私事なんですが、本日9月13日は誕生日になります。
29歳となりまして、いよいよ20代もラストイヤーですよ。年々時間の経過が早くなって怖いです。いや、マジで。
30代になると世界が変わるなんて話も聞きますが、どこまでが本当なんでしょう。
とはいえ、UNISON SQUARE GARDENというめちゃくちゃにカッコ良い3人がいるので、実はそこまで心配はしていなかったり。
良い年の取り方をしている見本が人生にいるのは良いことですね。
せっかくの誕生日、まあ身近に祝ってくれる人もいないので(悲しい)、いっそ自分で祝ってしまおうという今回の記事。
ケーキを作って、蝋燭やメッセージを立てて、火を吹く作業までを全て自分でやるというある意味最高に効率的なことをしてしまおうという趣旨です。自分が欲しいものは自身が1番わかってる的な。
決めたからには全力で祝います、自分を。
言ってて少々悲しくなってきましたが、そこらへんの感情は基本無視して、さっそく本題に入っていこうと思います。
今回取り上げるのは「Catcher In The Spy」、UNISON SQUARE GARDENの5thアルバムです。
理由は至極簡単で、ユニゾンで1番好きなアルバムだから。
ですが、実はUNISON SQUARE GARDENを好きになってから唯一発売日に買わなかったアルバムでもあるんですよね。
このアルバムか発売されたのは2014年8月26日…当時の僕は大学4年生、将来の進路を決める一大イベントの真っ最中でした。
僕はいわゆる就活というものをしなかった人間でして。
代わりに1発勝負の採用試験に卒業後の進路の全てを懸けていました。
当時は遊びやバイトも控えて、ひたすらに試験対策をしていて…大学と家を往復する毎日でした。
とてもじゃないけど音楽を聴いている余裕なんてない。人生で1番趣味に目を向けることのできない期間でしたね。
そして、その試験日が8月27日、とてもじゃないけどユニゾンの新譜を気にするタイミングはありません。
何とかYouTubeで「天国と地獄」のMVを見て、「やだ…新しい髪型の斎藤さんかっこよすぎじゃない?」なんて思ったりしてましたが、アルバムの存在に気づきながらもそれっきりでした。
まあそれを1年後に大きく後悔することになるんですけど。
試験が無事に終わっても、次は実習、さらには卒研なんかも控えている。卒業まではまあ慌ただしい日々で。
この2014年はロックバンドに対して強制的に興味を閉された1年でしたね。
それが解き放たれたのは、それから少し経った2015年の春のこと。
何とか試験に受かり、就職してから初めてもらった給料を手にして買った「シュガーソングとビターステップ」がきっかけでした。
UNISON SQUARE GARDENとしての聴き馴染みはありながらも、どこか新鮮さも感じるメロディ…忘れかけていた音楽への情熱が少しずつ蘇ってきました。
そこでようやく手に取ったのが、今回の主役でもある「Catcher In The Spy」。その瞬間僕はあの勉強漬けの毎日だった1年間を非常に後悔することになります。
このアルバムは"ロックバンド"としての、UNISON SQUARE GARDENにフォーカスした作品であり、J-POPとしての音楽性を強調した前作「CIDER ROAD」とある意味で対象を成す立ち位置にいます。
それゆえにとにかくに音楽としての尖り具合が半端ではなく、余計なものを極力削ぎ落としたUNISON SQUARE GARDENのカッコ良さが凝縮されたアルバムです。
もちろん全てがゴリゴリロックな曲ばかりではなく、キャッチーな曲も収録されていますが。
あくまでロック感を強調するような立ち位置におり、全体としては"ロック"なユニゾンの顔を見ることができる作品となっています。
UNISON SQUARE GARDENで好きな曲はなんですか?と聞かれれば、1にマスターボリューム、2にパンデミックサドンデスと答えるのが私なんですが。
このアルバムももちろん大好きでして。勝手にユニゾンの曲ランキングを作れば、70位以内に全曲が間違いなくランクインする自信はありまして。
そうなるとLIVE(in the)HOUSEのセトリはCITSの曲ばかりになってしまう…そんなことを容易に考えるぐらいに好きなアルバムです。
今回はそんな珠玉の12曲を1曲ずつ取り上げていき、自分なりの魅力を余すことなく伝えていこうと思います。
