ナツノヒ

UNISON SQUARE GARDENについて色々触れちゃうブログです。語彙がないから複合技でお送りしております。

Dr.Izzy Report

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UNISON SQUARE GARDEN

 

6th ALBUM 「Dr.Izzy」

 

7th ANNIVERSARY EVENT

 

letter writing fiesta

 

「Dr.Izzy Report」

 

Now On View!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

求めた理由を探し出せ

 

文字書きの祝祭、「Dr.Izzy Report」はいよいよ終幕を迎える。

 

1つだけいつもと異なるのは、終わりのようで始まりでもあること。

 

12の記事は揃ったばかり。

 

この研究発表をどのように読んでいくのかは読者であるあなた次第。

 

順番に読んでいくも良し、見つけた順に読んでいくのも良し、気になったものから読んでいくも良し。

 

このロックバンドの研究に堅苦しいのは似合わない。

 

好きに読んで、好きに楽しんでくれ。

 

僕らも好きに検証し尽くしたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

POST LIST

 

 

 

1.『エアリアルエイリアン』-アルバム「Dr.Izzy」の楽曲構成の可視化と楽曲分布の評価-/Mosuky

 

 

 

 

 

 

2.台風の日やヒーローに会いにゆく/きだともみ

 

 

 

 

 

 

3.純情性順序主義の別解を求めて/ハグルマルマ

 

 

 

 

 

 

4.少数の少数を覗き込める?/ろき

 

 

 

 

 

 

5.提出用.txt/栗落花

 

 

 

 

 

 

6.金銀財宝級の曲/れも

 

 

 

 

 

 

7.猛獣解剖記録大失敗譚/てるる

 

 

 

 

 

 

8.※◾️☆△に込められた弾丸〜パンデミックサドンデス〜/ナツ

 

 

 

 

 

 

9.”隣”の君を追う、飛行機雲/ともり

 

 

 

 

 

 

10.金曜日、とあるBARにて/はすのめ

 

 

 

 

 

 

11.一聴ではわからないことが多すぎる/なおめろ

 

 

 

 

 

 

12.行き着いた先に、何もなくても/べる

 

 

 

 

 

 

 

 

解剖した先の研究はうまくいっただろうか?

 

答えは別になくてもいいけど。

 

この研究した者にしか見えない景色だけは僕らのものだ。

 

そこだけは誇ってもいいかもしれない。

 

 

今日も文字書きはあまりにも楽しい

 

それはきっと明日も変わらない。

 

これからも。

 

 

 

 

 

 

 

SEE YOU NEXT SENTENCE!!

【Dr.Izzy Report】※◾️☆△に込められた弾丸〜パンデミックサドンデス〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"ああ 全部全部意味わかんない"

 

 

 

この記事は企画「Dr.Izzy Report」における8曲目「パンデミックサドンデス」について研究を尽くした記事である。

 

 

 

"君のその哲学がわかんない この地球はちょっと広すぎて"

 

 

 

 

この曲はUNISON SQUARE GARDENの6thアルバム「Dr.Izzy」の8曲目に収録されている曲であり、海外ドラマ「ザ・ラストシップ」の日本語版エンディングテーマにもなっている。

 

比較的早い段階でタイアップとなった関係もあり、「Dr.Izzy」発表前から様々なツアーで披露されており、特に2015〜2017年においてはかなりの頻度でセットリスト入りを果たしていた印象がある。

 

 

 

"勉強・仕事よりももっと わかりあうのが難しい"

 

 

僕自身にとっても、人生の辛いときに何度も何度も励まされた…大切な曲でもある。

 

もちろんそんな応援ソングではないであろうことは承知の上だ。

 

それでもどこか生きる辛さを共感してもらえたような気がして、不思議と心の支えになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"ああ 全部全部意味わかんない 君の理屈・正義がわかんない"

 

人と自分との違いが受け止められず、誰かに心ない言葉を浴びせられたとき、ソッとこの曲の再生ボタンを押すだけで少しだけ救われた気がした。

 

まるで僕の気持ちを代弁してくれているみたいで。

 

 

"この人生は解釈が多すぎて いくつ年を重ねたって生き方がまだわからない"

 

大人になれば自然と生きやすくなると思っていた。

 

そんな有りがちな希望は打ち砕かれて、年を追うごとに摩耗していく心。

 

人は成長するほど手にした力に躍らされて、より残酷な行動を起こしてしまう。

 

幼い頃は思いつきもしなかった解釈に打ちひしがれていた。

 

何より辛いのは、そんな言葉を口に出せずに飲み込んでしまわなければいけないこと。

 

 

"悲劇はとうにインクランク やりかけのこだわりはトランク 困る!僕が僕じゃなくなってく"

 

あの日の理想の自分になりたかった。

 

自由に生き、困っている誰かの助けになれる人間に。

 

自分のことを成すのは当たり前で、自分を認めてもらうために人の役に立つ。

 

そんな自立した人間に。

 

けれど、現実は存在証明すらおぼつかない。

 

自分の信じたものは一切に遮断され、得体の知れない何かを受け入れることを強要される。

 

飲み込んだ先に待っているのは、きっと鈍感で無慈悲な人間になってしまう未来。

 

嫌だ、幸せに無感情な人間になりたくない。

 

誰かの不幸を感じられないということはそういうことだ。

 

戦いはもうすでに始まっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"もういっそ君のこと ※◾️⭐︎△してしまいたくなる"

 

そう、もういっそのことなら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやいや、待て待て。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雰囲気に流されそうになったけど…何かおかしくないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっと…そっか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※◾️⭐︎△って…どういうこと?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はこの「パンデミックサドンデス」に誰よりも救われた人間だと自負している。

 

自分と世の中との折り合いがつかないとき、その苦しみに共感してもらい、また立ち向かうためのひとつの答えを教えてもらった。

 

紛れもない人生で大切な曲のひとつ。

 

だが、それでも今までひとつだけ納得のできないことがあった。

 

そのため今記事では、長年の疑問に目を向けることをテーマにしていきたいと思う。

 

題して…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"徹底検証"※◾️⭐︎△にふさわしい言葉を探せ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ネーミングセンスのなさは置いておいて、この記号に隠された言葉には、きっと何か意味があるはずだ。(ちなみに僕はてぃっくてぃっくだと読む)

 

決して簡単ではないが、前後の文脈から限りなく正解に違いものを導き出すこもは不可能ではないかもしれない。(僕はてぃっくてぃっくだと読む)

 

せっかく"研究"というおあつらえのテーマもあることだし、今回は(よっぽど順番変えまくる物好きでもない限りは)トリでもないわけだし、自分の今1番気になる事柄を掘り下げていきたい。(僕はてぃっくてぃっくだと読む)

 

 

 

仮説① "ポイ捨て"してしまいたくなる

 

まず※◾️⭐︎△に入る言葉が4文字になると仮定するとして、あえて伏せ字にしたとするならば、そこに物騒な言葉が入ることは間違いないと思う。

 

ただ、そこは我らがUNISON SQUARE GARDEN、直接的な危ない発言をあえてするとは思えない。

 

曲の持つ雰囲気を損なわず…かつどこか遊び心もあるような。

 

"視界の邪魔だ そこになおらないで"

 

なんて嫌なモノは目の前から消してしまうという健全な思考の持ち主である彼らなので、ゴミ箱に捨ててしまうなんて発想も生まれる可能性だってあるかもしれない。

 

歌詞に重きを置かないUNISON SQUARE GARDENだからこそ意味深に感じ取れるワードでもあり、楽曲の殺伐とした感じも損なわない選択ではないであろうか。

 

個人的には抜け感もあってけっこう好きなワードです。

 

 

 

 

 

仮説② "蹴り飛ば"してしまいたくなる。

 

"※◾️⭐︎△"に入る言葉を考えているときに"手をくだ"してしまいたくなるというワードがしっくり来るんじゃないか…というコメントをネットで見つけた。

 

なるほど。手をくだす…という言葉は介入していることを仄めかしながらも肝心の中身はどこかぼかしたような、そんな抽象的な雰囲気も漂っている言葉でもある。

 

歌詞の頭文字も同じ"て"であり、不思議とマッチするような感じもする。

 

ただ、何だかあまりにも予定調和すぎるというか…しっくり来すぎてしまう。

 

この考えを否定する気はないんだが、もう少しだけ治安の悪さが欲しくなった。

 

このバンドが"手"を使うときはあまり真っ向勝負をする印象がないので、何か違う要素を入れたくなってしまう。

 

…そうだ!手じゃなくて"足"を使えばいいじゃん。

 

手よりも足癖悪い方がガラも悪そうだし、より相手にしない感じが顕著に出せそう。

 

"手をくだす"と同様の表現で探していけば…"蹴り飛ばす"が1番しっくり来そうである。

 

この少し後に"全部蹴落としてしまいたい"って歌詞も出てくることだし。

 

暗にこの言葉が入ることを示しているんじゃないか説を推します。

 

これもこれで一蹴している感じがいい感じですね。100億点。

 

 

 

 

 

仮説③ "いたずら"してしまいたくなる

 

かわいい。

 

そこはかとないキュートな感じがso good。

 

こんな殺伐とした楽曲だからこそユーモアを忘れてはいけない。

 

このアラフォーロックバンドは今もなお「放課後マリアージュ」とかいうキュートな楽曲も書けてしまうのだから、こんなお遊びも許されてしまう。

 

…まああまりにも雰囲気違いではあるので、伏せ字にしてしまった説を推しておこうと思います。

 

 

 

 

仮説④ "めった刺"してしまいたくなる

 

これはあまりにも怖すぎるので、速攻でなしにしましょう。…なしにはするけど。

 

めちゃくちゃ気持ちよく心情にハマってしまったので、一応紹介だけしておこうと思います。(唐突なホラー感)

 

多分嫌いなものに対する思いってこれが1番強いと思うんだけど、それを華麗にスルーして相手にさえしないのがUNISON SQUARE GARDENの強さではないでしょうか。

 

もしかすると根底に隠された感情の可能性もあるので、一考の価値はあるだろうけど、多分この仮説はどうあっても当てはまらないような気がしている。

 

 

 

 

仮説⑤ "食いつく"してしまいたくなる

 

 

"たいらげるまで 食べ続ける"

 

晩餐はいつどこででも開くことができる。

 

嫌なモノは視界から消すために食い尽くしてしまおうという理屈でどうか許していただけないだろうか?

 

食べきれないなら残せばいいしね。

 

 

 

 

 

"誰にもわかんないことを解き明かしても 誰にもわかんないまんまでいいのかも"

 

ん…?

 

"一人ぼっちかも けど不思議と誰かが 同じ光を見るなんてことはある わかってよね"

 

何かが聴こえてきたような気がする。

 

"全部嫌になったなんて簡単に言うなよ 全部が何かってことに気づいてないだけ"

 

そうか、僕らにも知らないことはたくさんあるのか。

 

"年月は重なって 恋をして交わるから 今日は何とかなるぜモードでいいや"

 

歳月を重ねたとき、不意に物事の見え方が変わるときがある。

 

"全部意味わかんない"と感じてたことが、"全部が何かってことに気づいてないだけ"と思えるみたいに。

 

それがきっと人生で苦しかった瞬間を乗り越えることができたってことなんだろう。

 

"今日は何とかなるぜモードでいいや 僕の言葉がまた生まれる"

 

おそらく人生と苦しみは切っても切り離せない関係だ。

 

それは人と交われば交わるほど強く大きくなっていく。人生の規模が大きくなるんだから当然の結果だ。

 

でも、その苦さは向き合い方次第で変えることができる。

 

だから…その正体なんてわからないままでいいんだ。

 

僕らの人生にはおおよそ必要のないものなんだから。

 

一度しかない生を余すことなく享受するためには…楽しいで埋めた方がどう考えても良いに決まってる。

 

これが今回の研究の成果なのかもしれない。

 

 

それでも、まだ…

 

"ああ 全部全部意味わかんない 君のその哲学がわかんない"

 

この思いが存在し続けることも事実でしかない。

 

"この人生は解釈が多すぎて どの道選んでもきっと生き抜くことが難しい"

 

僕らは進むしかない。たとえ、行き着く先が悪夢ような結末だとしても。

 

"じゃあ全部全部マジわかってる フリだって構わずに笑って なら僕は異常だって構わない!"

 

思考を停止した健常者になりきるか、自分の言葉を紡ぐ異常者になろうとするか…間違いなく僕は後者を選ぶ。

 

だって、そこにある常識は多数が生きやすくなるためだけの正義しか存在しないから。

 

誰しもが自由に思いを紡げない社会は酷く窮屈なものになるのではないだろうか。

 

"多数が正義じゃないのでは?"

 

そんな最新版にアップデートされた彼らの言葉は、きっと2016年から7年経っても本質は変わっていない。

 

別に答えはいらない。わからないままでもいい。

 

ただ、それが正解だって認める気持ちは今後も湧いてくることはないと思う。

 

"冷淡たる時計と引き換えに 思考神経磨り減っていく サドンデスの結末は?"

 

少数派の僕らの言葉はどんどん使えるものが減っていくのかもしれない。

 

結末は未だにわからない。

 

だったら、もう"※◾️⭐︎△"しちゃうってことでいいんじゃない?

