。そんな気持ちをまた呼び起こしてくれました。

 

願わくばロックバンドのライブが日常に帰ってくるように。

 

その気持ちを胸に秘めて、来年も生きていこうと思います。

 

ちなみにセットリストはこちらです。

 

1.クローバー

2.フルカラープログラム

3.フィクションフリーククライシス

 

4.誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと

5.セレナーデが止まらない

6.世界はファンシー

7.君はともだち

 

8.夏影テールライト

9.Phantom Joke

10.徹頭徹尾夜な夜なドライブ

11.ライドオンタイム

12.harmonized finale

 

セトリ予想的には5/12ということで、アルバムブーストがあることも含めてですが、割と当たっていたのが嬉しいですね。

 

個人的には「harmonized finale」が入っていたのが嬉しいんですが、ギリギリで曲順をラスト前に差し替えたので、そこだけ悔しいです。笑

 

来年も音楽的知識は皆無ですが、統計と勢いだけでセトリ予想をしていこうと思っていますなで、どうか温かく見守ってください←

 

 

そして、今年も「ナツノヒ」を読んでいただきありがとうございました。

 

来年もまあ気まぐれですが、細々と記事を書いていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

ここからはおまけです。

 

もうすぐそこに迫ったカウントダウン配信ライブのセトリをちょこっと予想したいと思います。

 

「Patrick Vegee」のライブは、アルバム再現ライブということが明言されていますので、アルバム曲順通りに演奏されると思います。

 

その後30分ほどの振り返りトークを挟み、おまけがあるかもよ〜ということらしいです。

 

というわけで、そのおまけコーナーのセトリを予想してみよう考えております。

 

配信ライブの時間が105分ということで、アルバムライブ約50分+トーク約30分ということで、おそらくライブは25分ほどになると思います。

 

それを踏まえて、5曲ほど予想をしてみました。

 

※ナタリーのインタビューのネタバレがありますので、未読の方はご注意ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.光のどけき春の日に

 

ナタリーのインタビューでもありましたが、今年のリクエスト投票にて、武道館でも演奏した曲が最下位から2番目だったとのこと。

 

田淵的にも少々残念だったようなので、今回のおまけで演奏する運びとなったそうです。

 

武道館で演奏した曲といえば、大概の曲が70位以内でセットリストを組まれたライブで披露されていたので、かなり予想が絞られてきます。

 

しかも、アルバムのおまけでもカップリングないとなれば、自然と予想が「光のどけき春の日に」になりました。

 

バラード系は軒並み票が集まりにくいと考えていますが、結果はどうでしょうか?

 

今回はおまけの曲数が少ないので、バラードは最初に披露されるではないかという予想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.デイライ協奏楽団

 

"年末行事に興味がないんです"

 

正直選んだ理由はこれだけなんですが、時期的にこれ以上ふさわしい曲はないはず。

 

2018年の「MODE MOOD MODE」ツアー以来出番もないので、頻度的にもちょうど良いと思います。

 

ライブでは、ちょっとずつ"テンポアップ"する役割を担ってくれると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.リニアブルーを聴きながら

 

今回の予想はカウントダウンの意味合いを探っていくうちに、かなりマニアックな選曲になってしまい…さすがにシングルは1曲入れなければ!そんな思いから予想したのが「リニアブルーを聴きながら」です。

 

実はリクエスト投票でベスト30に入ったシングルは軒並み今年のライブで披露されているなかで、この曲はまだ演奏機会に恵まれてないんですよね。

 

せっかくランクインしたならば、2020年のうちにぜひ披露して欲しい…そんな願いもあります。

 

あとは単純に久々に聞きたい、そんなエゴイズムたっぷりな気持ちもあります。笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.ガリレオのショーケース

 

やっぱりガリレオがないと年は越せない!

 

それだけで理由は十二分じゃないでしょうか。

 

とはいえ、昨年のカップリングツアーでも演奏されず、今年もまだ演奏機会は与えられていないので、タイミングとしてはバッチリではないでしょうか。勝手に期待してしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.プロトラクト・カウントダウン

 

これは正直実現して欲しくてたまらない予想です。

 

Count Down styleの名を冠して、0時に終わるとなれば、必然的にカウントダウンへと繋がっていくはずなので。

 

ラストはそれに関係する曲で終わって欲しいところです。

 

1番見たいのは、斎藤さんの「3.2.1…」からの「Happy New Year!」なんですよね。

 

曲な性質的にラストを任せられることはまあ稀だと思いますが、今夜ばかりは実現して欲しいです。お願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

EX.センチメンタルピリオド

 

ライブ自体は0時で終わりなはずですが、新年を迎えて何もなしで終わるはずがない。

 

そんな予想はきっと難しくないはず。

 

きっと新年を僕らと一緒に迎えてくれるものだと思います。(収録ライブだけど)

 

そうなってくると、特別な曲になると思うんですよね。

 

今年まだやっていない曲で、特別な立ち位置…答えはこれまた自然と「センチメンタルピリオド」になりました。

 

数年前にカウントダウンを任せられたフェスでは、セトリを見ると年明けに披露したのはおそらく「センチメンタルピリオド」だと思うので、実績や意味合いも充分です。

 

何より無音の画面からの聴き慣れたあの前奏…そして、斎藤さんの「センチメンタルピリオドッ!」。

 

これだけでも充分価値あるものだと思います。

 

節目に流される曲だとはわかっていますが、個人的には隙あらば聞いていきたいので、機会はぜひ生かして欲しいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ予想は以上です。一応まとめさせてもらうと。

 

1.光のどけき春の日に

2.デイライ協奏楽団

3.リニアブルーを聴きながら

4.ガリレオのショーケース

5.プロトラクト・カウントダウン

 

EX.センチメンタルピリオド

 

今年やってない曲をできる限り入れてみた感じでは、まあほどほどに根拠もあるので、ぜひ実現して欲しいと思います。

 

気づけばライブまであと1時間を切りました。

 

今年最後の大イベント、みなさん思う存分楽しみましょうね。

 

 

 

 

 

 

Patrick Vegee 後編

お久しぶりです。すっかりブログを放置してしまいすいません。

 

激動の2020年もそろそろ終幕が近くなっておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

僕は職業柄仕事納めが早かったので、ありがたいことにゆったりした年末年始を過ごすことができています。

 

まあ今年もそれなりに大変だったので、今ばかりはゆっくり休みたいところ。

 

何と普段はめんどくさがってやらない大掃除も終わり、あとはカウントダウンライブを迎えるだけ!と思っておりましたが、とても肝心なことを忘れておりました。

 

…Patrick Vegeeの後編を書いていないことに。

 

言い訳をさせてもらえるなら、主に理由は2つあります。

 

1つは単純に忙しかったこと。10〜12月の前半までは仕事やその他諸々でまあまあ忙しく、ブログを書く時間が取りにくかったんですよね。

 

2つ目は想像以上にこのアルバムの記事が長くなってしまったこと。

 

元々は1つの記事に収まるぐらいの量で書くつもりだったんですけど、自分の思いをひたすらに書く殴った結果、気がつけば前編は約2万字の大ボリュームになってしまいました。

 

そうなると、後編も1万字越えは確実…こりゃ相当のエネルギーを割かねば書けないぞ…ということでここまでズルズル引き伸ばしてしまいましたとさ。

 

この記事を書き終えるまではライブレポ書くのも気がひけるし…なんてことも考えていたら、結局ブログ自体も停滞してしまいました。

 

はい、というわけで言い訳タイムは終了です!

 

ここからはようやくPatrick Vegeeのディスクレビュー後編にいきたいと思います。

 

前編でも書きましたが、アルバムの全体像については別媒体で執筆しておりますので、そちらをご覧ください。

 

 

前編では1.Hatch I need〜6.夏影テールライトについて書いていきました。

 

 

後編は7〜12について。シングルも多いし、きっと前編より量は少なくなるはず…だよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7.Phantom Joke

 

7曲目は16thシングルでもある「Phantom Joke」です。

 

 

前曲「夏影テールライト」の"幻に消えたなら ジョークってことにしといて"の歌詞から繋がる流れは、ある意味で今作1番の高低差ある繋ぎとなっていると思います。

 

優しげなラブソングから激烈なアッパーソングに繋がる曲間、はっきりいって歪なんだけど、その違和感が逆に互いの曲の魅力を引き上げているのが何とも不思議な現象ですね。

 

正直曲のタイトル当てクイズが投稿されたとき、これでちゃんと繋がるの?感がすごかったんですが、聴いてみると歌詞にちゃんと意味があるんですよね。

 

恋が成就しない様=幻=人生の見えない障害という図式を成り立たせることで、"幻"という言葉をツナギにして一つの流れが完成しました。

 

端から見てるとよくわからないと思うんですが、聴いてる側としてロジックを理解すると、いつの間にかそれを受け入れてしまう。

 

気がつけばこれ以上ない組み合わせにしか聴こえなくなるのは、音楽の為せる妙技でしょうか。

 

まさにグチャっとしてる奥底の華麗なる構成を垣間見た気分です。

 

さり気ない部分ですが、もしかするとアルバムのコンセプトの中核を担う一つなのかもしれません。

 

曲としての魅力は言わずもがなでしょうか。

 

エッジの効いたギター、フルスロットルで奏でられるベース、おおよそ人間技とは思えないドラム…今のUNISON SQUARE GARDENが放つ最大出力の演奏を味わうことができます。

 

三拍子と四拍子が切り替わる音楽とか、よく演奏できるよな…といつも思ってしまいますね。

 

歌も高音が続く上にテンポも早い、そんな激ムズ曲を歌い上げる斎藤さんにもいつもながら驚嘆の声をあげてしまいます。

 

さすがに演奏回数が少ない時期は苦労している印象も見受けられましたが、場数を踏むほど自分のものにしていたので、さすがの一言です。

 

この曲は発売時にまさかのB面ツアーをしていた影響で、当時はまったく披露する機会を与えられず…ようやく連発されると思った矢先のコロナの影響。意外と不遇な印象が拭えない曲です。

 

その影響で人気投票1位を取ったりもしていましたが、今年のオンラインライブで万を侍しての全国への披露と相成りました。

 

その後の活躍はここに明記する必要もありませんが、2021年もその勢いはまだまだ失速しそうにもないので、これからの登場機会も楽しみに待ちたいと思います。

 

〈ナツノヒ的ピックアップポイント〉

 

前編を読んだ方は覚えていらっしゃいますでしょうか?このクソダサタイトルのコーナーを。

 

他のブログとの差別化を図った結果、うちは歌詞は攻めていこう!でも、それだけでパッと目立たないしな…そうだ!!何かタイトルをつけてみようか。

 

…なんて浅はかな考えから、死ぬほどコメントのしずらいタイトルを冠したコーナーが作られました。死にたい。

 

とはいえ、もはや折り返し地点にまで来てしまったので。

 

恥も外聞も捨て去って、このまま邁進していきたいと思います。いっそ殺してくれ。

 

というわけで筆者がビビッと来た歌詞を取り上げて、紹介していくのがこのコーナー。

 