正直このアルバムはユニゾンとしての人気は決して高い方ではありませんが、好きな人には半端なく響いてくるので、その熱量を十二分に表現している素敵な記事もたくさんありますが。
そんなブログに最大限の敬意を払いながら、自分なりの思いを紡がせていただきます。
1.サイレンインザスパイ
幼児の笑い声から始まるアルバムの幕開け。
字面だけ見るとどういうこっちゃ感がすごいですが、これがまたアルバムのエッセンスになっているのが恐ろしいところ。
無邪気な「きゃっちゃーいんざすぱい!」のコールに対して、?マークが浮かんでる僕らの頭に響いてくるのは、激烈にカッコ良いメロディ。
これだけでご飯3杯いけるわ…。
文字通り耳をつんざくように流れるメロディ。「Catcher In The Spy」というアルバムの方向性を1発で示してくれてるのが気持ち良すぎるんですよ。
そこからの「ごまい、めぇぇぇぇ!!」と我らが斎藤宏介のシャウトが今度は響く。
前作「CIDER ROAD」の「ため息 Shooting the MOON」の「よん、まい、めぇぇぇぇぇ!!!」はまだちょっとぼやかしてカッコ良い感じも残っていましたが。
ここらへんからもう隠す気がなくなってきたようにも思えます。いいぞ、もっとやれ。
このアルバムのために作られた特別な曲感、嫌いになれないなんだよなぁ。
カッコ良いメロディに誤魔化されがちですが、まあ歌詞も変な感じで。
"ああ、青春が止まらない"とか"拙者もフリークでござる"とか、マジで一聴じゃ判別つかないんですよね。
"ぬるま湯浸かって 風邪っぴきですとか 笑えないので"なんて、ユニゾンを象徴するような歌詞もチラホラ見受けられますが、全体的にはまあ意味もよくわからないやつばかりで。
けれども、耳心地は最高で。
ロックンロールなメロディとの相乗効果で1曲目から多幸感満載の気持ちにさせてくれるんですよね。
「ヘイ!ララララララ〜♪」がくるおしいほど好きですね、はい。
前述の通り、この曲の発売当時はロクに音楽を聴いていなかったので…当然アルバムツアーにも行けていませんでした。マジでもったいないことした。
この曲も長らくライブで出会えていなかったのですが、それが実現したのが2019年の「ACCIDENT CODE "R"」。
1曲目のセッションから飛び出したのが、斎藤さんのクール「ごまい、めぇ!」…死ぬほどテンション上がったなぁ。
5年越しの思いが実現したこのライブも「Catcher In The Spy」的にはまだまだ事件がありますので、それは後々の曲解説で紹介します。
1曲目から僕らの心をぶち上げてくれるこのアルバム、ワクワク感からユニゾンのなかでも随一だと思っているのですが、そんな余韻に浸る間もなく繰り出されるのは…
2.シューゲイザースピーカー
僕らの心は滅多斬りやぁ…(謎の関西弁)
1曲目の「サイレンインザスパイ」だけでも、僕らのロックンロール魂を燃え上がらせてくれるというのに、それだけで満足しないこのロックバンド…控えめに言っても最高だな!
「サイレンインザスパイ」は隠し持った小刀にグサグサに刺された印象なんですが、「シューゲイザースピーカー」は鋭く磨がれた日本刀で一刀両断にされたような感覚で。
開幕の前奏だけでご飯5杯はおかわりできてしまうぐらいの満足感ですね!(ただいま8杯目)
もうこの無駄なものを削ぎに削ぎ落としたメロディが大好物なので。一生聴き続けられます。
僕にとって、ユニゾンの曲は普段言えない気持ちを代弁してくれるような存在でもあって。
"頭の中鳴っているはずなのに 未完成バラ色ソナタ"(マスターボリューム)
"勉強仕事よりももっと 分かり合うのが難しい"(パンデミックサドンデス)
このちょっとばかり後ろ向きな歌詞に何度も人生で救われてきました。
「シューゲイザースピーカー」もその一つで。
"どんなヒットソングでも 救えない命があること いい加減気づいてよ ねぇ だから音楽は今日も息をするのだろう"
昔からみんなが大好きな曲なんて、「マツケンサンバⅡ」か「粉雪」ぐらいしか聴いてこなかったので、世間とのズレは感じまくりの人生でした。
ポケビよりブラビが好きだし、宇多田ヒカルよりも倉木麻衣に魅力を感じてしまう…決して少数派ではないんだけど、どうしてもちょっと影が感じる方に惹かれてしまう音楽の嗜好でした。
正直紅白歌合戦に出てるロックバンドは同郷のWANIMA以外は選出理由がイマイチ理解できないし、ロックンロールに枠組むなら他にいくらでもカッコ良いバンドがいるだろうと思ってしまうぐらいに多数派とはきっと相性が悪いはず。