 

 

 

「Dr.Izzy Report」、私の研究発表はここまで。

 

ご清聴ありがとうございました。

Dr.Izzy Report トレイラー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UNISON SQUARE GARDEN'S FAN PRESENTS

 


UNOFFICIAL SENTENCE

EVENT

 


6th ALBUM

「Dr.Izzy」

 


7th ANNIVERSARY COUNTDOWN RELAY

 


「Dr.Izzy Report」

 


"PRE ZONE":

2023.06.23〜2023.07.04

 

"MAIN ZONE":

2023.07.05〜2023.07.06

 

 

 

 

 

 

"ロックバンドを研究する"

 

 


さながらフルコースのような煌びやかさを見せた「Patrick Mojii」や最高傑作と真っ向から向き合った「MODE MOOD MODE SENTENCE」を経て、今回の企画では全員が同じ立場となって作品に対峙する。

 


文字書きの自由さは変わらずに余計なしがらみは全て取っ払い、ロックバンドが好きだからこそ研究に没頭するかのようにただ執筆していく。

 


喜びを、怒りを、哀しみを、楽しさを…様々な感情を紐解いた先にあるものとは?

 


自身と曲だけしか介在しない空間で生まれるものとは?

 


そうして纏めたレポートに何が映るのか。

 


今回も文字書きは好き勝手に生きる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文字書きの企画としては3回目となる今回は6thアルバム「Dr.Izzy」の7周年を記念したリレー企画となります。

 

タイトルは「Dr.Izzy Report」、"解剖"をテーマとしたアルバムに対して、"研究"を目的としたアプローチを重ね、その成果をレポートに仕上げる…ある意味でロックバンドと最も向き合う企画になりそうな予感を感じさせます。

 

前回の「MODE MOOD MODE SENTENCE」では企画ならではの要素として、オリジナルの投稿リストによるカウントダウンリレー形式で行いました。

 

今回も本企画のみの独自な要素として、

 

①全参加者の同日による投稿

 


②投稿日までに記事の一部先行公開

 

の実施を予定しています。

 

これまでカウントダウン形式で投稿をしてきましたが、それだと順番によって記事へのアプローチの仕方が大きく変わってしまう可能性もあり得てしまいます。

 

もし、文字書きが一斉に同じ日に投稿したらどうなるか…まさに提出課題のレポートのように記事が出揃ったとき、どのよう化学反応を起こすのか。

 

それを今回の企画の醍醐味として、期待していただければと思います。

 

また、それに先立って、6/23(金)よりアルバム収録曲順に記事の一部内容を先行公開する予定としています。

 

切り口は各参加者次第ですが、それぞれが完成させる記事の一端に触れたい方は、ぜひご覧いただければと思います。

 

先行公開については、一部を除いて各参加者のSNS上で行われますので、お楽しみに。(#DrIzzyReport を参照)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SCHEDULE(敬称略)

※日付は先行公開日

 

 

 

6/23(金) 1.エアリアルエイリアン/Mosuky(@RMosuky )

 

 

 

 

6/24(土) 2.アトラクションがはじまる(they call it "No.6")/きだともみ(@kida2xyz )

 

 

 

 

6/25(日) 3.シュガーソングとビターステップ/ハグルマルマ(@haguruma_usg )

 

 

 

 

 

6/26(月) 4.マイノリティ・リポート(daring,I love you)/ろき

 

 

 

 

 

6/27(火)5.オトノバ中間試験/栗落花(@Dr_Izzy08 )

 

 

 

 

 

 

6/28(水) 6. マジョリティ・リポート(daring,I love you)/れも(@lemococco )

 

 

 

 

 

6/29(木) 7.BUSTER DISE MISERY/てるる(@tellurium__usg )

 

 

 

 

 

6/30(金) 8.パンデミックサドンデス/ナツ(@unfinisheddaisy)

 

 

 

 

 

 

7/1(土) 9.8月、昼中の流れ星と飛行機雲/ともり(@tomori_hirunaka )

 

 

 

 

 

 

7/2(日) 10.フライデイノベルス/はすのめ(@clossnes )

 

 

 

 

 

 

7/3(月) 11.mix juiceのいうとおり/なおめろ(@watchpeeler )

 

 

 

 

 

 

7/4(火) 12.Cheap Cheap Endroll/べる(@belllllllll_usg )

 

 

 

 

 

 

そして…

 

 

7/5(水) ALL SENTENCE RELEASE!

 

 

 

 

7/6(木) Dr.Izzy Report(まとめ記事)

 

 

 

発売日前日である7/5(水)に全記事を一斉投稿し、翌日の発売日7/6(木)にまとめ記事を投稿する予定となっています。

 

文字書きによる新たな試みはどのような方向へ向かうのか。

 

そして、曲という観察対象と向き合ったときにどのような成果を得るのか…。

 

企画は明日より開始となります。ご期待ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこを研すか、どこを究めるか

 

 

 

答えはきっと最初からある。

Ninth Peel セトリ予想+おまけ

ご無沙汰しております。

 

2023年に入り、怒涛の情報解禁から先日ついにUNISON SQUARE GARDENの9thアルバム「Ninth Peel」が発売されました。

 

今回も過去作に負けず劣らずの良作であり、なおかつ意欲作でもあるという、新鮮さと安心感が共存した素晴らしいアルバムに仕上がっています。

 

アルバムのディスクレビューについては、今後投稿するかもしれないし、投稿しないかもしれませんが(ライブレポやディスクレビューはけっこう苦労するタチなので)。

 

今回に関しては、明日より始まるツアー「Ninth Peel」のセトリ予想ができあがりましたので、その解説をしていこうと思います。

 

今年はすでに年内の主なツアーについては公表されており、今回の「Ninth Peel」ツアー、そして11月に行われる「"Ninth Peel" next」が予定されています。

 

つまりはアルバムツアーを2周するということであり、ひとつのツアーでアルバム全曲をやるわけではないことが明言されています。

 

さらには"ロックバンドのライブに新曲は必要ない"の触れ込みのもとで、これまでの楽曲もかなりセットリスト入りする可能性を匂わせていました。

 

それらを加味しながら、前半ツアーである「Ninth Peel」のセトリを予想していこうと思います。

 

ちなみに情報は一切遮断せずに考えていますので、アルバム未視聴・未購入者の方はネタバレ等にご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは今回予想したセトリはこんな感じです。

 

 

 

1.スペースシャトル・ララバイ

2.to the CIDER ROAD

3.Phantom Joke

4.君の瞳に恋してない


5.instant EGOIST

6.ミレニアムハッピー・チェーンソーエッジ

7.マーメイドスキャンダラス

8.場違いハミングバード

9.カオスが極まる


10.マジョリティ・リポート(daring,I love you)

11.City peel

12.スノウアンサー

13.Numbless like a ginger


14.ドラムソロ〜アンチ・トレンディ・クラブ

15.マスターボリューム

16.恋する惑星

17.オトノバ中間試験

18.フレーズボトル・バイバイ


EN1.蒙昧termination

EN2.kaleido proud fiesta

EN3.ガリレオのショーケース

 

 

 

以下各曲の解説です。

 

1.スペースシャトル・ララバイ

 

やはりアルバムツアーの1曲目はこれ。変化球的なアルバムでない限りは揺るがないと思います。

 

…まあ今作ほど舵取りが読めないアルバムはかつてないのですが。

 

とはいえ、ここはセオリー通りにした方がnextで活きる気がしています。

 

 

 

 

 

2.to the CIDER ROAD

 

「Ninth Peel」は曲の短い「CIDER ROAD」なんて言われていましたし、その1曲目同士の親和性も良いのでは?という確信のもとで2曲目に持ってきました。

 

あと「fiesta in chaos」の冒頭3曲で唯一前ツアーから登場しなかったので、それを伏線と取ることにしました。

 

 

 

 

 

3.Phantom Joke 

 

「カオスが極まる」や「世界はファンシー」が台道してきったこともあって、最近はめっきり出番がなくなっていたこの曲。

 

シングルの巡り的にもそろそろ出番がまわってくる可能性も高いので、アルバムのマイナーキー曲と被らないセクションかつ派手な位置に来るように配置しました。

 

おそらく同期なしのマイナーキーシングルとしては、最大出力の曲であるはずですし、そのポテンシャルを余すことなく発揮して欲しいと思います。

 

 

 

 

 

 

4.君の瞳に恋してない

 

リード曲「恋する惑星」のタイトルからおそらくセトリ入りすることは確定してると勝手に思ってるので、最近のツアーではあまりない序盤のトリに来ると予想しています。

 

序盤の締めは何だかんだと強い曲が来ている印象なので、その条件も満たしているように思います。

 

 

 

 

 

5.instant EGOIST

 

最近やたらと披露される機会の多い「instant EGOIST」。

 

ただ、フェスや対バンなど、どうにも限定的な場面でしか登場していないので、これはツアーでやる流れでは…?ということで予想に入れてみました。

 

ライブの熱量をさらに引き上げてくれる曲なので、今回はブロックの頭に置きました。

 

あとは後述のカオスとのリンクも意識していたり。

 

 

 

 

 

6.ミレニアムハッピー・チェーンソーエッジ

 

ここでようやくアルバムから2曲目の登場です。

 

自由度高いね、今回の予想。

 

曲のエネルギーは凄まじいですが、如何せん短い曲でもあるので、位置的には序盤で披露されるのではと予想します。

 

あと単純にど頭がカッコ良すぎるので、ライブの世界観をガラッと変えるスパイスになってくれそう。

 

 

 

 

 

 

7.マーメイドスキャンダラス

 

前作「Patrick Vegee」からの登場です。

 

ここまでのツアーで大半の曲が再登場していますが、この「マーメイドスキャンダラス」はまだアルバムツアー以降のツアーに組み込まれていません。

 

タイミング的には間違いなく今!だと思うので、ぜひ次アルバムのツアーでも大暴れして欲しいと思います。

 

 

 

 

 

 

8.場違いハミングバード

 

ここまで割と珍しい曲が続いているので、定番曲も入れるだろうという予想です。

 

場違いはシングルツアーでラストに配置されていた関係もあるので、今回は前半に来るかなと。

 

あと単純に中盤差し掛かるところでの場違いは意外とないので、新しいパターンで来るか?という願望込みの予測ですかね。

 

 

 

 

 

 

9.カオスが極まる

 

前ツアーでは後半よりだったので、今回はおそらく前半だと思います。

 

アルバム収録も4曲目なので、そこらへんも関係してそうな感じも。

 

めちゃくちゃ強い曲ですし、ここは変に捻らず前半の1番良いところにしました。

 

あとはタイアップ的な要素として、「instant EGOIST」で始まり、「カオスが極まる」で終わるブロックというのも熱いものがある…!と思って採用しました。

 

 

 

 

 

 

10.マジョリティ・リポート(daring,I love you)

 

"多数が正義じゃないのでは?"

 

そんな背帯のコピーが添えられた今アルバムだからこそ、"多数"について述べたこの曲は間違いなくセットリスト入りすると思います。

 

周期的にもそろそろ登場してもおかしくない時期ですし、色々と条件は当てはまっている気もしますが…真相はいかに?

 

 

 

 

 

 

11.City peel

 

よくアルバムに収録されるゆったりめのナンバーである「city peel」、やはり輝くのはバラードゾーンだと思い、アルバムの曲としては最初の位置に登場させました。

 

アルバムタイトルにも冠してある"peel"の用語があるゆえに壮大な曲をイメージしていましたが、聴いてみるとジャジーな曲調を感じるゆるやかなナンバーであると捉えました。

 

同じ系統である「Numbless like a ginger」がある以上、前半ツアーではそこまで出張らないのかなという予想です。

 

 

 

 

 

 

12.スノウアンサー

 

はじめに言っておきます、これはただの願望です(恥ずかしげもなく真顔)。

 

とはいえ、何だかんだと「JET CO.」の楽曲もほぼやってる昨今。

 

真面目にこの曲と「気まぐれ雑踏」ぐらいしか最近披露していない曲ってなくて。

 

もしかすると可能性的には全然ありえるのでは?と勝手に考えています。

 

ちなみに冬の曲なのに何故前半でやる予想にしたのかといえば…

 

 

 

 

季節感無視バンドだからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

13.Numbless like a ginger

 

これはもうここしかないでしょう。

 

このアルバムの目玉である今曲はおそらく変に捻らずに中盤の山場にやってくると思います。

 

最近のツアーでも、披露されるポジションはブロックの頭が多いのですし、これはツアーでブロック終わりにやる布石なんだろうなーと。

 

ポジション的に、nextでは「Nihil Pip Viper」と入れ替わると思うので、今ツアーで惜しげもなく披露してくれる気がしています。

 

 

 

 

 

 

14.ドラムソロ〜アンチ・トレンディ・クラブ

 

おそらく2ツアー中でドラムソロは変わると思うのですが、リード曲「恋する惑星」は王道的なドラムソロにならないような予感はしてるので…まずはよりライブに火をつけるような曲と組み合わせるんじゃないかと思います。

 

「アンチ・トレンディ・クラブ」は間違いなく終盤向けの曲なので、構成的にこの曲しかなさそうだな…と思っています。

 

とりあえずバチくそにカッコ良いので、これにドラムソロやセッションか加わると想像したら…楽しみしかないですね。

 

個人的には「Ninth Peel」で1番好きな曲なので、ぜひライブでも大暴れして欲しい所存です(熱いエコ贔屓)。

 

 

 

 

 

 

15.マスターボリューム

 

好みです、以上。

 

これよりもカッコいい繋ぎ方を僕は知らない。

 

シームレスでぜひ実現してくれ。

 

あと真面目に解説するとすれば、リバイバル除いたツアーで10年以上披露されていないので、そろそろ登場時期なんじゃないかと思います。

 

パトベジツアーのリベンジじゃ!