今回の歌詞はこちらです。

 

"熱くなってもご注意 悪はたまに正義を隠してる"

 

Phantom Jokeといえば、僕も一度音楽文で取り上げたことありますが、"生"や"愛"の部分がピックアップされがちな曲であると思います。

 

 

"まだ世界は生きてる"

 

"言えそうで良かった 「まだ愛していたい」"

 

これは世の理不尽に対するユニゾンなりのひとつの答えだと解釈しているんですが、この理不尽というのがけっこう厄介なもので。

 

理不尽は隠せるんですよね。そして、隠すことが上手い人ほど厄介な使い方をしてしまう。

 

そもそも「理不尽」という言葉を検索すると…

 

理にかなわない仕方で行うこと

 

と出てきます。

 

要は人に説明できないことをしているというイメージで考えてもらえれば良いと思うんですが、そういうときに人間が行う方法は正直にそれを話すか誤魔化そうするかの2択なんですよね。

 

そして、他人と関わるときに行われるのが圧倒的に後者だと思っています。

 

耳心地の良い言葉やそれらしい内容でまとめて、話の本質を悟らせない。

 

そして、自分の思うように相手をコントロールすること。

 

昔から上手い話には裏がある…なんて言われていますが、そこにはこんなロジックが隠れているような気がしています。

 

これが自覚ありならまだ良いんですが、厄介なのは無自覚でこれをやってしまうこと。

 

経験上、大抵は周りが見えていないことが原因だと推察しますが、世の中のこと全てを自分の思った様にしたいというエゴイズム全開で生きてる人は一定数いるみたいですね。悲しいことに。

 

だからこそ、自分が正しいと思ったことが本当にそうだとは限らない。

 

一見したことがその本質の全てを表しているとは、少なくとも今の僕には信じられない。

 

だからこそ正義は疑え、信じたいのならば調べ考えろが持論だったりします。

 

この歌詞も逆説的に同じことを言っているのだと思っていて。

 

悪というフィルターを通して見ると、全てが間違っているように思えるかもしれない。

 

けど、曇らない目で見てみると、そこには確かな正しさが映っている。

 

正しいからこそ辛く厳しい現実がそこにある。

 

それを乗り越える強さを身につけるべきだ。

 

そんな風に言っている様に聴こえました。

 

まあ全部僕の予想だし、真実はそうだとは限りませんが。

 

少なくともこのフレーズを僕はめちゃくちゃ前向きに受け取ることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.世界はファンシー

 

ようやくここまでたどり着いたって感じですが、本作のリードトラック的存在でもある「世界はファンシー」です。

 

 

8月の配信ライブ後に投稿され、いろーんな意味で物議を催したこの曲、当時はまさかリード曲なんて思いもしなかった。

 

ちなみに「世界はファンシー」がリード曲になったのはメンバーの意向が大きかったとのこと。田淵的にはいい曲だけど、数あるうちの一曲…ぐらいの印象だったのかもしれませんね。

 

「Cather In The Spy」の「天国と地獄」もリードになったのはメンバー間での話がきっかけみたいなので、マイナー調の曲は田淵的にはあまりリードに推さない傾向にあるのかな?それともメンバーがバランス取って決めたのでしょうか?

 

確かにこの曲はリードらしからぬヘンテコな曲ではあります。

 

最大の特徴は早口かつ難解な歌詞。

 

あ、あ、あ、あ、あ、ああああ!

 

なんて言葉にならない歌詞が連発される曲は見たことないですし、

 

"Continue? とっくシータタンジェント ロールシャッハって魂胆なんだ Sha-ba-da-da-da 話そうぜ"

 

なんて正直意味がわかりません。

 

極め付けは"某日 とかく喝采を浴びせ〜"からの早口言葉のような歌詞の応酬。

 

"担当者不在ならばその間に 口実作って以上終了だ"

 

みたいに「ここで会ったがけもの道」の歌詞を踏襲してることにニヤッとしてしまいますが、それ以外はまあ語感以外はちんぷんかんぷんです。

 

前作「MODE MOOD MODE」の「フィクションフリーククライシス」を彷彿とはさせますが、難解さはそれ以上な気がしています。

 

とにかくこの曲は説明が難しい。

 

正直曲を聴いてもらった方が幾分かわかりやすいような気がしている。

 

とはいえ、シンプルに曲はかっこいい。

 

「Patrick Vegee」はけっこうベースにフューチャーされたアルバムだと思ってるんだけど、この曲でもメロディにおけるベースの役割が重要だと思う。

 

それがまた他の曲と違った趣きを生みだし、例えれば妖艶な雰囲気を纏っているような印象がある。まあそれで一層難解さを増してるんだけど。

 

斎藤さんの"My fantastic guitar!"からのソロもめちゃくちゃにカッコ良い。ていうか今作は斎藤さんがこだわり抜いたのもあって、全編ギターのメロディが心地良いんだよね。

 

ちなみに斎藤さんはこのフレーズを見たとき、どんな気持ちなんだろう。

 

内心苦笑いな気はするけど、本気で思ってそうだから、今は自信満々で繰り出してる気はします。笑

 

個人的には田淵の「ウチの斎藤くんはすごいんだぞ!」っていうダブルミーニングだと思っています。

 

あと何回観てもライブが楽しいんだわ。

 

この曲の難解さを押し上げてるのがMVですね。

 

いや、逆によくこの曲でMVを作り上げたというべき。

 

全斎藤宏介ファンを発狂させたHAPPYダブルピース✌️😎✌️に、ラップに包まれた田淵、バケツを被った貴雄、あとゴリラと怪しいお姉さん…うん、ツッコミどころしかねーな。

 

個人的には最後のVHSが懐かしさを感じて好きなんですが(20年前までこれで録画してたんだよ?)、全体的に変に変を塗り重ねる超個性的なMVとなっております。

 

ただ、斎藤さんがいうようにUNISON SQUARE GARDENにしかできないヘンテコなのにカッコ良い曲には仕上がっていて。

 

まさにグチャっとしてるのに心地良い今作のリードトラックに相応しい曲になっていると思います。

 

あ、あとカラオケで歌うと結構楽しいです!舌が死ぬけど。

 

早口は採点ゾーンじゃないので、何だか気兼ねなく歌えます。呂律が回らなくなるけど。

 

歌い切った後の爽快感はなかなかですよ。その前に心折れそうになるけど。

 

〈ナツノヒ的ピックアップポイント〉

 

心はもう折れてポテチみたいにバキバキなので、気にせず進んでください。

 

今回のピックアップポイントこちら。

 

"一丸っていうのは ただ丸くすることなんだっけ? ロックンロールの方が ゴツゴツしておいしそうだな"

 

難解な歌詞の中で、まず1番最初に印象に残ったのがこの歌詞なんですが。

 

割とお気に入りのフレーズでもあります。

 

田淵智也は"音楽"や"ロックバンド"に対して、並々ならぬ思いがあるのは、みなさん周知の事実だと思います。

 

決して世間から必要とされなくても、そこに意味があるはずだと信じているし、そこに救われる人生がきっとあるはずだと疑いもなく生きています。

 

この記事の前編で、ロックバンドははみ出すものだと表現しました。

 

きっと世の中の常識からすると、当てはまらない部分がたくさんあるだろうし、小さく収まるなんてことは絶対にあり得ません。

 

ただ、はみ出しものは目立つし、大概の場合多くの人から認められなかったりする。

 

まあその"多くの人"はそれっぽい意見に追随してることがほとんどですが。

 

好きを好きということに理由はいらないはずが、気がつけば周りの意見を伺うことになってしまっている。

 

正直嫌ですね、少なくとも僕は。

 

そんなときに声高に同じ好きなものの揺るぎない魅力をいの一番に叫んでくれる。

 

それがたまらなく嬉しかったりするんですよね。

 

ロックンロールには君が好きになれるほどの素晴らしいものなんだよ

 

そう言って貰えたような気がして、勝手に胸を張れてしまうのです。

 

これをリード曲という大きな媒体でやってくれたこと。

 

個人的にはけっこう大きな出来事だったりします。

 

このご時世でロックバンドのパワーを再認識する。

 

後付けで勝手につけられた役割だとは思いますが、改めてそれを十二分に果たしたアルバムだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9.弥生町ロンリープラネット

 

「世界はファンシー」の"A fancy is lonly!"から始まるのは「弥生町ロンリープラネット」です。

 

全構成のなかで1番さり気ない繋ぎではあるんですが、これまた曲感の違いが如実に出るので、なかなか不思議なつながりとなっているように感じます。

 

何よりここからアルバムの空気感がガラッと変わるので、繋ぎといっても少々おまけ感が強いようにも思ったり。

 

シングル曲を除けば、「Patrick Vegee」で1番に披露された曲でもあるのが「弥生町ロンリープラネット」です。

 

配信ライブでは、まさかこんなゆったりした曲でライブを締めるなんて…と考えていた自分の度肝を抜いてくれました。

 

そんな感じで壮大な伏線のイメージが拭えない曲ではあるんですが、楽曲としてテーマは「冬の終わりと春の訪れ」を描いていると思います。

 

曲を聴いているだけで、雪解けの景色とそこで生活している人々の様子が想像できます。

 

タイトルにもある"惑星"というのも、何気に初めて取り上げられるテーマな気がしますね。

 

星とか月とか、けっこう宇宙的なテーマの曲も多いなかで、これは意外だったりしますよね。

 

"惑星"という永遠に交わらないはずの僕らが、折り重なる奇跡が気がつけば日常になっている…そうな超新星みたい現象を優しく表現している曲でもあります。

 

タイトルが発表された当初から話題になっていましたが、実は少女漫画からインスパイアされた曲でもあるらしいです。

 

やまもり三香先生の「椿町ロンリープラネット」という漫画だそうですが、あいにくまだ僕は序盤しか読めておらず、どこら辺にその要素があるのかよくわかっていないという…。

 

全話無料のアプリがあるんだけど、分割の仕方がなかなか酷くてね…読書意欲を削がれてしまうのだよ。(内容はバリバリ興味ある。本当だよ。)

 

ニゾンには、こんな感じで漫画が元となって作られた曲もけっこうあるらしいです。明言されている楽曲は少ないですが。

 

現状公表されているのはこれ以外に2曲、

 

「8月、昼中の流れ星と飛行機雲」が同じくやまもり三香先生の「ひるなかの流星

 

「僕は君になりたい」が志村貴子先生の「放浪息子

 

だそうです。どちらも僕はまだ未読なので、詳細はわかりませんが、ユニゾンが作品に寄り添った楽曲を作ることは今更声高に言わなくても良いでしょう。

 

あとは作品名は発表されていませんが、「ラディアルナイトチェイサー」も元ネタがあるみたいですね。

 

"本当の気持ちは伝えないことが 当たり前だと思っていたから"

 

まさにこれまでの田淵のマインドを表している歌詞だと思うのですが、

 

"追いつくまでごめんね ちょっと時間がかかるよ"

 

こんな気持ちにさせてしまったのは、15周年を経た変化があったのか、それとも他の要因があったのか…審議はわかりませんが明確な変化を感じでしまいます。

 