周りにそういう音楽が好きな友人もいなかったので、多感な10代の頃は自分がおかしいのかもな…なんて若干中2感も醸し出しながら自嘲気味だったりもしたんですが。
そんなモヤモヤを消し去ってくれたのがこの歌詞でした。
心ない言葉に悩みながらも、最後まで自分の道を曲げなかった田淵さんだからこそ書ける歌詞。
僕みたいにみんなが好きな曲にハマらないやつに対しても、音楽を楽しむ権利はある。
そう思えるだけでだいぶと救われたんだよなぁ。
誰しものために息をしている音楽に触れることで、僕自身も存在価値を見出してもらえたような。そんな不思議な感覚に捉われました。
ライブでも定番曲を除けば特に披露されている曲でもあり、何でもありのシングルツアーで特に力を発揮してる印象です。
個人的なベストシーンは「One roll,One romance」における登場場面ですね。
序盤で流れをぶった切る前奏にめちゃくちゃに心奪われました。
アルバムでも切り込み隊長的な役割を担っているので、終盤よりも序盤で光る曲の印象があります。
ここまででも充分すぎるぐらいの攻めを見せているアルバムですが、我らがロックバンドがここで終わるはずもなく…
3.桜のあと(all quartets lead to the?)
はい、優勝〜!お前がNo.1だ。
ここまでの流れ、ユニゾンのアルバム史上最も綺麗な構成だと思ってるんですが、みなさんはいかがですか?
切れ味鋭いロックサウンド2連弾からの急遽ポップな方面に転換する。しかもそれがまったく違和感なし。
1曲目から高まっていた多幸感がピークを迎え、まさにスター取ったかのように無敵モードに突入する。
今この瞬間だけは世界一カッコ良いロックバンドと言っても過言ではない。それぐらいの魅力を兼ね備えた構成になっていると思います。
もうこれでご飯10杯いけちゃうよ…(18杯目)
特筆すべきはこの「桜のあと」という曲の性質です。
個人的にはロックとポップの塩梅が絶妙な曲だと思っているんですが、イメージとしてはポップの方に傾きやすい曲です。
"今 目の前の君が明日を生きれるぐらいには"という言葉が表すように、明るく目の前の僕らを救ってくれるような…優しいロックといった印象があります。
そんな曲がこのロックを極めたアルバムに違和感なく収録されている。
まさに"事件なら とっくに起きている"ですよ。
例えるなら"暗くても輝いている 都会に咲く夜桜のような"…黒い背景をバックにピンクの花びらが絶妙なコントラストを演出しているようなイメージです。
まだまだこれ以外にも触れるべき曲はありますが、「Catcher In The Spy」の最も素晴らしい点はそんな煌びやかな音楽たちがロックを彩っている点ではないでしょうか。
ただ、ロックバンドはカッコ良いと声高に謳っているだけではダサすぎる。
アルバムとしての完成度を高めるために、あえて逆の性質の音楽を取り入れ、作品の深みを出していく。
田淵がよく使用する方法ではありますが、それがこのアルバムは顕著に出ている気がしています。
曲としては、僕がユニゾンを好きになった当時の新曲だったりするので。個人的な思い入れも少々強め。
ライブでもしょっちゅう出会っているので、もうユニゾンを構成する切っても切れない要素のひとつになっていますね。
あとMVがひたすら楽しいです。カラオケで見ると歌うのが楽しくなるんだよな。ぜひフルで見て欲しいところ。
そうそう、例えとして夜桜を出しましたが、この曲はアニメ「夜桜四重奏」の主題歌でもありまして。
2番のサビにある"じゃじゃじゃーん 足りない!キック リズムを打て! ベース&ギター おまけに僕が歌えば四重奏"という歌詞は、タイアップ史上1番イカした歌詞だと確信しております。
「夜桜四重奏」は"町"が舞台の作品で、同じく"街"がピックアップされがちなUNISON SQUARE GARDENとの親和性がめちゃくちゃ高いので、ぜひ見て欲しいという宣伝。
他にも「kid,I like quartet」、「ノンフィクションコンパス」、「シャンデリア・ワルツ」も主題歌に採用されています。ユニゾンファンなら1度は見てみることをオススメします。
怒涛の構成が終わり、次曲からはまた違った展開を魅せてくれるのが、「Catcher In The Spy」。
ロックバンドはまだまだ止まらない。