 

 

 

 

 

 

16.恋する惑星

 

リード曲は終盤の山場で、カレイドツアーと同じてすが、昨今の傾向的に田淵のトレンドかもなと。

 

最初は本編ラストに置いていましたが、アルバムを視聴すると、あまりに「フレーズボトル・バイバイ」が幕切れにふさわしすぎて…その次に考えていた終盤の山場に持ってきました。

 

その分、他の役割もなく純粋に曲を披露できるので、ライブでのポテンシャルを余すことなく発揮できる予感がしています。

 

ライブにおけるギターとの兼ね合いを見るのが個人的な楽しみです。

 

 

 

 

 

 

17.オトノバ中間試験

 

"追試でございましょう"

 

続きはnextということで…どうか。

 

周期的にそろそろ本編で大暴れするオトノバが見れそうな予感がしているので、キーワード的に今回がピッタリなのではと考えています。

 

 

 

 

 

 

18.フレーズボトル・バイバイ

 

「crazy birthday」や「Cheap Cheap Endroll」に比肩するようなポテンシャルを感じさせるこの曲。

 

他にラストがしっくり来る曲も少ないので、ここもイメージ通りにラストとすることにしました。

 

"忘れられない今日になった"

 

まさにUNISON SQUARE GARDENを象徴しているような良い歌詞です。

 

あと「Ninth Peel」自体にも、リピート再生することで気づくマジックもあるようなので、nextに向けた伏線を張りそう…と思ったり。

 

 

 

 

 

 

EN1.蒙昧termination

 

選んだのは周期的な要素もありますが、歌詞があまりにも"多数が正義じゃないのでは?"とリンクすぎていたのでチョイスしました。

 

…まあ何遍も聞き逃してるから願望込みなのは否定しません。

 

アンコール1曲目の意外感が好きなので、それを表現できそうな曲なのでは?と考えています。

 

 

 

 

 

 

EN2.kaleido proud fiesta

 

「fun time HOLIDAY 8」でもアンコールでしたが、やはりアルバムの構成上、やるとしたらこの位置かと思います。

 

一応そのときよりも一つ下げてますが。

 

特に今作のタイアップシングルはパワーが強すぎるので、下手に本編に入れようものなら、焼き回しになってしまいかねない危険もあるように思えます。

 

nextだとその縛りも緩くなってような気もするので、最悪の場合今ツアーではセットリストに入らない可能性もあり得るような気がしています。

 

とはいえ、やはりみんなが好きな曲なので、今回も披露して欲しいところ。

 

 

 

 

 

 

EN3.ガリレオのショーケース

 

ここまで露骨に温存されていたのは、おそらくどこかのツアーで爆発するためだろうと誰もが思っているはずです。

 

さすがにこれ以上は寝かせすぎな気もしますし、そろそろ良いところで登場しそうかなと。

 

本編終盤のアルバム曲が割と王道な構成にしているので、ここらで変化球も入れたいですし。

 

あと単純にガリレオラストはライブとして文句なしなので…。

 

 

 

 

 

 

以上が予想セットリストとなります。

 

カレイドツアーで味を占めましたが、まあケイオスツアーは全然だったので、当たると楽しいなー!ぐらいの認識でいければと思っています。

 

何より「Ninth Peel」の曲を聴けるのが楽しみすぎますしね!

 

ツアーはいよいよ明日から…僕は1ヶ月後の大阪公演からの参加となりますので、今から震えて待ちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

まず前半ツアーがあるので、今後変更になる可能性も全然ありますが、現実考えている後半ツアーの予想も紹介しておこうと思います。

 

さすがに全曲は長すぎるので、全体的な解説だけいくつか述べようと思います。

 

セトリはこんな感じです。

 

 

 

1. ミレニアムハッピー・チェーンソーエッジ

2.オトノバ中間試験

3.Nihil Pip Viper

4.天国と地獄


5.夏影テールライト

6.ラブソングは突然に〜What the name of that mystery?〜

7. マイノリティ・リポート(daring,I love you)

8.カウンターアイデンティティ

9.kaleido proud fiesta


10.もう君に会えない

11.Simple Simple Anecdote

12.WINDOW開ける

13.City peel


14.ドラムソロ〜恋する惑星

15.君の瞳に恋してない

16.アイラブニージュー

17.カオスが極まる

18.スペースシャトル・ララバイ


EN1.like coffeeのおまじない

EN2.アンチ・トレンディ・クラブ

EN3.Catch up,latency

 

 

解説としては、

 

・「Nihil Pip Viper」は「Numbless like a ginger」と入れ替わるカタチでセトリ入りする。

 

・答え的な要素として、「ラブソングは突然に〜What the name of that mystery?〜」が入るが、カップリングでもYouTubeにライブ映像が残っているので、特例としてセーフにする

 

・「マジョリティ・リポート(daring,I love you)」と「マイノリティ・リポート(daring,I love you)」は、前後半ツアーでリンクするような立ち位置

 

・ツアーの隠れた軸は「オトノバ中間試験」と「君の瞳に恋してない」である

 

・「スペースシャトル・ララバイ」の位置は、アルバムをリピート再生し続けた結果によるもの

 

・「Catch up,latency」は歌詞とアルバムのコピーが盛大にリンクしているので、正真正銘のツアー大トリに置く

 

 

 

 

大まかな解説は以上となりますが、また前半ツアーを経て修正したものを、秋頃に投稿しようと思います。

 

まずは前半ツアーを思い切り楽しんで、2023年度のユニゾン始めを楽しみます。

 

それでは、バイバイ!

 

【LIVE(in the)BRAIN】TOUR 2016 プログラムcontinued PARTY 【妄想】

 

 

今回の記事はハグルマルマさんの企画、「LIVE(in the)BRAIN」に参加するにあたって執筆したものです。

 

 

詳細は上記の記事よりご覧ください。

 

自らの脳内で考えたセトリについて語る今回の企画…妄想、特にユニゾンに関しては他の皆様よりも一日の長がある私(気持ち悪いね)。

 

 

 

 

 

 

 

 

考えてみると、2020年から大体年一ペースで書いてるんですね。このペースはさすがに自分でも引いてます。いや、マジで。

 

とはいえ、せっかくの楽しい企画。妄想自体は用法用量さえ守れば、夢と楽しさ溢れる素晴らしいものだと信じてやまないですし、せっかくの機会を存分に楽しむこととします。

 

今回の企画は自身でテーマを考えるわけではなく、参加者それそれが考えたテーマをランダムに振り分け、与えられた内容を書いていくことになっています。

 

僕が担当するテーマはこちら。

 

 

 

 

 

 

「シュガーソング シングルツアー(シュガー以降の楽曲も可)」

 

 

 

 

 

 

 

…うわお、これはまた難解そうなテーマに当たってしまいました。

 

ニゾンにとって最大のヒットソングであり、代表曲でもあるこの曲は、なるほど確かにセトリに入れるだけでライブの完成度を増してはくれますが…いざ中心に添えるとなれば、余りあるパワーでセットリストの全体像が崩れる危険性さえ孕んでいます。

 

…これは単純に組んだだけでは、ただシュガソンを盛り立てるだけの記事で終わってしまう。

 

そんな僕を含めた物好きが満足しきれないライブに成ってしまうのでは?

 

 

 

 

 

 

しかし、過去にこんな記事も投稿してる身としては、曲のためにセットリストが存在するというのは何とも納得がいかないところ。(これが妄想だと言うことは遠い彼方へと消し飛ばします)

 

ライブにおける曲の役割とは、基本的にセットリストをより良いものにしていくことであるはず。

 

たとえシングルツアーだとしても、それは変わりありません。

 

そのため、セットリストを作るにあたって、根幹となるようなアイデアは何かないかと考えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで思い出したのは、10周年記念アルバム「DUGOUT ACCIDENT」。

 

このアルバムは発売こそ後発ですが、「シュガーソングとビターステップ」より以前から制作が決定していたことがインタビュー等で語られています。

 

ということは、そのツアー的ポジションである「プログラムcontinued」もそれより前に開催されることが決まってたのでは?

 

 

そして、「シュガーソングとビターステップ」という曲の存在でUNISON SQUARE GARDEN知名度は間違いなく上がりました。

 

 

…もしかして、タイミング的にライブに行きたくても行けなかった層もいるのでは?

 

そこで思いついたアイデアがこちら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プログラムcontinued」の追加公演的ツアーがあったことにして、それを「シュガーソングとビターステップ」のシングルツアー的立ち位置にすれば良くね?

 

 

 

 

 

たかが妄想、されど妄想。やはりしっかりとしたテーマがあった方が筆も乗るというもの。

 

大枠を「プログラムcontinued」ツアーのセットリストに準じたものとして考え、そこに「シュガーソングとビターステップ」のシングルツアーとしての特色を出すことをメインテーマとしました。

 

個人的には自由にセトリを考えるよりも、ある程度の制限をかけた方がやりがいも上がる気がしているし、書いていく上でひとつのスパイスにもなり得ると考えました。

 

あと「プログラムcontinued」ツアー自体も、「DUGOUT ACCIDENT」の収録曲を全て網羅したわけではないので。

 

まだまだ掘り下げ甲斐のあるツアー…といった側面も、このアイデアを採用した理由になります。

 

まあ「プログラムcontinued」自体に追加公演があったりもするんですが、あくまでそのツアー自体の追加公演ですので、そこらへんは思い切りスルーすることにします。

 

そして、ツアー名は「プログラムcontinued PARTY」と名づけました。

 

意味は多分読んでいけば伝わると信じているので、詳しくは説明しないでおこうと思います。

 

大枠の設定としてはこんな感じ。

 

①ツアー「プログラムcontinued」の追加公演。時期は2016年3月25日(Dr.Izzy発売の発表日)から2016年5月13日(パンデミックサドンデスMV公開日)まで。(この頃にあったUNICITY ライブは少しずれ込むこととします)

 

②追加された要素として、「シュガーソングとビターステップ」のシングルツアー的な立ち位置でもある。

 

③まだUNICITYも黎明期であるため、会員は1人1公演は参加できる方向で募集をかけている。

 

④なので、シュガビタのカップリングやレア曲なんかもやるかもしれないし、別に行かなくても良いツアーではない。

 

⑤前ツアーでやらなかった「DUGOUT ACCIDENT」の曲はやるかもしれないし、やらないかもしれない。(まあ通例を考えれば…ね?)

 

⑥時期的にシュガビタ以降の曲はまだリリースされていないが、(シュガー以降の楽曲も可)は何かしらの部分で活かしていく。

 

⑦直近のツアーやライブはもちろん、数ヶ月後に控えた「Dr.Izzy」ツアーのセットリストとの統合性も可能な限り考慮する。

 

以上の決まりごとを前提として、今回セットリストを考えました。

 

ちなみに大元のツアーである「プログラムcontinued」のセットリストはこんな感じ。

 

1.さわれない歌

2.kid,I like quartet

3.コーヒーカップシンドローム

4.天国と地獄

 

5.きみのもとへ

6.流星のスコール

7.オトノバ中間試験

8.シューゲイザースピーカー

9.桜のあと(all quartets lead to the?)