それに「世界はファンシー」までは一つのピークを見せていたアルバムが、この曲からはまた違った顔を見せているんですよね。

 

この曲を筆頭にどこか温かな印象を与える楽曲が揃っている。

 

これは完全に田淵の戦略だと思いますが、今までのユニゾンではあり得ないメロディや歌詞が乱立しているように感じました。

 

ここにもどうもひとつの意図がありそうなので、残り3曲で解説していけたらと思います。

 

〈ナツノヒ的ピックアップポイント〉

 

どうですか、そろそろ慣れましたか…?僕はまだまだ時間がかかりそうです。

 

さ、今回のポイントはこちらです。

 

"理由はうまくいえない方が 大切の理由になれそうだ"

 

大切なことは言葉にできるほど安っぽいものじゃないんだよ、これに尽きると思います。

 

UNISON SQUARE GARDENというバンドの良さを説明しようとしても、なかなか上手い言葉が見つからないんですよね。

 

こうやって文字でいくらでも書くことができるし、必要なら言葉にもしてみせる。

 

でも、今のところしっくりくる言葉には実は出会えていなくて。

 

好きの理由を一言で表すのってめちゃくちゃに難しいんだなって思います。

 

だからこそ、こうやって文章をひたすら書いて、自分のなかを蓄えているわけなんですが。

 

そういう意味で欲しい言葉はきっと一生見つからない気がしています。

 

自分にとっての大切って、生半可なものではないな〜とここ最近改めて思っていて。

 

今までたくさんの好きに巡り会ってきたけど、現在まで残ってるものって本当に少数なんですよね。

 

それには様々な理由があったけど、最終的には自分が意図的に引き離したものばかりでした。

 

好きでもないものと一緒にいたくない…そんな思いは人一倍強いです。

 

そんなこんなで最近はもはやロックバンドはユニゾンとそれに関連するバンドしか聴かなくなってしまいましたが、考えてみればそこに理由ってないんですよね。

 

大雑把に好きだから!って言ってしまえばそれまでなんですが、他に明確な理由は一切存在しません。

 

そりゃ言葉にすればいくらでも理由は作れますが、それが根本ではないというか。全部後付けなんですよね。

 

あの日見た学祭のライブで引き込まれて、あれよあれよという間にロックバンドの魔法にかけられてしまった。

 

きっかけは言えるけど、理由は一生納得のいく言葉は出てこないように思えます。

 

でも、それが嬉しくなるのはこの思いが揺るぎないからでしょうね。

 

理由ぐらいで左右されない単純で強い思いがあるからこそ、好きだと自信を持って言える。

 

そんな気持ちが誰でもない自分にあることが、大切であることの証明になるのかもしれませんね。

 

少なくとも僕はそんなシンプルな世界であって欲しいなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10.春が来てぼくら

 

いよいよシングルもラストであり、何と今回のアルバムで最大のハードルになってしまいました…14thシングル「春が来てぼくら」です。

 

 

発売されたのが2018年3月ということで、何と2年半以上経過し、ようやくアルバムに収録されることとなりました。

 

2年半前といえば、前作「MODE MOOD MODE」の発売とほぼ重なっていたこともあり、どちらかといえばそちらの特色を踏襲している作風といえます。

 

そのため、この「Patrick Vegee」とは実は相性が悪い曲だったりします。

 

今作は基本的には人力での演奏…つまり3人が使用する楽器のみでメロディが構成されているのに対し、「春が来てぼくら」ならオーケストラなどのストリングスが多用されている楽曲です。

 

ライブの演奏でも同期からメロディが始まっており、アルバムのコンセプトとは大きく逸脱した作品となっています。

 

そこで考えられたのが、今回アルバムの肝にもなっている楽曲同士を繋げることでした。

 

前曲「弥生町ロンリープラネット」の最後の歌詞である

 

"そして、僕らの 春が来る"

 

からノータイムで繋がる編成となっています。

 

フレーズひとつでそんなに変わるものか…?なんて思ってしまいますが、これが意外とでかい役割を果たしてくれるもので。

 

冒頭のストリングス音が違和感なくなるほど、楽曲がアルバムに溶け込んでいくんですよね。

 

これは7月の配信ライブで先行配信されていることが大きかった。

 

あそこでラストに芸術的な繋ぎを見せられたからこそ、種明かしされても抵抗なく、むしろ歓迎して受け止められた気がしています。

 

「Cather In The Spy」の「桜のあと(all quartets lead to?)」みたいなコンセプト違いの作品が収録された成果をしっかり見たことがあるけど、こうやって明確に意図を提示されると、また違った見方ができるようになりますね。

 

曲としては、ツアーや周年ライブでも演奏されているので、もうすっかりライブ要員としての顔も持っています。

 

アルバム発売後はまた違った使い方をされることも増えてくるはずなので、そこも楽しみにしたいと思います。

 

〈ナツノヒ的ピックアップポイント〉

 

…(無言)

 

今回のピックアップポイントはこちらです。(真顔)

 

"神様がほら 呆れる頃きっと暖かな風が吹く"

 

「春が来てぼくら」は温かなフレーズのオンパレードで、聴く人の気持ちも穏やかにしてしまう楽曲だと思います。

 

僕も新年度の1発目、4月1日はこの曲を聴いてからスタートしています。

 

"小さな勇気 前に進め ちぐはぐなら ナナメ進め"

 

"間違ってないずの未来へ向かう"

 

"その片道切符が 追い風に揺れた今日は 花"マルだね"

 

非常に前向きで優しい言葉はがりで、生きる僕らを掬いあげるように救ってくれる曲でもあります。

 

改めて考えると名曲だし、ユニゾンファンのなかでも好きだと言う人が殊更に多い曲でもあります。

 

そんな名曲が最後に伝えてくれるフレーズがこちら。

 

"夢が叶う そんな運命が 嘘だとしても"

 

"また違う色混ぜて また違う未来を作ろう"

 

これだけ温かな言葉をかけても、無責任にそこだけを伝えて終わらないのが、個人的にUNISON SQUARE GARDENの1番好きなところですね。

 

夢は望みは叶わないかもしれない。けれどもそれは違う出来事にいくらでも変容できるし、いつかのどこかで素敵な未来が待っている。

 

楽曲の雰囲気を壊すことなく、あくまで地に足ついたフレーズでちょうど良い距離感で背中を押してくれる。

 

これもユニゾンにしかできない技だと思います。

 

そして、極めつけの今回ピックアップした歌詞になります。

 

世の中って不思議なもんで、欲しいと願えば願うほど、実現が遠のくなんてことがザラで。

 

やってやろう!って力を入れるほどうまくいかなかったりするんですよね。

 

個人的には、そこで諦めるか続けるかで本当に夢が叶うかどうかが決まってくるんじゃないかなって思っています。

 

要は今テレビとかで見る夢を叶えた人たちって、困難を自分なりのやり方でくぐり抜けた人たちなんだろうなって。

 

神さまという願っても力になってくれるのかどうかわからないものに頼るんじゃなくて、自分の力で試行錯誤してやり抜く。

 

もちろんそれで望みが叶うわけじゃないけど、そのための最低条件なんだと思います。

 

神さまが呆れて見放したときこそ、本当に夢を叶えることができるかもしれない瞬間…ざっくりですがそんな解釈をしています。

 

自分自身が神頼み含めて、誰かを当てにしたときに上手くいった試しがないので(頼るのは別だよ)、何だかすごく的を得たフレーズな気がしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11.Simple Simple Anecdote

 

いよいよアルバムも佳境に入ってきました。

 

11曲目は「Simple Simple Anecdote」です。

 

名前からして、「Cheap Cheap Endroll」を彷彿とさせるタイトルですが、これも同様におまけの様な立ち位置の楽曲だそうです。

 

ただ、曲としては真逆の性質を持っています。

 

「Cheap Cheap Endroll」が、"君がもっと嫌いになっていく"

 

だとすれば

 

「Simple Simple Anecdote」は、"全部嫌になったなんて簡単に言うなよ"

 

と同じ"嫌"でもずいぶんと趣きの異なる使い方をされています。

 

というか、ユニゾンとしてはかなり今までとは方向性と違う楽曲となっていて。

 

"全部嫌になったなんて 簡単に言うなよ 全部が何かってことに気づいてないだけ"

 

人生にこの言葉かけられたら、大半の理不尽には立ち向かっていけそうな、そんな素晴らしいフレーズです。

 

でも、少なく見積もっても僕が好きになったときから、ユニゾンにこんなストレートな歌詞はなかったし、もう少し距離を保った感じだったように思います。

 

代表的なのが「さわれない歌」です。

 

"もしも僕が君の前まで来て 何かできることがあるとしても この手は差し出さない きっかけは与えたいけれど"

 

ファンに寄り添いながらも、相手の領域に入り込むことはしない。

 

だからこそ、主観的ではない言葉選びに説得力が増す。

 

それがUNISON SQUARE GARDENの魅力だったと思います。

 

そのスタンスをちょっとばかり逸脱したフレーズが、アルバムの終盤に入る…距離感が近づいたことに嬉しくもなりますが、人によって心がざわついてしまうような状況です。

 

ですが、個人的にはあまり違和感を感じてはいなくて、どちらかといえば田淵智也の人間味を感じて好きなフレーズでもあります。

 

田淵は音楽性やインタビューなどを見る限り、ずっと世間との隔たりを感じてきた人間なのではないかと推察しています。

 

それは仲が悪いとかじゃなくて、単純に自分が良いと思ったものが万人と共有しづらい…そんな窮屈さみたいなものではないかと考えます。

 

田淵的にいえば、世の中と気が合わない…でしょうか。

 

だからこそ、世間に変な期待をせずに、自分が良いと思った音楽を選んたのでは?なんて個人的には思っています。

 

それゆえに、楽曲にはどこか"諦め"のようなものが漂っているような気もしました。どこか後ろ向きな感じで。

 

「世界はファンシー」なんてタイトルも、そんな意味合いでの痛烈な皮肉か…?なんて勘繰ってしまうぐらいに。

 

けれど、それをこの曲はかなり前向きな意味で捉えているように思えてならなくて。

 

世の中嫌なことばかりかもしれないけど、"好き"や"楽しい"もたくさんある。だから、そこだけ見つけて楽しみゃいいんだよ。

 

そんな風に言ってくれているように感じました。

 

何だかそこに途方もなく勇気をもらってしまって。

 

どれだけ世の中と相容れない部分があっても、自分らしく好きなことをして生きていけるんじゃないか?

