昨今のコロナ騒ぎで、外出自粛の毎日ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
特に今はGW、長期休みで時間を持て余している人も多いと思います。
僕も何だかんだと余裕ができましたので、自炊したり掃除したりと、普段できないことを色々とできる時間が増えました。
…あれ、もしかして最近の方が人間らしい生活をしてる?
それはそれで良いことなんですが、如何せん外出…もといライブに行けないことにはこの上なくダメージを受けてしまう人間なので。
近頃は過去のライブに思いを馳せる時間も多くなりました。
あーあのときのユニゾンはここが良かったな…みたいな。
家でライブDVDを見てる時間が増えたことも関係しているんでしょうか。
ふと思い返せば、今日は5月2日。
ちょうど2年前に大阪のフェスティバルホールで「UNISON SQUARE GARDEN Tour2018 MODE MOOD MODE」に参加しました。
このツアーはセトリが抜群に良くて、多分今まで行ったライブで1番心に響くものが多かったと思ってる。
あとはフェスティバルホール。行ったことある人はおわかりでしょうが、あそこはとにかく良い会場です。
ホール会場の利点をこれでもかと活用して、めちゃくちゃに最高なライブにしてくれていました。
直前のツアー「One roll,One romance」がもう一段ユニゾンを好きになったきっかけだったんだけれど。(この話もどこかでしたいね)
それが「MODE MOOD MODE」で、揺るぎないものになった感じで。
1番好きなバンドは「UNISON SQUARE GARDENです!」ってはっきり言えるようになったのはこの頃だったはず。
それまではNICOも好きだったし、合間にKEYTALKやWANIMA、感覚ピエロなんかも聴いてたけれど、段々とユニゾン1本になっていた。
それぐらい自分のなかでは衝撃的なツアーだった。
今でもユニゾンの一般ライブでは、文句なしのNo. 1だと思っている。
直前にも触れたけど、このライブはとにかくセットリストが良かった。
このツアーの表題にもなっている、アルバム「MODE MOOD MODE」自体が曲順に関しては、他アルバムの群を抜いて素晴らしい出来になっているんだけども。
ツアーの演奏順も、アルバムとはまったく別物なのに、負けず劣らずのクオリティになっていた。
1曲目はアルバム同様の「Own-Civilization(nano-mile met)」、ユニゾンのライブに関してはここはお約束なので、特段驚くべきところではない。
けれども、衝撃的なのは2曲目で…いわゆる「ようこそ!」枠なんだけど。
いや、今思い返してもビックリしてしまう。
「フルカラープログラム」がここで来るなんて誰も思わないよ…。
何ならアルバムツアーは序盤はそれをなぞることも多いので、「Dizzy Trickster」だと思ってた人もたくさんいたはず。
それがまさかの別作品、しかも初期の代名詞の楽曲が来るなんて、誰も予想していなかったよね。
この曲に関しては、個別の記事があるので深くは触れないけれど、最初に見たユニゾンのライブを思い出した。グッと来た。
それが終わって、アルバムにまた戻るのかと思いきや、バンド最大のヒット作である「シュガーソングとビターステップ」が3曲目。
アクセルを緩めるどころか、さらにスピードUPするこのライブ。
これだけライブを盛り上げる構成になっているのに、アルバムから登場しているのはまだ1曲だけ。
このバンドの底知れなさを感じた。
何よりバンドの切り札的な存在だったシュガビタが切り込み隊長の役割を担う。
売れた曲を後生大事に抱えるバンドも多いなかで、それを程よい距離感で扱うことができる彼らをさらに好きになったのは言うまでもないこと。
そして、ここで「UNISON SQUARE GARDENですっ!」で締めてもかまわなかったはずなのに、さらに続けることができる手札の多さには愕然とした。
4曲目は「fake town baby」、ここでアルバムから2曲目の登場となる。
タイアップ繋がりとはいえ、「甘くて苦くて目が回りそうです」→「甘いか苦いかは君が決めろよ」の対比はエモ散らかしてるし、ここで殺傷力マシマシな曲を持ってくるのはさすがでしかないと思う。
ようやく「UNISON SQUARE GARDENですっ!」で一旦ステージが暗転する。
プロローグとしては、あまりにも壮大なセトリに思わず「ヤバい」以外の言葉が出ませんでした。