4.蒙昧termination
歪んだギター音から幕を開ける始まりは、どこか初期のユニゾンを彷彿とさせるような。
テンポは比較的ゆっくりですが、メロディの質は他の収録曲にも負けない鋭さを内包している曲でもあります。
一体このバンドの引き出しはどれぐらいあるんでしょうか。
"ロックバンド"というお題のなかで、華麗にいくつもの正解を叩き出す姿は、真摯に音を鳴らし続けた彼らだからこそできる技であるような。
セールスとか、オーディエンスとか、本来音楽とは縁がないようなことに振り回されるアーティストには出せない魅力がこれなんだよな。
自分が求めているものを、聴き手が求めているものに昇華させることは誰でもできることじゃないよね。
そんな音楽性についてもピックアップされているのがこの曲の特徴でもあります。
俺らは好き勝手にしているから、そちらもお好きにどうぞ。
彼らなりの哲学が反映された聴き手との距離感。
ロックバンド的に言えば自由、けれども音楽を生業とする人間からすれば一見無責任にも聞こえるような考え方。
でも、逆説的に言えばその距離感でも楽しませされるという自信の表れでもあると思います。
手を引くことはないけれど、こっちは楽しいけどどうする?みたいな共犯関係にしてやろうという企みは透けて見えるような印象がありますね。
まあふざけてるように見えたら、田淵に文句を言いましょう。それできっと万事解決するはず。
"あのね歌詞書いたのは僕じゃないんで 田淵に言っといて"なんて歌詞を、田淵本人は一体どんな気持ちで書いたんでしょうか。
…多分斎藤さんに言って欲しかっただけだな。斎藤さん関連だと急に判定ガバガバになるんだからー。
まあ気持ちはわかるけど。
この曲といえば、まさかのトリビュートアルバムの収録曲に選ばれたのも記憶に新しいですよね。
他の曲が軒並み人気曲なこともあって、少々異端な存在だったような気もします。
カバーしたのはSKY-HI、斎藤さんと田淵の後輩でもある彼が歌う「蒙昧termination」もめちゃくちゃカッコ良かったです。
"変化球も続けりゃスタンダード"なんて、昔からユニゾンを知ってる彼にしか歌えない言葉だと思います。
アコギで流れるメロディも大変に素敵です。
CITSの曲は比較的ライブでも出会える頻度は多いんですが、この曲は数少ないまだ聞けていない曲でもあって。
昨年のトリビュートも2日目は行けていないので、なかなか縁がないのも残念なところ。
ツアーとしてもアルバムツアー以来セットリスト入りしていないので、披露されることが望まれている曲でもありますね。
LIVE(on the)SEAT、ちょっとだけ期待してるのはここだけの話。
5.君が大人になってしまう前に
この曲に対して、実は並々ならぬ思いがあるのです。
唐突に重めの言葉を選んでしまいましたが、僕の趣味はUNISON SQUARE GARDENを追い続けることなんですが、それゆえに他の曲に対する愛はあくまで個人の範疇の話です。
では、この曲は何が違うかと言われれば、自分にとって仕事に対する指針のような存在であるということ。
あまり隠すつもりもないんですけど、このネット社会で自分の職業を表に出すのも憚られるので、詳細は伏せますがこの曲に大変リンクする職業に就いています。
ここらへんでわかった人もいると思いますが、まあわからなくても全人類共感して欲しい話なので、さして問題はないです。
"君"がもれなく子どもかどうかの確証はありませんが、きっと自分より幼い存在に向けての曲だということは容易に想像できます。
自分が守ったり、導いたりしなくちゃいけない人たちに対して、色んな感情が生まれていくと思います。
けれども、それって本人のエゴになりがちなことも多くて、ただ相手のためを思って行動しても意味がなかったりもする。
だからこそ、"「想いと言葉で伝えていかなきゃダメ」"なんだろうけど、難しいんですよね。
自分が当たり前にできることを伝えるのって、想像以上にできないものだから。
大切なのは、何をさせたいかじゃなくて、どんなことをしたいかを選んでもらえるか。やるのは僕らじゃなくて、相手だから。
申し訳ないけど、世の大人はそれすらできない人が多すぎる。
それじゃ子どもやそれに準ずる存在がかわいそうですよね。
こんな風に見守れる大人になりたい。
現職を始めたときに芽生えた思いをそのまま表現してくれたのがこの曲でもあって。
"時々怒って強い言葉を吐いても はてな浮かぶ 何か違うんだよ"