 

そんな前向きな気持ちを芽生えさせてくれました。

 

これは世界と気が合わずに、それでも自分のやりたいことを貫いていったユニゾンが歌うからこそ、盤石な説得力を生み出したのだろうと思っています。

 

曲の終盤では、"誰にもわかんないことを解き明かしても 誰にもわかんないまんまでもいいのかも"なんてフレーズが出てきます。

 

"誰にもわかんないこと"といって、僕が自分のなかでイメージするのは、心ない言葉や理不尽との付き合い方です。

 

でも、これまでの経験上で出た答えって、結局適切な対処方は何もないんですよね。

 

1番有効なのは相手にしないことで、これって別に答えを探さなくても見つかることなので。

 

結局わかんないことはわかんないままでいいっていうのは生きる上で大切な考え方のひとつだと思います。

 

何だかユニゾンなりの色々な哲学が垣間見える曲でもありますが、こういうのを出し惜しみしなくなったところにも、15周年を経た変化を感じていて。

 

盛大に祝ってもらったからこそ、祝われた相手の顔をより意識してくれるようになったのかなと。

 

そして何より強固な繋がりを意識したからこそ、ちょっとやそっと優しい言葉じゃ、今までの距離感は崩れないという自信を感じたのは僕だけでしょうか。

 

僕自身は前向きなフレーズに喜びを感じながらも、根っこの部分はロックバンドが何も変わらないことは確信しているので、数ある楽曲の大切な言葉のひとつとして受け取ることにしています。

 

あと、これは完全に余談なんですが、今作はあまりにも"恋"というフレーズが出すぎて、田淵の身辺に何か変化があったのでは…?なんて勘繰ってしまいます。ファンの嫌な心理ですね。

 

〈ナツノヒ的ピックアップポイント〉

 

そろそろイジるネタもなくなってきました。誰か助けてください。

 

コンカイノピックアップポイントハコチラデス。

 

"でも泣きたい時に順番待ちもないだろう"

 

世の中の嫌なところって、不幸の尺度を勝手に決めるところだと思っていて。

 

あれはダメ、これは良い…誰が決めたかわからない謎の基準で動いてるときがありますよね。

 

この人はかわいそうだから泣いていいし、あなたはここがダメだから悲しんじゃいけない。

 

まあすこぶるざっくり例えてしまうと、こんな風に平気で言えてしまう人が意外と多い。

 

悲しいことは自分自身でしか決まれないし、そこに落ち込むかどうかはこれまた個人の自由であって。

 

結局他人にできるのは、その感情に寄り添うことだけ。人の感情を操ろうなんて、控えめに言っても傲慢ですよね。

 

優しくない世界は慣れっこだし、別にほっといてくれても良い。

 

でも、嫌なことがあったときぐらいそっとしておいて欲しい。これもまた自然に湧き出る感情だと思います。

 

それでも周りの目が気になって、泣けない人はたくさんいるんだろうなぁ。

 

僕はもともとあまり泣けない人間なので、せいぜい悔しいときぐらいしか涙は出ないんですが、泣きたくなる瞬間はいっぱいある。

 

そんなときに嫌な言葉をかけられたら、その感情に蓋をしてしまうし、何とか気づかないように目を逸らしてしまう。

 

そうなったときに起こり得るのが、溜め込んで溜め込んで、いつの間にか体を蝕んでいること。

 

ふとしたとき立ち上がれないし、歩くこともできない。止まったままで何もする気が起きなくなってしまう。

 

田淵の言葉を借りるとすれば、"心が死んでしまう"ということでしょうか。

 

適切なタイミングで適切な対応をしないと、体も心も不調をきたしてしまう。

 

ちょっと考えたらわかることだけど、意外と追い詰められてると気づかなかったりするんですよね。

 

多分僕以外にもそんな人は大勢いるはず。

 

だからこそ、このフレーズが刺さると思う。

 

泣きたいときなんて、我慢できることじゃないし、そこで発散できないと意味がない。

 

それぐらいに生きる上で大切な作業です。

 

それを順番待ちで片付けようなんて、これ以上理不尽な話はないし、きっとそんなことができる人はほとんどいない。

 

そんなはっきりいえば"間違い"を結果的に訂正できるようなフレーズを携えたことが、個人的にはとても嬉しくあるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12.101回目のプロローグ

 

"ごめん、全然聞いてなかった"

 

なんていうユニゾンらしさバリバリのフレーズから始まります。

 

アルバムをラストを飾るのは「101回目のプロローグ」です。

 

「Patrick Vegee」の特徴のひとつとして、比較的短い曲で構成されていることがあります。

 

12曲中3曲が2分台で終わる曲であり、その他の曲も3〜4分台でほぼ纏められています。

 

曲間の繋ぎも含めて、テンポよく聴き進めていけることが、このアルバムの持ち味にもなっています。

 

それに対して、この曲は何と合計5分38秒と他の曲と比べて明らかに長い構成となっています。

 

田淵が組曲みたいな構成にしたいと考えていたとのことで、めまぐるしくメロディが変わっていきますが、その結果何とHメロぐらいまであるとのこと。(正確な数は不明ですが)

 

その作り込み具合に当初はこれがリード曲で良かったんじゃないのか?なんて思ったぐらいです。

 

そんな凝った曲ではありますが、タイトルに"プロローグ"とある通り、最後に配置されながらも始まりの様な意味合いを含んだ曲になっています。

 

プロローグは序章を意味しますが、果たしてどんな意図があってこんなタイトルを持ってきたのでしょうか。

 

1番わかりやすいのは、16年目の始まりを意味しているから。

 

2019年の15周年を経て、2020年は普通のロックバンドに戻ることを宣言していました。

 

だからこそ、今一度そのスタンスを明確にするため、こんなタイトルをつけたのでは?というのが1番あり得そう。

 

だからこその"よろしくね はじまりだよ"なのかもしれません。

 

何より16年目に歌う"本当の気持ちを話すのは 4年ぐらいは後にするよ"は、来るべき20周年を意識しているようで、何だか色々と邪推してしまいますね。

 

個人的には20周年記念ライブの1曲目の最有力候補になりました。

 

そして、ファンの間で良くも悪くも物議を催したのは、このフレーズです。

 

"君だけでいい 君だけでいいや こんな日を分かち合えるのは"

 

ニゾンとしては珍しく聴き手に向けて言っているように感じ取れるフレーズです。

 

あまりこうやって誰かに向けて歌う曲って存外なかったので(抽象的な誰かいたことはよくあるけど)、具体的な対象がいるこの曲はファンのなかでも受け取り方が千差万別だったような気がします。

 

ただ、UNISON SQUARE GARDENは自分たちのために音を鳴らすバンドではあるけど、同じぐらい誠実なバンドではあるので。

 

聴き手に触れてこなかった今までも、曲のフレーズの端々をつなぎ合わせていけば、似たような言葉はいっぱいあるように思います。

 

いくつか例をあげるとすれば、

 

"今、目の前の君が明日を生きれるぐらいには"/桜のあと(all quartets lead to the?)

 

"君の命は必要なんだよ"/流れ星を撃ち落とせ

 

などなど…さりげなくデレてるフレーズは探せば意外とありそう。

 

あくまでその延長戦上の出来事だし、ユニゾンが同じ手法を使うことはまあ稀なので、次作はきっとまた同じ…いや、むしろ今でよりも遠い距離感で何かを企んでいるかもしれない。

 

あともし、今回の距離感の近さに理由をつけるとすれば、この曲が最後まで聴いた人にとってのご褒美みたいなものっていうのがありえるのかも。

 

田淵がインタビュー等で触れていましたが、これだけ凝った曲をアルバムの最後に配置した理由が、曲を全て聴いた人が行き着くご褒美にしたかった意図があるそうです。

 

そう考えると、後半になるにつれて優しい曲が増えていった理由も説明することができるし、これだけストレートなフレーズが続くことにも少し価値を見出せるかもしれません。

 

近づく…まではいかないけれど、彼らが気まぐれにしゃがみ込んでくれた瞬間を知ることができたのは、アルバムの全てを体感したからこそ。

 

そう思うと、この不思議な終着も個人的には素晴らしいものになったのではないかと思ってしまいます。

 

〈ナツノヒ的ピックアップポイント〉

 

あーついにこのタイトルのまま最後まで来てしまいました。結局最後までダセェ…笑

 

というわけで最後までお付き合いください。

 

最後のフレーズはこちらになります。

 

"魔法が解けるその日まで"

 

UNISON SQUARE GARDENで魔法といえば、「シャンデリア・ワルツ」の、"わからずやには見えない魔法をかけたよ"を連想する人が多いと思います。

 

かく言う僕もその一人です。

 

ロックバンドはいつも僕らに素敵な魔法をかけてくれるし、現状それが解ける気配は1mmもありません。

 

けど、それは当たり前ではなくて。

 

幾重の奇跡が重なって、初めてロックバンドの音楽が魔法たり得るのだと感じる場面は今年は特に多かったです。

 

本当に何かを好きになるっていうのは奇跡的なことなんだなとヒシヒシと感じます。

 

だからこそ一生とか永遠とかいうフレーズに心奪われることは多分ないだろうし、正直言って嘘くさく思えてしまうのが本音です。

 

きっとどこかでこのロックバンドとの縁は切れる。

 

多分理由は飽きるか死ぬか、環境が変わるのかのいずれかだとは思うけど、それがいつ誰に起こるのかは正直わからない。

 

僕かもしれないし、はたまたユニゾンの3人かもしれない。

 

でも、この魔法が永遠じゃないことがわかっているのが、自分のなかではけっこう大きい。

 

誤解がないように言わせてもらうが、決して悲観的に捉えているわけではない。

 

当たり前じゃないからこそ、この奇跡のありがたみを理解できるし、思う存分満喫することができる。

 

自分にとっては音楽が触れずにはいられない大切なものであることを実感できるから。

 

彼らの音を近くで見られる価値に気づけたことは本当に人生のなかでも僥倖だった。

 

きっとユニゾンもそれが永遠だとは思っていない。

 

だからこそ、魔法という言葉を今一度使って、僕らとの縁を表現したのだと思う。

 

僕らはロックバンドを介したただの共犯関係にしかなり得ないのだから。

 

せめて魔法が消えてしまうまでは、同じ世界に居合わせたいし、その素晴らしさを共有したいと感じました。

 

ただ、まだまだロックバンドの魔法が消える気配はないので、これからも純粋に楽しみ続けることは声高に言いたいけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで全12曲のディスクレビューが終了しました。

 

前後編合わせて、まさかの35000字…読み応えだけは無駄にあるのが何だか申し訳ないですね。

 

とはいえ、ここまで読んでいただいた方には感謝しかありません。

 

また感想など教えていただければ幸いです。

 

本日はいよいよカウントダウン配信ライブということで、「Patrick Vegee」のアルバム再現ライブもあります。

 

この記事が今日に上がったことも何かの縁なので、改めてライブとして聞くことができるのを楽しみたいと思います。

 

ではでは、そのときまで残り数時間…震えて待ちましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Patrick Vegee 前編

9月30日にUNISON SQUARE GARDENの8thアルバム「Patrick Vegee」が発売されました。

 

"なんかグチャっとしてんだよな"をキャッチコピーに、UNISON SQUARE GARDENらしさを凝縮したアルバムに仕上がっています。

 

アルバムについてのきちんとした文章は音楽文に投稿したので、良ければそちらをご覧ください。

 

 

全体像はこちらで大体書いてしまったので、あえて今回の記事では割愛します。重複するのは何となくおいしくないし、食べきれないと思うので。

 

