ナツノヒ

UNISON SQUARE GARDENについて色々触れちゃうブログです。語彙がないから複合技でお送りしております。

Cheap Cheap Endroll

今日はユニゾンの頭脳こと田淵智也さんの誕生日ですね。

せっかくなので、僕も何か残さないかと思い、ひとつ文章を作ってみることにしました。

まあ内容はあまり関係あるものではないけれど。


前回の「フルカラープログラム」に続き、今回も曲についてのお話です。

取り上げるのは「Cheap Cheap Endroll」、"君がもっと嫌いになっていく"なんてストレートな歌詞から、フェスなんかのユニゾンを知らない人向けの武器としても使われる曲ですね。


2分15秒という短い時間のなかで、大半が意味がわからない歌詞なんだけど、前述のサビの強烈さがやけに衝撃を受けてしまう…そんな曲ですね。

収録されているのは6thアルバム「Dr.Izzy」、あの「シュガーソングとビターステップ」も入っている2016年に発売された作品です。

シュガビタのパワーが余りあるゆえ、それに負けない曲たちで彩られている名盤ですね。(宣伝)


そんなユニゾンの曲としては比較的若く、ファン以外には決して有名ではない曲…それをどうして今回選んだかといえば。

答えは至極単純です。曲の知名度に反比例して、やけにライブで出会う頻度が多い曲だから。要は縁があるってことですね。


最初の出会いはツアー「Dr.Izzy」、確か最近B面ツアーで行った神戸のこくさいホールでのライブだったろうか。時期的には12月ぐらいかな。


それまではアルバムのおまけ曲みたいな印象しかなかったけれど、本編のラスト前に演奏されたこの曲はやけに楽しかった印象しかなくて。

ひたすらに"君が嫌いになっていく!"って大きな声で叫んでいた記憶が。


そんなライブで楽しかった思い出をひっそりと心にしまいながら、決してメジャーな曲ではないので、次出会うのはだいぶと先だろうと予想していた。

けれども、再会は意外と早く訪れてしまうんだよなぁ。



その年の年末に大阪で行われた「RADIO CRAZY 2016」、初めての冬フェスへの参加だったが、UNISON SQUARE GARDENはLステージの大トリを任されていた。

ライブ自体は安定のパフォーマンスで行われ、いつもの様に楽しい時間は終わった。


ただフェスとはいえ、アンコールというのは存在する。そして、ユニゾンのアンコールというのは、みなさんご存知の通りとてつもなくクールに行われる。


オーディエンスのまばらな拍手に合わせて登場すると、誰がしゃべることもなく、各々の楽器を手に持ち音が鳴り始める。

…勘の良い方はもうお気づきだろう、彼らがアンコールに選んだのが「Cheap Cheap Endroll」だった。


一言も喋らずにひたすらに演奏し、客席を盛り上げるだけ盛り上げて、「バイバイ!」の言葉だけで帰っていく。

今じゃ当たり前の光景だけど、当時はまだまだ珍しかったので。


せっかくお客さんから求められたアンコールに、"君がもっと嫌いになっていく"なんて尖った歌詞を残していく。

さすがに僕もポカーンとしていたし、せっかくならもうちょっと楽しい曲をやった欲しかったと不満もあった思い出が。(もちろんべらぼうに楽しかったのは確かだけど)


その3年ほど前の「イナズマロック2013」では、もうちょっと愛嬌のある(語弊はある)MCを見ていたので、それもあって面食らってしまった感じはある。

それが今じゃ心地よく感じるなんて、慣れっていうのは恐ろしいものですな。



そんな少々突発的かつ間隔の短い(本当に3週間ぐらい)の再会を経て、さすがにしばらく出会わないだろう…と謎の確信をもっていた25歳の僕よ。

その考えは死ぬほど的外れだぞ⭐︎


ていうか何なら26歳にもならないうちに出会った。


「RADIO CRAZY」でも大変にお世話になっている「FM802」、ロック好きには縁深いラジオ局だと思う。

その802が毎年企画している「REQUESTAGE」というライブイベントがある。


このイベントは「ROCK KIDS 802」という番組で事前に出演アーティストを発表し、番組内でライブで聞きたい曲を受け付けるという何とも熱い企画だ。

2017年のライブにユニゾンが出演するということで、職場の先輩に誘ってもらい、僕も参加することができた。


このときのライブでは珍しくユニゾンがトップバッター、演奏順は発表されていなかったので、会場のざわつきは今でも記憶に残っている。

演奏されたのは、「桜のあと(all quarters lead to the?)」、「シュガーソングとビターステップ」、「mix juiceのいうとおり」、「天国と地獄」、「オリオンをなぞる」…2017年4月現在ではそうそうたる面子だった。