10.オリオンをなぞる

 

11.チャイルドフッド・スーパーノヴァ

12.夕凪、アンサンブル

13.誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと

14.シャンデリア・ワルツ

 

15.パンデミックサドンデス

16.ドラムソロ〜セッション〜徹頭徹尾夜な夜なドライブ

17.シュガーソングとビターステップ

18場違いハミングバード

19.プログラムcontinued

 

EN1.黄昏インザスパ

EN2.箱庭ロック・ショー

EN3.ガリレオのショーケース

 

このセトリを前提として考えるので、音源を聴いておいた方がイメージもしやすくなると思われます。

 

6thアルバム「Dr.Izzy」の初回限定版にライブ音源が収録されていますので、まだの人はマストリスーン(できればね)(聴かなくても読むこと自体は問題なし)。

 

では、これらを踏まえて発表していこうと思いますが、せっかくの妄想セットリスト…解説していくのもアリですが、その熱量も余すことなく伝えたいところ。

 

というわけで、これ以降は実際に参加した体として、ライブレポ風に書いていきたいと思います。

 

どんなセットリストになったのか、ぜひ読み解きながらお楽しみください。

 

ちなみに筆者は「プログラムcontinued」ツアーに参加していますが、まだ好きになって2年という非常に年数が浅い頃合いだったので。

 

当時の感覚をなぞりながら書いていきたいと思います。

 

そのため、普段よりも少しばかり表現が稚拙になるかもしれません。ご理解ください。

 

それでは、ライブレポ「プログラムcontinued PARTY」、はじまりはじまり〜!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年春、今日も僕はライブへと足を運ぶ。

 

最近特に好きで聴いてるロックバンド「UNISON SQUARE GARDEN」のライブに。

 

2年半前に自分の大学の学祭でライブをして以来、ハマりつつあるこのバンドのツアーはようやく3回目の参加といったところだけど(実話です)、何も考えずに楽しめるライブは貴重だから期待しかない。

 

好きになってから出た曲もどれも最高で、特に「天国と地獄」はMV見て以来大好きだし(その数ヶ月後にサイレンインザスパイからの3連星でようやくCITSに心掴まれる)、「シュガーソングとビターステップ」はこの1年で何度聴いたかわからない(現在ではだいぶ状況に乖離がある)

 

前ツアーも文句なしに楽しかったのだが、今回はその追加公演的なツアーであり、色んな意味で予想がつかないライブとなりそうだ。

 

ひとつだけわかっているのは、前述の「シュガーソングとビターステップ」のシングルツアー的な立ち位置であること。

 

シュガーソングとビターステップ」の認知度がどんどん上がっていくなかで、ライブに行けない層が出てきたが故の追加公演であるらしい。

 

シングルツアーは初参加が「桜のまえ」だったので、確かに参加した記憶はあるが、初めてだったからか朧げにしか覚えていない。

 

ただ、「シュガーソングとビターステップ」は社会人になって初めて給料で買ったCDなので(これまた実話)思い入れもとても強い。

 

そんなシングルがフューチャーされるとなれば、参加する以外の選択肢は存在しない。

 

まだまだ知らない曲もたくさんあるが(JET CO.とか新世界ノートとか)、それでも楽しいライブを期待して、今日も会場へと向かう。

 

今回はせっかくなので文字にしてみることにした。

 

正直ライブ中に全ての曲は把握できなかったけど、後々ネットなど得た情報を照らし合わせながら、できるだけ記憶を蘇らせつつ書いていこうと思う。

 

この楽しさを少しでもたくさんの人にわかってもらえることを願って(※妄想です)

 

 

 

 

 

 

 

開場後の待ち時間には未だに慣れない。それは僕がライブというものに緊張感を持っていることも大きな理由だと思うが、待ちきれないほど時間が過ぎるのが遅いという要因も多分に含まれている気がする。

 

待ちすぎて逆に疲労してしまう謎の現象に苦笑しながらも、ようやくといった感じで会場の明かりが落ちる。

 

お決まりのSEとともに3人がステージに登場し、そのたびに拍手が巻き起こる。

 

この瞬間は何ものにも代え難い。

 

そして、各々が楽器を携えて、示し合わせるようにお互いが見える位置に体を向ける。

 

斎藤宏介(Gt.&Vo.)のギターを中心としたメロディが音の口火を切り、アンサンブルが会場に音が鳴り響いた。

 

ゆっくりと音を刻みながらも、徐々に高揚していくようなメロディへと変わり、セッションは最高潮を迎える。

 

この時点では、どの曲なのかはわからない。それぐらいに完成度の高いセッションであった。

 

だが、その答えは斎藤の歌声とともにすぐに導かれた。

 

 

 

"シグナル それはシグナル 君が忘れていた桃源郷"

 

1曲目は「シグナルABC」、「シュガーソングとビターステップ」のカップリングであり、このツアーでスポットが当たることを約束された曲であった。(セッションはBsSsツアーを思い出そう!)

 

考えてみればまったく違和感はないのだが、カップリングが1曲目を飾る状況が当たり前でないのは僕でもわかったし、かなり風変わりなことをやっていることだけは理解できた。

 

それでも開幕は文句なしでカッコよかったし、散々音源でカップリングを含めて聴いてきたこともあって、不思議と違和感はなかった。

 

何よりこの曲はライブでやるだけで楽しい!

 

1曲目に来た意味はそれだけで十分だったと思う。

 

"君にだって命はある 思い出したのなら 目を開けて"

 

慣れない社会人生活に苦心していた自分にとってはそのフレーズはあまりにも救いだったし、その存在を認めてもらえたようで何だか嬉しくなってしまった(今はパンデミックサドンデスで毒吐いてるけど)

 

そんな意表をつかれた始まりであったが、その後はさらに揺さぶりをかけられることとなり…?

 

 

 

 

「ようこそっっっ!!!」

 

そんな斎藤の盛大か叫びとともに、ライブが次の曲へと切り替わる。耳に入ってきたのは、聞き覚えのあるはずなんだけど、少しだけ異なる鈴木貴雄(Dr.)のドラム音。

 

予想外の衝撃…さすがにこれには度肝を抜かれた。

 

だって、そうだろう?

 

 

 

"さも当然のように悲しみは今日もやってきて"

 

 

まさかツアー名にもなっている「プログラムcontinued」が2曲目に登場するなんて、きっと誰にも予想できないはずだ(19年ロッキンリスペクト。数年後には常套手段と化します)

 

この曲は前ツアーである「プログラムcontinued」では本編のラストに配置されていた。

 

無論、今回のツアーでも最後の方に来るものだと思っていたし、違うにしてもまさか序盤に出てくるなんて思わない。

 

後でSNSを確認すると、斎藤宏介がニヤッとしたり顔をしていたというから、これはもう確信犯的な企みだったのだろう。

 

UNISON SQUARE GARDENというバンドの底知らなさを垣間見た気がした。

 

この曲はユニゾン結成10周年を祝うアルバム「DUGOUT ACCIDENT」に収録された曲であり、かの代表曲「フルカラープログラム」のアンサーソング的な立ち位置の曲らしい。

 

僕はまだこの曲に隠された意味を読み取れてはいないけど(7年後にはこんな文書いてます)、前ツアーの終わりが壮大で記念のツアーにピッタリだったことは覚えている。

 

ライブで披露されるときの印象が前回とはまるで変わっており、セットリストの奥深さを感じるとともに、これからもっとライブを楽しむことができるような…そんな喜びも感じた。

 

それでも曲そのもの印象はまるで変わらず、前ツアーの記憶をそのままに僕らを楽しませてくれた。

 

"きっと何にも変わらないけど 依然continued"

 

まさにこのツアーの根幹を言い表したかのような予感に包まれ、あっという間に2曲が終わってしまう。

 

瞬間、鈴木が軽快にドラムを鳴らす。

 

3曲目は「箱庭ロック・ショー」、この時点で前回のツアーとまったく毛色が違うことを思い知らされる。

 

意外とライブで登場することが少ないこの曲であるが、前ツアーではアンコールに登場しており、どちらかといえばひっそりと演奏されている印象もあった。

 

今回ももちろん大歓声が起こっていたが、それはどこか驚き混じりで…まるでこんなところで出会うことなんて誰も予期していないようであった。

 

ただ、僕はもちろんみんなも大好きなこの曲、嬉しくない人なんているはずもなく、曲の始まりとともに自由に体を動かすオーディエンスで客席は溢れていた。

 

"全てのストーリーを流線型にしたいくらい"

 

"溢れ出す風景を、ステージ、そこに見たいぐらい"

 

サビのカッコ良さに目を当てられながらも、ライブ映えする楽曲に心も体も高揚する。

 

斎藤の見る者全てを虜にするギターソロも、衝動に身を任せてしまいたくなる後奏も…どれもが観客の熱量をさらに引き上げていった。

 

それ保つように、斎藤が盛大にギターを鳴らして、ステージの3人の熱量の演奏はさらに激しいものとなる。

 

"スタイルは上機嫌だってさ 歪んだ過去は消せないの"

 

そんなお決まりのフレーズで登場したのは、ガリレオのショーケース」田淵智也(Ba.)が激しくステージを駆け抜けた後に鳴らすベース音も心地良く、定番曲の登場に観客の熱量もここまでの最高潮へと跳ね上がっていく。

 

「DUGOUT ACCIDENT」で新録されたこの曲は、今でしか出せないユニゾンらしさを集約した曲のひとつであり、10年以上経っても愛される彼らの楽曲の魅力を体現しているようだった。

 

"ああ 転がり出してきた 反転性の残像 ああ ガリレオのショーケースは空っぽだ"

 

お決まりのフレーズに手を上げて、体を揺らして応える観客たち。

 

これだけで楽しい。今日来て良かったと心から思えた。

 

"毎日 が、そう!"

 

ステージの端にいた斎藤と田淵が駆け抜けるようにマイクに向かい、楽曲の1番の盛り上がり所へと突入する。

 

示した合わせたかのように観客が3人の言葉をなぞっていく。

 

そんな序盤とは思えないエネルギーで目まぐるしくライブは続き、UNISON SQUARE GARDENの凄まじさと楽しさをそのまま表しているようだった。

 

そして、それを損なうことなく後奏に入り、最後はキレの良い音で曲を終える。

 

斎藤の「UNISON SQUARE GARDENです!」の一言でライブの幕開けを締めくくり、ステージが一度暗転する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プログラムcontinued PARTYへようこそ!」

 

そんな斎藤の言葉でステージに再び明かりが灯る。

 

「みなさん体調とか大丈夫ですか?しんどくなったら遠慮せずに休憩してくださいね。今日その場所はあなただけの空間なので、自由に楽しんでいってください!よろしく!!」

 

そんな気遣いと"自由"という言葉に少しだけ喜びを感じて、思わず拍手をしてしまう(今回は10周年前後特有の語る系のMCです。ぶっちゃけこれで好きになったところもある)

 

同じように考えたオーディエンスもたくさんいたようで、拍手は自分が思っていた以上に大きいものになった。

 

拍手が鳴り止んだ瞬間に斎藤がギターを鳴らし、ライブが再開していく。

 

 

 

"その声がする方へ僕は歩き出す 君の待つ場所へ"

 

再開の1曲目は「cody beats」、色んなシングルを出会ってきたが、初期からずっと聴き続けてきた楽曲と出会えるのは喜びもひとしおとなる。

 

"セロファンのテープで貼り直した 歪なボーイミーツガール"

 

ポップな曲、ロックな曲、ユニゾンには色んな曲があるが、こうやってどこか焦燥を駆り立てるような曲は何だか貴重だ。

 

楽しげな「シュガーソングとビターステップ」のシングルツアーのセトリにこの曲が選ばれた意味はどこにあるんだろうか?(答えはジャケ…)

 

"夜が明けないのを 誰かのせいにするやつは もうどっか行ってしまえ"

 

ここまでの激しい雰囲気を整えるような…そんな心身が引き締まる思いを感じながら、焦燥に身を任せた演奏に聞き惚れる。

 

そこから一転、今度は鈴木が軽快にドラムを鳴らす。

 

続いては「誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと」カップリングだったはずがベストアルバムに収録された異色作でもある(ぶっちゃけ当時はロクに聴いてなかった記憶がある)

 

前ツアーで出会ってるとはいえ、まだまだ聞き慣れなさをあったが、確かにメンバー(というか田淵が)がベストアルバムに選ぶのも納得の底抜けな明るさが感じられた。

 

"人間に底はない 牛乳瓶にはあるのに"

 

"愛してるそれだけ それだけで十分です"

 

ニゾンらしい耳心地の良い歌詞にも心が揺さぶられて、おぼろげな期待が芽生えていた。

 

この曲はいずれ大好きな曲になるかもしれない…そんな予感は数年後に当たるのか?外れるのか?どちらなんだろう(ネタバレですが、Or,Orでめちゃくちゃハネます)

 

新鮮さを感じた後は慣れ親しんだものが欲しくなる…そんな人の心理をユニゾンはよくわかっているのだろう。

 

誰もが馴染みのある前奏がステージから響き渡り、客席から何度目かの歓声が上がる。

 

この前奏はみんなが喜ぶやつだ。

 

「23:25」は僕だって大好きだし、みんなだって愛してやまないはずだろう。

 

中盤で差し掛かろうとするあたりで、ここまでで1番の多幸感で会場が包まれる。

 

過去のライブで1度出会ってるらしいが、序盤も序盤で記憶も朧げだったし、その頃は「JET CO.」はあまり聴けていなかったので(白状すると、Porpulus Porpulusばっか聴いてました…)、きちんと向き合ってライブで聞くのは実質今日が初めてだ。

 

この曲で特筆すべきはやはり田淵のベースだろう。

 

ここまでベースのメロディで魅せることができるのか…今まで感じとったことのない新世界を生で感じることで余計に鮮明に際立っていった。

 

"帰ろう 世界へ"

 

そんなコーラスに対して、思い思いの所作で表現するオーディエンスたち。

 

ライブの終盤だと"世界"は現実世界みたいなイメージだろうけど、今はまだ序盤も良いところだ。

 

じゃあ、何に向けて歌っているのか?