映画とかでときどき「これもうクライマックスじゃないの…?」っていう様な幕開けの作品があるんですけど、それに似た感覚でした。
そして、大体そういう作品は徹頭徹尾名作だったりする。もちろんこのツアーも例に漏れずで。
斎藤さんの「自由に楽しんでいってください、よろしくお願いします!」からの5曲目は「mix juiceのいうとおり」、前アルバムのリード曲をここで持ってくるなんて、面白いなんて言葉で説明できないぐらいの強気の発想だよね。
6曲目の「デイライ協奏楽団」も怒涛のセトリにパズルみたいにピッタリと当てはまるし、7曲目の「フィクションフリーククライシス」も不思議な曲のはずなのに、熱量のまま勝手に受け入れてしまっていた。
「フィクション〜」に関しては、直前のセッションも大変に良かった。
驚いたのは8曲目、中盤の「ガリレオのショーケース」なんて初めて見た。
いつもは終盤やENの夢心地な空間で聞くから、大した記憶が残ってないんだけど、初めてしっかり聞けた気がする。
この曲、こんなにカッコよかったんだ。
何よりさっきから、力のある曲たちを入れまくってもライブが成り立つ構成はアルバムのポテンシャルの高さを感じざるを得なかった。
通常よりも長めのイントロと斎藤さんの溜めに溜め込んだ歌詞も最高にカッコ良い9曲目の「MIDNIGHT JUNGLE」も締めとしてはこの上ないものになっていたと思う。
余韻にヒタヒタでした。
序章を終えてからの第1章は、定番曲もレア曲もアルバムもぶち込んで、みんなの心をバッチリと鷲掴みにしていた。
心が満ち満ちた後の第2章の幕開けは、「Santa Claus Is Coming to Town」…ここらへんで勘の良い人は気づいたと思うけど、10曲目は「サンタクロースは渋滞中」だった。
…書いてて、結局渋滞中だから来ないじゃん、って思ったのはここだけの話。
その直前のシングルラッシュで、さすがにカップリングはやらないんじゃないか…なんて思われていたけど、まさかの1曲だけ選抜された。
当時は?だったけれど、B面ツアーを経た今なら、何となく理由がわかってしまうのがおかしなところ。
11曲目は「静謐甘美秋暮叙情」、前曲とは異なるしっとりとした雰囲気がめちゃくちゃに心地よかった。
今までの怒涛の流れと対比になって、余計に心に染み渡った。
12曲目は「クローバー」、恥ずかしながら当時は知らない曲で…アルバムでも「箱庭ロック・ショー」を聴いたら、その後はスルーしていたらしく、後々いたく後悔しました。
それでも前後の楽曲を邪魔しないメロディは見事としか言えなかったし、本当に怒涛のセトリのなかで、清涼剤的な役割を担っていた。
ライブDVD、そして付属のライブ音源を買った後は、その魅力にようやく気づいて大分と聴き込んだ。
そして、13曲目は「オーケストラを観にいこう」、中盤の核となったこの曲はホールツアーの魅力を教えてくれた。
"30度を超えた日曜"を表すようなオレンジの照明は曲の雰囲気を崩さずに華やかにしてくれていたし、メロディが終わった瞬間にそれが消えて真っ暗になる演出は圧巻の一言だった。
思わず客席から「おお…」と感嘆の声が漏れてしまうぐらいに、みんなが世界観に引き込まれていた。
これはライブハウスではまずできない演出であるし、全員に指定席があるホールならでは強みだ。
壮大なプロローグ、熱量高まる第1章とはまた一線を画す、心揺さぶる第2章も続く最終章への期待値を高めてくれた。
14曲目の「Dizzy Trickster」、本来はアルバムの2曲目である。
この位置に来るのは異質なはずなのに、始まってみれば、ここ以外に当てはまる場所がない。
斎藤さんのギターから始まるセッションも、田淵とまるで競うように対峙して演奏する姿も、どちらもべらぼうにカッコよかった。
あんまりにも完成度が高すぎるから、僕の中では音源とはもう別物になってしまっている。
続くゼロカウントの15曲目「桜のあと(all quartets lead to the?)」の繋ぎも見事すぎて、当時は状況がうまく飲み込めなかった。
これでもかと良曲をぶち込んだ後に、まだ僕らが嬉しくなるような曲を入れてくるのか。
Dizzy Trickster→桜のあとの化学反応もさすがとか言えなかったし、もう田淵のセンスには脱帽するしかない。
新曲と旧曲の化学反応はユニゾンの醍醐味ではあるが、このツアーはそれが殊更顕著だったと思う。
そうかと思えば、「オンドラムス、タカオスズキ〜!」で、今度は貴雄が怒涛のテクニックを見せてくれる。