斎藤さんもMCで「YouTubeの再生回数に比例してました!」なんて言っちゃうぐらいの人気曲で占められた、ユニゾンとしては珍しいセットリストになっていた。

当時は配信限定とはいえ、「Silent Libre Mirage」が新曲で物販でも流れているぐらい推していたが、ライブでは演奏されなかった。

それぐらい徹頭徹尾しっかりしたセトリなっていた。


僕も「これでシャンデリア・ワルツが入れば完璧だな…」なんて、のんきなことを考えているぐらい、綺麗なセットリストになっていたんだけれども。

事件はここで起こる。


この「REQUESTAGE」は持ち時間が短いゆえに、大体のアーティストが多くて5曲ぐらいで終わる。もちろんMCやパフォーマンスも含めて。

そして、大概が人気曲や新曲を披露して、ファンに寄り添った選曲で盛り上げてくれていた。


ニゾンも例に漏れず人気曲を中心に披露してくれていたが、MCよりも演奏に時間を割くので、他アーティストよりも多めの6曲の披露となって。

オリオンをなぞる」が終わり、お決まりの斎藤さんの「ラスト!」で最後の曲に移る。


勘の良い方はお気づきだろう(2回目)…そう、ここでも「Cheap Cheap Endroll」と出会ってしまったのだ。

当時はひたすらに楽しいだけで終わったライブであったが、今思い返すと少々ひいてしまっている。


それこそ武道館の映像がまだ新しい時期だったから「シャンデリア・ワルツ」だったり、日比谷の映像も残っていたので、「場違いハミングバード」なんて手もあった。


曲の時間が短くて入れやすいからといって、王道なライブを"君が嫌いになっていく"という言葉で終えるバンド…うん、今世紀最大に捻くれてるね。


方々の様々な知識を借りて、ユニゾンを深く知ることができたからこそ、このチョイスには彼らのニクいぐらいの信念が垣間見えて何とも楽しくなってしまう。


そんなこんなで半年で参加した全てのライブで出会ったのは、主要曲を除けばこの曲だけという、何とも奇妙な状況になってしまったのだが、この時点では「もしかしてライブの定番曲になるのかな…?」なんて確信にも似た予想を持っていた。


25歳の俺よ、その予想は当たるぞ。

というわけで、ほぼ1年経った2018年、再びこの曲と出会うことになります。


2018年5月2日、お連休前のこの日、大阪のフェスティバルホールで久々に彼らがライブをしてくれた。

7thアルバム「MODE MOOD MODE」のツアーがこの日行われた。


このツアーはとにかくセットリストが最高に良かった。

新旧の曲が入り混じりながら、相乗効果で一つの作品として、とてつもない魅力を発揮している。

会場の素晴らしさも伴って、この日のライブは格別に良かった。


特にアンコールは、「春が来てぼくら」→「10% roll,10% romance」という新旧ツアーの最新シングルという並びが、今見ても心地よい。

そんなライブのなかではあるが、アルバムに収録されている「夢が覚めたら(at that river)」は披露されておらず、バラードゆえにこの時点ではライブでやる可能性はゼロに近かった。


そのなかでの斎藤さんの「おまけ!」が会場に響く。

一体どんな曲が最後なんだろう、僕は期待で胸が膨らんでいた。

「シャンデリア・ワルツ」「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」「天国と地獄」…考え得る限りのライブ映えする曲を頭に浮かべていた。


そのなかで披露されたのは、まさかまさかの「Cheap Cheap Endroll」…正直内心ズッコケたのはここだけの話にしてください。

数ある曲のなかで、しかもやけにラスト付近で出会う。

ここでちょっとだけ笑ってしまった。


とはいえ、アンコールラストにピッタリな曲があるかと聞かれれば、そんなに思い浮かばない。

やけに出会う頻度は多いけど、アルバムツアーでラス前だったことを考えれば、この配置は以外と適当だったのかもしれないと思う。


ちなみにこの枠は2パターンあって、「アイラブニージュー」になったライブもあるけど、この後行った7月の大阪城ホールもラストは「Cheap Cheap Endroll」でした。

どんだけ縁あるの…。



そんな感じでほぼ1年に1度出会ってるんだけど、2019年もトリビュートライブでthe pillows山中さわおさんが歌う「Cheap Cheap Endroll」を聞くことができました。

…いや、めちゃくちゃ嬉しいけど、どんだけ俺の前に現れるの!と内心ツッコミを入れておりました、



2020年はもしかしたら出会うことはないかもしれないけど(このご時世だし)、決してメジャー曲じゃないのに、これだけ頻繁に出会う曲に縁を感じないわけなくて。

思わずこの日に文章にしてしまいました。



"君がもっと嫌いになっていく"なんて言ってるけど、じゃあその"君"っていうのは誰なのか。

少なくともこのユニゾンの音楽に傾倒してる僕らではないような気がしていて。


歌詞のなかにあるように、"偉そうなやつ 勘違いなやつ"だったり、逆に敵になったらワクワクするような…そんな人生において不必要な人なんじゃないかと思う。


あくまで個人的な思いだけれど。

彼らが声高に"君がもっと嫌いなっていく"って叫んでくれるからこそ、僕の人生のなかでの"わからずや"に心の中で同じ言葉を浴びせられるような気がしている。


シュガーソングとビターステップ」だったり、「天国と地獄」だったり、「桜のあと(all quarters lead to the?)」だったり…定番曲と同じくらい出会う頻度のあるこの曲。


もしかしたら、僕が生きる上で大切なことを教えてくれているのかもしれない。

確かにこの曲を歌ってくれると、心の奥からスカッとすることが多い。


それは自分が言えない"何か"を彼らが代弁してくれているのだろう。

それだけでどこか救われてしまう僕は、きっと意味があって、この「Cheap Cheap Endroll」と出会っているのだと思う。


まだその理由は言葉にも、文字にもできないけれども。

サビのあの一言は、人生の上で僕にとって大切な言葉ではあるので。


いつか力を借りずとも、ストレートじゃなくても言ってみたい言葉ではある。自分が強く生きるために。

次この曲に出会うときには、胸を張って隅から隅まで聞けるように。

自分らしく生きてみたい。そう改めて思うことができた。


そういった意味でも、知らぬ間に自分自身が救われている曲なのかもしれない。

この"縁"を大切にして、人生がより良くなるように…胸にこの曲を秘めて生きていたいと思う。