悩んで悩んでもがいた新人時代に少しだけ救ってもらったのがこのフレーズで
"痛みを背負って くじけそうになったら 大丈夫、大丈夫の魔法をかけてあげよう"
自分の理想像が詰まっているのがこのフレーズです。
残念ながらこういう大人がいるべき環境のなかで、自分と理想とする人と出会えたことが皆無だったので。
間違いなくこの曲が迷い続ける僕を導いてくれる存在だったように思えます。
こんな風に信じて、見守ってあげれる社会になれば、もっと良い世界になると思うんだけどな。
人間っていうのはかくも難しい生き物ですね。
実はあと5か月ちょっとで、この曲と同じシチュエーションになるんですが。
心から笑って送りたい。しっかり背中を押していけるように頑張っていきたいですね。
ちなみにこの曲もまったくライブで聞けてない…というかCITSでダントツに披露機会が少ない曲でもあるので。
どこかの節目で聞けることを願っております。
フォロワーさんが言ってた、20周年のライブで披露する説、ひそかに推しております。
6.メカトル時空探検隊
CITS史上最も気の抜けた曲…というか、お前だけ収録アルバム間違えてるだろ!っていうぐらいの毛色が違う曲調になっております。
1stアルバム収録の「デイライ協奏楽団」を彷彿させるタイトルになっており、全体的に楽しげな雰囲気が印象的です。
個人的な思い出を言わせてもらえば、2018年の「MODE MOOD MODE」ツアーで「デイライ協奏楽団」が登場したとき、この曲と勘違いして盛大にはしゃいだ記憶があります。
あとで超恥ずかしかったですね…。
ライブで聞いても、なかなかの楽しさを醸し出す曲でもあり、素晴らしかったのがOr,Orのツアーでの登場です。
「ノンフィクションコンパス」→「メカトル時空探検隊」→「パンデミックサドンデス」という曲調の違う3曲の流れは控えめに言っても楽しすぎたし、後半戦の幕開けとしては未だに文句なしの1番かもしれません。
"全人類に愛とチョコレート!"
現状一回きりの体験ですが、めちゃくちゃに最高でした。
曲で登場する"タイムマシン"は色んな説が考えられそうですが、僕の考えとしては、時間経過が一瞬に感じられるようなライブを見せるよっていう彼らの表明だと思っています。
始まったばかりだと思ったら、もう終わりを迎えているような…そんな時間を忘れるようなライブができる自信の表れだと捉えています。
"ポンコツでも 無様でも 操縦ができればオッケー オッケー"というのが、見映えを気にしないユニゾンらしいですね。
7.流れ星を撃ち落せ
ここからはまた本来のロックなスタイルに戻っていきます。
個人的な表現としては、流れ星よりも雷の方がしっくり来るんですが…そんな突き刺さるような前奏が印象的な曲でもあります。
ユニゾンはアルバム全体を軸として捉えていることも多いから、こうやって曲の繋がりを考えた前奏で魅せていくスタイルも多いんですよね。
曲の骨子としては、価値観を人に認めさせることへのバカらしさ、そして自分の好きなことを叫ぶことは何も間違っていないという彼らが言いたい言葉が流れ星のように放たれているイメージです。
多分彼らがやりたいからやってるんだろうけど、こうやってできうる距離感で聴き手を気にかけてくれる…こういう扱いにファンは弱いんだよなぁ。
波風立てずに生きたい人には余計な一言かもしれないけど、好きなことを周りに気にせず愛したい人からすれば間違いなく金言です。
言葉は"文字だけのメッセージの100歩上"、まさにその通りで、流れ星のように浮かぶ言葉に励まされる人はけっこう多いはず。
"好き勝手やる君はマジでヤバイ"なんて言ってるけど、間違いなく褒めてるよね。素直じゃないんだからー。
この曲も意外とライブでは披露されることが少ない印象があります。
特にツアーではロクに披露されていなかったり。
フェスや対バンではけっこう登場してるイメージあるんだけどね。
個人的には1曲目に聞きたい曲でかなり上位に躍り出ているので、シングルツアーなんかで登場することを願っております。
CITSの曲はどれもライブでもれなく観客を魅了してしまうので、使いどころが難しいからしょうがないんですかね。
このアルバムはメロディをロックに振っているからか、歌詞でけっこう遊んでいる印象も強いので。
斎藤さんのボーカリストとしての力量を感じる曲も多いです。
斎藤さんのヤバイ!でご飯3杯は固いですね。(21杯目)