ブログではディスクレビュー的なことをするつもりです。曲の詳しい解説や聴いたときの感想などを書いていきます。

 

とはいえ、ただ紹介するだけでは面白みもないし、曲のなかで自分の琴線に引っ掛かった歌詞をピックアップして詳しく掘り下げていこうと思います。

 

今回は歌詞がアルバムを構成する大きな要因となっているので、そこに注目すると面白くなっていきそうかなと。

 

まあブログは肩肘張らずに気楽に書いていく…を信条にやっていますので、宣言通りに好き勝手に書いていきます。

 

できれば残さずに食べてね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.Hatch I need

 

マジ歪。こんな始まり方ある?笑

 

って思ったそこのあなた、これが通常営業ですよ。

 

UNISON SQUARE GARDENのアルバムは1曲目でその方向性がわかるもんなんですが、大概が聴き手を揺さぶり尽くす構成になっております。

 

ベースから始まる曲というのは楽曲的にも珍しいけど、チューナーで音を弄ってるのはさらに新鮮な印象が。

 

ただでさえ重厚なベース音に不穏さが加えられ、合間に流れるギターの演奏が警告音のように聴こえて、否が応でも不安感を掻き立てられます。

 

そこから続く"I need Hatch"…が攻撃的な雰囲気も醸し出すもんだから、ここらへんでめちゃくちゃに尖った曲だと理解する人も多いはずです。

 

何より初っ端からこの収集がつかない感じ…色々と予測不可能なのが今回のアルバムの方向性をさりげなく示していますね。

 

タイトルの「Hatch I need」はユニゾンお約束のアルバムの数字が名前に盛り込まれています。

 

曲は最高におかしな感じだけど、タイトルは今回大人しめだな…なんて最初は思いましたが、これがまったくに油断していたのは後のちょっとした伏線。

 

幕開けの歌詞にある"Aと為す" "Bと為す"でロックバンドで多用される「8ビート」を表しているっていう考えを最初に見たときは、思わず目から鱗が落ちてしまいました。

 

「Patrick Vegee」というタイトル通り、野菜や食事を連想するフレーズもたくさん盛り込まれているのが今アルバム。

 

"際限無い楽しい遊び 雑念ない楽しい遊び 両立なんかは望んでないが ありあまるセンスで噛んで砕きます"

 

大好きな音楽のためなら、望まないことでもキッチリと落として込んで、自分の思うように動かしていける力はあるんですよっていう彼らの自信が垣間見えるフレーズが最高です。

 

ニゾンは変に意気がらずに過不足なく自信を覗かせてくれるので、ひとつひとつにとても説得力があるのが好きなポイントの一つですね。

 

あと目立たないけど、"白ヤギさんが食べちゃって no game"っていうのも可愛いよね。

 

サビ前の"無作為に塞を振りやがった"や"骨を折るのも骨が折れる"の心ないことしかしない人たちへの突き放した言葉に爽快感を感じたのは僕だけでしょうか。

 

お待ちかねのサビも、"判断待って待って まだあらすじは終わってない 切り取り方には難があるだろう"っていう歌詞が、禄に物事を見ずに判断してる人たちへの通例な皮肉になっているのが個人的にポイント高いですね。

 

現代社会にはあまりにも自分の都合の良いように解釈する人たちが多すぎると思うんですが、好き嫌いは置いておいて、すごく損してると思うんですよね。

 

そういう人たちは相手にもしないし、自分たちの好きなようにやり続けるよというメッセージが透けて見えるのは、ロックバンドが変わらないことを暗示していてとても良いです。

 

 

 

《ナツノヒ的ピックアップポイント》

 

タイトルがだせぇ…笑

 

あえて他の人たちとは異なる視点で見ていくという意味を込めて、《ナツノヒ的ピックアップポイント》と名付けました。

 

安直なのは書きながら7秒で考えたからです。大して意味はないから許してください。

 

そんなわけでこの曲のピックアップポイントはこの歌詞です。

 

"定石じゃないのは知ってますが 常識はあると思ってます"

 

これはけっこうUNISON SQUARE GARDENを象徴するフレーズだと思っていまして。

 

このロックバンドは捻くれてはいますし、周りに迎合して何かをやるということは絶対にないと思います。

 

要は流されないバンドだと言うことです。

 

音楽シーンに関わらず、物事の大抵のことはマジョリティ側に染まりやすくなっている気がします。少数派は肩身が狭いからね、これはしょうがないことです。

 

何故かといえば、そっちの方が色々と楽だから。やりたいことを貫くということは思っている以上にしんどいということを、僕も社会に出て知りました。

 

多数派に寄れば、大抵のことは賛同を得られるし、そこからはみ出すことさえしなければ望むものも手に入るでしょう。

 

UNISON SQUARE GARDENに関していえば、ここに当てはまることはまず有り得ない。

 

まだ見ぬ誰かに音楽を届けたり、ファン層を広げようなんて思いは皆無だと思うので。

 

これをアーティストの"定石"とするなら、確かにそことは異なる生き方をしていることは容易に想像がつきます。

 

一方ロックバンドといえば、まあ幸せを望む音楽は増えたものの、深く掘り下げていく程に"定石"からはみ出しているバンドが増えるイメージが。

 

要はぶっ飛んでるバンドが多いんですが、いわゆる理不尽と戦っている印象もあります。

 

マジョリティって声が大きくなるから何しても良いって勘違いしてる人も沢山いるので、そんな理不尽を否定するために反骨心丸出しで対抗してると解釈しております。

 

まさにロックバンドの原点なので、それ自体はカッコ良いと思うんですよね。

 

ただ、勘違いされがちなのが理不尽なことをされてからって、同じような手段で対抗しようとする人たちがいるってこと。

 

某ドラマじゃないですが、「やられたらやり返す…」的な。

 

それって世間の常識を無視したものも一定数あるので、一概にどっちが良いのかって比べにくいんですよね。戦っているフィールドが違いすぎるので。

 

野球VSサッカーで勝負しても、どっちが強いかって証明しようがないじゃないですか?

 

結局お互いの主張を言いたい放題言うだけで、よくわからなくなってしまうことも多いような。個人的には都合の悪い部分で逃げてる印象もあります。

 

その観点で見れば、UNISON SQUARE GARDENは言いたいことは言うけど、無意味にはみ出すことはしないロックバンドでもあります。

 

自分たちの音楽を鳴らす以外の興味が薄いので、不必要なことは削ぎ落とすし、逆に必要なことがあれば迷わず受け入れる…どこまでもブレることのないバンドです。

 

その必要なことのひとつが音楽を聴いてもらう環境を整えること。

 

音を鳴らすために絶対的に必要なのが、聴き手が存在です。

 

音楽は届ける相手がいないと一瞬で意味がなくなってしまうので、鳴らし続けるためになくてはならないピースなはず。

 

もちろんそこに対して媚びることはしないけど、自分たちの最高の音楽を届けるために、どうしたら良いのかを全力で考えられるバンドではあります。

 

音楽やロックバンドにとって当たり前な部分は蔑ろにしない。そういう意味では"常識"があると思います。

 

現在のUNISON SQUARE GARDENは、バンドを良いものに昇華していくために、徹底して取捨選択をしていった結果の姿です。

 

その本質は無理せずに自分たちのやりたいように活動していくということ。

 

そして、それが何よりの最良であり、最も輝く姿であると信じています。

 

よく知りもせずに心ないことを言ってくる人もいるでしょう。

 

そんなアンチも黙らせ、ファンの心にもスッと入り込んでくるフレーズとして捉えられるのが、"定石じゃないのは知ってますが 常識はあると思ってます"だと考えています。

 

少なくとも僕は世の中と同じステージに立って、それでも揺るぎなく自分たちの音楽を鳴らしてくれる彼らに勇気をもらえました。

 

ここらへんは「Patrick Vegee」というアルバムの根っこにも関わる部分でもあるので、方向性を示すという意味で1曲目の役割を担ってくれました。

 

長くなりましたが、以上がピックアップポイントです。

 

聴くたびにどんどん深みにハマっていく1曲目。一筋縄ではいかない感じがビンビンに漂っていますが、それは2曲目以降も同様でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.マーメイドスキャンダラス

 

え、何これ、好き…(恍惚の表情)

 

例の視聴動画を聴いた瞬間にこの曲がアルバムの推し曲に決まりました。

 

ニゾンのアルバムには必ず1曲、尖りに尖って洗練されたメロディの曲が収録されるものなんですが、今回は2曲目という比較的早い位置での登場となりました。

 

これは5thアルバム「Catcher In The Spy」にも共通することで、2曲目の「シューゲイザースピーカー」にも同様の特徴が表れていました。

 

例えるならば切れ味の鋭い刀でしょうか。脇目も振らずに僕らの心に突き刺さるメロディは、他の追随を許さない攻撃力を秘めているように感じます。

 

CITSはロックバンドのカッコ良さに全振りしていたからこその洗練した何かを表現していましたが、この傾向から考えると「Patrick Vegee」にも同様の性質があることが察せられますね。

 

タイトルが「マーメイドスキャンダラス」っていうのもとても良い。

 

こういうつよつよでかっちょいい曲ってタイトルも尖り気味なことが多いんだけど、"マーメイド"と"スキャンダラス"って言葉が美しさとセクシーさを演出していて、今までにない新しい魅力に溢れているような。

 

名前のキレイさと曲のカッコ良さのミスマッチ感が、結果的に素晴らしいギャップになっていると思います。

 

何よりこのカタカナだけで表現されているタイトルが最高で。

 

「マスターボリューム」、「パンデミックサドンデス」、「ラディアルナイトチェイサー」…マイナー調のカタカナ統一曲はもれなく神曲なので(俺調べ)、タイトルがわかった瞬間に勝利は約束されていましたよ。

 

歌詞も"マーメイド"のタイトル通り、人魚姫を彷彿とさせる言葉が並べられていました。

 

"真実は泡になる"

 

"幸せと歌った彼女とリンクした"

 

"足が途絶える恐怖のこと"

 

僕は幼少期はディズニーに触れてきた人間なので、人魚といえば「リトルマーメイド」の方が馴染み深くて、原作の「人魚姫」は知らない部分が多いのですが。

 

決してハッピーエンドではないのに、それでも前を向いていける強さを感じる曲になっているように感じます。

 

"運命なら過去に置いてきたから 今になって大事そうに語らないで これ以上は耳鳴りがしそうなんだよ"

 

個人的に"運命"なんて言葉は結果論でしかなくて、様々な事柄を選択していった末の到達点を、勝手に"運命"って呼んでるだけだと思ってるんですよね。

 

そんなある意味で他人任せな言葉はすでに置いてきてるし、現在も地に足をつけて活動している彼らだからこそ、このフレーズは出てきたのだと思います。

 

活動していく上で不要なものは容赦なく削ぎ落としていくし、16年という月日でどんどん洗練されていくロックバンドが放つからこそ、言葉に一層重みが加わります。

 

マーメイドの"嘘"については、より詳しく解説してくれているフォロワーさんのブログがあるのでそちらを見て欲しいんですが、個人的にはあってはならない真実ぐらいの認識ですね。

 