 

10周年という記念すべき期間が終わり、いつも通りの状態に戻っていくこと。

 

そう直感的に浮かんだ考えは間違いじゃない気がした。

 

ポップで…だけど鋭いメロディで締めくくり、これまた何度目かの歓声と拍手が巻き起こった。

 

 

間髪入れずにギター音が鳴り渡り、今度は3人による(どことなく桜のまえ感のある)セッションが始まる。

 

ギターが主軸となって鳴らす様は、ロックさを全面を出した曲が披露されることを予感させ、そんな系統の曲を好む僕の心は踊りだす。

 

セッションを終え、聞き慣れた前奏が聞こえてくると…

 

 

 

"よん、まい、めぇぇぇーー!"

 

 

8曲目は「ため息 shooting the MOON」(4の倍数は8!)、段々と高まっていた熱量がここで一気に解き放たれていく。

 

歓声をあげたり、体を派手に動かしたり、思い思いの所作で自分の内から湧き出てくる衝動に身を任せる様が何とも心地良かった。

 

激しい曲調に負けないユニゾンの演奏も圧巻で、まさに原曲そのものを聴いているようで、改めて演奏力の高さを思い知らされた。

 

逆に最後の3人それぞれのソロの場面では、観客同様に思い思いの演奏を奏でており、原曲以上の激しさを見せつけられた。

 

最後は3人が後奏で盛大に余韻を奏で、次の楽曲へと変わっていく。

 

聞こえてきたのは、それまでの激しさをガラッと変えるような爽やかなメロディ。

 

でも、3人は誰も演奏していない。

 

一体どこから聞こえるのだろう?

 

答えは場所よりもメロディで気がついた。

 

どうあろうとこのメロディは忘れられそうにないから。

 

4thアルバムを象徴する楽曲「to the CIDER ROADは登場するだけで僕らの心を満たしてくれる。

 

田淵智也が作り上げた爽やかな前奏を経て、力強いギターやドラムを鳴り響く。

 

"さあ 君は何を何をしよう?"

 

"本当は弱さは強くて 涙こそ道標"

 

"君だけの手 誰も邪魔するな 予感はどこだ"

 

耳にするだけで救われそうな歌詞にグッと心を掴まれながら、炭酸の道で心身洗われるような気持ちになり、日常の薄暗い気持ちが浄化されていくようだった。

 

日常を支える力強い意志を垣間見せる音楽が彼らの真骨頂であり、今だけは自分にとってのヒーローに見えた。

 

そんな思いを知ってか知らずか…?

 

続け様の激しいセッションとともに、ギターが、ベースが、ドラムが…各々のポテンシャルを最大限に発揮するためかのように音を鳴らし上げる。

 

最高潮のステージには、最高潮の楽曲が望ましい。

 

そんなことは誰に言われなくても相場が決まっている。

 

オリオンをなぞるはみんなにとっての最高の楽曲で、僕らにとっての紛うことなきヒーローだ。

 

慣れ親しんだメロディが確かに僕らの心を救い、同時に目新しいセッションがまた違った魅力を再認識させてくれた(セッションは前ツアー準拠)

 

僕にとってもユニゾンを知ったきっかけでもあり、あの頃から1mmも変わらず大切な曲のままだ。

 

それが今日も当たり前のようにカッコよく最高の演奏を奏でていく。

 

これを幸せと言わずに何と言うのであろう。

 

きっとこの景色は何があろうとも変わらずに見続けることができるのだろう(大正解)

 

でも、今日見れる景色はただ一度だけだから(その通り)

 

余すことなく見届けなくてはいけない…そんな気持ちを抱いていた。

 

"ココデオワルハズガナイノニ"

 

まさにこのライブを言い表したような歌詞を放ち、最後は後奏で盛大にとでかい音を鳴らしきり、万感の歓声と拍手に包まれる。

 

「ありがとう!」

 

そんな斎藤の言葉とともにステージは再び暗転した。

 

 

 

 

 

メンバーが水分補給などを済ませると、斎藤の声が耳に入り、ステージの明かりがついてMCの時間となった。

 

MCの内容は、

 

・去年は色んな場所にツアーで行けて、その街のおいしいものを食べれて楽しかった

 

・今年に入ってからはレコーディングばかりしていたので、こうやってライブができるのがめちゃくちゃ楽しい

 

・今回は「プログラムcontinued」の追加公演的なツアーでもあり、前回「DUGOUT ACCIDENT」でやらなかった曲もいくつかある

 

「次はそのなかで久々の曲をやりたいと思います」

 

そういって楽器を構える3人。

 

ステージから聞こえてくるのは、煌びやかメロディ。

 

ミディアムなテンポなかで彩られるメロディが、暖かくも静かに心を高揚させてくれる。

 

「未完成デイジーでしか満たされない幸せがそこにしかないと無意識のうちに実感させられてしまう。

 

前述の学祭のライブでは、セットリストは11曲で構成されており、ほとんどの楽曲はそれ以外の場でも披露されている印象がある。

 

だが、この「未完成デイジーだけは、自分が参加した他のライブでも、ライブ映像でさえも…ここまで見かけることはなかった(ちなみに10年経っても原曲は出会えていない)

 

それがようやく聞くことができたことも感慨深いが、何よりあの頃は読み取れなかったフレーズにグッと心を掴まれていった。

 

"いつか僕も死んじゃうけど それまで君を守るよ"

 

"呼吸のような興奮を誓うよ"

 

決して大袈裟ではないんだけど、確かに思いの溢れたフレーズは、まさに言葉だけでその幸せの魅力を感じさせるような価値があった。

 

バンドサウンド以外のメロディもより楽曲を色鮮やかなものにしていき、未来への期待値に思いを馳せていく様が何とも心地良い。

 

この時間が終わっても、幸せな未来は続いていく…その思いは気づけば確信へと変わっていた。

 

そんな余韻に浸りながら…今度はゆったりとしたベースの音が奏でられる。

 

"飲みかけの紅茶に昨日の悔いを溶かして 僕は今更になってそれを飲み干した"

 

12曲目は「東京シナリオ」、こちらも「シグナルABC」と同じく「シュガーソングとビターステップ」のカップリング曲である。

 

思えば大半のユニゾンの楽曲は友人から借りていたので、ちゃんと自分で買ったのは「シュガーソングとビターステップ」が初めてだった。

 

だからこそ、ライブで聞けることは素直に嬉しいし、それかカップリングであれば、なおのこと貴重な機会なんだと思う(現実でもやってくれ)

 

"不器用で小さすぎる願いを 叶えるように歩いていこう"

 

先ほどの「未完成デイジー」とはまた異なる…じんわりと心に染み入る様もまた心地良い。

 

普段のバラードとは違った印象のベースサウンドメインの演奏も新鮮さを与えてくれた。

 

たかがカップリング、されどカップリング…これだけの満足感を与えてくれるUNISON SQUARE GARDENの底知らなさを改めて感じだ。

 

 

「新曲をやります!」

 

暗転による幕間から斎藤の声が響き渡り、客席も大きな歓声で沸き立った。

 

パンデミックサドンデス!」

 

鈴木の激しいドラムから激しいメロディが会場中を貫き、焦燥に駆られるような目に見えないどよめきに包まれる。

 

この新曲パンデミックサドンデス」は、前ツアー「プログラムcontinued」でも披露されており、海外ドラマの主題歌にも起用されるなど…耳にしたことがある人も多数いる楽曲であった。

 

僕も前ツアーで聞いており、タイトルからして好みであったのだが、残念ながら記憶は朧げであった(この頃はセトリも全然覚えられなかった)

 

そんななかで改めて聞いた新曲…率直に言って、ドンピシャで好みだった。

 

ゴリゴリに尖ったバンドサウンド、耳を引く歌詞たち、2番の冒頭の斎藤の歌い方…そのどれもが自分の心に刺さりまくって、一瞬で高揚感が芽生えていた。

 

"ああ、全部全部意味わかんない"

 

聞き取れた歌詞はそこだけだったけど、どこかに存在する何かに向けた歌詞は、僕の心を確かに少しだけ救ってくれた。

 

いつまでもステージから目を離せなかった。それぐらい強烈な主張を感じる曲であった。

 

後奏の激しい演奏を終え、一瞬の静寂の後に次のステージへと移る。

 

 

 

"悩んでないのに朝は来て 悩んでないのに夜は来る"

 

聞き覚えのある歌詞と斎藤のギターによるメロディが直前の雰囲気を変える。

 

そこから脳裏にあの摩訶不思議なMVが浮かんでくるような電子音のメロディが聴こえてくる。

 

照明はカラフルに様々な色へと変わっていく。

 

途端に田淵がリズム良く体を動かしていく。どよめきに近い歓声に包まれる会場。

 

「MR.アンディ-party style-!」

 

どよめきは大きな歓声に変わり、電子音に手拍子が重なると、それに合わせてオーディエンスは手を叩いていた(赤坂のみなさんにパーティーの時間を…とはさすがに言わない)

 

ドンドンと田淵の動きも激しくなり、気づけばステージの端っこの方まで来ていた。

 

手拍子に合わせた鈴木のゆったりとしたドラム音が何とも心地良い。

 

原曲よりも時間をたっぷり使っている印象だったので、もしかしたらライブオリジナルのアレンジも入っているのかもしれない。

 

そして、メロディが最高潮に達すると…斎藤がマイクに顔を向けて声を発す。

 

"君が残像に"

 

斎藤が煌びやかにギターを鳴らす。

 

"僕が残像に"

 

そこからのアンサンブルは、慣れ親しんだメロディなのにどこか新鮮な…まさにパーティーのような雰囲気を醸し出していた(こっちには"よっ!"もないしね)

 

おそらく斎藤が曲名を言わなければ気づかなかったと思うが、この「MR.アンディ-party style-」は原曲とは異なる部分も多い。

 

1番はやはり電子音を全面に押し出したメロディだろうか…合間に挟まれる手拍子をあいまって、原曲以上のテンポの良さが印象的であった。

 

さすがにユニゾンで客席を煽ったりなんてことはなかったが…自然発生的に生まれたクラップで客席は楽しい雰囲気に満たされた。

 

自分たちが楽しいように楽しむ。

 

これがライブのあり方だろうと…何故だか確信的に脳内でそう思ってしまった。

 

"悩んでないのに朝が来て 悩んでないのに夜が来る"

 

この曲は5分以上あるが、それを感じさせずにあっという間に時間が過ぎた。

 

"君が残像に"

 

手を上げたり、首を振ったり…思い思いの表現をしているオーディエンス。

 

"僕が残像に"

 

最後はこの曲だけの電子音と手拍子…だけで終わらず、盛大に3人のアンサンブルで終わりを告げた。

 

予想外の出来事に興奮気味に拍手や歓声を送る客席…それを尻目にステージは再び暗転していた。

 

 

 

メンバーが水分補給や楽器のチューニングを済ませると、暗がりながらもスタンバイした3人の姿が見えた。

 

タイミングを合わせるように軽快にドラムを鳴らす鈴木。

 

斎藤がテンポよくギターを鳴らすと、いよいよライブは終盤戦に突入する。

 

"アメリカの生活は逞しい 傍若にフレンチをフライする"

 

まず登場したのは「メカトル時空探検隊」、最新アルバムからの登場になるが、当然まだ僕はしっかり聴ききれていなかったので、何の曲かよくわからないままに体感していた(ちゃんとCITSを聴いていなかった余罪がこの頃はポロポロとありますね)

 

ただ、それでも楽しげな様子は伝わってきて、気づけばノリノリで体を動かしていた。

 

"全人類に愛とチョコレート!"