だからこそ、早くライブで聞いてみたい…。
8.何かが変わりそう
アルバム曲としては、個人的にとても好きな曲でもあるんですが。
ロックだったり、変わった曲が多いなかで、唯一キャッチーなメロディを併せ持つのが「何かが変わりそう」です。
とはいえ、このアルバムに収録されている以上、ロックにもウェイトを置いているので。
超カッコ良いギターソロが堪能できる曲でもあるんですよね。
耳を凝らしてみると、歪んだギター音を聴くことができるのがなかなかに心地よいです。
"何かが変わりそうな夜だ"なんて、とても前向きな幕開けで始まる曲ではあるんですが、実はアルバムで1.2を争う暗い曲でもあったり。
"1人が好きだけど 孤独が寂しくなっちゃって"や"その一瞬を奏でるのに どれだけの犠牲がいるんだ"など…ユニゾンにしては珍しい後ろ向きな歌詞も多いのが特徴でもあるかと。
そんな風に苦しんで苦しんだ前半部分から一転しての、不意に響く優しい声…誰かはわからないけど、救われた瞬間ではあるんでしょうね。
もしかすると、彼らが闇期から脱却したときをイメージしたのかもしれませんね。
答えは神ならぬ田淵のみぞ知る…でしょうが。
"「1人だけど 独りじゃない」"
とてもUNISON SQUARE GARDENを表す言葉だと思います。
彼らと僕らの関係性を表現すると、まず自信を持って永劫他人です!と言えるんですけど。
それは無関係って意味合いじゃなくて。
お互いに依存しないし、音楽やライブを通した場面以外で交わることはきっとないんだろうけど。
それでも確かな縁はあって、とても見えにくい小さな繋がりは生まれている。
今、この場にいるのは自分ただ1人。それを誰にも邪魔されない至福の空間がここにある。
でも、それらを構成するのは1人じゃない。
至福の空間がたくさん連なって、UNISON SQUARE GARDENというバンドが出来上がっていくのだとすれば、名前も知らない人たちとの繋がりは確かにあるのだから。もちろんメンバー3人とも。
そこに孤独感は生まれないし、存在するのは"ちょうど良い温度感"だけ。
隣の彼も、遠くにいる彼女も…異なる楽しみ方をしていても受け入れてもらえるし、受け入れられる。
みんなの様々な幸福で満たされているのが、UNISON SQUARE GARDENの音楽だと思うので。
人生でどれだけ孤独感を感じても、何とか乗り切れそうな気がしてしまうんだよね。
ライブでも長らく出会えてなかったんですが、「サイレンインザスパイ」と同じく、「ACCIDENT CODE "R"」でようやく聞くことができて感無量でした。
アルバムとしては「サイレンインザスパイ」→「シューゲイザースピーカー」が最強だと思っているんですが、ライブとしては「サイレンインザスパイ」→「何かが変わりそう」も最高だったので、隙あらば披露して欲しいですねぇ。
ラストや「ようこそ!」枠でも、良い感じで機能しそうなので、色んな場面のライブで見ていきたいと願っております。
ロックな方面とはまた逆の方向に突き進んでいるのが、今回のシングル枠の特徴ではあるんですが。
この「harmonized finale」もピアノのメロディが印象的な、どちらかといえばバラード調の曲となっています。
ただ、それが不思議と違和感なくて。
方向性が真逆だからこそ、お互いを引き立てる要素が生まれているところがまた絶妙な関係性ですよね。
"finale"という言葉が使われていますが、どちらかといえば終わりに対する名残を歌ったような曲なので、アルバムだと中盤に位置づけられています。
ライブでも序盤や中盤に登場することが多いので、バンドとしても"終わりの幕開け"みたいな立ち位置になっているのかもしれませんね。
この曲は僕がユニゾンを知るきっかけとなったアニメ、「TIGER &BUNNY」の劇場版の主題歌にもなっており、シリーズとして一旦の幕引きをイメージした歌にもなっています。
それに派生した人気曲「I wanna belive、夜を行く」もシングルのカップリングとして収録されていますが、僕個人としてはあくまでタイバニといえばオリオンに次いでこの曲!と思っています。
当時は進路関連で映画を見ることは叶わなかったけれど、シリーズの一区切りとリンクして、未だに自分のなかでは特別な曲のひとつですね。
別れを連想させる歌詞もあるんですが、斎藤さんや田淵のライブでの笑顔を見ると、きっと前向きな別れなんだろうな…ということも連想させられます。