うっかりすると本当っぽく見えてしまうけど、よく目を凝らすとそうじゃない。もっと素敵な未来はあるんだよ…みたいな。

 

周りには無関心だけど、誰かを不幸にする道を選びたくない彼らの誠実さが見え隠れする歌詞ではないでしょうか。

 

そして僕は初聴時にまったく気づかなかったんですが、曲の繋ぎにちょっとしたマジックが隠れているのが最大のポイントかもしれません。

 

1曲目「Hatch I need」はタイトルにも数字的要素が含まれていますが、曲のラストも"I need Hatch!"と8を連想させるフレーズで終わっています。

 

一方でこの2曲目の「マーメイドスキャンダラス」の始まりは、"マーメイドの嘘が 本当になってしまう前に 夜を掛けなくちゃ"という歌からのスタート。

 

ここで気付く人はすげぇなぁ…と今でも思うのですが、Hatch!マーメイド…はっちまーめいど…8枚目ど…なんて風にいつも通りの仕掛けが施されています。

 

「MODE MOOD MODE」の「Own Civilization(nano-mile met」」の"ななまいめ!"がだいぶと露骨だったので、次アルバムは変化球気味に来るとは思っていましたが、ここまでわかりにくい感じで来るとは。

 

田淵がインタビューで言っていた、"ユニゾンを知っている人ならニヤッとする繋ぎ"というはきっとここでしょうね。

 

それを差し引いても、この2曲の繋ぎ方は神がかっているので、ぜひライブでも2曲連続で披露して欲しいところです。

 

ちなみに田淵がインタビューで言っていた、8thアルバムツアーの1曲目は「マスターボリューム」にするつもりだったという言葉がなかなかに衝撃的だったのですが。

 

そうなると、1.マスターボリューム→2.Hatch I need→3.マーメイドスキャンダラスの流れが見れていたということですよね…?

 

何それ、めちゃくちゃ見たすぎるよ!

 

つくづくコロナウィルスが憎らしくなってきますね。いや、本当に。

 

3月にあるSaucy Dogとの対バンは、僕の好きなライブハウスのひとつである「なんば"Hatch"」で開催されるので、「Hatch I need」→「マーメイドスキャンダラス」の流れが披露されないかな〜?なんて期待してるのはここだけの話です。

 

《ナツノヒ的ピックアップポイント》

 

タイトル、やっぱダサくない…?大丈夫、これで…?

 

だいぶと不安もでかいですが、とりあえずは目を背けて続けようと思います。

 

この曲のピックアップポイントはこちら。

 

"絶対とかないよ そんなきれいごと聞けるなら ここまで生きれてないんだよな 違和感とかは微塵も感じないんだよ"

 

UNISON SQUARE GARDENの曲は、2番にハッとさせられるような言葉が入っていることが多いんですが、この歌詞も2番のサビに含まれているフレーズです。

 

この"絶対"っていう言葉がどれくらいの意味を含んだものなのかはわかりませんが、彼らなりの覚悟が垣間見えるように感じていて。

 

このロックバンドは僕的には、真っ当で違和感もないし、誰もが羨む王道な道を突き進んでいると思ってるんですよ。

 

ただ、世間的にはどうやらそうではないようで。

 

世の中ではパッと耳にしたらわかりやすいフレーズの曲が好まれるし、ライブもどれだけオーディエンスと一体になれるかどうかで良し悪しが決められる場合が多いように感じます。

 

もちろんそれもそれで有りだし、僕だって楽しくなる場面はたくさんある。

 

けれどもそれだけじゃないですよね。

 

まったく盛り上がりがなくても曲やバンドの力だけで魅せられるライブもあるし、逆に統合性が取れなくても勢いだけで楽しいライブもある。

 

楽しいはその場に人や雰囲気で全然変わるし、正解はない。要はメリハリと多様性ですよね。

 

それを言葉にしなくても実践できているのがユニゾンだし、今は変化球でも本来は正当な立ち位置にいてもおかしくないと思います。…維持するのは難しいけど。

 

そんな存在証明と覚悟が見え隠れしたフレーズ、迷いのなさがハッキリと表れていて、聴くだけで心地が良くなります。

 

何より好きなのが、その後に続く"感じるなら きっと後戻りも厭わないからさ"というフレーズ。

 

間違っているなら考え直す。ある意味で当たり前のことなんですが、それを実践できる人は世の中には多くないし、逆に誤魔化してしまう人の方が大多数かもしれない。

 

絶対はないからこそ、それは自分たちにも当てはまる。当然の真理ですね。

 

おかしいならばおかしいときちんと認める。それぐらいの覚悟はとっくに出来てるんだよ…ある意味で柔軟な考え方が結果として、より彼らの信念を強固にしているように感じました。

 

そうやって、物事の辻褄をしっかり合わせてくれるからこそ、薄っぺらくない強烈な説得力を伴って聴くことができます。それが自分的には死ぬほど心地が良いです。

 

そんな感じで2曲目の時点ですでに高揚感はMAXです。まだシングル曲は出てきてないんだけどな…すでに7000字超えてるなぁ。

 

正直自分でもこれからどんな文になるかはわかりませんが、このままできる限り突っ走っていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.スロウカーヴは打てない(that made me crazy )

 

3曲目までがシングルじゃないのは「MODE MOOD MODE」で意表をつくかたちで実践したので、今回は意図的に避けると思っていました。

 

実際に自分の曲順予想でも、3曲目はシングルになると考えていました。

 

結果としては裏の裏を書かれた感じで、今回のアルバムもシングルが登場するのは4曲目以降となりました。

 

まあ今回のアルバムに隠された曲順マジックを考えれば、当然の結果ではあるのですが。

 

とはいえ、前回の「オーケストラを観にいこう」という作り込んだ強力な曲は登場していないので、意図も印象もまったく別物になっていると思います。

 

そんな3曲目、今までの尖った雰囲気からガラッと変わり、ユニゾンらしいポップさも散りばめられた曲になっています。

 

この曲の最大の肝は、(Inspired by throwcurve)と冠している通り、00年代に活動していたロックバンド「throwcurve」にインスパイアされた楽曲だということです。

 

僕自身throwcurveはこの曲を聴くまで知らなかったんですが、田淵の話を整理する限り現在のユニゾンの音楽性に関係する部分も大いにありそうな感じです。

 

throwcurveの楽曲のなかでも、今回ベースになったのが「連れてって」と「表現は自由(that made me mad)」の2曲です。

 

以下にリンクを貼りますが、一聴しただけでパク…もとい影響されたことがわかるぐらいにそのまま楽曲の特徴が取り入れられている感じです。

 

 

https://youtu.be/3yqXt-K3iJ

 

 

例えるならば、「RUNNERS HIGH REPRISE」みたいなものでしょうか。あれぐらいわかりやすいですよね。笑

 

これを聴くと、「連れてって」は主に前奏部分、「表現は自由(that made me mad)」はサビ部分に取り入れられていることがわかります。

 

そこにユニゾンらしいポップさ、"スロウカーヴ"というワードから野球を連想したからでしょうか…「crazy birthday」のイメージもほんのり感じます。

 

結局このスロウカーヴを投げてるのは誰なんでしょうね?ユニゾン?それとも他バンド?まさかのオーディエンス?

 

曲のテーマとしては、原曲にも関係するフェス文化における多数派による迎合への疑いなんですが、そういう意味だと直球勝負をしないUNISON SQUARE GARDENが1番妥当でしょうか。

 

確かにあのフェスの圧迫感は、どうしても強制力がありすぎて好きくないのはわかってしまうなぁ。

 

自由に楽しいはずの音楽を目一杯楽しめない感じ…幸せより徒労感が強くなるのも少々残念だったりするし。

 

ニゾンも普段のライブが嘘みたいに治安悪くなるし、マナー的な意味でも年一ぐらいで良いなぁと思ってしまいます。

 

とはいえ、僕がUNISON SQUARE GARDENに興味を持てたきっかけもフェスなので(幾分か平和なやつだけど)、そういう文化に感謝しなくてはいけないのも事実なので。

 

みんな一緒におてて繋いで同じことをする…っていうのは違うよね?ぐらいのスタンスで行くのが最適解なんでしょうね。

 

そういう意味での、"You may doubt "Rock festival""っていうのは絶妙に刺さる歌詞ではありますね。

 

田淵は最初この曲をリードトラックにしようと思ったらしいんですけど、そうなればユニゾン史上初めて前半にリードが来る展開になっていたんですね。それはそれで面白そう。

 

今回のアルバムはどの曲がリードになっても違和感ないし、仮にこれでMV撮っても全然良かったのかもしれない。

 

もしかしたらあのアー写の服で撮ってたかもね。斎藤さんの白ジャケ。あれでMV見たかったな〜!(まだ言ってる)

 

《ナツノヒ的ピックアップポイント》

 

…やっぱダサい?笑

 

今回のピックアップポイントはこちらぁ!(ヤケクソ)

 

"凸凹道を埋めています つまりlatencyを埋めています"

 

今回のアルバムは前曲に、シングルを彷彿とさせる歌詞が入っているのが特徴なんですが。個人的に1番洒落が効いてて、けっこう好きなんですね。

 

歌詞の通り、そのまま4曲目「Catch up,latency」に繋がっていくんですが、latencyは日本語で「隠れている」「潜伏」などを意味しています。

 

潜伏=待ち時間ですね。ネット用語のひとつみたいです。(ザックリ知識ですが)

 

その意味を当てはめていくと、凸凹道は曲間のこと、そんな待ち時間=latencyを埋めていくということになります。

 

答えとしては至極単純なものなんですが、さすがにこれを一聴でわかる人は多くないはず。

 

ここでこのアルバムが繋ぎを意識したものであることをサラッと紹介する意味も込められているけれど、これまた聴いていかないとわからないことではあります。

 

そんな誰しもはわからないけど、きちんと聴いた人だけがわかり得る仕掛け。

 

UNISON SQUARE GARDENお家芸ではありますが、こんな風に自然に違和感なく入り込んでいることに勝手に感動を覚えてしまいました。

 

残りの繋ぎも確かにロマンチックですが、至極わかりやすいかたちにはなってるので、今回はそれとはまた違った感動があります。

 

そのため、ある意味で唯一無二の仕掛けだと思うので、ピックアップポイントとしてあげてみました。

 

リードとは違った意味でアルバムを象徴する曲と考えれば、また捉え方が変わるかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.Catch up,latency

 

ここでようやくシングルの登場です。だいぶとアルバム曲の紹介に時間を割いてしまっているので、シングル曲は少々短めでいければと思っています。

 

まず一つ目は15thシングル「Catch up,latency」、アニメ「風が強く吹いている」の主題歌でもありました。

 

 

今回のシングルは三者三様の特性を持っており、この曲はそのなかでもポップに寄り添った曲調となっています。

 

これは偶然なのかもしれませんが、ユニゾンの節目のシングルはポップに寄りがちで。

 

1stシングル「センチメンタルピリオド」、5thシングル「オリオンをなぞる」、10thシングル「シュガーソングとビターステップ」…どれもポップさに振り切った爽やかな曲調が目立っているように感じます。

 

この「Catch up,latency」ももちろん例外ではなく、曲調はポップでこれぞUNISON SQUARE GARDEN!といった作品に仕上がっています。

 

とはいえ、ポップさもより洗練されたように聴こえますし、素人の自分でもわかるぐらいに技術の進歩も感じます。

 

何より曲の質として、聞かせる力が向上してるのはやはり15年間の積み重ねでしょうか。

 

"皮肉は却下だぜ、クワイエット"

 

"順序よく栄光は巡ってくるかも"

 

なんて優しくない歌詞もユニゾンらしくて好きですね。

 

ポップな曲って自分のなかでは影響力はないので、どうしても昔の曲が強いんだけど。

 

時折こうやって聴きたくなるのは、シングルだからこその作り込みの細やかさゆえな気はしています。

 

この時期にユニゾンを好きになった人も多そうなので、僕にとってのオリオン、誰かにとってのシュガーソングがこの曲なんだろうね。

 

《ナツノヒ的ピックアップポイント》

 

ダサさも一周まわればかっこよく見えるってUNISON SQUARE GARDENに教えてもらったよね!