 

そういった瞬間に手が上がる観客を見ながら、僕も思わず笑みを浮かべてしまう。

 

うん、何だか底抜けに楽しいぞ。

 

"タイムマシンでふらっと行く 君の街までふらっと行く ポンコツでも 無様でも 操縦ができれば OK OK"

 

歌詞の意味は一聴じゃわからないけど、とにかくこの空間を楽しんだ人間が勝てるんだ…そんな謎の確信だけは得ることができた。

 

"どうしようか?どうしようか?相談しよう"

 

最後も軽快なHEY!で終わり、上々の滑り出しを見せる終盤戦。

 

「オンドラムスタカオスズキ!!」

 

斎藤のコールとともに、激しくドラムを鳴らす鈴木(ドラムソロは前ツアー準拠)

 

その佇まいはいつも惚れ惚れするし、演奏力の高さも再認識させられる。

 

個人的にはドラムだけの演奏にあまり魅力を感じてはいなかったのだが、鈴木の鳴らす音は見る者を飽きさせないような複雑な演奏が耳を引くし、ドラムの魅力を最大限に発揮しているように思えた。

 

盛大にドラムを鳴らし終えた鈴木に終わらない拍手が鳴り響く。

 

それを掻き消すようにドラムを鳴らすと、今度は3人のセッションが始まる。

 

前ツアーではかっこよさを全面に押し出した演奏だったような気がするが、今回はどうも楽しさが勝っているような気がする。

 

ギターの音も鋭さよりも柔らかさを感じる。

 

そんな軽快なメロディが進むと、少しずつ聞き覚えのある音に変わっていく。

 

そして、斎藤が余韻たっぷりにギターを鳴らすと、鈴木のドラムからライブだけのアレンジで楽曲が始まり、それを味わうように耳を傾ける観客たち。

 

だが、次の瞬間にそれは怒号のような歓声に変わる。

 

シュガーソングとビターステップ!」

 

今回のもうひとつの主役である最新シングルシュガーソングとビターステップがこのツアーだけのセッションとアレンジを携えて登場した(アレンジはプロconツアーと共通だけども)

 

さすがにユニゾン史上最大のヒットしたこの曲…歓声は他の曲の比ではなかった。

 

この曲をどれだけの人が待ち望んでいたのかを改めて再確認した。

 

"ママレード&シュガーソング ピーナッツ&ビターステップ 甘くて苦くて 目がまわりそうです"

 

とはいえ、そこはUNISON SQUARE GARDEN…他の曲とまったく温度感を変えずに演奏しきっていた。

 

"南南西を目指して パーティーを続けよう 世界中を驚かせてしまう夜になる"

 

"I feel 上々 連鎖になってリフレクト"

 

多分今ツアー「プログラムcontinued PARTY」のタイトルはこの曲が由来なんだろうと思う。

 

奇しくも近い時期に発売した曲たちの意味を重ねたときに、それが繋がるのも何とも運命的ではあるのだが、何よりすごいのは絶妙な温度感で繋がりを実現させるユニゾンだろう。

 

このタイトルだけでグッと10周年イヤーのピースたちが近づいた気がした(熱い自画自賛すいません)

 

再び観客が思い思いに体を動かし、そんなのお構いなしでロックバンドが音を鳴らす。

 

僕らがいつも望んでいる光景。

 

まさにシングルツアーの主役としての文句なしの働きをしてくれたと思う。

 

最後はこの「プログラムcontinued」ツアーだけのオリジナルアレンジの後奏で締め、ステージは大歓声に包まれる。

 

だが、それでもまだまだライブは終わらず、鈴木の力強いドラムで熱量を保ったままにライブは最高潮へと近づいていく。

 

"Beat or listen or feel quartet. Catch or think or sing,quartet. What I tell you is just "that is it,as you like.""

 

「kid,I like quartet」が終盤に登場して喜ぶ人はいないであろうか?いや、いないはずがない唐突な反語)

 

みんなが大好きなこのナンバーでツアーは未曾有の盛り上がりを見せていく。

 

ニゾンらしいポップらしさを残しつつもどこか軽快さも見せるこの曲は、「シュガーソングとビターステップ」の後という大役をこなし、違和感なくセトリに組み込むことを実現させたようにも思う(イチオシポイントです)

 

"オブラートに包んだら 食べられておしまい"

 

"何だかむず痒いな"

 

そのなかでも僕らの心に刺さっていくような歌詞も良い感じのアクセントとなり、様々な側面から揺さぶりをかけられているようだった。

 

ラスサビ前の早口の大立ち回りも、その後の"Can you see?"の盛大な叫びも、どれも終盤にふさわしい盛り上がりを見せていた。

 

そのパワーは留まることを知らない。

 

"3.4.5.6.7.8!!"

 

"東の空から夜な夜なドライブ チクタクチク 揺れる揺れる 東の空から夜な夜なドライブ チクタクチク 揺れる揺れる ハァー!"

 

ここで「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」…記念アルバム「DUGOUT ACCIDENT」のリード曲的存在が登場するのは、何に変えてもアツすぎる。

 

思えば2013年ごろからライブ限定での披露が続き、「Catcher In The Spy」にも収録されずにかなり長い期間を隠れた名曲として過ごしてきた。

 

筆者もツアーに一緒にいた友人から「ライブ限定の曲があるらしい…!」と聞いていたが、いざ出会ってみると、あまりの衝撃にうまく言語化ができなかった(これも実話。マジで最初聞いたときはわけわからん!と本気で思ってました)

 

それが数年の時を経て、音源化された後にしっかりと聴き込むと、まったく違った印象を抱くから不思議なものである。

 

"ワタシドコ ココハダレ ダアレ? 狙い済まして記憶喪失"

 

"ワタシドコ ココハダレ ダアレ? 君の名前を思い出せない"

 

何度聴いてもまったく意味のわからない歌詞で、ここまでオーディエンスを盛り上げることができるのは…もはや一種の才能であろう(褒めてます)

 

ほとんどの観客が周りなど顧みずひたすら曲にノっている様は圧巻なんだけど、どこか快感で…自分がこの場にいるのが何だか誇らしくなった。

 

間奏でもバチバチに3人が鋭い音を鳴らし、さらに音の世界へとオーディエンスを引き込んでいく。

 

ステージも客席も境界線がなくなるぐらいに…同じ熱量を共有していた。


"東の空から夜な夜なドライブ"


今度は田淵と鈴木が叫び始める。


"東の空から夜な夜なドライブ"


それに呼応するように観客もヒートアップしていく。


"東の空から夜な夜なドライブ"


斎藤がまったく違う高さの声で曲を彩っていく。


"東の空から夜な夜なドライブ"

 

今日何度目かの最高潮が始まる。

 

"Yeah Yeah Yeah Yeah Yeah Yeahーーーー!!!"

 

そこからはもう語る必要もないだろう。

 

ぶつかり合った熱量がより大きな力を生み出し、今日という日のライブを最高の思い出にしてくれた。

 

ありがとう。そのときはただその言葉しか出てこなかった。

 

"夜な夜なドライブ 夜な夜な!"

 

腕を力強く振り上げながら、曲の終わりを見届ける。

 

「最高でした!ラスト!!」

 

鈴木がドラムを鳴らすと、今度こそ正真正銘の聞き覚えのあるメロディが現れた。

 

このライブのラストを飾るのは「フルカラープログラム」…さっきまでの熱量が一変して喜びの歓声が湧き起こる。 

 

「DUGOUT ACCIDENT」に収録されながらも、残念ながら「プログラムcontinued」ツアーでは出番がなく、寂しい思いをしたファンも多くいたはずだ。僕もその1人だ。

 

初めて行ったフェスでユニゾンのライブを聞き、その1曲目が「フルカラープログラム」であり、ライブがあまりにも楽しそうに思えたのがハマりこむキッカケであったと思う。

 

だからこそ、個人的な思い入れもひとしおだ。

 

武道館での記念ライブ「fun time 724」では披露されたらしいが、生憎そのライブに参加することはできず、次聞けるのは何年後か…そう悲しい思いを抱いていた(ちなみにリアルではお初から5年ほどかかりました)

 

そんな曲をライブのトリで聞くことができるなんて…控えめに言ってもこれは幸せなんだろう。


"涙キラキラ 西の空に光る モノクロでは説明できないキャッチボールを"

 

"どうせなら この際なら 虹を作ってみよう そしたら誰も文句なんか つけらんないから"

 

もはやユニゾンの代名詞と言っても差し支えないこの曲…サビを聞くだけで生き抜く勇気が湧いてくるのは、この音楽を愛する者だけの特権だ。

 

照明煌めくステージに未来の姿を重ねながら、少しだけ明日を迎える力を貰える。

 

そうなれば、少なくともこの瞬間は無敵だ。

 

思う存分楽しんでしまおう。

 

大団円を迎えるための軽快なギターソロに体を揺らし、いよいよ最後の時は目前だ。

 

"花畑 上の空 白昼夢の存在を 解き明かすまでは眠れません"

 

瞬間、違う空気を察する。

 

 

"そーーーうーーーだぁぁぁーーー!"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"涙 キラキラ 西の空に光る"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"モノクロでは説明できない"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

""

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何とマイクを背けた斎藤のアカペラを挟み、大サビへと突入した。

 

もはや芸術と言っても過言ではないドラマチックな演出に…思わず泣き出してしまうファンもいた。

 

後に調べたところ、武道館でもまったく同じ演出が取られていたそうだが、参加できなかった僕にとっては思わぬ僥倖であった(現実は(in the)HOUSEで成就しました)

 

どこまでもドラマチックなこのツアー…数年後に思い出しそうなぐらいに鮮烈な記憶として残る気がした(熱い自画自賛すまん)

 

"言えなかったバイバイを 優しさでそっと包んで"

 

"ふざけろ! 「いつか終わる 悲しみは」 どうか忘れないでよ"

 

いつまで胸に刻まれ続ける大切な言葉で曲を締め、最後は壮大なセッションでライブの幕を閉じる(ちょっとだけ(in the)HOUSEリスペクトな感じで)

 

「またね!!」

 

そんな斎藤の言葉ととに、万感が拍手が客席から送られ、3人が順番に退場していく。

 

濃密な19曲によるライブ本編はこれで終了となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンコールを望む拍手が鳴り止まず、その思いが通じたかのようにステージに再び明かりが灯る。

 

その瞬間拍手のテンポが速くなり、ステージに登場する3人を迎え入れるかのようになる。

 

斎藤がお決まりのスタイルからツアーTシャツに着替えていることが本編との違いを表しており、アンコールが少し力の抜けたものであることを実感する。

 

拍手が鳴り止まぬままに楽器を携える3人。

 

本編とは異なるゆったりとしたギター音でアンコールの幕が開く。

 

バラード調ながらも印象に残るメロディを噛み締めるように聞きながら(当時はアルペジオなんて名前知らないし)少なくとも自分の脳内のデータベースに引っかかる曲はなかった。

 

"12時 時計塔の下 新しいワンピースで"

 

"軽やかに それは軽やかに 走り出す"

 

 

 

"わかんないのは クローバーに込められた願い"

 

"夢ならば 思い通りになるのにな"

 

 

後で調べてわかったが、アンコール1曲目は「クローバー」、ユニゾンのバラードのなかでも特に知名度の高い1曲である。

 

個人的にバラード自体は好んで聴くことが少なく、この曲もどこか聴き覚えがありつつも、タイトルに思い至ることはなかった。

 

それでも、改めて原曲を聞き返すと、確かにあのライブの世界観を思い出すことができた(妄想ダケドネ…)

 

どうしてこんなに素晴らしい曲を知らなかったんだろう…そう後悔するぐらいには(現実はMMMツアーまで出会わないし気づかない)

 

"君がここにいないことで あなたがここにいないことで まわってしまう地球なら 別にいらないんだけどな"

 

"そっと抜け出したパーティーも 大好きだったあの映画も 未来のパズルへ続いてる"

 

 

"「また、会おう」って言った フローリア"

 

サビの冒頭のフレーズに直接的な表現は何も使われていないが、とれほどの思いが込められているのかは…一聴するだけで感じることができてしまう。

 

クローバーに込められた思いは何なのか…数回聴いただけではわかりようがないはずだが、それでも幸せの象徴のような植物に確かな希望を垣間見る。

 

"「また、会おう」って言ったんだ"

 

"「好きだよ」って言った フローリア"

 

じんわりと心に広がっていくようなフレーズで締められ、余韻を感じるように静かな拍手に包まれる。

 

「アンコールありがとうございます」

 

そう穏やかに告げる斎藤。ここからはMCの時間となる。

 

アンコールのMCは、

 

・今日も楽しいライブだった

 

・新アルバムもカッコいい曲がたくさんある

 

・2016年もたくさんライブをするつもり

 

・さっそく7月からアルバムツアーをやる予定なので、めっちゃ楽しみ

 

「次はそのアルバムから新曲をやろうと思います!」

 

そう言った瞬間に何度目かの歓声が湧き起こる。

 

会場中に流れるピアノの伴奏…どこか「harmonized finale」を彷彿とさせるような前奏であったが、切なさ以上に楽しいポップな印象を前面に押し出すようなメロディだった。

 

6thアルバムである「Dr.Izzy」に収録される1曲ということであるが、「シュガーソングとビターステップ」や「パンデミックサドンデス」ともまた毛色の違うような煌びやかなサウンドがどこまでも心地よい。

 

 

"イライラも後悔もまるごとミックスジュース"

 

パンデミックサドンデス」と同様に唯一聞き取れた歌詞であるが、このフレーズだけでも少し前に進める勇気を貰えたような気がする。

 

ラスサビ前で斎藤の歌声にメンバーの声が重なるのも何とも心地が良い。

 

誰か女性の歌声もコーラスで入っていた気がしたけど…一体誰の声だったんだろう?

 

※追記

 

ツアー終了1ヶ月後にMVが投稿された「mixjuiceのいうとおり」が「Dr.Izzy」のリードトラックとして収録されることが発表された。

 

 

どうやらこの曲がアンコールで披露された曲らしい。

 

何とSEである「絵の具」を歌うイズミカワソラがピアノ&コーラスとして参加するとのこと。

 

道理で聞き馴染みがあるわけだ。

 

改めてMVを視聴したが、やはりピアノのピュアなメロディとロックバンドの前向きさが合わさって、誰かが勝手に背中を押されていくような…そんな救いのある楽曲に仕上がっているように思った。

 

ライブを思い出しても、ひとつひとつのフレーズが確かに突き刺さり、また何度でも聞き返したいような気持ちに駆られた。

 

こんな楽曲がいくつも収録される「Dr.Izzy」は名盤となるだろう…そんな確信を迷うことなく断言することができる(6枚目企画もよろしくお願いしますという唐突な宣伝)

 

最後はギターとピアノが主張するアンサンブルで新曲は終わりを迎えた。

 

「ラスト!」

 

"1.2.3.4ォォォーーーー!!!!!"