ピアノ中心で構成されてるのは「mix juiceのいうとおり」と同様なんですが、異なるのはギターサウンドも負けずに主張していること。
特にラスサビ前は、ギター中心の音に構成が変わり、ロックバンド然とした姿を見せてくれるのも非常に印象的です。
あと紹介したいのは歌詞について。
個人的に人生の座右の銘にしたいぐらいの言葉があって。(長すぎるから多分しないけど)
"立派にキレイに見えるように飾ったら 立派にキレイな答えが 出るけれど 大層な虚栄心に満たされる方が怖い 描く景色を気安く壊すな"
見栄えばかりを整えて、自分だけが満足感を得ることはとても簡単なことだと思います。
でも、それじゃ大事なものが見えなくなる。
自分が求めているものは、安い自己満足じゃなくて、夢や目標を叶えることのはず。
そのために失敗やミスはたくさんするかもしれないし、やめたくなるかもしれない。
でも、それを避けてたら、一生自分のやりたいことは叶えられない。
本当の意味で夢や目標に向かっていくためには、逃げずに取り繕わないことも大切なんだなって教えてもらいました。
ちょうど初参加のツアー「桜のまえ」の頃に発売したシングルなので、運良くライブでも聞くことができました。
ただ、それから軒並み大事なライブな参戦することができなかったので、それ以来めっきりライブで出会うことがなくなってしまいました。
「桜のまえ」時は充分に聴き込めていなかったので、しっかり堪能できることなく15周年を迎えたのですが、昨年の「プログラム15th」でようやく再会することができました。
そのまままさかのトリビュートライブでの1曲目にパスピエとのコラボで聞くことができたので、当時はホントに目が点になりましたね…。
生ピアノで聞ける唯一の「harmonized finale 」だったので、これに出会えた僕は幸せ者だと思います。
リクエストライブでも上位に入る人気曲なので、ぜひ今年も乱発して欲しいですね。
10.天国と地獄
この「Catcher In The Spy」のリード的存在の曲ですが、この曲は思い出がありすぎて…どこから話せば良いのかわからない部分もありまして。
とりあえず出会いから話せば、ふとした瞬間に上がっていたYouTubeで公開されたMVを見たことがきっかけでして。
今回の記事で再三出ている就職関係の息抜き程度に見ようとしていましたが、そのカッコ良さに度肝を抜かれたのは今でも覚えています。
今までこんな尖ったMV曲はそれこそ「マスターボリューム」ぐらいしかなかったし、シンプルに研ぎ澄まされた「マスターボリューム」に対して、色んな工夫が加えられてるのに遜色なくカッコ良くなっているのは自分にとってある意味で衝撃でした。
それこそユニゾン特有の音の掛け合わせを維持しまま、ゴリゴリのロックを生み出した状況は、まさに彼らの新境地を垣間見たような。率直に言ってワクワクしました。
特に前奏のメロディの事件が巻き起こった感じと斎藤さんのクールなシャウト…これだけでご飯10杯はいける。(31杯目)
カッコ良いのはもちろんなんだけど、全体的にオシャレなんだよなぁ…。
オシャレといえば、我らが斎藤さんの髪型の変化が1番激しいMVでもありますよね。
初期が茶髪パーマで、現在が黒髪ストレート…大体がこの2択なんですが、この時だけはツーブロック気味の茶髪という珍しいスタイルでした。
正直どちゃくそに好みなので、またやってくれないかなと密かに願っております。
まあこのまま思い出として浸っておくのも全然ありなんですけどね。
今だから言える話なんですが、当時あまりにもカッコ良さに頑張って髪型を真似しようとしていました。全然再現できてなかったけど。
やはりあれは斎藤さんのカッコ良さありきで成り立っているものなのか…。
ライブではもはや語る必要もないぐらいの定番中の定番曲となっていますね。
ツアー以上にフェスの必殺武器として重宝されてる感じはあるかもしれません。
ライブにおける「天国と地獄ぅ!」から始まるアレンジもめちゃくちゃにカッコ良いし、ラスサビ前の「OK,people one more time?」はそれだけでご飯5杯は固いです。(36杯目)
そりゃ菅田将暉も魅了されますよ。
多分向こう10年もライブの武器として機能していくと思うし、長い付き合いになるからこそ大事に愛していきたい曲ですよね。
最近はあまり披露されていないし、そろそろライブで登場するかな…と思っていますが、どうでしょうね?