今でこそ当たり前になりつつあるけど、服を被さってドラムを叩くのは、このツアーから始まったんだよなぁ…当時は大いに笑った。
斎藤さんや田淵がサポートで楽器を持つ姿なんて新鮮だったし、何となくドラムソロにストーリー性が僕らにも見えてきたのもこの頃からか。
何より貴雄がドラムをこんなに楽しそうに叩くなんて…実はけっこう衝撃だった。
衝撃だったけれど、あんなに楽しそうに笑うもんだから、僕らも釣られて楽しくなっちゃうんだよね。
そこからの16曲目は「Invisible Sensation」、前ツアーではアンコールの1曲目だったが、今回はブロックの合間に披露された。
ボーカル始まりの曲はどこか繋げにくそうな部分もありそうだが、そんな違和感もどこかに飛んでいきそうなぐらいの多幸感。
確実にドラムソロの影響も受けているが、そんな相乗効果がより終盤に向けて高まっているので、僕らもすっかり夢心地で。
そこからの17曲目「場違いハミングバード」はあまりにもズルすぎた。
この曲が終盤に来ると、自然と心も舞い上がってしまうような…そんな魔法にかかってしまう。
しかも前ツアーではセトリ入りしなかったものだから、満を持しての登場は余計にそれを高めてしまった。
約束された曲たちの怒涛の最終章もいよいよ幕引きとなる。
18曲目は「君の瞳に恋してない」、「MODE MOOD MODE」のリード曲だ。
ここまでの17曲が全て伏線の様に感じるような盛り上がり、ステージの3人も客席の僕らも余韻なんて気にしないぐらいの高揚感だった。
イントロが終わった瞬間に現れた「MODE MOOD MODE」のたれ幕、終わりなんだけど始まり…みたいなよくわからない感情に包まれた。
休憩どころなんてないぐらいの心を奪われ続けた最終章。
まるで小説の様に完成されたセットリストとライブだった。
この時点でも最高だったけれど、まだ何かが起こりそうなエピローグが待っている。
アンコールで再び戻ってきた彼らが披露したのは、「春が来てぼくら」…どこまで僕らを翻弄してくれるのか。
当時は最新シングルでありながら、アルバムに収録されていないという異色の立ち位置だったので、セトリにも怪しかった。
それがまさかのこんな場所で披露されるなんて…嬉しすぎる誤算だった。
「MODE MOOD MODE」のストリングス多用の流れを組んだ楽曲なので、違和感も少なくスッとライブに溶け込んでいったことも印象的だった。
続くは「10% roll,10% romance」、偶然かもしれないが、現ツアーの最新曲と旧ツアーの最新曲が繋がる様は否が応でも心を高めてくれた。
何より前ツアーの表題曲がアンコールに組み込まれることへの豪華さは、さらに彼らの手札の多さを感じさせることになった。
ラストは「おまけ!」の一言とともに、「Cheap Cheap Endroll/アイラブニージュー」…どちらも最後まで気の抜けない楽曲だ。
「Cheap〜」についてはこちらも個別記事で触れたけれど、ライブの締めとしての最適解を見せられた様で、聞き慣れとか関係なしに納得せざるを得なかった。
「アイラブニージュー」は結局出会えなかったので、ライブ映像で見たきりだったが。
新曲ばかりのアンコールでこの曲がいる意味はけっこう大きい。
出会えた人はめちゃくちゃ幸運だと思う。
小説のエピローグってワクワクしたり、余韻に浸ったりすることが多いはずだけど。
ライブのエピローグは本編さながらに熱量が駆け抜けていく。
何より僕はそっちの方が好きだ。
「終わって欲しくない」なんて、未練がましく思うぐらいに、誰かと誰かの思いが交差する瞬間だった。
今日が終わって、また今日が続いていくような現実とフィクションが混じりあった空間が何よりも心地よい。
それはセットリストの力もあるし、フェスティバルホールという会場も相まっていたと思う。相乗効果のなせる技だった。
そんな夢心地の時間は2年経ってもなかなか忘れられないし、未だにこれを超えるワンマンツアーには出会えていない。
まず本編MCをほぼなしにして、楽曲だけで魅せるライブなんて早々できないにしね。
おかげで無駄にMCするバンドのライブには行けなくなりました。
でも、全然後悔はしていない。
ユニゾンというバンドに、一段も二段も深くハマり続けることが今は何より楽しいから。
みなさんはユニゾン…もしくは他のバンドにもう一段ハマれた瞬間っていつでしたか?
確実に言えるのは、それを知ると人生はもっと楽しくなるってこと。