 

雄叫びのような鈴木のカウントから正真正銘の終幕が始まる。

 

途端にステージ上を全力で駆け抜ける田淵。

 

斎藤は激しくギターを鳴らし続けている。

 

その馴染みある前奏に歓声が鳴り止まず、各々が思い思いの表現で体を動かす。

 

会場中が半端ではない熱気に包まれていた。

 

"ワ、ワ、ワ、1、2、3!!!!"

 

アンコールラストは「場違いハミングバード、誰もが待ち望んで、誰もが喜ぶ最高のライブナンバーである。

 

3rdアルバム「Porpulus Porpulus」に収録されているファンにも人気の楽曲であるが、その真骨頂はやはりライブで発揮されると思う。

 

僕にとってもここまで全てのライブで出会っている唯一のナンバーであり(ホントは桜のあともなんだけど)、一聴するだけで心が躍る大好きな曲だ。

 

"ああ 僕はまたつまらないことで 君を泣かせたりしてるの 最後の5センチが 思ったように埋まらない"

 

思わずサビを手を上げて、周りに迷惑がかからない範囲で飛び跳ねてしまう。

 

ライブの大トリの体力とは思えないほどに体は自然と揺れていた。

 

それは他の観客も同様で会場の熱気は気づけば多幸感へと変わっていた。

 

斎藤のギターソロも一段と激しいものとなっており、今日のライブがどれほど楽しんでいたことが伺い知れた。

 

"場違いなハミングバードでも 帰れるお家があるから 迷わず行くよ 君のところまで"

 

"今日のところはこれぐらい 外しちゃおうかな"

 

斎藤の世界一カッコいい舌打ちが決まり、最後は盛大なキメを放つ。

 

UNISON SQUARE GARDENでした、バイバイ!!」

 

そう斎藤が言うと、最高の演奏に答えるように轟音のような拍手が会場中から起こる。

 

その様子に満足そうな表情を浮かべて去っていく3人。

 

拍手は客席の照明が点灯するまで続いた。

 

ライブが終わってからも、余韻は消えることなく、いつまでも多幸感が残り続けた。

 

それぐらいに最高のライブだった。

 

どんなに良いライブを経験しても、それ以上もしくはまったく別の角度からハードルを越えてくるのがUNISON SQUARE GARDENの凄まじいところだ。

 

7月からはさっそくアルバムツアーがはじまる。

 

おっと、その前に新しいアルバムの「Dr.Izzy」も聴かなくては。

 

今年もロックバンドに、ライブに、たくさん幸せをもらえそうな1年になりそうだ。

 

うん、楽しい年になってくれる気しかしないね。

 

プログラムcontinued PARTY セットリスト

 

1.シグナルABC

2.プログラムcontinued

3.箱庭ロック・ショー

4.ガリレオのショーケース


5.cody beats

6.誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと

7.23:25

8.ため息 shooting the MOON

9.to the CIDER ROAD

10.オリオンをなぞる


11.未完成デイジー

12.東京シナリオ

13.パンデミックサドンデス

14.MR.アンディ-party style-


15.メカトル時空探検隊

16.ドラムソロ〜セッション〜シュガーソングとビターステップ

17.kid,I like quartet

18.徹頭徹尾夜な夜なドライブ

19.フルカラープログラム


EN1.クローバー

EN2.mixjuiceのいうとおり

EN3.場違いハミングバード

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上が今回のセットリスト解説になります。

 

色々とポイントはありますが、主な説明はライブレポにそれとなく入れることができたと思いますので、ぜひ読み解いていただけると嬉しいです。

 

意外と考案者が思い至らないような要素も生まれていたりするので、ぜひまっさらな状態で読み解くというのもしていただくのも良いと思います。

 

久しぶりに人様の企画に参加しましたが、やっぱりこうやってみんなで何かを作っていくのは楽しいですね。

 

また僕もやりたくなってきてしまった。

 

こんな楽しい企画を立案していただいたハグルマルマさんに改めて感謝を述べながら、今回の記事は終わらせていただこうと思います。

 

それでは…

 

バイバイ!!

MODE MOOD MODE SENTENCE

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UNISON SQUARE GARDEN

 

7th ALBUM 「MODE MOOD MODE」

 

5th ANNIVERSARY EVENT

 

letter writing fiesta

 

「MODE MOOD MODE SENTENCE」

 

Now On View!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5年後もどうせ君が好き

 

文字書きの祝祭「MODE MOOD MODE SENTENCE」は今日で終わりを迎える。

 

UNISON SQUARE GARDEN史上最高傑作名高い作品と向き合い続けた12日間で、何を見ることができたのだろうか。

 

"わからずやには見えない魔法を、何度でも"

 

5年という年月を経て、僕らは魔法を紡ぐことができたのか、そして解きほぐすことができたのか。

 

確証はないが、信じられることはある。

 

それはどれほど長い時間が経っても、作品への愛は1mmも変わらないということ。

 

楽曲と向き合い、アルバムをあらゆる視点から掘り下げたこの企画を終えて、その気持ちを再認識できた。

 

きっと同じぐらいの年月を重ねても変わらない。

 

そんな揺るぎない思いをこの企画からは感じ取ることができた。

 

それだけでも十二分に意義があるのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

その文才に用がある

 

参加者の皆さま、13日間…ひいては企画発足時からこれまでありがとうございました。

 

そして、改めて執筆お疲れ様でした。

 

「MODE MOOD MODE」という作品を掘り下げというのは並大抵のことではなかったと思います。

 

それを今日まで企画として成り立たせることができたのは、間違いなく参加者の皆さんの文才とご尽力あってこそでした。

 

皆さまのおかげで、1人では絶対に見ることができない最高の景色を見ることができました。

 

本当にありがとうございました。

 

またいつかのどこかで一緒に創作できる機会があることを勝手に願っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君の常識に出番はない

 

ここから読み進める方は初めまして。

 

この記事はUNISON SQUARE GARDENの7thアルバム「MODE MOOD MODE」に収録された曲たちについて執筆した12の記事が揃っています。

 

テーマもバラバラ、順番もアルバム通りではありません。

 

ただ、どの記事も秀逸で読み応えは間違いなく抜群です。

 

もしかするとこれまで考えつかなかった新しい解釈と出会える可能性も…。

 

あなたを今まで支え続けた常識には少しだけ引っ込んでもらって。

 

新鮮な気持ちで読んでみて欲しい。

 

忘れ去れそうにない景色をお約束します。

 

以下は記事一覧です。衝撃に備えて、ゆっくりとお読みください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

POST LIST

 

 

1.名作映画『MODE MOOD MODE』の転機(a bridge between scenes/コリ

 

 

 

 

2.彼はいつも挨拶に成り得るか/オレンジ

 

 

 

 

 

 

3.※この物語は幻です/はすのめ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.安寧を夢見て眠ろう/栗花落

 

 

 

 

 

 

5.直球、王道、ストレート/にゃ

 

 

 

 

 

 

6.トリックスターは語らない/さだくに

 

 

 

 

 

 

7.その瞳に惚れてみて、最大限の愛を魔法にして/夕奈

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.ファイア、カメラ、アクション!/てるるrrr

 

 

 

 

 

9.愛すべき駄作映画となり得るか/きだともみ

 

 

 

 

 

 

10.さあ、ワルツの続きを話そう。/Mosuky

 

 

 

 

 

 

11.ゴリラ・ピクルス・己/樒

 

 

 

 

 

 

12.交響曲第Ⅶ番第Ⅲ楽章/ナツ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして万事は気分の仕業。

 

12の記事で遊び尽くした先に見えるのはどんな景色か。

 

それがどんなものでも構わないし、正解だって間違いもない。

 

つまりは楽しんだもの勝ちだってこと。

 

 

 

 

ざまみろ、これが僕らの文字

 

 

 

今宵でこれにて一旦のお開き。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ!

 

 

 

 

 

1.彼はいつも挨拶に成り得るか/オレンジ

 

 

 

 

 

 

2.トリックスターは語らない/さだくに

 

 

 

 

 

 

3.交響曲第Ⅶ番第Ⅲ楽章/ナツ

 

 

 

 

 

 

4.ファイア、カメラ、アクション!/てるるrrr

 

 

 

 

 

 

5.安寧を夢見て眠ろう/栗花落

 

 

 

 

 

 

6.※この物語は幻です/はすのめ

 

 

 

 

 

 

7.ゴリラ・ピクルス・己/樒

 

 

 

 

 

 

8.愛すべき駄作映画となり得るか/きだともみ

 

 

 

 

 

 

9.直球、王道、ストレート/にゃ

 

 

 

 

 

 

10.名作映画『MODE MOOD MODE』の転機(a bridge between scenes/コリ

 

 

 

 

 

 

11.さあ、ワルツの続きを話そう。/Mosuky

 

 

 

 

 

 

12.その瞳に惚れてみて、最大限の愛を魔法にして/夕奈

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SEE YOU NEXT SENTENCE!!

交響曲第Ⅶ番第Ⅲ楽章〜オーケストラを観にいこう〜【MODE MOOD MODE SENTENCE】

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企画はいよいよ終幕へ。最後までお付き合いのほどをよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別にこんな意味が隠されてるとかじゃなくて、こういう情景が見えただけ。

 

もし幻覚だと思うなら、冗談ってことでどうか許して欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハァ…ハァ…!ハァ…ハァ…!

 

季節は夏、太陽が照りつける灼熱の気候のなかで、"僕"は脇目を振ることもなく走り続けている。

 

(時間は…何とか間に合うかな?)

 

体中の酸素はすっかり奪われてしまった。それでも焦る心を抑えながら思考をして、何とか導き出した結論に少し安堵する。

 

せっかくの日曜日なのにすでに体はクタクタ…暑さのせいでじんわりと浮かんでいた汗はいつの間にか滴っていた。

 

ただでさえ急いでいるというのに、やけに信号に引っかかってしまうし、そうなると足を止めざるを得ない。おかけでその度に汗の量が増えていく。

 

こんなに汗をかいてしまうなら、立ち止まってでも拭えば良かった。

 

(余裕を持って着いておくつもりだったはずが…心の準備をしすぎて、肝心の身支度に手間取るなんて、情けなさすぎる!)

 

今日はせっかくの日曜日だが、予報では30℃を超えるらしく、猛暑日熱中症に注意!と心配そうな顔でテレビのお天気キャスターが警鐘を鳴らしていた。

 

その予報に違わず、ジリジリと太陽が照りつける外はまさに灼熱の暑さで、走るだけでイタズラに体力を消耗してしまう。

 

でも、そんなことお構いなしに心は逸って、一刻も早く目的地に向かうことを最優先にして動いてしまう。どんなに疲れても、それを上回る何かに突き動かされているようだった。

 

ペットボトルで水を買っておいて良かった。

 

そうだ、間に合えばタオルと汗拭きシートでこの汗もごまかせるかな?

 

髪の毛はワックスで固めてきたし、風もほぼないので、大きく崩れることはなさそうだ。

 

服はもう色々と諦めて、普段から着ているバンTにしてしまったけど、"僕"の好きなロックバンドのグッズはオシャレで主張しないデザインなのが幸いした。

 

曲がり角を越えると、集合場所まであと数m…よかった、何とか余裕を持って着けそうだ。人影はまだない。

 

"君"は遅れたことを詫びるのかな?そんなの笑い飛ばすくらいの冗談を言いたいけれど、残念ながら練習なしでうまくいく気はしない。

 

身支度を済ませ、そんな思考が頭を巡るなかで、曲がり角から見覚えのある足音が。

 

その瞬間に心臓の早鐘がリズムを刻む、少しだけ上がった息がビートのように放たれる…そして、脳内で駆け巡る様々な思いがまるで管楽器みたいに彩っていく。

 

言葉にすれば、それが歌詞になるのかな。そんな柄にもないことを考えてしまうぐらいに心は高揚感に包まれていた。

 

そう、例えるなら、これはオーケストラ。

 

様々な感情や思いが入り乱れて、"僕"にしか聴こえない演奏が奏でられている。ずっと前から。

 

どうやって"君"に届ければいいのか…まだわからないけど、どうにかして伝わるようにはしたい。

 

その一瞬を奏でるためにどれだけの犠牲が必要なんだろう。

 

今はどれだけ考えても結論は出そうにない。

 

だから、せめて一緒に、

 

 

 

 

 

"オーケストラを観にいこう"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始まりは季節が変わり、寒さも一段と厳しくなった頃だろうか。

 

友人同士でスリーピースバンドを組んでる僕は、コピーしているロックバンドの新曲に悪戦苦闘しており、頭を冷やすために外で一息ついていた。

 

表題曲も良いんだけど、カップリングも前奏からめちゃくちゃカッコ良い。しかも、雪がテーマの曲なので、この時期にやらないのはもったいない気がする。

 

とはいえ、いつも思うけど、この人たちの曲はめちゃくちゃ難しい。

 

あと数年もしたら、一気に有名になっちゃう気はするなぁ…そのときも今ある曲はやってるのかな?

