セトリ予想の記事、たくさんの方に読んでいただきありがたい限りです。
田淵氏の考えるセットリストは緻密で遊び心に溢れており、考え始めると楽しくなるもので。
たまたまかもしれませんが、ときおり的中したりすると、彼の考え方に触れられたようで嬉しくなるのです。
今回もその一端に入り込むことができていれば幸いに思います。
さて、今回は趣向を変えまして、UNISON SQUARE GARDENの曲についての記事です。
Twitterでちょっと前まで考察じみたことをやっていたのですが、さすがに140字で語れる言葉にも限界があり。
ブログに舞台を移して、改めて書かせていただければと思います。
第1回目は「フルカラープログラム 」、インディーズ時代のミニアルバム「流星前夜」に収録されている曲ですね。
ユニゾンの代名詞といわれるこの曲、メジャーデビューシングル「センチメンタルピリオド」と双璧をなし、ここぞというときに披露される印象があります。
歌詞のメッセージ性やポップスロックなメロディは、UNISON SQUARE GARDENというバンドの魅力が余すことなく含まれた曲になっている。多分これが好きかどうかで、ユニゾンにハマれるかどうかが決まってしまうぐらいに。
どうして1曲目にこれを選んだかといえば、理由は単純明快で。
初めてライブで聞いた曲だから。
2013年のイナズマロックフェス…人生初参加のフェスで、彼らに出会いました。
当時知っている曲といえば、YouTubeで見た「センチメンタルピリオド」「マスターボリューム」「オリオンをなぞる」ぐらいで、正直何も知らずに参加したライブでした。
タイバニは好きだったし、自分の通う大学の学祭に来てくれるから見とくか〜程度のノリで、期待値もほどほどって感じ。
登場SE「絵の具」もまったくピンとこないし、田淵や貴雄にいたっては「誰?」状態。
今考えるともったいないことをしてしまったなと少々の後悔もあったり。
そんな何とも微妙なファーストコンタクトでしたが、そのライブでの1曲目がフェスでは珍しい披露となる「フルカラープログラム 」だった。
ユニゾンが第1回イナズマロックフェスのO.Aを務め、その際の1曲目が同曲だったことが理由ではないかというのが通説です。(俺調べ)
まあそんなレアな体験をしているものの、もちろん当時は1mmも貴重さを理解していませんでした。
だけど、普段アーティストの初ライブを見たときの抵抗感が皆無で、とても自然にユニゾンのパフォーマンスを受け入れることができたのはよく覚えている。
ひたすらに自分たちがカッコ良いと思う音楽を鳴らし、それを必要以上に押しつけすぎない。
何ともいえない居心地の良さがあったのを良く覚えている。
ここではめちゃくちゃ楽しい!とまではいかなくても、スッと心の中に彼らが入り込んできた感じであった。
そこからすぐに学祭ライブへの参加を決め、友達からそこまで出ていたアルバム(CIDER ROADまで)を全部借りて、ひたすらに聴き込んでいた。
ちなみにその学祭ライブで本格的にハマることになるのだが、ここまで爆発的のめり込むようになったのは、間違いなく1度フェスで出会えたからだと思う。
知っている安心感があったからこそ、自然に自分の気持ちに委ねることができたんだろうね。
そんな初ライブでの1曲目が「フルカラープログラム 」だった。
思い返すと、とても特別な出来事であったと感じている。
後述の歌詞でも触れる予定だが、"完全無欠のロックンロール"にハマりこんでしまうことは、このときから決まっていたのかもしれない。
大層に前置きが長くなってしまったが、自分語りができるのがブログの醍醐味であると思うので、こういうのはガンガン入れていこうと思う。読んで。
お待たせしました、いよいよ本題に触れていこうと思います。
前述の通りこの曲は、ミニアルバム「流星前夜」に収録されており、長らくインディーズでの発売に留められていた。
何なら当時は廃盤であり、音源を求めることができるのは、レンタルショップか古本屋…なんてこともザラであった。