 

はい、というわけでこの曲のピックアップポイントはこちらです(悟り顔)。

 

"君も傷ついてきたんだね それならその足で反撃してやろうじゃない"

 

無意味な常識に囚われないのが、UNISON SQUARE GARDENの長所だと思っているんですが。

 

大概のJ-POPの応援歌って、傷ついたときに寄り添うか悪口言ってくれるじゃないですか?笑

 

それもそれで励まされると思うんですが、なんとなく無責任な感じもしてしまうんですよね。

 

いや、そんなこと言ってるけど、それだけで本当にええの?みたいな。安心感はあっても、漠然とした不安感は消えない。

 

ある意味で他人の領域には踏み入れないし、安全なところから言われるフレーズって捻くれ者の僕には全然響かないんだよなっていう話なんですが、

 

それに対して、この歌詞で1番グッと来たのは、"君も"というフレーズ。

 

きっと彼らもたくさん傷ついてきたんだと思う。傷ついたときの1番の対処法は逃げることであるし、それは絶対的に間違っていないはず。

 

けれども、3人が選んだのは根っこの部分は曲げずに反撃していくこと。

 

どんなにしんどくても大切なことは見失わずに生きてきたからこそ、今があるんだと思います。

 

そんな積み重ねがあったから、"君も"という言葉が出てくるし、"反撃"という歌詞に一切のギラギラ感はない。かなり地に足ついてる感じがする。

 

昨今の世間事情に忖度することなく、自分たちの信じる言葉を紡ぐからこそ、歌に説得力が生まれるんですよね。

 

それは斎藤さんの声の力もあるし、田淵の言葉の力もあるし、貴雄のリズムの力もあるし…3人の力が重なった結果だからこそ生まれたものでもあります。

 

そんなフレーズにちょっとだけ生きる力をもらえるからこそ、明日も何とか戦っていけるのかもしれないですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.摂食ビジランテ

 

4曲目までが繋がりを意識したものになっており、また今後の曲もその性質は同様なので、このアルバム唯一といっていい独立した楽曲となっています。

 

田淵曰くアルバムの最後のピースを埋める曲になったとのこと。

 

「MODE MOOD MODE」でいえば、「フィクションフリーククライシス」のような立ち位置となりますが、あの曲もアルバムに足りない成分を補うために制作されました。

 

この「摂食ビジランテ」も同様の理由で収録されたようです。

 

このアルバムで足りないピースは何かと言われれば、良い意味で気の抜けた曲…と言ってしまえば良いでしょうか。

 

前述した通り、今回のアルバムは曲間の繋ぎにかなり力を入れているので、聴き手もある意味で気の抜けない時間が長くなっています。

 

もちろん芸術的な流れに感動する割合の方が大きいですが、そればかりが続いてしまうと、人によっては疲れや飽きが出てしまうかもしれません。

 

そんな合間に挟まれるのが、この「摂食ビジランテ」、"食べられないなら残しなよ"というフレーズを携えたこのアルバムをある意味で象徴する曲となっています。

 

"摂食"という言葉が含まれている通り、食事を連想されるフレーズが多く散りばめられていますが、あまりそれ以上の意味はないようで。

 

良くも悪くも深く考えずに聴く曲となっています。

 

食べ物で例えるならば、付け合わせみたいな存在かもしれませんが、それがおいしかったりするとけっこうテンション上がりますよね。

 

立ち位置としては目立たないですが、だからこそただ聴くことに没頭できる…アルバムとしてのバランスを保つための大事な役割を担っている曲だと思います。

 

とはいえ、何も考えてないといった割に歌詞はなかなか過激なもので。

 

"めんどくせぇよ 忌々しい 白状です ちっとも食べられない 向上心なし 早くサインさせてよ"

 

"万人が煽る ユートピアに期待なんかしてないから 今日は残します"

 

聴くだけで思わずドキッとするようなフレーズが多く含まれています。

 

何も考えてない…ということは逆に言えば、無意識下で生まれた言葉という意味にも捉えられますよね。

 

個人的には、彼らの活動スタンスを変に取り繕わずに表現している歌詞だと思いました。

 

何に向けて言っているのか明言されていませんが、だからこそ余計に剥き出しでフレーズが突き刺さるようなイメージがありますね。

 

世間様っていうのは、どうしても有象無象が溢れやすいし、やりたくもないことを強要してくるめんどくさ〜い輩もたくさんいます。

 

そんな人たちを明言しない=かけらも相手しないっていう強い意志が垣間見えるようで、個人的にはけっこう好きな歌詞です。

 

UNISON SQUARE GARDENの歌詞は、現実世界では言いにくいことをたくさん言ってくれます。

 

パンデミックサドンデス」の"全部全部意味わかんない 君のその哲学がわかんない"

 

「WINDOW開ける」の"嫌いなんだよ 媚びんの"

 

「プロトラクト・カウントダウン」の"君を泣かせる 世界の方がおかしいじゃん"

 

おかしなことだとわかっていても、周囲から浮いてしまうことを恐れて、なかなか思っていることを口に出すことは難しいです。

 

ニゾンはそれを作品として違和感なく入れ込むことで、僕らの普段抑え込んでる気持ちを昇華してくれるフレーズを入れてくれます。

 

「摂食ビジランテ」もそれ同様に日々の鬱屈とした感情を発散してくれるようなフレーズが絶妙に含まれています。

 

個人的には嫌なことあったら聴くと色々と救われますね。笑

 

あと個人的な面白ワードとしては、全ユニゾンファンをざわつかせた"小林くん 番号教えてよ 浜崎さん リボンかわいい"

 

あまりにも意味わかんない歌詞ですが、僕ら世代的には何となく既視感があるように思います。

 

読者の皆さんはご存知でしょうか?国民的アイドルグループだったSMAPの「BANG!BANG!バカンス!」という曲を。

 

最初にこの歌詞を見たとき、自然とこの曲のイメージが頭に流れてきまして。

 

夏らしいノリの良いナンバーなんですが、歌詞のに"男前だね 木村くん 当たり前だよ 前田くん 前田くんなんてうちにはいない"というフレーズがあります。

 

木村くんはまあキムタクこと木村拓哉のことだとしても、歌詞の通り前田くんなんてメンバーはSMAPにはいないので。

 

あまりの意味のわからなさに当時中学生だった僕も思わず笑ってしまいました。シュールすぎて爆笑というよりはクスリっといった感じで。

 

けどあまりに耳に残ってしまうので、未だに音楽番組の映像が流れると、いつもそこに注目して聞いてしまいます。

 

摂食ビジランテのフレーズにも同様の性質があると思うので、この尖りきったメロディのなかでのおかしな感じが逆に歪な魅力を生んでいるような。

 

そんな良い意味で肩の力を抜いた楽曲ゆえに、このアルバムの"わかる人だけわかればいい"という狙いを結果的に体現しているように感じました。

 

《ナツノヒ的ピックアップポイント》

 

先日フォロワーさんのブログで"麻痺"をテーマにした記事を見かけたのですが、僕もそれに倣ってネーミングセンスに関しては全て棚上げして逃げに徹しようと思います。(違う、そうじゃない)

 

この曲のピックアップポイントはこちらです。

 

"教育の死 すでに手遅れ 手詰まり故"

 

冒頭からなかなかに物議を催しそうフレーズから始まるのがこの曲。

 

ここまで記事を読んでくださる稀有な読者の方々(マジで感謝です)には言ってしまっても良いかなと思うのですが、僕の職業は教育関係でして。

 

最初にこのフレーズを耳にしたとき、驚きとそれ以上の納得をしてしまったことが強烈に印象に残っています。

 

そう、現代の教育は本当に死んでるんです。

 

これは僕の個人的な所見であるし、他の専門の人に聞いたら、まったく違う答えが出てくるかもしれない。

 

ただ、田淵が何気なく紡いだ言葉は、けっこう的を得ているように感じました。

 

具体的に何が原因…ってわけでもないし、年月とともに少しずつ変わっていったのかもしれません。もしかしたら初めからそうだったのかもしれない。

 

それでも僕がそう思う理由を一つだけ挙げさせてもらうとすれば、教える側の"人間力"の低下だと考えています。

 

教育ってめちゃくちゃ難しいんですよ。

 

教える側の言うことを全て聞かせようとすれば、多分社会で真っ当に生きれる人は育たないし、逆に教えられる側の好きなようにやらせても劇的な成長は望めない。

 

じゃあ、何が1番大切かって言われれば、どれだけ上手くコミュニケーションを取れるかだと思うんです。

 

こちらが教えられる側が何を望んでいるかを正確に読み取って、それに対して自分が何をして欲しいのかを相手に伝える。そうした上でその目標に何ができるのかを一緒に考える。

 

もちろん決定権は教えられる側にあります。教育における主役は教えられる側なので。

 

手段はいくつかあれども、教育ができることってこれだけしかないんですよね。結局やるかやらないかは受け手の気持ち次第なので。

 

要はどれだけ夢や目標に向けて、現実的な選択肢を提示できるか。そこに向けて、どれだけ精神的な部分の支えになれるのか。それに尽きるんですよ。

 

いつだって主役になれない。誰かの人生のバイプレーヤーでしかないのが、教育に携わる者の矜持だと思っています。

 

けど、今の教育業界はあまりにも主役になりたい人が多すぎる。

 

教えられる側を自分の作品か何かだと勘違いしてる人が圧倒的に多いんですよね。

 

極端な話をするならば、教育業界に入る人間っていうのは大概が人生における成功体験の多い人が大半だと思っていて。(僕は真逆です)

 

良くも悪くもポジティブで根明な人が多いと思います。

 

ただ、そんな人のタチが悪いところって、自分の考えが一欠片も間違っていないと疑いもなく確信している場合がめちゃくちゃ多いんです。

 

もちろん自分だけの問題ならそれでも構いません。疑わないことはとても大切なので。

 

だけど、誰かに何かを伝えるとき、それは逆効果でしかなくて。

 