 

何となく直感だけど、このカップリングは10年経っても人気な気がする。人気投票とかあれば、ファンからもダントツで人気になりそう。

 

そんなことを考えながら、ウォークマンで曲を聴いていると、近くの自販機の前にいる人の姿が見えた。ジッと様子を伺うと、何かに手間取っていた。

 

手には缶コーヒーを持っているのが見え、どうやら蓋がうまく開けれないみたいだ。

 

最初は不要な手助けになるのを嫌って、ただ眺めているだけだったが、いつまで経っても開けることは叶わないようだった。

 

このままでは缶コーヒーが冷めてしまう(真冬に冷たいを買う可能性は否定できないが)ので、思わず声をかけてしまう。

 

最初は遠慮がちであったが、せっかくのコーヒーが冷めてしまうことを告げると、少しばかり申し訳なさそうな表情をしながら、缶を差し出してくれた。

 

カチッと良い音がして、プルタブを開けると、それをそのまま相手に渡す。

 

"ありがとうございます!"

 

そんな言葉とともにとびきりの笑顔が返ってくる。

 

お節介じゃなかったことに安堵しながらも、その言葉に少しだけ嬉しくなってしまう。

 

別にお礼を求めているわけではないけど、ストレートに感謝を述べられると悪い気はしない。人の役に立てたのは純粋に気持ちが良いし。

 

何となくだが、言葉づかいから先輩じゃない気はした。おそらく同級生か後輩だろう。

 

お礼を言われて気を良くしたのか、開けれないのに買ったことが気になっていたからなのか…積極的でない自分にしては珍しく話を振った。

 

"コーヒー、好きなの?"

 

その言葉に首を振り、自販機を指差しながら、理由を説明してくれた。

 

どうやらこの寒さで温かいペットボトルが全部売り切れてしまったらしい。

 

そして、しょうがなく缶コーヒーを買ったものの、慣れない缶のカタチに悪戦苦闘してしまったそうだ。

 

確かに缶コーヒーは普通の缶よりもサイズが小さい。見てみると、手もあまり大きくはないようだし、そういうこともあるだろうと何となく納得してしまった。

 

色々と腑に落ちたので、手を止めてしまったことを詫びると、練習を再開するために屋内へと戻る。

 

"おかげで助かりました。ありがとうございます!"

 

振り向きざまに言われた最後の言葉に軽くお辞儀をしながら、その声が頭の中に残り続けた。

 

缶コーヒーに対して諦めず頑張る姿とその真っ直ぐな声がどこか重なったのか…場を去ってからもその記憶が消えることはなかった。

 

 

 

それが"君"との出会い。

 

 

 

それから1週間が経ち、先週と同じように自販機近くで休憩をしていると、見覚えのある人影が。

 

自販機の前で立ち往生している"君"に気づくのに、そこまで時間はかからなかった。

 

どうやらまた何かに悩んでいるらしい。友だちも連れておらず、この寒さで人もほとんどいないので、ただ立ち尽くしている"君"がそこにいるだけ。

 

2回目はさすがにうっとおしいか…?

 

きっと誰も気にしないはずの物事を否定的に捉えるのは"僕"の悪い癖なんだけど、結局好奇心が勝ってしまうので、この思案は意味を成さないことが多い。

 

そう結論づけた頃に、再び"君"に声をかける。

 

"僕"の顔を見たときの安堵したような申し訳なさそうな…その色んな感情が入り混じった表情は忘れられそうにない。

 

"どうしたの?"

 

事情を聞いてみると、ゆっくりと説明してくれた。

 

どうやら前回の出来事がキッカケで缶コーヒーが好きになり、今日も飲みたくなったらしい。

 

けれど、自分で開けることはできないし、買うか買わないのか…ずっと迷っていたとのこと。

 

開ける練習もできるが、部活柄(音楽系とかかな?)…手を怪我するのは望ましくないそう。

 

聞いてしまえば何てことない話なのだが、自分の気持ちと正直に向き合える人は嫌いじゃないし、多少の手助けをしたくなった。

 

自分で良ければ開けることを告げると、"僕"がそう言うことをどこか予測していたように申し訳なさそうな顔をしながら、丁寧にお礼を言う。

 

たったそれだけのやり取り。

 

そんな少しの行動力で繋がった縁のはずなのに、気づけば大きなものになった。

 

"僕"の世界に"君"が現れて、世界はすっかり変わってしまった。

 

まるでコーヒーの味がミルクやシロップでガラッと変わってしまうみたいに。

 

今までたくさんの話をしてきたし、開けてきた缶コーヒーはもはや数えきれないほどに増えた。

 

印象に残っているのは好きな番組の話で、まさかお笑い番組が好きだっていうのは意外だった。

 

さすがにディープなお笑い芸人の名前が出てきたときは焦ったけど、勧められて見たらめちゃくちゃ笑ったので、センスは本物なんだなって驚いた。

 

何だかんだと週一ぐらいは顔を合わせていたので、髪を切ったのも自然とわかってしまう。

 

まあこっちからは言わないし、何なら自己申告してくれるときもあるので、きっとそれは伝わってないだろうけど。

 

でも、まだ一つわかっていないことはある。

 

それをいつか確かめなくちゃいけない。

 

缶コーヒーを開けたときみたいに簡単に行動できれば良いんだけど、それで済むような話であれば、きっと初めからこんなに悩むこともない。

 

僕の気持ちはずっと前からわかっている。

 

声に出せないぐらいにひっそりと芽生え続けているものだけど。

 

ただ、これだけはっきり言える。

 

"君"を目の前にした鼓動の早鐘はまぎれもない事実であるということ。

 

不意にテンションの上がった"君"の顔が近づくたび、それを否応なしに気づかされてしまう。

 

季節が過ぎれば、こうやって"君"とも会えなくなるかもしれない。

 

"今回も少々だけ"

 

少しずつ積み重ねたものが溢れて消えてしまう前に、この思いを何とかカタチにしなくちゃいけない。

 

それがどんな結果になるとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目的地に向かうなかで、何気なく"君"から差し出されたガム。

 

爽やかな果物の香りが緊張を少しだけ和らげてくれたけど、その瞬間に少しだけ違う甘い匂いがした。

 

どうやら緊張で気づかなかったみたいだけど、いつも目にする"君"とは少し違うみたいだ。

 

普段話すのが外だからわからないのか、相当余裕がないからなのか…その発見は"僕"を少しだけ特別な気持ちにさせた。

 

瞬間、背後にはびこる薄暗い気持ち。

 

"あのとき偶然出会っただけの大したことのない関係じゃないか"

 

"踏み込んだ瞬間に拒絶されたらどうするんだ"

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、ここまで来て何て意味のない想像をしてしまうのだろう。

 

まだ"僕"は立ち向かう度胸がないのか。

 

だけど、正直怖い。

 

そんな気持ちを抱えながら、不意に横顔を見つめると、何故だか心が落ち着いた。

 

その一瞬が"僕"を現実に引き戻す。

 

ああ、そうだった。別に何か特別な関係になりたくて、"君"といたいんじゃなかった。

 

心も体も安らぐような穏やかな旋律。これが鳴る限りは嫌なことも悲しいことも気にならなくなるんだ。

 

そんな風景は"僕"にとって息を吸って生きるぐらいに当たり前になっていた。

 

そして、息を吐くぐらいに必要なものとなっていた。

 

きっとこの景色にもいつか終わりが来る。だから、そんな幸せを未完成のままにしておけない。

 

背後に迫る黒い気持ちには無理矢理にでも答えを導いて、思考の対象を脳内ではなく現実の"君"へと切り替える。

 

緊張で頭が真っ白になりながら、声をかけたあの日がいつの間にか思い出される。

 

こうして会えるだけで幸せだと思ってたけど、どうもそうではなかったらしい。

 

揺れ動く心のなかで巡る言葉は、どれも好き勝手なことばかり言ってるし、まるで纏まりのない合唱コンクールの練習みたいだ。

 

きっと指揮棒を振っているのは"僕"なんだけど、正しい旋律を読み取ることは簡単じゃなくて、今にも立ち止まってしまいそうだ。

 

でも、現実は待ったをかけてくれないし、これが物語ならとっくに次の章に移る頃合いだ。

 

ほら、今もどこに向かえばいいのかわからない。

 

わからなくても時間は少しずつ進んでいく。

 

もうすぐ目的地に着いてしまう。

 

止まらないし、むしろ段々と強くなっていく。

 

"僕"の"君"に向けた気持ち。

 

わかりやすい言葉で届けられたら、これほど苦労はしないんだろう。

 

それぐらいの自信はあるし、誰だろうと負けないぐらいの気持ちがあることは断言できる。

 

だけど、でも、それでも

 

 

"君"にどうしたら受け取ってもらえるのか?

 

 

どれだけ考えてもその答えだけが出そうにない。

 

 

楽しいという感情だけはどこまでも積み重なっていくのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"君"が隣にいるだけで、気持ちがどんどん膨らんでいって、"僕"の心は高鳴っていく。

 

まるでオーケストラみたいなんだけど、"僕"にはその知識はまるでない。

 

だから、好きなもので例えてみることにした。

 

これがロックバンドのライブだとすれば、セットリスト的にはいつになるんだろうか。

 

まだまだ序盤?バラードタイムの中盤?それともクライマックスの終盤?

 

"僕"だけの話じゃないから、どれだけ考えても結論が出ないんだろうけど。

 

ただ、自分の大好きな音楽はどんなときでも楽しいのは確かで、つまり好きなことはいつでも楽しめるってこと。

 

やっぱりこの気持ちに嘘だけは存在しようがないから。

 

人懐っこく近づく"君"は

 

"僕の気持ちに気づいてるの?"

 

いつの間にか距離は縮まって、気づけばもう10センチ。

 

"君"の穏やかな笑顔をこんな間近で見れる人間は世界にどれだけいるのだろう。

 

自分が特別な気がして、踏み込みたくなるけど、全部が消えてしまいそうで怖い。

 

"今回も少々だけ"

 

この言葉が今日は全然違う意味に聴こえてしまう。

 

"ありがとう"

 

"バイバイ"

 

夜が揺れている帰り道で、"君"のそんな言葉と表情を思い返す。

 

もし明日"君"がいなくなったとしても、きっと世界は何も変わらない。

 

だけど僕にとっては存在が揺らぐほどの出来事だし、きっとそんな地球に住み続けたいとは思わない。

 

大袈裟だけど、揺るぎない"僕"の気持ちだ。

 

だったら、この思いも"君"も消えてしまうのは多分耐えられそうにない。

 

今までも一瞬の出来事の連続だったし、それらが繋がってここまで来た。

 

だから、これからも紡いでいこう。

 

それがいつか素晴らしい結果になると信じて。

 

そうして、僕はまた歌を口ずさむ。

 

脳内に絶え間なく流れるメロディに歌詞をつけて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

季節は巡り、春が来て、新しいページをめくる僕らは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜

 

 

不意に伸ばした手が視界に入る。

 

携帯からなるアラームにハッと目を覚ました。

 

どうやら夢を見ていたらしい。やけにハッキリとして現実的だったが。

 

それにしてもやけに爽やかな内容だったな…けっこう曖昧な部分もあったけど。間違ってもあんな青春は送っていないはず。

 

そもそも学生時代は軽音部じゃなかったし、身近にあんな存在はいなかった。しかも学生時代は7.8年も前の話だぞ…色々と思い残しでもあるのか?

 

どうしてこんなストーリーじみた夢を見たのかはわからないけど、何となく予想はつく。

 

昨日見たライブが最高すぎて、特にお気に入りだった曲を帰ってからもずっと聴いていたからだろう。

 

いやーやっぱりロックバンドのライブはカッコいい。

 

特に今回のアルバムはめちゃめちゃ良い。

 

もしかしたら、バンド史上最高の傑作になるのかもしれない。

 

アルバムだけでも最高なのに、またライブでセットリストが変わると、大化けするんだよな…。

 

また行きたいなぁ。今からチケット取れるだろうか。

 

ちょっとサイトを調べてみよう。

 

おっと、そうこうしてるうちに出発する時間になってしまった。

 

続きは帰ってからにしよう。

 

とりあえず通勤中は昨日好きになった曲を聴いてみようかな。

 

えーっと、確か携帯で聴けたはずだよな。

 

 

あったあった。あ、イヤホン探さないと。

 

しかし、暑い…もうすっかり夏って感じだ。

 

日曜日は30℃を超えるらしいし、暑さ対策は必須かな。

 

…大事な約束もあるし、ちゃんと準備は怠らないようにしなくては

 

とりあえず待ち合わせ場所には早めに行くようにしよう。あんな始まり方見ると心配になってくる。

 

あの夢の結末ってどうなったんだろう?うまくいったのかな?

 

夢とはいえ、せっかくならハッピーエンドの方がいい。

 

うん、きっとそうだろう。

 

………だとしたら、正夢になるといいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わからずやには見えない魔法は、いつでもどこにでもあなたのもとへ。

 

ロックバンドの力を信じていれば、きっと見えるはず。

 

そうやって、魔法を解きほぐす。

 

「MODE MOOD MODE SENTENCE」はいよいよ終幕を迎えます。

 

 

 

 

最後までどうぞよろしくお願いします。