メジャーデビュー後における収録は、10周年記念のアルバム「DOGOUT ACCIDENT」を待つことになるのだが、それまでもライブにおいては大事な場面を担うことが多かった。
それは大切な曲を誰でも気安く触れられるところに置かない田淵のお約束なやり方でもあるが、それだけUNISON SQUARE GARDENというバンドを象徴するような曲だったのだろう。
"モノクロでは説明できない変幻自在のキャッチボールを"
"ちょっとだけ世界と仲良くなったあなたは"
特筆すべきは一聴では判別できない言葉選び。
どこか世界と隔たりを感じるんだけれども、切っても切れない繋がりを感じさせる世界観は、たくさんじゃないどこかの誰かに届けるために伝える曲。
もしくはそう生きる自分を表現する曲でもあるのか。
手元にこの曲について語った資料はないので、あくまで想像ではあるのだが、作詞家である田淵の人生観が多分に含まれている曲だと思う。
個人的に気になる歌詞は、
"夕暮れ 記憶だって スイッチ一つ 輝いてしまえば 全部特筆すべき存在"
である。他にも目を引く歌詞はたくさんあるのだが、この言葉に「人生は自分のためのもの」というメッセージが含まれているように思えてならない。
"夕暮れの記憶"も捉え方次第で良くも悪くもなる。自分でスイッチを押して輝かせてしまえば、それは人生において貴重な経験になる。
「自分のために音楽を鳴らす」彼らの、信念であり、バンドとしての自立を表した歌詞でもあると考えてしまう。
それを経験した先に、"モノクロでは説明できない 完全無欠のロックンロール"が待ってるのだ。
個人的に虹=完全無欠のロックンロールだと思っているので、もしかすると一生辿り着けないのかもしれないが、誰にも文句を言わせない"虹"を目指して音楽を鳴らし続けているではないだろうか。
これはあくまで僕の解釈であり、きっと正解はない。
けれども、そういった捉え方でこの歌を聴くことで、少なくとも自分は何度も救われた。
UNISON SQUARE GARDENの曲を聴くたびに、僕の中では、勝手にイメージカラーを思い浮かべてしまう。
当然この曲をイメージするなら、虹の七色🌈を思い浮かべるのが自然かもしれない。
しかし、どうしても僕にはそう思えなかった。
前述の虹=完全無欠のロックンロールとなれば、虹はUNISON SQUARE GARDENの3人と考えてしまうのだ。
だとすれば、この曲は虹を映す空…爽やかな青色をイメージする。
偶然ながら、「流星前夜」も「DUGOUT ACCIDENT」もジャケットは青色だ。
そんな出来事も重なって、青色がふさわしいと思っている。
セトリに入るだけで、爽やかなイメージを連想してしまうぐらいに。
"音"という名の空に、虹の様な煌めきを持つ3人が映し出される姿は、何とも心にグッとくるものがある。
「センチメンタルピリオド」はライブの"締め"として、披露されることが多いが、「フルカラープログラム 」は"幕開け"が多い印象だ。
収録されている2アルバムとも2曲目に位置してることも理由であると思うが、映像化してるライブでは、軒並み序盤で披露されている。
文字通り挨拶代わりの立ち位置、自分の記憶も相まって、これからもバンドを引っ張る存在でいて欲しいと願ってしまう。
15周年記念ライブ「プログラム15th 」では、タイトル通りに重要な役割を担うかと思えば、まさかのこの曲は披露されなかった。
それがどういう意味を持つのかは、今は誰にもわからない。
だが、20周年に向けての壮大な伏線が含まれてるのではないのかと期待をしてしまう。
その考察は来たるべきときまで胸にしまいながら。
今はとりあえずこのフルカラーが、16年目以降も続いていくことを願う。
"ふざけろ! 「いつか終わる 悲しみは」"
今はライブもないから、生きる意味を見失ってしまいそうだけど。
この言葉を忘れなければ、何とか明日も生きていける気がする。
偉そうに言える立場じゃないけれど、みなさんもどうか生きていきましょう。
辛いときは、イヤホン越しに彼らが励ましてくれるはずなので。