当たり前ですよね、だって相手は自分と同じ存在ではないので。

 

自分と同じ様に扱うと、どこかで絶対にちくはぐな部分が出てきてしまうんです。

 

他人の人生を扱う以上、何かをしようとすればそれが正しいのかを疑うことは当然だと思います。何故なら自分で責任を取ることができないから。

 

そして、正しいと信じてやったことって、絶対違和感あるんですよ。何故なら相手のことをきちんと見れていないから。

 

他人のためにやることで自分の感情を優先すると絶対にうまくいかない。まあ当然の心理ですよね。

 

そんな当たり前のことを理解していない人が現代の教育業界には多いんですよね。とてもとても。

 

人のことを見なくてはいけないのに、見ようともしなければ、その状況に疑いすら持たない。

 

ただのポジティブなら何ら問題ないし、むしろとても良いことだと思います。

 

けれども、それが結果的に教える側の目を曇らせている。

 

この現状が僕はあまりにも恐ろしいし、教育というものの存在価値が揺らぐ程の事柄だと捉えています。

 

もちろん僕がどんなに鼻息荒く語ってもその問題は変わることはないし、できることはただ目の前の人に対して最善を尽くすことしかありません。

 

ただ何気なく田淵が綴った"教育の死"という歌詞があまりにも違和感がなかったこと、そして的を得すぎていることからピックアップポイントとして触れることにしました。

 

仕事の座右の銘が、「さわれない歌」の"ちょうど良い温度感であれ"である身としては、どうしても心に刻み込まれてしまうのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6.夏影テールライト

 

筆者名のナツというのは、自分の苗字が由来なんですが、漢字表記にすると"夏"なんですよね。

 

それが由縁でブログ名も「ナツノヒ」としてしまうぐらいに、"夏"の字には思い入れがあるんですけども。

 

ついにユニゾンの楽曲でも、"夏"の字を冠する曲が生まれました。

 

今回のアルバムでもMVが作成される程の重要な立ち位置でもあるのが、この「夏影テールライト」です。

 

 

提灯が夏らしさを醸し出す、ロマンティックな雰囲気のMVとなっています。

 

「Patrick Vegee」は、世の中が何もなければ、本来は「LIVE(in the)HOUSE」の開催日である7月15日発売を予定していたことが明言されています。

 

ちょうど季節は夏。この曲がMVに選ばれた理由も何となく推察できてしまいますね。

 

時期は少しずれ込んでしまいましたが、結果的に夏を名残り惜しむような…どこか寂しさも含まれる演出に繋がっていたように思います。

 

タイトルにもあるテールライトは、日本語訳をすると意味は尾灯、乗り物の後尾についている光のことを指しています。

 

とはいえ、意味はそのままの通りではなく、歌詞やMVでもピックアップされている線香花火をイメージしているように感じました。

 

車のテールライトと線香花火の灯火が重なってしまうのは僕だけでしょうか?

 

曲の全体像としては、線香花火の様な恋の儚さと美しさが浮かび上がってくる…そんな印象があります。

 

"けど 今のままじゃ儚いや 花火の音と消えてしまう"というフレーズが、花火と恋愛を美しく繋げています。

 

MVラストの線香花火の光がポトリと落ちていくシーンがやけに鮮烈に記憶が残っています。

 

今回のアルバムは滅多と出ないはずの、"恋"を連想させる曲が数多く収録されていました。

 

田淵の私生活やマインドが大きく変わった可能性もありますが、特にこの「夏影テールライト」は"恋"という要素が大きく関係しており、好きな人に対する誠実な思いが内包された歌詞が見受けられます。

 

前奏はどこか「流星のスコール」を彷彿とさせるメロディだと思うのですが、あちらも田淵の飾らない不器用な本音が垣間見える曲でもありました。

 

世の中には、言い方は悪いですがチャラついたり、モテない男性の恋愛ソングっていっぱいあると思うんですよね。

 

けれども、意外とないのが真面目な男性の恋愛ソング。

 

どこかのネットニュースで見ましたが、どうも男性というのは何かと合理的な思考で考えてしまう人が多いようで。

 

おそらく恋愛ごとも真面目に理屈立てて考えようとしてしまう人がけっこういるんじゃないかと思ってます。

 

でも、恋愛って感情も大いに関係あるから、それだけじゃ全然うまくいかない。そんな経験ある人もいるんじゃないでしょうか?

 

そろそろ察していただける方もいるかもしれませんが、僕もその一人でして…笑

 

個人的には、もしかするとユニゾンのラブソングで1番共感してしまったのかもしれません。

 

恋愛は理屈じゃないから諦められないけど、そんな自分もカッコ悪いから誰にも見せたくない…そんな誰も得しないような自尊心と戦い続けてるのが世の男性な気がしています。(言ってて恥ずかしくなってきた)

 

どんだけ自信で塗り固めても、"よくできてないから つついたらひびが入る"んですよね。

 

"どうしてこんなにも器用じゃないんだ"ってフレーズにギュッと心を締め付けられたのは僕だけじゃないはず。

 

歯痒いけど、大事なときほど力入りすぎちゃって、うまいこといかなくなるんだよなぁ…なんて変に入れ込みすぎちゃうぐらいには思いが強いです。笑

 

そんな不器用な思いも、田淵智也というライターにかかれば、素朴でかつ尊い言葉へと昇華していけるのはさすがの一言です。

 

うまくいかないことやわかんないことも、"これは僕の検証事項"と言って、投げ出さずに受け止めてしまうのは正直見習わなくちゃいけないなと思いました。

 

まあ結局いくら理屈立てて考えても、恋愛って感情面も大きいから、最後は"勇気を精査して"思い切らないと何も進展しないんですけどね。

 

ただ、どんなことでも純粋に向き合うこの気持ちは、共感と自分なりの言語化ができたようで何だか嬉しくなってしまいます。

 

"君の好きなこと 先回りして 吸い込んで どうか光"

 

"君の嫌なこと 推測をして 押し込んで どうか光"

 

"映し出せ その影を恋と呼ぶように"

 

好きなことは共有するし、嫌いなことはできる限り避けていこうというある意味で当たり前なことだけど、実行するってけっこう難しいんですよね。

 

それをあえて口に出せるのは素敵だと思うし、光が映し出した影を恋と表現するのも、タイトルの"夏影"に終着していくようで何とも感慨深くなってしまいます。

 

歌詞によく登場する"Miss.テールライト"はおそらく恋する相手だと思いますが、MVの印象も相まって線香花火をより克明にイメージできるのがグッときます。

 

表記が"Miss"なのも、"間違いにしないでよね"という歌詞に掛けているのだとしたら、そんな仕掛けも聴いていて心地よくなりますね。

 

このアルバムの特筆すべき点は、同期音を使わずに音づくりをしていることなんですが、この「夏影テールライト」も例外ではありません。

 

同期を使わないということは、ともすれば華やかさが足りない状況になってしまいますが、それを補うかたちでこの曲に多用されているのがコーラスです。

 

普段なら同期音が入る部分にコーラスを重ねていくことで、結果としてアルバムの意図を崩さないまま、物足りなさを感じさせない深みを演出することができました。

 

ライブなどでのユニゾンの魅力のひとつとして、リズム隊のコーラスの美しさがあると思うのですが、今回はそれがより洗練されたものに感じたので。

 

今後生の音を聞ける機会があれば、それがより克明に感じることができそうな予感がしています。

 

原曲を聴くだけでも、コーラスの耳心地の良さは他バンドの追随を許さないと思うので、これまた16年の積み重ねを感じて嬉しくなってしまいますね。

 

《ナツノヒ的ピックアップポイント》

 

アルバム曲もついに半分まで来てしまいました。いよいよもうこのままこのタイトルで突っ切るしかないですね…。

 

今回取り上げる歌詞はこちらです。

 

"ひとつずつ君を知れるなら 傷つくのも検討事項"

 

個人的に向こうみずな恋愛っていうのがあまり好きではなくて。

 

もちろん相手のために全てを投げ出せる!なんて考え方はとても素敵だと思います。

 

けれども、自分を大切にできないやつが果たして相手のことを大切にできるのか?なんて疑問が生まれてしまったりもしていて。

 

それを自分がやってしまうと、謎の違和感と嫌悪感がまとわりつくのが常なんですよね。

 

まあ相手に自分のことを大切にして欲しいからこそ、言っている自分がその矛盾を抱えないように生きたい…というただの自己満足なんですけども。

 

なかなか刹那的な生き方ができないのは性分ですかね。

 

とはいえ、相手に踏み込もうとすれば、守ってばかりじゃいけないのも事実です。

 

どんな相手とのコミニュケーションでも、自分が傷つく覚悟がないと、絶対に良い関係が築けないのは自明の理なんでしょうか。

 

じゃあ、そんなときにただ真っ直ぐに相手の懐に踏み込んでいくだけで良いのか…と言われると、それはめちゃくちゃ違和感があります。

 

相手のことを大切なときに何ができるかといえば、これまた前曲とも繋がりますが、考え抜くことじゃないかなと思います。

 

この歌詞は一見自分の身を守るための言葉にも聴こえますが、何となく本質はそうじゃないように感じました。

 

君のためなら傷つくことは厭わない、けどそれが本当にベストな方法なのかはきちんと考えてから実行するよ。

 

誰かのために自分を犠牲にすることって、言い方は悪いですが、大概は自己満足なんですよね。要は自分が気持ち良くなりたいだけ。

 

行いの良し悪しは置いておいて、相手の気持ちなんてまったく省みないこともザラです。

 

極論を言ってしまえば、それって親切の押し売りなんじゃないかなって。

 

結局は相手のことが全然見えてなかったりするんですよね。

 

だから、僕自身は相手のことをよく見れるし、よく見てもらえる関係にとても憧れる。

 

そんな関係になれるかわからないけど、一緒に先のわからない道を歩いていけるために最善尽くす。

 

そっちの方が安心できるし、仮にもし自分がそれを言う機会があればあまり違和感はありません。

 

それでうまくいかなかったり、傷ついたとしても、納得の上だと思うので。

 

だからこその"傷つくのも検討事項"なんだと考えます。

 

そんな風に地に足のついた考え方が大好きなので(つまらないってよく言われますが)、現実的かつ人間味のあるこのフレーズはけっこうお気に入りです。

 

まあしがない独身三十路手前男の恋愛観なんて誰が興味あんの?って感じなのですが。(ここまで言っといて今さらですが)

 

ブログは本当に好きなことだけ書いていきたいをテーマにやっているので、せっかくなのでこういう話も取り上げさせてもらいました。

 

個人的には初聴の感想もしっかりかたちにできたので、大満足なんですが。笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ようやく半分ほどまで来ましたが、どうやら相当な文量になってしまいそうなので、今回は前後半に分けていきたいと思います。

 

後半は何とか年内にUPできるように頑張っていけたら良いな…笑

 

今年はあと3本ほど記事をあげれたらと考えているので、12月は目標通りにいけるよう努力していきたいです。

 

え、本当にスケジュール通り書けるのかって?

 

"幻に消えたなら ジョークってことにしといて"