11.instant EGOIST
アルバム収録曲としては、おそらく最終章の幕開け的な立ち位置にいるのがこの曲だと思われます。
少々肩の力を抜いたメロディながらも、どこか一歩線を引いたような歌詞からは、徹頭徹尾揺るぎないこのアルバムで表現したいロックンロールを感じることができます。
ロックンロール=自由と捉えるならば、自分だけの空間な何をしようが邪魔されるべきじゃないし、余計なことは考える必要がないという彼らの哲学が垣間見えています。
そして、このバンドの最も素敵な点はそれを押しつけないこと。
あくまでひとつの考えとして提示している過ぎないからこそ、自分で選んで受け入れられるんでしょうね。
だからこそ、自然な流れで"EGOIST"になることができる。
"せいぜい明日もがんばって"
とても彼ららしい言葉選びだと思います。
ラスサビ前のメロディには、「23:25」のタイトル読みのヒントが隠されてるらしいけど、未だにそれがわかってないんですよね。
ただ、"Hey,session〜"とギターのメロディの回数がリンクしていることを知ったときは鳥肌立ちました。
ライブとしてはこの曲も長らく出会えてなかったんですが、偶然テレビで見た「バズリズムライブ」の1曲目に披露されていて、とてもアガったのが記憶に新しいですね。
アルバムツアーではEN1曲目に登場していたし、幕開けの曲としてのポテンシャルもとても高そうです。
その後無事に「プログラム15th」で出会うことができたので、しっかり楽しむことができました。
12.黄昏インザスパイ
このアルバムを締めるのがバラードなんて、一体誰が予想したでしょうか。
聴いた当時は僕も少々面食らってしまいました。
でも、様々な側面からのロックンロールを見ることができたからこそ、こんな終わりもありだなって思えるところがCITSの魅力なんでしょうかね。
事件だらけの人生のなかで、ホッと息をつける瞬間…そんな風景を僕の脳裏には浮かんでしまいます。
"今日が辛いから 明日も辛いままだなんて思うな"
"大切な事 早押しでも三択でも答えられない"
"負けない どうせ君のことだから"
人生で疲れたときほど、忘れかけた大切なことを教えてくれる曲でもあります。
僕も何度この曲に救われたか…聴けば聴くほど噛み締めて、色んな感情が駆け巡ってしまうぐらいに。
ライブで印象的なのは、「プログラム15th」で黄昏とともに披露されたこと。
野外での特性を最大限に活かした演出は、思わずに泣きそうになっちゃうぐらい素敵でした。
最近のトレンドでいえば、「LIVE HOLIC」の配信ライブで、斎藤さんがこの曲をソロで披露していましたよね。
あのライブは名場面ばかりでしたが、UNISON SQUARE GARDENとして見るなら、間違いなくベストシーンだったと思います。
これから何度もこの曲に、そしてこのアルバムに救われていくんでしょう。
苦しくなったら、深呼吸の3秒間。それさえ忘れなければ何とか生きていけそうです。
以上珠玉の12曲を紹介していきました。
総合力なら他のアルバムに軍配が上がるでしょうが、ロックに曲振りしたからこそ、新たな地平線を見せることができる作品に仕上がっているんじゃないかと思います。
前作「CIDER ROAD」も含めて、音楽性を研ぎ澄ませたからこそ、これ以降の作品ではさらに進化した彼らを見ることができます。
陽に当たることは多くないかもしれませんが、これからも僕の1番好きなアルバムであることは変わりありません。
ひとつだけ心残りがあるとすれば、アルバムツアーに参加できなかったことでしょうか。
いつかのどこかで復興ライブなんてのも期待しているので、またライブができる世の中になれば、色々と企んで欲しいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
このブログは自分のために記事を書いていますが、今回はそれを特に極めて、自由に楽しく書くことができました。
次回以降もこんな感じで、自由にゆる〜く頑張っていこうと思います。
では、今日はここまで。